恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【Ⅰ】大学時代仲間だった利枝子、彰彦、節子、蒔生の4人は「安楽椅子探偵紀行」とやらの「非日常」への旅に出た。後の『珈琲怪談』とも似ているので著者好みのシチュエーションなのかも。仮説を愉しむ旅ですな。この巻では利枝子と彰彦が語り手。
【Ⅱ】利枝子の世界と憂理の世界(それは理瀬の世界でもある)がリンクする。
【Ⅲ】この著者の文章にはチカラを感じる。ストーリーテラーというのとは違う。物語が特になくても読める。所謂描写ではなく、感覚を描いてるのかな。そして雰囲気とキャラクタの謎が次第に浮かび上がってくる。
■理瀬についての簡単な単語集
【青の丘】中高一貫制の学校。イメージ的には釧路湿原の中に屹立するモンサンミッシェル。内部には通路が多く道がつかめない。わざとそうしているのかもしれない。理瀬は地図を作ってみたいと思った。「ゆりかご」と「養成所」と「墓場」と「療養所」の役割があると言う。《こんなところで暮らしていたら、自分の作り出したイメージに溺れてしまうのではないだろうか。》麦の海p.35。《これは、あたしが小さな頃から探していたもう一つの国、もう一つの世界だ。》麦の海p.37。憂理《ここは変だわ。どこかが歪んでる。何かが間違った世界なのよ。》麦の海p.68。校長《ここは三月の国。三月の王国なのよ。》p.149。《何もなかったふりをするのは、ここの生徒たちの最も得意とする演技である。》p.324。
【彰彦】三崎彰彦。王子様タイプで見目麗しく所持品も高級。極端に育ちがいいお坊ちゃまで、子供の頃はそれに引け目を感じていたようなところがあった。室田利枝子と旅(安楽椅子探偵紀行)をしていた? 紫陽花が怖い。好きな映画は「小さな恋のメロディ」。僕も好きです。DVD持ってます。トレイシー・ハイド可愛い。ジャック・ワイルドの演じたトム・オーンショーかっこいい。オリジナル・サウンドトラックのレコードは僕にとっての洋楽の原点になったのです。彰彦は最近結婚したらしいが妻は物理学者らしい。〈青の丘〉出身やったりせえんやろなあ。
【彰彦の姉】彰彦を苦しめるために生きているような女。あらゆる男を手玉に取る。
【圷比呂央:あくつひろお】金子さんちを建てた建築家。故人。極度の活字中毒。特に推理小説が好きだったらしい。全ての金を本に費やしたということだが、その割に超巨大な屋敷(今は金子さんち)を持っていた。ダイイング・メッセージとして「ザクロの実」という語を残した。それが広い館のなかにあるとある本へのヒントになるらしい。
【アングラ】水越《今はアングラというものがなくなってしまった。》三月はp.34
【安楽椅子探偵紀行】彰彦によると「美しい謎」を解くための旅。というか、旅のつまみとして謎解きごっこをしようというヒマツブシ。特に絶対正解というのでなくてもいいらしく、皆を納得させたら勝ちという感じ。参加者は彰彦、利枝子、蒔生、節子。『珈琲怪談』に似た感じなので著者好みのシチュエーションなのかもしれない。
【功】行方不明になった生徒らしい。
【一色】金子さんちのお客さん。ひょろ長い男。大学教授。英国文学。教え子だったNという学生から本を借りた。
【稲垣史朗】篠田美佐緒と林祥子の実父。
【江藤朱音:えとうあかね】編集者。堂垣隆子とは同僚ではない。キャラクタで作家を摑む。酒は別腹という飲んべえ。自己表現の手段として物語を書いてますという作家は嫌い。
【海老沢】鮫島巧一が勤める会社の秘書課の人。
