恩田陸のレビュー一覧
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たった七日間、寮に居残る年末休暇のこと。
4人の少年が過ごす日々はミステリーが起こるわけでもないのに多彩で、山あり谷ありで、非日常がゆっくり進んでいくものだった。
私個人が棒に振った高校生という時間を、こんな風に過ごしたかった。
人の塊になった時のポジショニングで悩みながらも、居場所を見つけて。
居心地のよい空間。
楽しいと思える時間。
秘密の共有。
何より自分に素直になれていたら、今の私は違っただろうか。
人間は10代の頃に手に入れられなかったモノに一生執着するという。
私の場合は「青春の時間」かもしれない。
そんなことを考えさせられた一作でした。 -
Posted by ブクログ
今年の猛暑に少しでも涼しくなればいいと積読していた本を、やっと読みました。
すっかり寒くなってきた秋に読む怪談もなかなか風情があってよかったです。しかもほとんどが恩田さんが実際に体験したことなんだとか!いやぁ、怖い。
そして、登場人物の男性4人の空気感が心地よい。(多聞さんシリーズを読むのは初めてです)
男性数名が集まってランチとかお茶とかするのを見ない、ということを指摘していた小説もあるくらいなので、世の中的には珍しいのかもしれませんが、珈琲怪談をキッカケにこういう男性たちが増えたら素敵だと思いました。
珈琲好きは喫茶店等の雰囲気がよく伝わって、聖地巡りしたくなるはず!
私はサクッと数 -
Posted by ブクログ
ワイワイガヤガヤの飲み屋街に、背筋がちょっとぞくっとなる瞬間がある短編集。
恩田陸さん、ナイストゥミーチュー!
初めまして!!
『夜のピクニック』も『spring』も読んだことない。
読んでみたい。
文の感じと、お話の世界観の雰囲気が結構好みで、話も一つ一つの落ちが面白かった!どうなるの?どういう結果になるの?が全く読めなくて、そこにくるか〜となってぞくっ。鳥肌。
読みやすいものばかりかと思いきや、短編によっては日本史に疎い私にはよく分からないところもあり、また改めて勉強として、読み直したいなぁ。
まだ少し明るい早めの夕方から、友達と飲み屋街に行って、お店(酒亭)を何軒もハシゴしたくなる -
Posted by ブクログ
『三月は深き紅の淵を』という幻の本にまつわる一冊。
一章ではこの本のありかを探していて
二章ではこの本の作者を探していて
三章では二人の少女の死の真相を追い、
(このあたりで、んぬぁ!?ってなる)
四章ではこの本の構想を練っている。
なにを言っているかわからなくなってきたけれど、
これは何度も咀嚼したい作品だった!
印象としてはセピア色でノスタルジック。
最後にガツンと目が覚める物語が差し込まれていて
これが次の『麦の海に沈む果実』に続くというんだから読むしかない。じっくり頭を使って心に落とし込む。これだから恩田さん作品はクセになるんだなぁ。
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Posted by ブクログ
廃墟の島で発見された餓死、墜落死、感電死した3人の死体。無人の島で死亡時刻も限りなく近い奇妙な遺体たち。偶然による事故か殺人か…
冒頭で提示される一見無関係の様に見える謎の記事。一体何を意味しているのか、導入から引き込まれてしまう。
そして、まさにパズルのピースが嵌っていくかの様な中盤の展開。
こんな面白い話をさらっと中編で書いてしまうなんて!もっと読みたかった!と少し物足りなく感じてしまった。
主人公は恩田作品に度々登場する関根家の長男の春。検事である彼の活躍をもっと見たかったと思ってしまう。
しかし、この少し物足りない様な余韻も恩田作品らしくて好み。 -
Posted by ブクログ
5人の小説家の短編と、2人のクリエイティブディレクターのアンソロジー
テーマは九州の特別列車「ななつ星」に乗り込む乗客の物語だ
列車はたくさんの人を一度に運ぶけど、乗客の一人一人はそれぞれ特別な想いを持って列車に乗り込む
5人の作家さんが寄せたとても短い物語には人生という長い長い想いが乗っていることに気が付く
恩田陸さんの「お姉さん」が仕組んだ、複雑で切ない物語も時間の長さと、生きようとする想いの深さが音楽に乗ってやってくる
個人的には小山薫堂氏の言葉が圧巻だった
人から人へ繋ぐ想いが言葉となって、香り高く温かみを持って伝わってくる
「共感」という到達点はその気持ちを理解しようとする意識の