恩田陸のレビュー一覧

  • 不連続の世界

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    私が好きな恩田さんのジャンルでした。
    そこには登場する人物たちの日常があるのだけど、何かしら少しの違和感がある。
    小説ゆえイベントや事件的な話題があるし、その話も不気味な要素をはらんでいたりするけど、喉に小骨が刺さっているような、そうでもないような…そんな、言葉にできない違和感、いや不安感が終始あるお話。

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    2025年05月31日
  • 夜果つるところ

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     冒頭、読みにくい本かなと思ったが、グイグイ引き寄せられた。
    不思議なことが何点もあるが、
    絶えず、10歳くらいの私の目線で物語が進行している。

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    2025年05月29日
  • 麦の海に沈む果実

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    ようやく手を出した理瀬シリーズ。
    この独特の雰囲気にすっかり魅了され、早くも次が読みたい!
    謎が謎をよんですべてが明らかにならない感じも余韻を残してよかった。

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    2025年05月29日
  • 愚かな薔薇 下

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    今の子どもたちに贈るメッセージ。
    新しい時代はすぐ目の前に来ている。それは必ずしも良いことばかりではなく、困難と悲哀に満ち満ちたものとなるだろう。それでも越えてゆけ。
    古い世代の、親の世代の習わし、常識に囚われるな。それを真似しなくていい。すべてがフロンティアだという覚悟を持て。そうでなければ、この先の難局は乗り越えられない。大人を切り捨てでも羽ばたけ若者よ!
    という感じに思えた物語。

    少子化・人口減少のあおりをこれからどんどんと受けていく日本の子どもたちに届けたいメッセージだと感じる。

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    2025年05月29日
  • 夜明けの花園

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    ネタバレ

    有名な「蜜蜂と遠雷」を昔々に読んで、あんまり刺さらなかったのだけど、これはすごく面白かった!こんなゴシックミステリーも書かれる作家さんとは知らなかった。
    蜜蜂〜でも感じられた幻想的な筆致で描かれる、某魔法学校のような仄暗く冷たい世界観は、現実を離れて小説の世界にのめり込みたい時にもぴったり。最近こういう雰囲気の小説を読んでいなかったなあと思う。
    中でも麦の海に浮かぶ檻が一番好きだった。タマラはまるで宝石の国のシンシャのよう。愛そうとすると、殺してしまう。みんなといたい、ひとりでいたい。矛盾を抱えるキャラクターはいつだって魅力的だ。
    世界観としてはフィクションだけど、登場人物たちの渦巻く疑念、嫉

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    2025年05月28日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    音楽の良し悪しは正直よくわからない。しかし著書では、音楽に精通した人たちの感性や、どのように音楽を評価しているのかが上手く表現され、まるで彼らの頭の中を覗いているみたい。言葉で聴く音楽だった。

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    2025年05月28日
  • 不連続の世界

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    続編の「珈琲怪談」の前に再読。塚崎多聞を主人公とする五つの短編集。しっかりオチのある話からふわっと終わる話、ゾッとする話など恩田さんらしい短編集。この空気感がたまらなく好み。ふと旅行に行きたくなる一冊。「珈琲怪談」も楽しみ。

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    2025年05月27日
  • 六番目の小夜子

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    ネタバレ

    青春への賛歌と緊張感が詰まった小説。(青春小説か、ホラーか、ミステリーか?ジャンルが判断つかん)
    「学校という存在」「黒川」「津村沙世子」「二代目のツムラサヨコ」四者の思惑が絡み合ってさまざまな動きがありつつも、サヨコの伝統が続いていく。
    いや、四者というか、「学校」vs「二代目」なのか?
    途中の緊張感や描写は凄まじいが、沙世子にまつわる謎についてはやや肩透かしをくらった気がする。
    「津村沙世子」と「二代目のツムラサヨコ」がシーンによっては入れ替わってるとか、そういう要素があるんだろうか?

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    2025年05月26日
  • チョコレートコスモス

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    随分と久しぶりに読んだ
    やっぱり面白い
    前半は「むろん」が連発されすぎて気になるものの、中盤以降はなりを潜めて没入できる

    ダンデライオンは連載再開しないんだろうか
    角川ではドミノ上海以降何も出してない?サクッと単行本書き下ろしてくれたらなぁ…

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    2025年05月24日
  • 鈍色幻視行

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    久しぶりに恩田陸の作品を読んだのですがとても面白かったです。

    舞台は豪華客船に乗ったある本に惹かれた様々な人々が集まり議論や交流をするもので、閉鎖された空間で繰り広げられるストーリーに引き込まれました。

    作中に何度か出てきた「真実とはパレードの紙吹雪みたいなもの(最初はひらひら舞って綺麗で見る人によって変わるものが時間が経つと大勢に踏まれて紙屑同然になってしまう)」という表現も好きでしたが、私が1番好きになった表現は武井京太郎のインタビューにある現実には真実など無く事実と現実と生活、感情があるだけという言葉がとても気に入りました

