恩田陸のレビュー一覧
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おじさん4人組が、さまざまな都市のレトロな喫茶店で繰り広げる怪談話。恐ろしすぎる怪談ではなく、自分たちも子どもの頃から話していたような、知り合いの知り合いがこんなこと言っていたような、親しみやすい内容。私の中で一番心に残ったのが、寝たきりの叔父の万歩計アプリが、初七日の日だけ90万歩以上刻んでいたという話。黄泉の国への足跡か。ただ怖いのではなく、生きていたらそんなこともありそうだと思わせる、どこか大らかな民俗学のような聞き心地。「地下の喫茶店。アンダーグラウンド。黄泉の国に住む人々。こうしてみると、生者と死者は、大して違わないのかもしれない。案外、こんなふうに、普通に日常生活に紛れ込み、一緒に
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退官した判事 関根多佳雄が主人公の連作短編ミステリ
職業柄とミステリ小説好きが高じて繰り広げられる推理
中には無理筋と思えるような推理もあるけれども、それが「当たる」からこそ「名探偵」というメタな存在でもある
まぁ、真相がそうであるかは定かではないという結末でもある
収録12編とその出展
・曜変天目の夜(『ミステリマガジン』1995年11月臨時増刊号)
・新・D坂の殺人事件(『青春と読書』1998年2月号)
・給水塔(『小説NON』1996年1月号)
・象と耳鳴り(『小説NON』1997年12月号)
・海にゐるのは人魚ではない(『小説NON』1997年6月号)
・ニューメキシコの月(『小説N -
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曲が夜の海や山の森など、風景描写で表現されていて曲を知らなくても雰囲気が何となくわかる。
マサルの三次予選、リストのソナタで19世紀の別の物語で曲が表現されていて圧巻。
他にも風間塵の曲が亜夜との対話でひょうげんされたり、また弾き手だけでなく主催者、作曲者、友人、審査員などそれぞれの視点が移り変わって一曲をどう感じたか再現するのが見事。
風間塵が養蜂家であることが、タイトル的にももっと作中に活きればと期待してしまった。父の背景や変わった名前の由来など。二次予選の春と修羅で自然の猛威を演奏で表現していたけれどそれを実際感じたエピソードが欲しい。師匠のホフマンがわざわざ塵の遠征先に行って、という -
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結子さんの諦めずに本質を追求する考え方は実に共感できる。成り行きで関わった事でも見識がない分野でも本当の目的を思考する。これからAIが人の思考を肩代わりする時代に移り変わる。責任がなくとも、当事者ではなくとも困った状態を解消するために思考を回す。そんな思いを残せるのかどうか心配する。
ポスティングのアルバイトは自分では決して選択することはないと思っていた。もし携わるとなったら淡々と何も考えずに配り続けるだろう。配った効果や貰う人の傾向を念頭に置くことはない。でも、ちょっとの思考で事態は激変する事も稀にあるから苦労の先の楽しさを知る。
生成AIが身近なツールになってきたいま、考えるを怠ける