恩田陸のレビュー一覧

  • 黄昏の百合の骨

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    ネタバレ

    理瀬シリーズ・白百合の館篇
    学園にいた頃の理瀬とは結構印象が変わっていたけど、記憶を取り戻したからこっちが本当の姿なのだろう。
    学園にいた頃同様、事件が頻発するので、続きが気になってすぐに読み終わってしまった。でもどちらかというと、ファンタジー小説のような学園を舞台にした前作の方が、わたしはワクワクして好みだったかな。
    最初は疑われていた梨南子だったが、朋子が急に頭角を表してきて、梨南子さん疑ってごめん!と油断した途端、理瀬の首を絞め始めてめちゃくちゃ怖かった。
    振り返れば、梨耶子が亡くなった後、理瀬の部屋で寝ていた時に下の階の会話を聞いていた説や、理瀬の部屋に度々侵入して、戸棚を覗いていた説

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    2025年07月02日
  • 夜明けの花園

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    理瀬シリーズ短編集。『麦の海に沈む果実』に繋がる過去の物語とかその後のエピソードとか。一編一編が思いがけない驚きと、切ない美しさに満ちていました。
    私自身が『麦の海に沈む果実』を読んだのがほぼ9年も前なので、細かいことを忘れているので読み返したいと思いました。それでも、あの広大な湿原に浮かぶ檻のような妖しい学園の雰囲気がとても懐かしかった。
    古き良き昭和の少女漫画の香りを感じるのですが、それって間違ってないですよね?恩田陸先生、そっち狙ってますよね?
    なんとなく、この雰囲気、知らない世界のはずなのに懐かしいのですが…。

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    2025年07月02日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    彼と彼女の目線でかわるがわる語っていく感じが
    面白かったのと、段々明らかになっていく真実に動揺していく二人の心の変化に少しハラハラしながら読みました。優しそうでずるい男って、結構身近にもいるもんだよね~って実感です。

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    2025年07月01日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    豪華作家陣による多様なホラー短編集で、「最大級の恐怖」というテーマをミステリや心理、怪談、幻想など多彩なアプローチで表現している。
    日常に潜む不気味さや人間の闇を掘り下げられていた。
    特にミステリ好きに響く作品が多いような気がして、ホラーもミステリも好きな自分のような読者には、どんぴしゃで刺さる作品だった。
    全体的に新鮮で読み応えのある一冊。

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    2025年06月29日
  • まひるの月を追いかけて

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     異母兄にあたる男性が仕事中に奈良で消息を絶った。その恋人でもあった四歳年上の女性から、「一緒に奈良に行かない?」と誘われる。静は彼女に連れられて旅を続けるうちに、様々な隠された秘密を知り、それぞれの想いに触れていく。

     ……ということでなかなか説明が難しいのが本作『まひるの月を追いかけて』で、この旅(物語)はどういうふうに転がっていくのだろうか、というのがまったく読めず、決して読む側を安心させてはくれません。安心と引き換えに、新たな世界を求めようと、歩き慣れた道をふいに逸れてしまいたくなるひとに、特におすすめしたい作品でした。普遍的な懐かしさを喚起する描写も魅力的でした。

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    2025年06月25日
  • 月の裏側

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    実際に夏のうだるような暑さまで感じるような世界観の中で少しずつ追い詰められていく恐ろしさが読み終わった後まで続くような話で面白かった。

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    2025年06月24日
  • 夜明けの花園

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    学園ミステリー。ある全寮制の学校には色々な事情を持つ生徒が入寮しているが、生徒がよく行方知れずになる。しかし、大事にはならず内々には処理されているという内容。

    「ゆりかご」…外部要因から守るために入れられた生徒、「育成所」…技能を伸ばすために入れられた生徒、「墓場」…捨てるために入れられた生徒、という登場人物への属性付けが面白い。

    個人的にはヨハンがどういう人物なのか書かれる「水晶の夜、翡翠の朝」が分かりやすくて好みだった。
    裏では権謀術数渦巻く学園という感じではあるが、こんなにバタバタ生徒が死んで運営を維持できるのか、などと思った。

    シリーズものの最新作だったのを知らずに読んでしまった

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    2025年06月22日
  • 愚かな薔薇 上

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    またまた、幻想的な非日常の世界に踏み込んでしまいました。ファンタジーのようでありながら、ホラーの要素もあり、青春小説でもあるということに共感です。怖いもの見たさのように、先を読み進めてしまいました。下巻に続く。

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    2025年06月20日
  • 夜明けの花園

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    このゴシックロマンの世界に魅入られて、わたしは読書にハマったと言っても過言ではない。
    理瀬シリーズってだけで無条件に読むよね。
    恩田さんもこの世界を大切にしてるようで嬉しい。

    ヨハン主役の『水晶の夜、翡翠の朝』、聖主役の『月蝕』が特に好き。
    でも麦の海とか百合の骨の細かいストーリーを忘れてきてるから、もう1回読み直したい。再読してから本書に取り掛かればよかったかも。

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    2025年06月20日
  • 六番目の小夜子

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    学園祭で「六番目の小夜子」をやるシーンの緊張感と恐怖の描写がすごかった。

    先が気になって一気に読んでしまいました。
    溝口くんがいい意味で緊迫した空気を和ませてくれててよかった(笑)

