あらすじ
英国と日本の文化が融合した世界「V.ファー」の「アナザーヒル」では、死者と交流する「ヒガン」と呼ばれる行事が毎年行われている。「V.ファー」で連続殺人事件が発生した年、聖地である「アナザーヒル」でも事件が起きる。犯人探しが進むなか、不思議な風習に彩られた「アナザーヒル」が変質し始める――。著者初の上下巻作品となった大作ファンタジーが待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
再読。恩田陸さんらしい、この雰囲気。
ファンタジーのようなホラーのような。
びびりの私には無理だけど、非日常を味わえそうなアナザーヒル。
怖い体験さえなければ朝から晩まで飲んでおしゃべりして楽しそう。
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面白かったです。
ファンタジーでミステリーでちょっとサイコ。自分も初めてアナザーヒルにやってくるジュンと一緒に体験してるような気持ちになりました。
早く、下が読みたい!
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恩田さんと英国というのはとても相性が良いと感じました。コーヒーと紅茶では文化が違うというのもよくわかります。同じ職場で食事をした後コーヒーか紅茶となった時もいつもなるほどと感じることも多いです。
そして、この作品では、日本文化が他国に受容されるとしたら、何が、どのように、どのような形で受け入れられてゆくだろうかという恩田さんなりの考察を見ることができるように思います。それは図らずも恩田さんがそれぞれの文化をどのように見ているかに触れることでもあり、とても興味深いです。
中でも一番興味深いと感じたのは、『向こう』に行く という考え方です。現代の日本でも未だこの言葉は神秘性を纏っていると思いますが、そもそも『ヒガン』という日本の神秘性を感じる風習に似たものを英国を舞台に持ち込んだこの作品は、恩田さんの真骨頂とも言えるミステリーのようなファンタジーのような茫洋とした世界観全開の展開もあり、自分まですっかりヒガンに深入りしていくのを感じています。
異世界なのに日本のようでもある全く違和感のない世界。少し怖くてぼんやりとした、それでいてどこか魅惑的な世界。すでに自分も部外者・観察者ではいられなくなってきているのかもしれません。
Posted by ブクログ
数年ぶりに再読。東洋と西洋、生と死、など様々な境界線が揺らいで行く世界観に一気に引き込まれる。"お彼岸”というワードだけでここまで世界を創り込めるのは本当に凄いと思う。最初に死者が現れたときの大騒動にはちょっとクスッとしてしまう。異文化の音楽ミックス、ちょっと楽しいかも
Posted by ブクログ
英国と日本の文化や歴史が入り混じった世界観が好き。主人公が学者の一面を持って目の前の出来事を分析していくので頭を整理しながら読める。 "コーヒーはやはりビジネスブレイクのような気がする。ビジネスがメインにあってコーヒーはあくまで息抜き。でも紅茶は紅茶のためのブレイク。一日は紅茶がメインで支配されていてそれ以外の時間は紅茶に隷属している"とか、ジュンや周囲のキャラクターが文化考察するアカデミックな要素もあって面白い。
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恩田陸さんらしい世界観で引き込まれます。
登場人物が多いので途中まで大変でしたが、把握できてからはそれぞれの個性を楽しみつつ読み進めています
ただ、恩田陸さんだけに下巻で失速しないか心配ではあります、、、
どういうところに落とし所をもってくるのか、恐る恐る下巻に取りかかろうかと思います。
Posted by ブクログ
ページ数が多くて途中挫折しないかと思いながら手に取った。読んで見ると意外にもスラスラ読め、3~4日で読めた。
内容は少し難しい部分もあるが、何となく理解できた。
ミステリーなのか?読んでいくほどに謎が増え、どことどこが繋がっているのか?
