あらすじ
小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあった姉妹、少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年…。そして驚愕のラスト!
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Posted by ブクログ
丘の上にひっそりとたたずむ家。
幽霊屋敷とも呼ばれていて、過去に凄惨な事件や事故が多発していた。
語り手が変わりながら物語が進むゴーストストーリー。
私はホラーが苦手な方だが、リタイアすることなく最後まで楽しめた。
喋り口調で進むお話が多くてテンポよく読める。
家に住み着く幽霊たちがリフォームにやってきた大工の手伝いをする場面が面白かった。
幽霊は悪い奴ばかりじゃないし、幽霊よりも人間のほうがよっぽど怖い、と不動産屋と大工の掛け合いを読んで感じた。
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「私の家では色々起こるけど私が気にしてない話」By友人
恩田陸らしい静謐さと感情の表現×館ホラー(ホラーだよな?)で面白かった。
以前オススメして貰った館物とはまた違うけど、外国の田舎の古い屋敷って良いよね。絶対何か出るだろっていう暗い雰囲気。湿気を感じる。
湿気を感じるのって世界共通なんだろうか。
電気の通ってない暗い部屋、遠くで水の滴る音がしたら、何となく不気味。
水の滴る音って、場所によっては清涼に感じるのにな。不思議。
最初の作家の先生の話と、大工さんの親子と幽霊の話が好きだった。
嗚呼でも姉妹の話も寓話ぽくて良かったし、床下の女の子の話も可愛かったな。
薄くて寝る前にサクサク読めそうな所も気に入ったし、いっそ絵本にして欲しいな。
面白かったです。お勧めありがとう。
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読み進めつつ、なぜかあの頃読んでいた海外の児童文学が思い出された。解説を読んでちょっと納得。
後味が微妙だったり、ぞわっと不気味さの残ったりする話もありながら、単に怖いだけでは終わらない、不思議な親しみやすさがあった。
屋敷のリフォームをした職人の話が特に好き。
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丘の上にある古い洋館を舞台にするホラー作品。ホラーだが、怪奇現象の類いというよりは人の狂気が怖い。
幽霊屋敷と言われるその家では、殺人事件や自殺などで多くの人が死んでいる。亡くなった方たちの狂気じみた歴史を辿る物語。
じわじわと凍りついてくるような描き方で、謎解きをしているような気持ちにもなり、どんどん先が読みたくなる本だった。
デジャヴは過去に幽霊が体験した出来事、という解説対談のエピソードもおもしろかった。
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丘の上に建つ幽霊屋敷に関わった人たちが語り手となり、私達を恐怖に陥れる連作短編集。
キッチンの床下。我が家にもあります。ビン詰めも保管してるけど…あんな恐ろしい物は置いてません(TT)
夜になるとどこからともなく聞こえてくるズルッ、ザザッ、ズルッ、ザザッという「這う奴ら」の音。
今夜聞こえちゃったらどうしよう(+_+)
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何も起こらない、はずもなく。起きまくり。死にまくり。なんだか語り口が温度感じなくてゾワゾワする〜〜〜
印象に残った話
◯私は風の音に耳を澄ます
…食糧庫に誘拐した子どもを閉じ込めて、瓶詰めにして調理する話。
◯あたしたちは互いの影を踏む
…大女の姉妹、何かに取り憑かれ、アップルパイを焼きつつ殺し合い。
◯俺と彼らと彼女たち
…霊感大工親子。強い(笑)歴代お化けたちがなんだかおちゃめで可愛らしかった。
幽霊は、思い出と似ている。
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恩田陸のホラー。たしかに何も怒らなかった。何も怒らなかったけど、怖い。すごいな。何かが起こるわけでもないのに怖いって。筆力がありすぎる。起こった何かにフォーカスするというよりも、その場所で起こったあれこれを掘り下げていくという意味ではちょっと小野不由美の「残穢」っぽい感じもあるかも
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丘の上の“幽霊屋敷”を舞台にした連作小説。
怖い!!あらすじをよく読まずに買ってしまったので、ミステリーだと思ったらホラーだった。それを抜きにしても怖い。