【おたく】金子さんちに呼ばれた誰かによるとおたくというのはマスターベーションでありそれを互いに見せ合おうとしてるところが気持ち悪いらしい。
【女】水越《女はフィリップ・マーロウになった気持ちでハードボイルドを書こうなんて絶対に思わないわよ。ジゴロやチンピラの気持ちで女を見てみたいと思うことはあってもね》三月はp.64
【女の子】《女の子は作られるのだ。》麦の海p.226
【学校】→青の丘
【要と鼎】双子。変則的だが2人だけのファミリーとなった。たぶん、要が男、鼎が女。後にタマラもファミリーに入った。
【金子慎平】鮫島巧一が勤める会社の会長さん。読書好きの社員を呼んでだますのが趣味らしい? 超巨大な屋敷の持ち主。
【カメラ】利枝子、彰彦、節子、蒔生はY島に旅したとき誰もカメラを持っていかなかった。僕も旅にカメラは持っていかない(今ならスマホについてるけど)。元々写真を趣味にしていたので持っていくのが当たり前だったけど、あるときふと、自分の目で景色見てへん、常にファインダー越しや(あるいはファインダーを覗いてる感覚で見てる)と気づいて、それ以来連れて行かなくなった。どうしても撮りたい場所があったら場所と月日時間だけメモして再来を期している。
【鴨志田】金子さんちのお客さん。巨大な男。銀座の天ぷら屋の三男坊で料理人。
【神崎】篠田美佐緒と付き合うことになった男子高校生。そのために廣田啓輔はフラれた。金持ちのお坊ちゃんできれいな顔をしており男子生徒からはバカにされ気味だが、性格はよく努力家。
【潔】利枝子の仲間だった一人。大手都銀勤務だったが、倒産直前の? 実家の病院を建て直すために一族の力を集めることになり退職した。
【校長】とても大柄。そのときどきの気分によって男だったり女だったりする。両性具有ではと考える生徒もいる。《あたしは頭の悪い子が嫌いなのよ。》麦の海p.43。《あたしは自分勝手な子と向上心のない子が嫌いなの。》麦の海p.44。うーん、向上心のある人は自分勝手なものだという気もするけど? 頭が悪い云々は要領よいという意味か、思考能力があるという意味かによって違ってくるけど。
【小泉】謎の男。『三月は深き紅の淵を』の関わるところに出没する? いつもなんとなく焦っている。
【ゴジラ】彰彦が子供の頃鎌倉の叔父叔母の屋敷に行ったときいつもゴジラから逃げる夢を見たらしい。そういえば僕も子供の頃年に1度くらいそんな夢を見ていた。当時はまだ怖い初期ゴジラやったからだろう。いつの間にか見なくなったのはヒーローっぽいゴジラになったからかな。
【言葉】《言葉とはサービスであり、対価を求める手段である。》黒と茶(上)p.108
【斉藤玄一郎】文芸評論家。堂垣が考える『三月は深き紅の淵を』の著者候補の一人。
【佐伯嗣瑛:さえき・しえい】純文学の大家。堂垣が考える『三月は深き紅の淵を』の著者候補の一人。雰囲気的にはモデルというかイメージは福永武彦さんあたりで。ミステリ好きやし柳川やし。
【烏山響一】画家。江藤朱音が嫌いな「畏れ」という絵を描いた。
【ザクロ】『三月は深き紅の淵を』でキーワードになっているらしい語。
【鮫島巧一】会長の家に呼ばれて困惑しているサラリーマン。
【3月】学校は基本的に3月に入学し3月に出ていく。それ以外にも入ってきた子供が学園を崩壊させるという言い伝えというか噂がある。理瀬は2月末日に入学した。
