あらすじ
英国と日本の文化が融合した世界「V.ファー」の「アナザーヒル」では、死者と交流する「ヒガン」と呼ばれる行事が毎年行われている。「V.ファー」で連続殺人事件が発生した年、聖地である「アナザーヒル」でも事件が起きる。犯人探しが進むなか、不思議な風習に彩られた「アナザーヒル」が変質し始める――。著者初の上下巻作品となった大作ファンタジーが待望の文庫化。解説は漫画家・萩尾望都氏。
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殺人事件の真相は?V.ファーはどこにあるのか?と、主人公と一緒に考えながら情緒豊かな異国の地での旅を愉しみながら読むのが面白かった。英国文化と日本文化、ファンタジーとSFの融合した世界観がやっぱり凄いと思う。エピローグも余韻が残るものだった。
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さすが、恩田陸さん。
ファンタジーとミステリーがすごく良く調和されていて私の大好きな感じ。
上下巻で一気読みしてしまった。
次はどうなるの?一体何が起きたの?ってずーっと気になりました。
面白かったー。
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どこか自分も体験してきて、日本に戻って夢だったのでは、、と幻想を抱くような感覚。とっても引き込まれて面白かった。
ファンタジーだが、死と生について考えさせられる。死は日常の延長なんだ。というVファーの感覚に確かにそんな風に思えられたら良いのになとも思ってしまう。
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おそらく日本人とアメリカ人を模したとされる、主要な登場人物たちの言動や行動が、現実世界の日本人とアメリカ人の国民性と微妙に接するのが気持ち良いような気持ち悪いような作品。
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この本を初めて読んだのは学生時代。
こういう終わり方だったのかーと結末を覚えていなかった私。
割とあっさりしてたんだなぁ。
テリーとジミーのところは怖いし、外からではなく内から外に出て行くというのはこのアナザーヒルにおいてはたしかにこわいな、と思いました。
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恩田陸のなかでも好きで何回も読んでしまう
ヒガン、いってみたい〜!楽し〜!
ファンタジー感とミステリのバランスが最高
出てくる女性たちも魅力的
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下巻の怒涛の展開がすごいっ
このファンタジー+ミステリーの世界観面白かったです。
最後はわりとよい終わりなのもよし◎
(少し不穏なのもまたよし)
続き見たさに早く早くーーーと思いながらページを捲ってました。
とてもよい読書時間でした!
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ファンタジーとか、ミステリーとか、宗教とか、思想とか、恩田さんが頭の中、すげぇ、というのが率直な感想。
上巻は、私的には楽しむには教養が足りなかったですが、下巻は、クライマックスに向かう伏線回収を楽しめました。
小説を噛み締めて楽しむには、世界史も知っておいた方がいいのか…深い。
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人間、お客さん、ラインマンと登場人物の個性があって面白い。
しかもお客さんとラインマンに至っては謎が多すぎて読めば読むほど実際にそこにいるような感覚になる!
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ミステリーやホラーのオチというよりは、ファンタジーの結末って感じの終わりだったので、思ってやつと違う!ってなってしまったけど、夢中で読んだし普通に面白かった。
たまたま最近アポロン神についての解説を聞いたばかりだったので、そのあたりの話はとても興奮した。日本神話とか米英の民俗学とかに詳しい方なら、いろんなモチーフを拾えて、もっと楽しめるんじゃないかしらと思う。100パーセント楽しみ尽くせなかった自分の知識不足が少し悔しい。
Posted by ブクログ
2023.1.28-2.9
久しぶりに恩田陸を読んで、久しぶりに恩田陸を満喫したー!と感じました。道中のワクワクと終いにかけての転がり方、なつかしいこの恩田陸感。
今回のラストは肩透かしではなかったけど、若干複雑になりすぎたかな、というのが初見の感想。ちょっと理解が及んでいない所がある気がするので、ラストだけ読み返す予定。
少しだけあったエピローグはきちんと不気味で良かった。
現実と非現実の融合。この世の中のどこかにあるかもしれない、陸続きの世界。そういうものに対する畏れと憧憬。
目に見えるもの、自分が見たものしか信じない人は多い。この世に氾濫する情報の波に飲み込まれないためにもそれはある意味で正しい選択。
でも、本当にそれでいいのか?
下世話な噂話や真偽不明のネットニュースを信じろという話ではない。
今や「非科学的」という言葉で片付けられてしまうような、目に見えないものや科学で証明されないものは、現実的ではないから信じない。
本当にそれでいいのか?という問いかけ。
信じなければ始まらない、むしろ信じなければ終わってしまう物事。世の中に見えていないだけで、実はそういったものはたくさんあるのではないか。
科学がない世では存在していたものが、科学によってひとつふたつと消されてゆく。
そうやって社会が豊かになると同時に失ったものもなかったか?
