恩田陸のレビュー一覧

  • 光の帝国 常野物語

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    ツル先生は主人公ではないが、ツル先生が縦糸となって、『とこの』の様々な人々の人生を横軸で紡いだ物語。
    中でも光の帝国は時代は個人の凄惨さ異常さが描かれ、他のしみじみとしたノスタルジーや単なる不思議モノとは一線を画し、読むのは辛かった。
    が、最後の話はあー良かったなと思えるストーリーで救われた。

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    2025年04月07日
  • MAZE 新装版

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    日本人が苦手な、じわじわと迫り来る恐怖と真実。これを味わいたいならおすすめ。
    「豆腐」の謎に迫る迫力と壮大さに脱帽です。

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    2025年04月07日
  • 終りなき夜に生れつく

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    「夜の底は柔らかな幻」の短編。それを知らなくて短編から読んでしまったが、そんなの気にならないほどひとつひとつの話が面白く、読み入ってしまった!これが恩田陸!一気にハマってしまった!!

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    2025年04月07日
  • 六番目の小夜子

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    再読だが読者を強く引き込む力はこのデビュー作から確立されているあたり、やはり恩田はただ者ではなかった。三年に一度選ばれる人物、そして彼らの周りで起きる不可思議な現象と物語の結末。
    これがもうサイコスリラーなのかモダンホラーなのか、ない交ぜになっているのにごちゃごちゃとせず整理されて筋の通った小説になっている。さらりと少年少女たちの青春ものとして機能している点もポイントが高い。やはり好きだなぁ。

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    2025年04月04日
  • 歩道橋シネマ(新潮文庫)

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    恩田陸の歩道橋シネマを読みました。
    恩田陸版世にも奇妙な物語短編集でした。

    「降っても晴れても」は工事現場の事故に巻き込まれた男性の物語でした。
    彼はなぜその時間にその場所を歩いていたのか、短編ながら面白く読みました。

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    2025年04月04日
  • 光の帝国 常野物語

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    ネタバレ

    自分は特別な人間かもしれない、と勘違いした経験は誰にでもあるのではないだろうか。
    この話は世間にひっそりと紛れ込みながら、特別な力をもつ「常野」の人々のお話である。
    恩田陸さんは私の好きな作家であり、幻想や不思議といったテーマが好きなので、このお話はまさに私の好みドンピシャの作品だった。

    連作短編集で、内容も主人公も全て違うのに、全ての登場人物が関わっている。
    昔好きだった人がひょっこりと同窓会に顔を出した時のあの感じ。物語が完結した後、またその主人公の息を感じる瞬間、たまらなく興奮する。

    私は常野の人間ではないが、光の子供である。
    ツル先生たちならそう言うだろう。
    常野の人たちが私の隣で

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    2025年04月04日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    常野物語シリーズの三作目にあたる今作。
    ノスタルジックであり、温かみのあった二作目とは打って代わって、緊張感と緊迫感のあるシーンが連続するサスペンス、SF作品。
    気づいたら一気に読んでしまった。
    きれいに爽快感のある終わり方ではなく、最終話で一気にどんでん返しがあり、かつ含みがある終わらせ方は恩田作品らしさ、の一言につきる一冊。

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    2025年04月03日
  • 祝祭と予感

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    蜜蜂と遠雷のスピンオフ作品。
    短編集なので、あっという間に読み終えられます。亜夜やマサル、風間塵のその後がチラッと覗けます。思ってたよりもサラッとチラッとでした。が、これはこれでよいのかもしれません。
    彼らの無限の可能性は読む人がそれぞれに自由に想像できる方がいいのかもです。明石さんの話がなかったのが少々気になりましたが。

    個人的には菱沼先生の話が素敵でした。
    本編では予選の課題曲を作曲した人で偉い大御所先生…くらいの印象しかなかったのでお弟子さんとの絆よかったです。ホップ組曲聴いてみたいです。


    結構駆け足で読んでしまったので、本編と含めて時間のある時にじっくりと再読したいです、

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    2025年04月02日
  • 愚かな薔薇 下

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    ポーの一族へのリスペクトで書かれた作品らしい。
    何も考えずに手に取った作品だったけど、こんな偶然嬉しかったな…

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    2025年04月01日
  • チョコレートコスモス

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    ネタバレ

    芸術系恩田陸作品。
    役者家系で子どもの頃から役者として活躍している響子と芝居を始めて数か月の天才飛鳥が、伝説の映画プロデューサーの開くオーディションに参加する物語。
    舞台が主題の話だけど、実際に観客に見せる舞台は一回だけで、それ以外はオーディションのシーン。芝居は見たことないけど、「なんかすごい」と感じさせられる圧倒的表現力。「ゼロ」の初公演、一次オーディション、二次オーディションで飛鳥はどう演じるのかが楽しみでワクワクしながら読めた。
    あと、エピローグの雰囲気がすごく良かった…そして最後のタイトル回収もチョコレートコスモスというワードと物語がマッチして気持ちよかった。

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    2025年03月31日
  • 夜明けの花園

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    理瀬シリーズの短編集。
    こういうダークな学園もの大好き。
    全寮制の学校の話とかって、自分に馴染みがなかったから余計におもしろく感じるのかも。

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    2025年03月29日
  • ネバーランド

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    めっっちゃ良かったー!!青春感じるんだけどキラキラって感じじゃなくてずっと4人がバカやりつつもずっとヒリヒリした緊張感が潜んでるのが良かった〜!4人の過去とか境遇とかキャラ設定とか凄い刺さる好き!