下巻ではどうやって全て回収されるのか気になる。
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おもしろい〜( ߹꒳߹ )
不穏な空気は常に、でもどこか暖かい感じ…
ジュンが何も分からない私たちと同じ視点でドキドキする。
次から次に問題発生…!下巻が楽しみだ…
Posted by ブクログ
恩田陸といえば心霊やオカルト的な不思議世界とわかっているものの、ファンタジー好きではないものの、なぜかその世界感に引き込まれてしまう。今回のアナザーヒルもありそうでなさそうな設定で、どっぷりと、彼らと共に旅をしてしまいました。
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世界観を理解するのに時間がかかるけど、それは登場人物のジュンも一緒。
細かい心理描写にさすが東大博士課程と思わせるようなことが散りばめてあってのめり込みました。
Posted by ブクログ
2023.1.9-1.28
想像力をかきたてられる独自の用語にいちいち心が踊りながら、その用語自体が我々の日常に存在するものだったりそれに関連するものだったりするが故に日常と地続きにも感じられる"どこかあるかもしれない世界"に魅了され、気付けば時間を惜しんで読み進めていた。これこれ、恩田陸を読んでるって感じがするこの感じ、脳みそが喜んでるなぁってわかるこの感覚がとても嬉しい。らしい〆方で上巻は終了。
源氏物語と日本の風俗
会話に潜むなつかしさ
Posted by ブクログ
ファンタジーの不思議さと、ミステリーの緊張感が大好物。すごく良いバランス。
仮想の世界観の中に半信半疑に迷い込んでいくのが読んでいてすごく楽しい。いろんな登場人物が絡んでくるのも面白い。
次々とトラブルが起きるけど、原因が分からないスリルが、ミステリーらしい。
これだから小説はやめられない、って思わせてくれる。
上巻の最後ゾッとしつつ、下巻が楽しみ。
Posted by ブクログ
11月のヒガンに故人と会えるアナザー・ヒル。英国と日本の文化や宗教が入り混じる黄昏の世界を堪能しました。英国調で西洋の城もある景色にそびえ立つ大鳥居。お稲荷さんの祠もあるし良いです。
亡くなった家族に会いに行く人もいるけど、今年のヒガンはなんと言っても連続殺人「血塗れジャック」の被害者から犯人を聞き出すことが1番の課題です。
主人公の、東大の学士・ジュンはぼけっとしているし、何かが引っかかってもその時に思い出さないのでヤキモキするけれど憎めない良いやつ。アナザー・ヒルの諸々に慣れていないので読者も彼と一緒にドキドキ出来ました。
ジュンと行動を共にする面々も島の人たちもゴシップ好きでガヤガヤとポジティブな人たちで面白いです。リアリストみたいな皮肉さとかあるのに、この島での「お客さん」やヒガンのしきたりは当たり前のものとして暮らしているのが不思議。
「風」というファンキーなポルターガイストも、「ガッチ」という響きがかわいいけど実際は恐ろしい盟神探湯も、ミサーグに行ったね…が「御陵」だったりと日本の神事色が強い。お稲荷さんにはオムレツをお供え。
血塗れジャックっぽい人は殺人続けてるし、黒婦人もラインマンもユイの三役も謎めいています。
“モットーに並び立つ陛下に栄えあれ!”
Posted by ブクログ
お彼岸が“ヒガン”になるだけで、なんと幻想的な
イベントになるのでしょう
日本とイギリスの文化が不可思議に融合し、
年に一度、死者が戻ってくるという島アナザーヒル
かの柳田國男先生も研究していたという“ヒガン”に
連続殺人事件“血塗れジャック”の被害者や
未亡人“血塗れメアリ”が手にかけた前夫が
還ってくるとか来ないとか…
島の秘密、先住民族、死者に遭うために集まる人たち、様々な伏線が張り巡らされた異世界はさらに続く
Posted by ブクログ
まさに恩田陸ワールドというような仄暗い世界観の中で語られるファンタジー&ミステリーの開幕中という感じでした。一気に上巻を読み終えたので下巻が楽しみたいです。
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恩田陸の上質なホラー感がとても良く出てて、面白い。世界観とその設定がすごい。
舞台背景も絶妙で、単調に進みそうな雰囲気の中、中盤で開催されるガッチのスリル感がまた面白い。
これからまだまだ未知の体験を期待しながら、下巻へ読み進めていきます。
Posted by ブクログ
ファンタジーは得意な分野ではないんだけど、このストーリーはすんなりと受け入れられた。
魅力ある登場する人物たちのイキイキとしたこと。
そして、双子のテリーとジミーの謎が気になる。
Posted by ブクログ
「異人たちとの夏」っぽいトワイライトゾーンで起こる横溝チックな密室(密島?)殺人ミステリー( ´ ▽ ` )ノ
お彼岸だのゴシックだの切り裂きジャックだの鳥居ぶらぶら見立て殺人(?)だのポルターガイストだの、思いついたこと聞きかじったことただ書いてみたいことを片端からぶっこんでる感( ´ ▽ ` )ノ
だからまあ、設定・キャラクター・ストーリー何から何までどっかで見たことあるようなものばっかりになってるし、ファンタジー世界のトリックやアリバイなんか何でもありだから謎解きの面白みも薄い( ´ ▽ ` )ノ
