恩田陸のレビュー一覧
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引っ越しを決めた二人が最後の夜を過ごす物語。
登場人物はたった二人、しかも二人は双子なのに別々に生きて来たと言うだけでも小説になりそうだがお互い相思相愛。世間的に許されない感情は悲しいものがありますよね。アキは「私の愛は実際には存在しないことになっている愛なのだ」アキの恋愛は哀しい。ヒロだってアキから離れる為実沙子に走り将来彼女を不幸にするであろうと感じていた。決定的な瞬間はアキが雨の晩高城さんにプロポーズされた日。この時アキは愛する者を二人失ったのだ。二人の生活は地獄になった。
『アキはヒロの目が泳ぐ時木漏れ日が揺れるのを見る。ちらちらと揺らめく光の中を、私達が言葉にせずに押し殺して来た感情 -
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「スピンオフ」という言葉は、
オタクが大好きな言葉だと思っております。
前作を読んでから気になっていた登場人物たちのその後がまた読めるなんて…!!最高でした!!
相変わらずバレエには疎いけど、情景がはっきり想像できるほど、恩田さんの書く文章は生命力に溢れていて、瑞々しい。
特に好きだったのは、「梅の木、桜、林檎の木」。
ここはハルだけが出てくるお話で、坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」をバレエにし、そのひと幕を語る流れになっている。
ひと幕の語りしか出てこないといってもいいくらいなのだけど、ここが目が離せなくて…!
吉田修一さんの「国宝」で、近松門左衛門の「女殺油地獄」の表現に感動した -
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別にNHKの怪談ブームに便乗した訳ではなく、偶然に出版のタイミングが合ってしまったのだろう。本書は、幻冬舎(GINGER L。, 小説幻冬)で不定期に掲載されたシリーズを纏めたもの。帯には「17年ぶりの塚崎多聞シリーズ。連作短編集。」と書かれてある。内容は仲間4人が日本各地の喫茶店を巡って、それぞれが怪談話を披露しあうといった変なお話。その中の1人が塚崎多聞ということなのだが、塚崎多聞は他の恩田作品(月の裏側、不連続の世界)にも出ていて、これが3度目の出演となる。4人が集まっている最中にも、すぐに自分の世界に入ってしまい、仲間からは「ああ、またか」と言われる、いわゆる変な奴。なのに、時々思いが
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【短評】
少々の個人的な語りが許されるのであればーー私はこの本を「二度」挫折している。
肉体的或いは心理的な事情に拠るものなのか、社会情勢に拠るものなのか、はたまた星の巡りに拠るものなのか。理由は定かではない。
本作は、人生において数少ない途絶を経験した「いわくつき」の一冊である。
謎の天才作家・飯合梓(めしあいあずさ)が遺した「いわくつき」の奇書『夜果つるところ』を巡る物語。小説家・蕗谷梢(ふきやこずえ)は本作に関する取材調査を行うため、夫・雅春(まさはる)と共にクルーズ船に乗り込み、海千山千の「関係者」達との対話を試みる。彼らは何を語るのか。飯合梓とは何者か。『夜果つるところ』とは一体何 -
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読んでいる間じゅう、ずっと不穏な雰囲気を感じていた。その原因が分からない怖さや不気味さがとても読書欲を掻き立ててくる面白い内容だった。
大規模スーパーマーケットでのパニック災害がテーマ。
ただ、その原因や犯人を見つけて事件を解決するような展開ではない。ここは賛否が分かれるところだと思う。
私は受け入れられたけど、やはりもう少しすっきりした結末があった方が嬉しかったかな。
関係者それぞれにインタビューをする形式で話は進むんだけど、その関係者達から予想もしなかった告白がされる。どう考えてもこの事件とは関係ない内容なのだけど、それが結局やっぱり関係ないまま終わる。
それを偽伏線と捉えるとつまら