殆どの話が語り手の台詞のみで進行して行くので、まるで自分に語りかけられているようで不安な気持ちになる。
読後の何とも言えない浮遊感というか酩酊感はさすが恩田さんの作品。
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「幽霊屋敷」と噂される小さな丘に佇む古い洋館を舞台に起こる恐怖を扱った連作短編集で、タイトルに反して様々な幽霊が出てきたり、こちらに語りかけるような文体が不気味だった。また作者の「幽霊屋敷」の捉え方に「成る程」と感心した。
Posted by ブクログ
かなり好きな小説。恩田陸さんはあまり読んだことがないけど、この小説はとてもいい。中学生のころ、夜遅くに仄暗い部屋の勉強机でこの愛すべき幽霊屋敷にまつわる物語を読んでいたと気に感じていた、「背後に何かがいたらどうしよう」とぞわぞわしていたあの感覚を忘れない。毎話語り手が変わるので、気負わず読めると思う。中学生になった妹に朝読書用に勧めておいた。
Posted by ブクログ
初の恩田陸作品。
勝手なイメージがありましたが、ホラー書ける人だったんですね。
好みのテイストでした。
丘の上の家が主人公といってもいい。
家が何かするわけではないけれど、強烈にひかれるものがあるに違いない。
不気味さがあって、謎も多くて、でもやはり怖いのは人間かな…
って思うとラストがね。
家に取り憑かれているんだろうか。
大工さんの話、いいですよね。
Posted by ブクログ
一つ一つお話が短いので非常に読みやすかったです。
内容はなかなか不気味。亡くなったお祖父さんに、子供の肉食べさせてた(口に詰め込んでいた)のが1番ゾッとしました。
好きなのは大工さんのお話。幽霊屋敷に住む幽霊と結託してちゃんと仕上げるのがよかった。
夏にサクッと読めるホラーでおすすめ
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小さな丘の上に佇む古い洋館。
そこに住む小説家。
二段重ねのこじんまりしたケーキのような家は、遠目には結構愛らしい。2階の小さな破風、1階の小さなポーチ、明るいキッチン。静かに暮らすこの家には たびたび客が訪れる。今日の午後も男が1人やってきて、小説家にたずねる。「どうしてこんなに古くて不便な家を買い取ったのか?」と。訪問客はみな「なぜ?」と聞く。「『何か』をみたことはないか?」と聞く。2階の窓で、ポーチで、キッチンで。
_どうやら この家は『幽霊屋敷』として有名らしい。
各章で語られる 洋館で起きた過去の凄惨な事件や 不思議な出来事。読み進めていくうちに 本当に怖いのは幽霊なのか 生きている人間なのかわからなくなる。
『私の家では何も起こらない』
そう。何かを起こすのはいつも生きている人間のほうなのだ。
ズルッ、ザザッ、ズルッ、ザザッ。
なぜ泣く?
何に怯えているんだ?
え?
聞こえる?
引きずるような音?
壁の向こうから?
聞こえるのか?
おまえには、ほんとうに奴らの音が。
そこに穴がある。
そこから何かがみえるなんてことは………。
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ずば抜けての怖さがある訳ではないですが、全部のお話がゾワッとして、幽霊的な怖さと人間的な怖さの両方を感じられました。
読んだ後、じわじわ怖くなり、目を瞑ると光景が浮かんでしまいました。
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短編小説のかたちである幽霊屋敷の話しが語られる
キッチンでアップルパイを焼きながら殺し合った中年の姉妹
子どもをさらって主人に食べさせていた料理女
自殺した殺人鬼の美少年
などなど 映像化されたらかなり面白いのではないかと思った
Posted by ブクログ
丘に佇む洋館には、さまざまな幽霊が住んでいる。その、幽霊にまつわる連作短編って感じ。タイトルが良い。私の家では何も起こらない。てっきり、何も起こらない=幽霊はいない、なんて図式を勝手に作っていたので、読み始めてそういうことか、と。怖い話もさることながら、見える大工親子が幽霊たちと家を修繕していくほっこりエピソードが1番良かった。
Posted by ブクログ
面白い、とは思うが…
読み手の想像力をかなり要する作品。
が率直な感想。
洋館の歴史というか記憶というか。
人類が栄え、いつかは必ず死ぬ生き物。
そこらじゅうで死んでた可能性はあるし
なにが幽霊屋敷なのか。
どの建物、土地も知られてないだけで
いわくはあるものだろう笑
会話形式で話が進んでいたからだろうか
誰が何を話しているのか
難しかった笑笑
そこを考えるので
また脳ミソつかうのがしんどかったかなぁ。
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小さな丘に佇む古い洋館でおきた?
