恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれ、どう回収できるんだろう?と途中で思わせるくらい
多くの要素を提示して来て、結末が大いに気になり読むことが出来る。ただ、結末が少々荒くがっかりしたのも確か。この本の最大のミステリー要素である朝霧千沙子と映画監督の昌彦の死因が、闖入者である小野寺の推測で一堂納得するところに大いに違和感を感じる。また、澄子の旦那の死体はどう処理するのかも謎。むしろ真実を警察に伝えてもよいのではないか?確かに暴力を受けていた過去から殺意を疑われるのは間違いないと思うが早晩行方不明者は捜査されると思うが。あと、わざわざレプリカを作ってまで像の置物を玄関に置いた理由がわからない。
とはいえ読んでいるときの「これ、い -
Posted by ブクログ
終わり方はRDG(荻原規子さん)みたいだなーと思った。滅びゆくことが決まっている人類、抗う人類。「滅びゆくこと」の部分は作中では民間人にはあまり実感がなくて…静かに、終わりが始まる感じが。
「一つになりましょう…」がここでも出てきた。
集合体が一つの意識を持つというのはどういう感じなのだろう…感情がフラットになる、全員がそういう状態で、命が続いていく意味があるのか…
身体が変わる=ものの見えかたが変わり、それは考え方も変える…当たり前なんだよなぁ…ほんとに。物理的に感じるものも違うのだから…男女もそうだし、大人と子どもも。単にお互いに「同じ感じ方だ」って認識してるだけの話だよなぁ。。スター -
Posted by ブクログ
進学校の男子寮で年越しを過ごす同級生4人の物語。年越しのたった数日を描いた小説だけど、長い年月を書いてるように濃い。
あるゲームをきっかけに、4人それぞれが自身についての告白をしていく、というのが主な軸になっている。
その告白が、結構ドロドロしている。ともすると陰鬱な、三面記事的な内容の告白なのに、小説全体がそうならずに進んでいくのは、恩田陸さんの力量なのかもしれない。
監視する大人のいない、4人だけの生活で、自然と自分の秘密を明かす雰囲気になるのはわかる気がした。お泊りパーティーのような背徳感と普段とは違う近い距離感が、そうさせるよなぁと。
そして、そこで流れていく時間こそがネバーランドなの -
Posted by ブクログ
恩田陸による閉鎖的な学園で起こるミステリー。
3月の世界と呼ばれる特殊な事情を抱えた
子供達を預かる学校。
3月に始まり、3月に終わる学校で、
なぜか2月に入学してきた主人公。
散りばめられたミステリー、
唐突に起こる殺人事件、
2月に入学した者は破滅をもたらす
魔女だとして周りにツラくあたられる
主人公。
かなり長い作品だがサクサク読める。
途中の世界観の作り方は秀逸。
引き込まれる。
ラストは驚愕の事実というわけでは
ないが、
淡々と予想だにしない方向へ
物語を進めてくれるのが心地よい。
ラストは
実は主人公は記憶喪失で、理由があって
この学園に入れられていた。
それは学園で一度殺さ -
Posted by ブクログ
ネタバレ独特な世界観と設定がとても良くて、某魔法学校ホ◯ワーツみたいな世間から隔絶された不気味で美しい学園で次々起こる事件にワクワクして、真相が気になってどんどん読み進めたけど。
それだけに、記憶が戻ってから(というか真相全体が?)あまり刺さらず残念。
最後の最も美しい時間に黎二が言ってた「1番正直なのは聖。あとはみんな嘘つき」は本当だったんだな。
でも、「ゆりかご」としてならこの学園での生活を体験してみたいと思うような魅力があった。
「人間、未知のものに対しては不安になる。」
「情報がないことに対する不安と怒りなんだ。」
「知っていれば人は寛大になれるもの。」