恩田陸のレビュー一覧
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超短編ホラー(摩訶不思議系)集。あとがきありの14話で220ページです。最後は横書きで後ろから読むようになってますので、お気をつけ下さい。
これ、どのくらい経費で取材したんだろう。いいなぁ。ってくらい、日本各地の酒場を元にしたお話があり、どれも少し怖く、不思議で楽しいです。沖縄と横浜と長崎が好きな話。
読みたがれば小学生でも。基本は中学校以上。
一、跡継ぎの条件 東京・大森
代々の店主で引き継がれている禁忌は?
二、夜のお告げ 神奈川・野毛
野毛といっても都橋。都橋と野毛は全然違う!んだけどね~。ま、今の野毛はだいぶお店変わったし。しみじみ。幻視でお告げ受けた話とその謎解き。
三、昭和94年 -
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梯結子(かけはしゆうこ)は魅力的なキャラであった。なぜか。
結子の行動の根底には、無意識のうちに世界をより良くしたいという一貫した理念がある。よって日常の中で違和感に遭遇すると、それをどうにかできないものかと思いを巡らす。そして周りが驚くような結果を生み出す。
例えばポスティングのバイト。ポスティングとは、チラシを住宅や会社のポストに入れることであり、バイトはノルマとして課せられた枚数を決められた時間内に捌くことで報酬を得る。よって普通はなるべく速くチラシをポストに入れることのみを考えて作業をするだろう。
しかし結子は、どうしたらそのポスティングによる効果を上げられるか、例えばジムの勧誘広 -
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ネタバレ読み始めたときはJUNが主役の小説かと思ったのだが、途中から萬春(よろずはる)が主役だと気が付いた。そうと分かれば作品の味わい方も整理できた。春はバレエの才能に気づき、世界の舞台で才能を花開かせる。一見華やかな芸術の世界であるが、春を含めて周りの人間も芸術の泥臭いところをきちんと見せてくれる。バレエとその周辺を含めて高度なところを舞台にしており、芸術の世界がもつ特異性を描きながらも芸術をさも日常のように描く。春がバレエの高みに行くために捧げるものが全然特別ではないかのように描かれ、すっとラストまで読める。春はどこまで行ったのだろうか。
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神原恵弥シリーズの3作目
今作は、異国情緒漂う中東の国に出張の恵弥
仕組まれたような出張の予定や、黒い苔に覆われた遺体という謎、画期的な鎮痛剤という噂レベルの薬 D・F、多田直樹から頼まれた人探し等、またまた色々な思惑が交錯している
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外資製薬会社に身を置く凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。
ある博士の捜索を依頼されてT共和国にやってきたが、博士は殺されてしまう。
一方、この国では全身を黒い苔で覆われて死んだ人間がいるらしい。
ビジネスで滞在中のかつての恋人・橘は不穏な行動を見せる。
恵弥が想像だにしない、これらの背景に存在するものとは――?
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少し前に読んだ「珈琲怪談」は、喫茶店を巡りながら怪談話を語り合うという短編集だった。今回は日本各地の酒場がモチーフの怪談短編集。相変わらず映像的で情緒ある語り口。珈琲怪談よりも好き。まるで、上質な、少しだけ奇妙な話をつまみながら、良い感じに酔えるような。
跡継ぎの条件
感じの良いこの古い店は、現店主が3代目。3代目を継ぐにあたり示された条件は、ある時間帯だけ必ずひと席の空席を作ること。オーソドックスな怪談はこの短編集の導入にふさわしい。
夜のお告げ
飲み屋が連なる小路。路地の入り口と出口で止まれという小さな声を聞き立ち止まると、目の前で事故が。危機一髪で命拾い。しかしこれは本当にオカルトな