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    2025年03月28日
  • 光の帝国 常野物語

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    常野の人々は美しい
    でもそれと同じかそれ以上に苦しくて切ない

    恩田陸さんの魔法にかけられたように世界にどっぷり浸れました

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    2025年03月26日
  • 禁じられた楽園〈新装版〉

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    世界観にゾクゾクした。
    恩田陸の世界観が好きな人には刺さる。
    特に理瀬シリーズとか。

    結末がイマイチだったという感想を見てしまってから読んだけど、それは否定できなかった(笑)
    むしろその感想を見てから読んだから覚悟が出来てた分、ガッカリ感が減少できたかも。

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    2025年03月25日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    ネタバレ

    感想書くため再読。
    初めの「光の帝国」より、こっちの方が好きだなあ。
    優しい雰囲気が漂う中で、そこに集まる人たちの過去や人柄、想いが明らかになり、そしてそれぞれが変わっていく。んー、なんかいいね。
    と思ったら、とんでもない災害。また後味の悪いことに…、と思ったら、聡子様の奮起、強い想いが明らかになり、悲しいながらもポジティブな雰囲気に感動した!
    で、(またまた)と思ったら、戦後の混乱状態に時が進み、この対照的な雰囲気の違いが、戦後の大変さを際立たせて、しんみりしてしまう。
    最後が少々ポジティブさが欠けた感があるけど、全体的な優しいイメージが(峰子さんのお話口調がお上品で)なんというか安心して読

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    2025年03月25日
  • 夜果つるところ

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    ネタバレ

    まず、リバーシブル・カバーが非常に素晴らしい発想。『鈍色幻視行』を読んだ方にとっては驚きと感動の両方が味わえるだろう。実際に飯合梓の『夜果つるところ』を読んでいるような気分になる。 物語の中身は陰鬱な状況が続く。主人公のビイちゃんの生みの親である和江はビイちゃんに襲いかかる、時には悪魔と叫ぶ。そして、登場人物の何人も殺される。和江もその紳士も心中する。犬も殺される。犬を庇ったりんも殺される。 なるほど。呪われた作品と言われるのもわかる気がするな。

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    2025年03月24日
  • 鈍色幻視行

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    全部で約650頁近くある分厚い本。しかし全部で47の章で構成されており一つ一つの章の量はちょうど良い長さ。 舞台は豪華客船。豪華客船に乗ってゆっくりと大海原を渡り、旅をするというのはとても贅沢な時間である。主人公である蕗谷梢は豪華客演を舞台に「飯合梓『夜果つるところ』」の謎を追求する。我々読者は豪華客船の旅という贅沢な時間の中で、蕗谷梢とともに上記作品の謎を解明するための旅に出る。 特に印象を受けた場面は、蕗谷梢がインタビューをする場面。完全に蕗谷目線で書かれているあたりは恩田先生の手腕が光っていた。

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    2025年03月24日
  • 愚かな薔薇 下

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    後半はもうSFの世界でした。
    ついに血切りを決意した奈智。
    前半で葛藤する奈智の姿を読んでいるので、決意してからの奈智の変化に驚きます。大人になったなと。
    最後までもしかしたら血切りをせぬまま、虚ろ舟乗りになることもないまま終わるのかもと思っていました。
    こういう結末になるんだな、と相変わらず恩田陸ワールドを見せつけられた気がします。

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    2025年03月23日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    さすがクオリティが高い。背筋「窓から出すヮ」と櫛木理宇「追われる男」がホラーとして面白く、貴志祐介「猫のいる風景」がミステリとして面白かった。

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    2025年03月23日
  • 鈍色幻視行

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    賛否が分かれるような気もするが、わたしは好きなタイプの物語だった。

    豪華なクルーズ。
    非日常と日常が溶け合う旅。
    そして、そこに確実に「存在」する、飯合梓という作家と、『夜果つるところ』という小説。

    全体的にミステリというよりは幻想小説に近い印象で、すっきりした解決というよりはそれぞれの心の落ち着きどころをもたらす結末。
    それでも、恩田陸の確かな筆致、安定していて安心できるストーリー、叙情的で内省的な、雅春と梢のモノローグが、読んでいて心地よかった。

    読み終えた今は、なんだかぼんやりとしているが、何となく(言葉にはできないけれど)これで良かったんだ、という気持ち。
    もちろん、作中作であり

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    2025年03月22日