恩田陸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
初めての恩田陸さん。
友人複数人から勧められたのでこちらでデビュー!
表現力に圧倒された。
言葉で映画を観たような感覚。
物語自体は少々複雑で、
完全に理解は出来てないんだけど、
(こことここが繋がってたのか!)
(だからこうだったのか!)
と気づく瞬間も楽しかった。
何より、読書でここまで情景が浮かんでくるのは久しぶりの体験で
いつの間にかこの物語の中に自分も入ってしまったよう…
キーワードが後々どんな意味を持ってくるのか
考えるのも謎解きみたいで新鮮だったし、
純粋に2人の時代を越えた愛も楽しめた。
久しくここまでロマンティックな話に触れていなかったのもあって、照れくさくなる場面 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読むタイプの小説。
読み始めは理解に苦しみました。登場人物の「M」と「T」。その二人が自分(語り手)なのか、作者なのか、新聞記事の2人なのか、大学の友達なのか分からない。場面がくるくる変わり、語り手が誰なのか分からず混乱しました。「1」「(1)」「0」の意味がわかると、あぁ、なるほどね、と納得。作者が新聞記事を見つけてそれを詳説にしようとする過程が描かれているけれど、その話が演劇になったのか、オーディションをして、羽が舞うシーンを再現しようとするけれど、その演出を実際に見てみたいと思った。この小説、ちゃんと感想文として書くのは難しいと思う。又吉直樹さんに解説してもらいたいwww
でも、再 -
-
Posted by ブクログ
大好きな作品『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ。
登場人物の出会いや本編後の姿が描かれており、原作のファンであれば一読に値するだろう。この作品を含めてようやく『蜜蜂と遠雷』が完結したような気がした。
どれも本編の解像度を上げてくれる美しいエピソードばかりなのだが、明石の話も読みたかったと思った読者は多いはず。
恩田氏がいつの日か書いてくれることに期待したい。
以下、各章のあっさりとした感想。
『祝祭と掃苔』
塵・亜夜・マサルの天才トリオによる墓参り。
亜夜とマサルを繋いだ綿貫先生は影のMVPだと心底思う。珍しく年相応の姿を見せる三人だが、やはりピアノ談義を始まると話が終わらなくなる辺りが奏者らしく -
購入済み
ほんと、恩田陸は芝居などの情景描写がうまい。同じ作者の「チョコレートコスモス」では演劇を、「蜜蜂と遠雷」ではピアノコンクールを、そして本書ではバレエを題材にしている。私は演劇もバレエも見ないし、クラシック音楽は好きだけれども生のコンサートは行ったことがない。それでも、それぞれの著作を読んでいると、まるで目の前で演劇の舞台が繰り広げられ、あるいはピアノが鳴っている様に感じる。本書でもスポットライトを浴びたダンサーの跳躍や優雅な腕の動きが見える様だった。
-
Posted by ブクログ
20年前の小説とは思えないくらい、今読んでも古いと感じない。最初は奇妙な感じから、だんだん不気味というか怖ろしくなっていく感覚が何ともいえない。
最初は何が起こったかわからないところから、だんだん分かってくるけれど、なかなか情報が結びつかない。
当日の事件?事故?で亡くなった規模もさることながら、その後に亡くなっていく人々の多さにも驚愕。死因は分かっても、何が原因で亡くなったか分からないって、本人も嫌だけど、家族も怒りのぶつけどころが分からず、ずっとモヤモヤしたままになるから辛いだろう。
とりあえず、口が軽いとロクなことにはならないものだと肝に銘じた。