    物語や虚構の中にこそ真実がある

    生きている人間はそれだけ

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    2025年05月24日
  • ドミノin上海

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    肩の力を抜いて楽しく読めるエンタメ小説!
    いちいち言葉選びが面白く、浮かぶ情景がシュールさに溢れていて面白かった。

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    2025年05月22日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    【禁じられた愛だから、】

    ひとは「やっちゃダメ」なことに惹かれる。
    頭では分かっている。
    でも身体は理解しないものである。

    頭と身体の答えが、常に一致しているとは
    限らないのだ。

    本作は、ふたりの関係性だけでなく
    その背景や生き方、性格まで深堀って
    かかれており、「うっっ」と胸が
    苦しくなる人もいるのではないかなと。

    本書と同じような境遇の人はおそらく少ないだろう。
    マイノリティであることは間違いない。
    しかし、何故だか理解できてしまう。
    自分なら……と深く考え込んでしまう。

    不思議な魔力を持った本なのだ。

    騙されたと思って本書を手に取り
    この魔力に身を委ねてみてほしい。

    心地よ

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    2025年05月22日
  • 終りなき夜に生れつく

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    恩田陸「終りなき夜に生れつく」
    同じく恩田陸の常野物語の3作目「エンドゲーム」に近しい精神世界的な面に入りつつも(個人的には同作は少しそのイロが強かった)、均衡を保ったと感じた

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    2025年05月21日
  • 朝日のようにさわやかに

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    不気味。怪奇。不可思議。
    逆に作者の長編を読んでいないのでこの印象に尽きる。古の、星新一を初めて味わった頃の恐怖感が蘇ってくるよう。じわじわと何かが起こっている。

    ここはひとつ『蜂蜜と遠雷』あたりを読んで涼もうか。

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    2025年05月20日
  • 三月は深き紅の淵を

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    ネタバレ

    自分が今読んでいる本と話の中に出てくる本がリンクしているのか、
    登場人物たちとの感想と一致していて、
    だから4章は本当に読みづらく違うお話?
    と混乱した。
    個人的にそのことが引っかかってマイナス1。
    3章までは面白かった。

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    2025年05月17日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    ネタバレ

    いうほどミステリーではなかったが、心情描写がうまく、読む手が止まりませんでした。帯であれほど煽っておきながら、全然読めたパターン出てきて、落胆しました。

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    2025年05月15日
  • 不連続の世界

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    恩田陸さんの1冊目がこの本でよかったのか?はわかりませんが、まずはこの本から購入。
    主人公・多聞の5話からなる本。
    主人公は話毎に年齢を重ねていき、タイトル通り5話の内容のつながりはありません。
    評判通り、情景描写の表現力が秀逸で実際にその場に居合わせているような感覚にさせられます。
    表現が綺麗が故に恐怖も繊細なレースに包まれるようです。
    恩田陸さんの作品は、ホラーだけでなくいろいろなジャンルの作品をこれから読んでいこうと思います。

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    2025年05月13日
  • 三月は深き紅の淵を

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    混乱と驚きのパレード
    『待っている人々』では、あらすじ通りに話が進みましたが、結末は全くの予想外。作中作構成かと思いきや全く別物で『三月は深き紅の淵を』が2冊!?って感じです笑
    『出雲夜想曲』は作者を探し求めに行くストーリーでここでも『三月は深き紅の淵を』の正体はイマイチ分からず…。
    『虹と雲と鳥と』では、おそらく『三月は深き紅の淵を』の執筆が始まった様子。
    そして 『回転木馬』がほか3つと違いすぎて。恩田さん本人が登場しているように感じ読み進めていくとこの短編が有名な理瀬シリーズの1作目になっているらしくまたまた混乱。
    結局終始混乱と驚きの繰り返しでしたが、なぜか読後感はスッキリ

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    2025年05月11日
  • 三月は深き紅の淵を

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    「麦の海に沈む果実」に登場する「三月は深き紅の淵を」がタイトルにつけられた本書。
    これもまた「三月は深き紅の淵を」を巡る物語で、書き方が不思議だけど、それが恩田陸さんっぽいなぁと思います。
    第四章で理瀬が登場して、もしかして「麦の海に沈む果実」は最初こういう展開にしようと思っていたのかなぁと想像しました。黎二が生きていてくれるならこちらの展開のほうがよかったかも。
    第四章ではもしかしてこれは恩田陸さん本人のことでは?と思うところもありました。
    不思議な物語だけど、一章ずつがっつりその世界に入り込んで読めるのが楽しかったです。

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    2025年05月11日
  • 私の家では何も起こらない

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    丘の上にある古い洋館を舞台にするホラー作品。ホラーだが、怪奇現象の類いというよりは人の狂気が怖い。

    幽霊屋敷と言われるその家では、殺人事件や自殺などで多くの人が死んでいる。亡くなった方たちの狂気じみた歴史を辿る物語。

    じわじわと凍りついてくるような描き方で、謎解きをしているような気持ちにもなり、どんどん先が読みたくなる本だった。

    デジャヴは過去に幽霊が体験した出来事、という解説対談のエピソードもおもしろかった。

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    2025年05月06日