【三月は深き紅の淵を】謎の本の書名。昔、圷比呂央が友人の金子さんに貸したことのある本。著名な作家が匿名で書いたという噂の、異なる作品をモザイクのように散りばめた、ミステリと言えなくもないような作品らしい。他者への譲渡は不可、たった一人に一晩だけ貸すのは可。鮫島が金子に呼ばれたのはその本を探すゲームに参加させるため。一部屋ずつ虫干しするとかいう無粋な方法は不可なんだとか。全ての金を本に費やしたという圷比呂央が超巨大な屋敷を持っていたというのはちょっと怪しい気もするのでどこまで本当か不明。第一部の題名は「黒と茶の幻想」てサブタイトルは「風の話」。第二部は「冬の湖」サブタイトルは「夜の話」。第三部は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、サブタイトルは「血の話」。第四部は「鳩笛」、サブタイトルは「時の話」。
【ジェイ】たぶん理瀬が出ていった後に入ってきた少年。
【時間】《肉体が精神の容れ物だとすると、精神は時間の容れ物なのではないだろうか。》黒と茶(上)p.267
【篠田美佐緒】高台の公園の展望台から林祥子とともに落ちて死亡した公立高校二年生。母子家庭で母親は大学教授で地質学者。林祥子とは異母姉妹。一冊の小説を書くのが夢。四部作構成で読んだ人が情けなくなって死んでしまうような本。
【修司】体格のいい少年。黎二と仲が悪そう。
【俊一と薫】いとこ同士。プロテニスプレイヤーを目指していて試合のため不在が多い。
【性別】水越《作品を読むという次元で見れば、作者の性別なんて関係ないはずなのに、やっぱり本を読む時、どこかで作者の性を気にしている。意識されていないようでいて、実は作者の性別というのは重大な問題なのよね》三月はp.67
【節子】利枝子の仲間の一人だった。おしゃべりだがなんとなくとぼけた感じがあって邪魔にならない。大手電機メーカーで「安楽椅子探偵紀行」の前年課長に昇進していた。グループ旅行に一人は連れていきたい必需品(クッション材)。
【高橋】主に聖のための数学教師。背が高い。優秀だが聖は自分を殺しに来た暗殺者かもしれないと考えている。理瀬が入る少し前にやって来た。
【滝】人が滝を好むのは、人は滝の水のように落ちたいからではないかと利枝子は言う。なるほどと思える部分はある。
【谷川俊太郎の33の質問】彰彦が読んだが内容を思い出せなかった。僕も読んだのだけど内容はまったく思い出せない。たぶんそういう本なのだ。
【タマラ】青の丘に転校してきた。要と鼎のファミリーに入った。
【辻蒔生】→蒔生
【堂垣隆子】編集者。江藤朱音とは同僚ではない。ビジネスライクなタイプ。
【長沢友紀】彰彦の高校時代の親友。
【名前】青の丘では生徒は名前しか持たず、教師は苗字しか持たない。
【野上奈央子】篠田美佐緒の親戚? 大学を卒業し、出版社の編集者になる予定。
【ノスタルジア】《彼女にとって、重要な、極めて個人的なテーマはずぼり、『ノスタルジア』である。あらゆる意味での懐かしさ。それは心地好く切ないものであると同時に、同じくらいの忌まわしさにも満ちている。》p.343。
【墓場】青の丘の役割の一つ。世間から隠しておきたい者を収容しておくあるいは始末する場所。
【早坂詠子:はやさか・えいこ】篠田美佐緒の美術部での後輩。野上奈央子と知り合う。
【林祥子】高台の公園の展望台から篠田美佐緒とともに落ちて死亡した私立のお嬢様高校、志村女子高の二年生。篠田美佐緒とは異母姉妹。一年生のとき廣田啓輔とつきあったことがある。
【白夜】堂垣隆子の父が学生時代に参加していた同人誌。その中に『三月は深き紅の淵を』の著者がいるのではないかと堂垣は考えた。候補は作風から、自分の父と、佐伯嗣瑛(さえき・しえい)、両角満生(もろずみ・みつお)、斉藤玄一郎の四人に絞った。父以外はプロの作家になっているようだ。
