恩田陸のレビュー一覧
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ネタバレ理瀬シリーズ・白百合の館篇
学園にいた頃の理瀬とは結構印象が変わっていたけど、記憶を取り戻したからこっちが本当の姿なのだろう。
学園にいた頃同様、事件が頻発するので、続きが気になってすぐに読み終わってしまった。でもどちらかというと、ファンタジー小説のような学園を舞台にした前作の方が、わたしはワクワクして好みだったかな。
最初は疑われていた梨南子だったが、朋子が急に頭角を表してきて、梨南子さん疑ってごめん!と油断した途端、理瀬の首を絞め始めてめちゃくちゃ怖かった。
振り返れば、梨耶子が亡くなった後、理瀬の部屋で寝ていた時に下の階の会話を聞いていた説や、理瀬の部屋に度々侵入して、戸棚を覗いていた説 -
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異母兄にあたる男性が仕事中に奈良で消息を絶った。その恋人でもあった四歳年上の女性から、「一緒に奈良に行かない?」と誘われる。静は彼女に連れられて旅を続けるうちに、様々な隠された秘密を知り、それぞれの想いに触れていく。
……ということでなかなか説明が難しいのが本作『まひるの月を追いかけて』で、この旅(物語)はどういうふうに転がっていくのだろうか、というのがまったく読めず、決して読む側を安心させてはくれません。安心と引き換えに、新たな世界を求めようと、歩き慣れた道をふいに逸れてしまいたくなるひとに、特におすすめしたい作品でした。普遍的な懐かしさを喚起する描写も魅力的でした。 -
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学園ミステリー。ある全寮制の学校には色々な事情を持つ生徒が入寮しているが、生徒がよく行方知れずになる。しかし、大事にはならず内々には処理されているという内容。
「ゆりかご」…外部要因から守るために入れられた生徒、「育成所」…技能を伸ばすために入れられた生徒、「墓場」…捨てるために入れられた生徒、という登場人物への属性付けが面白い。
個人的にはヨハンがどういう人物なのか書かれる「水晶の夜、翡翠の朝」が分かりやすくて好みだった。
裏では権謀術数渦巻く学園という感じではあるが、こんなにバタバタ生徒が死んで運営を維持できるのか、などと思った。
シリーズものの最新作だったのを知らずに読んでしまった -
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念願の理瀬シリーズです
本作の理瀬や『黄昏の百合の骨』での理瀬を見ると、『麦の海に沈む果実』の冒頭の部分を本当によく思い出す。あの不思議と若干の不安を纏った少女が、田舎の電車に乗っている描写からはじまる異世界・ゴシックミステリーへの入口。
『薔薇のなかの蛇』
舞台はイギリス!ヨハンの健在ぶりに嬉しくなって、終盤になってもまだまだ謎多き場面設定にゾクゾクする
何回も何回も読んでは戻って読んでは戻ってを繰り返すほど、こんな世界観が大好きです
ひゃーー続編というかまだまだ理瀬シリーズ深いなぁって!!!
ずっとアーサー視点だったのに、最後の含みのあるアーサーの笑みにやられました///(// -