恩田陸のレビュー一覧
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ネタバレ面白かった~!
もう最初っから引き込まれてしまった。
核になる人物2人の情緒が不安定なもので、深読みしようとするとミスリードされてしまう。
にしても、美人でエキセントリックな画家の倫子。
画家としての才能には溢れていたかもしれないけど、人としてはサイテー。
周囲を振り回し過ぎるし、我が子をすら愛しているようには見えない。
これは子どもからするときついな。
極度に人間嫌いだったはずの倫子の遺書が25年ぶりに発見されて、指定された人物に指定された絵を届ける倫子の息子に、成り行きから同行することになった万由子。
そこで出会う人たちも腹に一物あるようで、人の記憶を感じ取ることのできる能力を持つ万由 -
Posted by ブクログ
「三月は深き紅の淵を」から始まる、水野理瀬が登場するゴシックホミステリー。
ある英国貴族の屋敷に招待客が集められた。
表向きは主人の誕生日に伝説の聖杯を披露するとのことだが、裏では主人に対する脅迫が届いていた。
その屋敷には英国留学中の水野理瀬も招かれていた。
彼女に対して、この家の息子アーサーは彼女に対する警戒心を強めていた。
一方、世間では胴体だけの死体が遺跡の列石に置かれていた死体遺棄事件で話が持ちきりだった。
しかし、それを模した状況の死体が屋敷の林で見つかった。
しばらく恩田陸の小説から離れていたが、登場人物たちの探り合いのミステリーが恩田陸の真骨頂だと思う。
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Posted by ブクログ
作家の筆で描き出される目の前の風景を味わうのが、紀行文を読む楽しみ。
人によって旅の目的はさまざまであり、興味の対象、目に留まるものもそれぞれ違うことが新鮮である。
旅という異界の中にちょっとずつ自分を置いてくるという。自分のかけらは今も異国の地にあるという夢見るような感覚は、行った人でないと分からないのだろう。羨ましいことだ。
付録として、恩田さんの愛読する「旅の本」の紹介、土地ならではの地霊を感じて書かれた恩田さんの作品の紹介も載っている。
これからの読書の案内にもなる。
『ロンドンで絵を買う』
同行者から「イギリス児童文学の挿絵を専門に扱っているギャラリーがあるのでそこに行きたい」と言 -
Posted by ブクログ
早速ですが質問です。あなたは、次のどちらを選ぶでしょうか?
『A. 八〇万円もらえる。
B. 一六〇万円もらえるが、五〇パーセントの確率でゼロになる可能性がある。』
いかがでしょう?私なら『A』を選ぶような気がします。『八〇万円もらえる』ことが確約される方が良いかなあ…と。では、次の質問はどうでしょう?
『A. 八〇万円損する。
B. 一六〇万円損するが、五〇パーセントの確率で損失ゼロになる。』
さて、どうでしょうか?先ほどの質問と似てはいますが、今度は『A』を選ぶと『八〇万円損する』ことが確定してしまいます。う〜ん、これはなんだか『B』を選びたくなってきます。一か八か