【聖】理瀬と同じファミリーのメンバー。数学において天才的。M工科大学に留学することが決まっている。
【評論】江藤朱音《評論というのは実は完璧な創造なんだけどね。》三月はp.158。それは僕もずっとそう考えてました。評論家って、結局自分のこと書いてるんやから私小説みたいなもんやなあと。
【寛】理瀬と同じファミリー。5年生。指揮者志望。
【廣田啓輔】篠田美佐緒と付き合っていたらしい男子高校生。美佐緒が神崎啓輔に鞍替えしフラれたらしい。林祥子とも付き合っていたらしい。吉田秋生さんの『カリフォルニア物語』のヒースをイメージした。
【ファミリー】理瀬の属するファミリーは理瀬を入れて7人。本当は12人必要だが余った者を集めただけなので半端になっている。理瀬と同じファミリーのメンバーは5年生の光湖。6年生で数字に強いの聖。3年生の俊市と2年生の薫は茶目っ気たっぷりのいとこ同士。大柄でがっしりしていて豪放磊落な5年生の寛。攻撃的に見える4年生の黎二。
【穗積槙子】林祥子は篠田美佐緒に殺されたと考えている女子高生。
【蒔生:まきお】辻蒔生。利枝子のかつての仲間。というより、高校の頃から付き合っていてひどい別れ方をしたらしい。思考タイプは利枝子と似ていると利枝子は思った。《蒔生はいつも寛いでいる。いつも涼しい顔をしている。》黒と茶(上)p.45。《何が起きても、私のことを理解しようとしないでくれますか》黒と茶(上)p.386。
【麻理衣】転校早々の理瀬に麗子を見なかったかと聞いてきた。繊細な1年生。
【三崎彰彦】→彰彦
【水越】金子さんちの女性のお客さん。ボクっ娘小説は嫌い。実家はホテル経営。
【水野理瀬】→理瀬
【光湖:みつこ】理瀬と同じファミリーのメンバー。1年上。
【稔】理瀬と呼ばれる少女と同居していたことがある。兄であるらしい。「汚い女の子」が嫌い。
【室田利枝子】→利枝子
【森】《森の中には、生者と死者が混在している。》三月はp.430。
【両角満生:もろずみみつお】作家。アクの強い、耽美的な作風。堂垣が考える『三月は深き紅の淵を』の著者候補の一人。
【役立たず】鴨志田の相棒。大きな白い犬。
【屋敷】金子さんの超巨大な家。4つの巨大な屋敷林を囲んでいる。鮫島くんが行ったのは冬の家。
【憂理:ゆうり】梶原憂理。理瀬のルームメイト。青の丘で登場したとき4年生。利枝子と大学の映画研究会で出会い友人だったようだ。映画に出演することには興味がなかったので観る専。《残るのなんて嫌だもの》黒と茶(上)p.87
【ゆりかご】青の丘の役割の一つと言われている。厳しい世間の風から護る。
【養成所】青の丘の役割の一つ。才能があるものを育てる。
【ヨハン】理瀬の1日後に入学した。クラシック系の作曲家志望。理瀬を気に入ったようだ。
【利枝子】室田利枝子。旧姓高田。旅(安楽椅子探偵紀行)をしていた? 主婦。娘は利佳子。かつて蒔生と付き合っていた。憂理と大学の映画研究会で出会い友人だったようだ。《利枝子にはどこかに一ヵ所だけひどく脆いところがある。彼女の不思議なところは、その脆い箇所が時によって違うところだ。》黒と茶(上)p.248
【理瀬】水野理瀬。とある学院に来てただの理瀬になった。入学時2年生。《大丈夫、気は弱いけど芯は強いつもりだから》麦の海p.65。記憶がないというのは本当のようだが、ということは、記憶を取り戻したときかなり恐ろしい存在になるということなのでは?
