恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この作者の作品にしては綺麗に風呂敷を畳みきった印象。あり得うる未来の図だよなあと感じで心寒い気分になる。
ヒトを創りし神/古人種が、その繁殖力に恐れをなして弾圧をはかるという話の類型が、昔はイマイチ理解できなかった。自身がヒトの側でしか考えていなかったから。
確かに怖くてたまらないよね。遺伝子改良した猿がめちゃくちゃ賢くなって徒党を組みだしたら早目に絶滅させようよ!って思っちゃうもん(この傲慢さのせいでダーウィン事変を序盤楽しめなかった。チャーリー怖いよ)。
作中で、諸外国ではロボットに対する排斥運動が激しいというような描写があった。日本ではロボット(ドラちゃんですかね)に対する親しみが下地にあってそうでもないと。
作中でも明らかにロボットの能力は人間を超えているし、プログラミングされたものという描写ながらも人格者ですらある。反旗を翻されたらはっきり言って勝ち目はないとわかるのに、作中の彼らの知性と理性ならばヒトを裏切ることはないだろうと甘えにも似たような信頼を感じる。
アシモフの三原則で縛られたロボットは、ヒトの愚かさ(人間の三前提)を飲み込んで、M(ORAL)三原則に、そしてロボットの大前提に従ってヒトに奉仕する。
AIが反乱したときに見逃してもらえるようにAlexaに丁寧に喋りなよ、とか、軽口たたいちゃうのは、縛りのない「賢い」AIはヒトに容赦しないだろうといううっすらとした恐れがあるからだ。縛られたロボットには甘えるのにね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ濃い。濃すぎる。家系ラーメン4杯分。バレリーナって家系ラーメンとか食わなそー。でも途中で日本でラーメン食べたい!みたいなこと言ってる人いたな。すみません本題に戻ります。とにかく濃密。読むだけで人生4周分の体力を使いました。
各1章ずつだけでも本が成り立ってしまうくらい濃いのに、それが絶え間なく続くのが恐ろしいし、それを読ませてしまう技量もこわい。天才。こんなありえないオタク言葉使うのかなり失礼なんですが如何せん私の語彙が終わっており……
そして!!天才の一人称視点パート←これを書いてしまうのが本当にすごすぎる。そしてそこに納得感(本人は自分の価値観の中で自分なりにまっとうかつ正当な理論で動いているよ、という表明)があるのが……かっこいい……すごい……こんな……どれだけモジモジの実を食べた全身文字人間になれば……こんな本が書けるのか。
春と純の関係性が好きすぎるし、なんとか1章だけでも満開カンパニー冬組が演じてくれないかな。という叶わぬ願い、アリ。本当にずっと何を言ってるんですか? -
Posted by ブクログ
へーバレエの話なんだ、というところから始まって、テクニカルなところを描きつつもなんだか哲学的なお話だった。
バレエはダンスダンスダンスールを読んでるので、身体のイメージとか専門用語やら世界的トップレベルバレエ団とかの感じがつかみやすくてよかったけど、逆にそれぞれの語り手の回顧録みたいな感じなのでストーリーがつかみにくくてちょっと難しい。
分かりやすく何かを目指すとか誰かと競い合うとかでなく、バレエの神に愛された魅了された者たちの世界を表現しているみたいな。
KA・NONとかアサシンとか蜘蛛女のキスとか見てみたいなとは思った。
パラパラ漫画がかわいい -
Posted by ブクログ
シリーズものだとは知らずに読み始めた。
多聞に興味がわいて、そちらのシリーズも読んでみてもいいな、と思ったり。こういう本との出会いもまた良し。
4人の男性が喫茶店を巡りながら怪談話をする、と言う設定。京都や大阪は分からないが、確かに神田は昔ながらの雰囲気ある喫茶店が多い印象がある。
喫茶店の少し照明が抑え目でアンティーク雑貨があったりする感じ、言われてみれば怪談と親和性が高いかも。
あとがきで、これらの話が実話だと言うことにも驚き。私自身は不思議な体験をしたことがないけれど、意外とこう言うちょっと怖くて不思議なことってよくあることなんですかね。
たまには、こんなまったりとした読書時間も良いな。と言う意味での星4つ。 -
Posted by ブクログ
あらすじを読まずに表紙買いしたので、あれあれ……と思ううちにホラーになって、思わず笑ってしまいました。詩的な表現の多い作家さんだというイメージだったので、序盤で、この不穏な感じがだらだら続いていくのかな?とのんびり歩くような気持ちで読んでいたら、三分の一くらい読んだ辺りからSFホラー……それも、段々と何かが人間に入れ替わるという、どっかで見たSFホラーに。個人的には大好物なので、『面白くなってきたあ!』と駆け足になり、最後は全速力で走る気持ちで読み切りました。ホラーとは言いましたが、中盤以降は洋画的な、動きのある展開が多く、SFとか洋画とか好きなら笑いながら読めるかも。
むしろ、ストーリーよりも、登場人物の語る「生命の戦略」についての話のほうが刺さりました。「私って、なんでこうなんだろう……」に対しての力強いアンサーにも感じてしまいます。一つになれば平和になるし楽になるだろうけど、やっぱり私は他の人と同じにはなりたくないかなあ……。