    もう2度と戻ってこない青春の日々。

    ただ恩田陸さんの作品特有の、細かいところの説明がないのであれは誰々がやったのかな、とか想像で補うしかないところが結構あって、スッキリしないのが少し残念でした。

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    2025年06月15日
  • 不連続の世界

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    『珈琲怪談』の前に復習しておこうと手に取った1冊。
    多聞が登場するのは2作目で、この前に『月の裏側』があるのね。読んでいるかもだけど、すっかり忘れている。
    でも、まったく問題なく楽しむことができた。
    なんともつかみどころのない音楽プロデューサーの多聞。
    なぜか、いろんなところで不思議な出来事と出会う。
    その不思議について、語りあう雰囲気がとらえどころがなくて目が離せない。
    いったい、何が起こっているのか。
    人の心は不思議で怖い。

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    2025年06月14日
  • ロミオとロミオは永遠に〔下〕

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    未来に希望が持てるのかわからない世の中で、
    唯一希望であった学園だが
    学園の中では理不尽な扱いを受け続ける
    さまざまな疑問を抱えながら
    なんとかしてそこから脱出しようと試みる
    はたして‥‥

    2031年に創立した学園という設定
    もうじきやってくるかもしれない
    近未来
    注意喚起をしてくれているのかのような
    物語に
    少しぞわぞわしながら
    アキラとシゲルの無事を祈った!
    ちなみに題名の意味は不明らしい



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    2025年06月12日
  • ロミオとロミオは永遠に〔上〕

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    近未来、日本人だけが地球に残されて
    化学物質や産業廃棄物の処理に追われる
    そんな中で
    「大東京学園」を首席で卒業すれば
    将来は約束される
    苛酷な入学試験レースを乗り越えて
    ほっとしたのもつかの間
    さらなる試練が待ち受ける
    アキラとシゲルははたしてどうなる?

    恩田陸さんらしいドタバタ感満載の
    2006年の作品

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    2025年06月12日
  • ライオンハート

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    あらすじから時代を超えて出会う運命の2人の感動系かと思ったら、そう簡単な話じゃない
    いくつもの時代と場所が重なって万華鏡のようにうねる中で一瞬だけ出会える2人
    それが本当に一瞬だけで、気づいて出会った瞬間に別れが始まっている
    描写はホラーに近い部分あり、夜に一人で読んでたらちょっと怖かった

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    2025年06月11日
  • 薔薇のなかの蛇

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    念願の理瀬シリーズです

    本作の理瀬や『黄昏の百合の骨』での理瀬を見ると、『麦の海に沈む果実』の冒頭の部分を本当によく思い出す。あの不思議と若干の不安を纏った少女が、田舎の電車に乗っている描写からはじまる異世界・ゴシックミステリーへの入口。


    『薔薇のなかの蛇』
    舞台はイギリス!ヨハンの健在ぶりに嬉しくなって、終盤になってもまだまだ謎多き場面設定にゾクゾクする

    何回も何回も読んでは戻って読んでは戻ってを繰り返すほど、こんな世界観が大好きです

    ひゃーー続編というかまだまだ理瀬シリーズ深いなぁって!!!

    ずっとアーサー視点だったのに、最後の含みのあるアーサーの笑みにやられました///(//

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    2025年06月11日
  • 本からはじまる物語

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    著名な作家達による「本」がテーマのアンソロジー。
    甘酸っぱい恋の話しやちょっとゾクッとする話、不思議なお話など本というテーマ1つでも色んなお話が書けるんだなぁと楽しく読ませてもらえました。
    中でも本が飛んでいったり、飛んできたり、飛んでる本をつかまえたり…といった本が飛ぶ話がいくつかあり、作家さんには本が飛ぶという発想があるんだなぁ〜と思いました。
    どれも良かったですが、本多孝好さんの「十一月の約束」が好きです。

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    2025年06月10日
  • 祝祭と予感

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    待望のスピンオフだけでなく、エッセイまでついていて嬉しいサプライズでした。スピンオフはどの作品も語りすぎず、登場人物達の未来を予感させるもので益々みんなの今後について期待を膨らませてしまう。

    本編の後書きを読み、どの様にして作品が作られていたのか気になっていたので少しその様子が垣間見れて嬉しかった。

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    2025年06月09日
  • 私の家では何も起こらない

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    読み進めつつ、なぜかあの頃読んでいた海外の児童文学が思い出された。解説を読んでちょっと納得。
    後味が微妙だったり、ぞわっと不気味さの残ったりする話もありながら、単に怖いだけでは終わらない、不思議な親しみやすさがあった。
    屋敷のリフォームをした職人の話が特に好き。

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    2025年06月04日
  • チョコレートコスモス

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    演技と演技のぶつかり合いに圧倒される力作。演技の視覚的なイメージが文字で表現されているので、多少の分かりにくさはあったけど、それを差し引いても面白かった。

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    2025年06月01日
  • 黄昏の百合の骨

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    自分の中で勝手に恩田陸さん強化月間。
    理瀬シリーズの独特の世界観にははまってしまうなあ。今回は高校生になった理瀬の話。
    どう転ぶかわからないハラハラ感もあり、楽しませてもらった。
    波瀾万丈な人生の理瀬が、心休まる日がきますように。

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    2025年06月01日