【梨南子:りなこ】理瀬の祖母の再婚相手の連れ子。理瀬の敵のようだ。
【療養所】青の丘の役割の一つ。精神などに欠陥を抱えていてその治療を必要としている者たちのための場所。
【麗子】理瀬と同じ学院の生徒。行方不明にならなければ同じファミリーになった。
【黎二:れいじ】理瀬と同じファミリーのメンバー。4年生。周囲を拒絶しているような攻撃的な雰囲気。
【ワープロ】《ワープロは嘘をつくのである。ワープロは、そういう意味では虚構にふさわしい。》三月はp.337
【Y島】モデルとしては屋久島だろう。「安楽椅子探偵紀行」の目的地として設定されている。島という限られたスペースだが山岳でもあり大きな表面積がみっしりと原生林に埋まっていて濃厚なようだ。登山が趣味だったので行きたかったが行ったことはない。尾瀬や富士山と一緒で人はなるべくなら入らないほうがいい場所だと思っているので。
【亘:わたる】理瀬と呼ばれる少女と同居していたことがある。兄であるらしい。快活でさばけた性格。 -
Posted by ブクログ
辻村深月先生の言葉を借りるなら、SF(少し不思議)小説。穏やかで特殊な能力をもつ彼らと幾千の時を超えて散り集まり共に生きる。
御伽噺のようなお話です。
空を飛び地獄耳をもちすっぽりと記憶ができる、それぞれ特別な力をもつ一族がかつていた。時代と共に散り散りとなったが、息を潜め、誠実な隣人として現世に馴染み暮らす。忘れた者、思い出した者、支える者。
なにか大きな目的に向かっているのだろうか、彼らはどこへいくのか。
連作短編集の構成です。一見全く別の話とみえて、それぞれの彼らの物語と気づいてからページをめくる手が止まりません。
世界観が美しく、あぁ終わってしまった!とショックを受けたものの、続きがあるとはなんたる僥倖。ありがとうございます。
それにしても恩田先生は文章が優しく美しいですね。楽しみが増えました。 -
Posted by ブクログ
初めて読むタイプの物語だったので、読み始める前は自分に刺さるのか少し不安だったけど、序章の段階から美しい文章と独特の世界観に惹かれて、すぐに好きだと思った。
コンテスタントたちが演奏しているときの描写がとても印象的で、音楽を言葉で表現することの美しさに驚かされた。それぞれが抱えている思いや、予選を勝ち進むにつれて変化していく心情も丁寧に描かれていて、演奏だけでなく、彼ら自身の物語としても楽しめた。
コンクールならではの張り詰めた緊張感や、コンテスタントたちへの感情移入、そして実際に音楽を聴いているかのような臨場感があって、音楽そのものを追体験させてくれるような作品だった。
音楽の知識がなくても、その美しさや演奏に込められた思いが伝わってくるところが、この作品の魅力だと思った。 -
Posted by ブクログ
一風変わった構成の小説でした。
主人公は著者ご本人と思しき作家(文庫版あとがきにてノンフィクションパートはほぼ事実とおっしゃっている)で、
0 作品の執筆過程(ノンフィクション)
1 作中作品(2人の女性の物語)
(1) 作中作が舞台劇として公開されるまでの物語
の3軸が交互に展開されて行く。
読み始め。
ともに生き、その後心中を遂げた女性2人の人生に関する物語だと思っていた。
その“人生に関する物語”は生と死についての物語となり。
いつしか自分自身の人生についての話となっていた。
……と。ここまで書いて、だ。
いや、だめだ。
恩田作品読んだ後って色んな感情や思想が溢れ出して、どうしても上手くレビューにまとめきれない。
とかく今作に関しては。
2人の女性が人生からの“退場”を決めた年齢期に、ちょうど自分も差し掛かろうという事が要因のひとつの様に思う。
ひときわ考えさせられる事が多い。
そう、きっかけは日常の中の“小さな絶望”。
本当に些細な出来事なのだと思う。
この年齢ともなると、“死が魅力的に見えてしまう瞬間”が、日常のそこここに潜んでいるのが普通になってしまう。
さもすれば“生きる”という道を踏み外すことは、至極簡単な様にも思えてしまう。
この作品はそんな世代の危機を、肯定も否定もしていない。
それが良い。
やっぱり恩田作品は自分にとって、人生の指標となる作品が多い。
うん、だめだ全然まとまらん。
まぁいいか。
これが今のリアル。
ノンフィクションパートで映画の作品名がいくつかそのまま登場してくるのも個人的には興味深かった。
♪本日の読書中BGM
『St.Matthew Passion』/Johann Sebastian Bach