確かに「夜明けの晩に」って何なんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
上下巻、面白かったです。「お客さん」が自分は「お客さん」だとわかってるのも凄い。「ほとけさま」なんだなぁ。。
アナザー・ヒル行ってみたい。提灯行列やりたいな、ピンクの御用提灯持ってデモ楽しそう。「提灯行列」「百物語」の魔改造が好きです。百物語は真逆になってて大変。。下巻の風も凄かった…ちょっと見てみたいけれど。
まさかのケント叔父さんが上巻から居る彼だったのびっくり。でもサマンサもラインマンのお姉さんも亡くなってなくて良かった。。
全時代のアナザー・ヒルは重なってしまったし、大鳥居はこれから修復するんだろうし、血塗れジャックは今後こちらの世界に本当に来られないのか…課題は山積みですが、これからもヒガンは続けられそうで良かったです。
血塗れジャックの被害者もやってくるアナザー・ヒル、全世界の未解決殺人事件の犯人は震えて待てという感じでしたのでこれじゃ警察の介入断固阻止になるのもわかります。「わたしを殺したのはあいつです」がわかればかなりの捜査の助けになる。でも血塗れジャックの被害者たちは犯人の顔を覚えてなくて申し訳無さそうにしてて気の毒。。
鳥居、ってそんな意味なの!?と思いました。八咫烏は邪悪なものではないので「ネクロポリス」オリジナル設定なのだろうけど興味深いです。クトゥルフみたいなものかな。神道、キリスト教、仏教、ケルト神話、ギリシャ神話全部乗せで、詳しくはないけど楽しいです。
あれだ…10月31日がハロウィンで11月1日から新年ということに早く気付けばここがなんなのか少しわかりそうなもんだ、と思ってわたしもジュンと変わらないぼさっとさでした。
Posted by ブクログ
“お彼岸”をテーマにしたミステリーに、
ホラーやらファンタジー、コメディが
ゴッタ煮状態で物語は展開し、破綻し
そうなところでエンディングはSFに
なりキレイにオチをつけるのはサスガ
なんとなく『世界の終わりとハードボイルド
ワンダーランド』の雰囲気を思い出した
あっちは世界の終わりだけど、こっちは……
Posted by ブクログ
ミステリのようでミステリでない。ホラーでもない。ファンタジーかSFか。何も考えず読み物として面白い。イギリスと日本がひとつになったような世界で、あの世への通り道としてヒガンに故人の霊が当たり前に現れるアナザーヒルという島で起きる数々の事件、この世で起きた血まみれジャック事件の謎、アナザーヒルで起きる連続殺人の謎、消失したケントおじさんや黒衣婦人の謎、アナザーヒルに死者が現れなくなった謎…。学生のジョンがその謎を解いていく。普通ではない世界での話なので謎解きはこの世の常識では解けない。解く必要もない。話は面白い。作者の恩田陸も話を広げすぎたか最後はやや強引。不吉なエピローグも不吉なんだけど進化したアナザーヒルならそれほど深刻でもない気もする。
Posted by ブクログ
ゴシックホラー、異世界ファンタジー、伝記ミステリー、ブラックコメディ、異国情緒、連続殺人、ブラコンシスコン等々、思いつくまま気の向くまま、自動筆記のノープランで書いた印象( ´ ▽ ` )ノ
特に下巻はもう、八咫烏あり座敷わらしありドッペルゲンガーあり、作者が「いっぺん書いてみたかった」あれもこれも闇鍋的にぶっこんじゃった感( ´ ▽ ` )ノ
仕上がりはお世辞にも上々とは言えず、ガッチ(だったっけ?)にせよ百物語にせよアナヒル一旦脱出にせよ、どれもこれも「あれは結局何だったん?」ってエピソードばっか( ´ ▽ ` )ノ
特に結末のぐだぐだっぷりがすごい( ´ ▽ ` )ノ
殺人事件の「真相」にも唖然呆然、そりゃないよ( ´ ▽ ` )ノ
萩尾望都御大もどんな解説書きゃいいか分からんかったらしく(納得)、アナヒル地図の想像だけで終始してる( ´ ▽ ` )ノ
まあ、そこそこ面白かったけどね( ´ ▽ ` )ノ
作者の気力筆力だけでかろうじて成立している作品( ´ ▽ ` )ノ
ストーリーも世界観構築もキャラ設定も、ベニヤ板でこさえたように薄っぺく危い( ´ ▽ ` )ノ
自分にとって本書が初のオンダー体験だったけど、まさか毎回こんなもんばっか書いてるわけじゃないよね? 次に読む作品に期待( ´ ▽ ` )ノ
2020/04/05
Posted by ブクログ