おきている全て重なり合うお話しだと
読み進めていくとわかるが、
ちょっとちゃんと理解して
読まないと『???』となる。
Posted by ブクログ
丘の上にある幽霊屋敷に住んでいた人たちの物語が短編小説で書かれている。
私は相変わらず、短編が繋がっているタイプの本が好きだ。
幽霊に近いのは「思い出」である。
過去の様々な出来事によって沢山の幽霊で溢れてしまった幽霊屋敷。
全体的な印象として、人が死ぬ様にあえて少しグロテスクさを足しているのが蛇足だなあと思った。
人の肉を食べさせる理由が書かれていなくて、人食について書きたいだけなのかなあと思ったり。
生まれて間もない子供を抱き抱えて転んで殺してしまったり。そういう人がワンランク不愉快になりそうな死に方を意図して書いてるのが透けててちょっとくどいなあと思った。
1人目に出てきた作家と、大工さんの章で出てきた作家と、最後の方に出てきた作家が全員違う人だとしたら一体どれくらいの年月が経っているのだろう………
Posted by ブクログ
ある家について、それぞれの時代の人々が一人称で語る短編集。
語りなので途中読みにくいところもあるけれど、最初の表題作で慣れるとすいすいといける。
この家では何も起こらない。確かにそう。確かにそうだけれどもタイトル回収でこんなにゾワっとしたのは久しぶり。捻る事なくすんなりそのままで受け取る。上手いのは此処で語られる内容がその後の話に関係している事。答えが想像できてしまうから怖くもなるしその先もあるからさらに怖い。
特に好きなのは
私の家では何も起こらない。
私は風の音に耳を澄ます
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怖いというよりも、気持ち悪さが勝ってしまった。。あからさまに気持ちの悪い描写があるわけではないんだけど、『殺戮にいたる病』の読後感に似たような感じで…ちょっとしんどかったです。。
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幽霊屋敷と呼ばれる家で起こった過去と現在の話。恩田さんらしいこの空気感が癖になる。紡がれる人間の怖さと残酷さ、馴染む幽霊、淡々と進む不気味さ、に包まれこちらまで不穏で温く冷たい空気が届くよう。やはり1番怖いのは人間よね、と思わざるを得ない。
Posted by ブクログ
好きな感じの本。
ある一軒の家で起こる出来事を描いた短編連作。
固有名詞が何も出てこなくて想像力を掻き立てられるのがいい。外国の児童文学みたいな。ホラー味があることもあいまって「モンタギューおじさんの怖い話」を彷彿とさせます。
途中、…ん?どの話と繋がってるんだ?っていう、ちょっと難解なお話もあったけど、まあそれも御愛嬌。
装丁も好き。厚みも良い。
タイトルから、冴えない主婦の日常に起こった不思議な出来事…!!みたいな話を想像してたのは、内緒(笑)
Posted by ブクログ
丘の上に建つ幽霊屋敷にまつわる短編集。
暗くて静か。不思議で心がざわざわする。読んでるとじわーっと嫌な感じが広がる。そんな怖さの本でした。
大工の親子が強くて好き。
Posted by ブクログ
恩田さんの作品は太字の出現にゾワっとする。今回もそうだった。
ほぼ1人語りの物語がこんなにも不気味なのかと感じた。輪郭のぼやけたじっとりとして、だけど後味はサラッとしたホラー。