「お客さん」と呼ばれる死者と会える「ヒガン」を行うアナザー・ヒルに向かう主人公・ジュン。
最初は学者としての好奇心をくすぐられるも、不可思議な殺人事件やお客さん達に巻き込まれて混乱していく。
不思議な世界観ですが、日本の文化も混じり合っていておもしろかったです。
ファンタジーのような、ミステリーのような作品でした。
Posted by ブクログ
恩田陸さんの作品は私が期待している方に話が進んでくれなくて残念な気持ちになることが多いです
この作品も予想を裏切らず、そっちに行っちゃったか〜というストーリー展開でした
それなりにファンタジーな世界観は楽しめました
Posted by ブクログ
すっごい世界観への引き込まれかたがすごかった。自分的にはサスペンスやミステリー要素はあんまり注視して読まず、要所要所で出てくるアナザーヒルの光景を頭に浮かべながら読みすすめ観光スポットを巡っているそんな感じだった。
もちろん異変や不穏な出来事は多くあったが、それでもヒガンを行っている人達が各々の意見を語り合いながら酒屋で飲み交わすみたいな描写やガッチの時の重い雰囲気から解放された時の人間臭さは読んでいてとても好きになれるシーンだった。
読むのにかなり時間がかかってしまいうろ覚えだけどジュンのこの
「人間というのはなんと不可思議な存在だろう。極めて物理的な存在でありながら、やはり自然の一部であり、容れ物である身体に比べて、精神活動は超自然に近い。現実的であろうとする精神は、常に矛盾の間で引き裂かれつつも、その微妙なバランスのとれた小さな一点を縫うようにして未来へ向かおうとする。」と考えた事は自分の記憶に残り作者の考えの一端を知れる事ができた。
Posted by ブクログ
独特で良く作り込まれた物語設定と世界観。恩田氏が文庫本あとがきで「勝手に物語が拡がっていった」と述べるように、優れた作品であるのは間違いない。しかし私には合わず。ミステリーなのかファンタジーなのかサスペンスなのかホラーなのかどっちつかずの状態で物語は進行し、大事件が起こっているようでそうでもなかったり、最後はなぜかの大団円で幕を閉じる。ハッピーエンドであるゆえに幾多の伏線や謎解きは何だったのかと思わせるファンタジー色強めの終演は「?」という気持ちを残す。最後の最後はホラー映画のようなラストであるし。約1000ページ読んだわりには何だったんだろう、という気持ちが勝ってしまった。
Posted by ブクログ
下巻も様々な事件が起こり、謎は深まるばかり。そして、終盤に一気に解決していくが、恩田陸ワールド全開で、これぞファンタジーと言った結末だった。久々のファンタジーの世界観に、ハリーポッターを読んだ時の衝撃を思い出した。
Posted by ブクログ
読み進めている間、ずっとワクワクして手が止まりませんでした。謎が解けていくのはとても面白かったのですが、オチまでの展開が早すぎたかな…と思います。少し消化不良で、できればあの丘に行く時の、ラインマンとケント、ジュンの活躍がもっと見たかったなーと思いました。
Posted by ブクログ
さすがの恩田陸ワールド、といえる世界構成でした。緻密に描かれている世界観だったので、伏線の回収とのギャップに気になるところがありましたが、そこはさすがなストールテリングで最後まで引き込まれる作品でした。
Posted by ブクログ
ヒガン、死者と会える丘、パブ、おしゃべり好きの人達、イギリス、ニホン、、、不思議と不気味と楽しい食事とお酒と会話と。ずっと、外国の旅先にいるような、夢の中のような町の出来事だった。
どう収集するかなあ、、と思ったら意外にさわやか?
夜の底にも似てる。装丁がいい。
Posted by ブクログ
独特の世界観が絶妙で、ずっとこの世界に浸っていたかったけど、それももう下巻でおしまいに。
血塗れジャックに殺された人たちがパブに集まって殺された状況を語るのは面白いシチュエーションだった!
しかし、肝心の犯人はつかまらないまま世界が歪んで(融合して)いき、黒婦人も消えてしまうしクライマックスへ進んでいくところもおもしろい。
ただ、ラストがいまいち消化不良で残念。。。無理にミステリ風にせずに、この素晴らしい世界観を風土記のように描いて欲しかったかも。。。アナザーヒルの設定はとても魅力的で、住人たちも素敵な人ばかりだったので、ただそれを味わいたかった。