会話文が相当ごちゃついてもいるし、最初のうちは「つまんねえなー」と思いつつ読んでいたけど、作者の筆力ゆえか、入島前後からどんどん面白くなってきた( ´ ▽ ` )ノ
宮部みゆきの書くファンタジーとよく似てるけど、あっちが「ああいう世界(ゲームっぽいやつ)が書きたい」という意欲ばかり先行してストーリーが空回り(特にオチが残念)しがちなのに対し、こっちは自由奔放に世界観を構築しつつも要所要所ミステリーの規定はきちんと抑えていっている感――ゆえに納得・安心して読み進められるのかな?( ´ ▽ ` )ノ
まあ、最後まで読まないと何とも言えないけど( ´ ▽ ` )ノ
(以下続刊)
2020/03/30
Posted by ブクログ
コーヒーは、やはりビジネスブレイクという感じがします。ビジネスがメインにあって、コーヒーはあくまで息抜き。でも、紅茶は紅茶のためのブレイクなんですね。一日は紅茶がメインで支配していて、それ以外の時間は紅茶に隷属しているんですね。
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ファンタジー+ミステリー+ホラーを合わせたような小説で面白い。独特な世界観にハマると続きが気になってどんどんページをめくってしまう。ただ上巻がピークで下巻に入ると徐々にスローダウンで物足りなさを感じた。
Posted by ブクログ
読んでて物語の世界に引き込まれるような感じ。
舞台となっている世界の設定や状況の一つ一つがとてもわかりやすく、主人公の気持ちに感情移入しやすかった。
特にアナザーヒルの何とも奇妙な雰囲気、例えばでかい鳥居、死者=お客さん、ぜんまいのような形をしている事、などとても詳細に書かれておりこれからどうなるんだろう?やなぜ?など疑問が出ては解消され出ては解消されの繰り返しが癖になりそうだった。
とっても気になるところで終わったので下巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
日英を織り交ぜた独特な世界を構築する「アナザーヒル」の行事「ヒガン」で発生するサスペンスファンタジー。映画的・漫画的な雰囲気は良いが、事前情報がないまま読み進めるとかなり先に行かないと設定が掴みにくい。もちろん面白いのだが、何か起こりそうでなかなか起こらないので、上下巻の分ける必要があったのかなと感じる作品。
Posted by ブクログ
私の拙い知能では、上巻の面白さがわからぬ。
皆さんが感想で言われている、ファンタジーの趣深さが、いまいち掴みきれないのが、自分自身に残念…
下巻に期待!
Posted by ブクログ
読み始めは独特な世界観に慣れず、読み辛さを感じてしまったが、後半は一気に恩田陸の世界に引き込まれた。ファンタジーでありながら現実味も帯びていて、不思議な感覚。文章から想像する世界は、自分でも驚くほど壮大な世界となった。下巻も楽しみ!
Posted by ブクログ
死者に会える島で行われるヒガンにまつわる話。
凄く不思議な世界で、その中で起こる不可解な事件を解き明かしていく物語だと思う。下巻で色々な謎がとき明かされることを期待する。
上巻しか読んでないが、下巻もこのまま読んでいきたい。
Posted by ブクログ
ファンタジー+ミステリーの不思議な物語。
不思議な世界観でお盆の時期にオススメな物語(笑)。
日本とイギリスの文化が融合しているような設定。
毎年「ヒガン」と呼ばれる1カ月を「アナザー・ヒル」と呼ばれる場所で過ごすV.ファーの人々。
そこでは死んだ人々が「お客さん」として実体化して現れ、再会を楽しめるという。
上巻では
主人公ジュンは、文化人類学の研究で、アナザー・ヒルに親戚とともに訪れます。
そこには、故人との再会を望む人達や、「血塗れジャック」事件の被害者の人たちから犯人像を聞き出したい人々が。
しかし、アナザー・ヒルに上陸する直前に、鳥居につるされた死体を発見。
さらに、アナザー・ヒルでおこる様々な不可思議な出来事が。
と言った形で、このアナザー・ヒルの世界観、「ヒガン」の世界観が上巻で語られています。
鳥居に死体をつるした犯人は誰か?
「血塗れジャック」事件の犯人は?
怪しい行動をとるジミー、そして、死んだ双子のテリーは「お客さん」?
ガッチでの出来事は?
などなど、様々な謎が広がり、深まっていきます。
この不思議な世界観に入り込んでしまいます!
Posted by ブクログ
夏枯れの書棚から何を読もうかと物色し、少し前に上の息子が読み終えた後、上下巻の厚さと題名の暗さにたじろいで立てかけたままになっていたこの本にする。
“ネクロポリス”は巨大な墓地または埋葬場所である、語源はギリシャ語のnekropolis(死者の都)-Wikipedia。という訳でこの本の舞台はイギリスと日本の文化風習が奇妙に交じり合うV.ファーという国における聖地―アナザー・ヒル。
もうすぐお彼岸だけど、ここでもヒガンという祝祭空間で、帰ってくる死者たちを「お客さん」と呼び温かく迎える。
主人公ジュンはフィールドワークのため親戚を頼ってアナザー・ヒルにやってきたのだが、そこで彼が目にしたのは、不可思議な風習、連続殺人、天変地異、恐ろしい儀式、そして説明不能の体験…。
お話の本線は連続殺人の謎解きと思しきも、世間を賑わせた「血塗れジャック」連続猟奇殺人事件や次々に夫が死んでいく黒婦人の話も絡んで、提出された謎は曖昧模糊のまま膨張する。
空想の異世界に血塗られたミステリーは、露悪的で物見高く噂好きな人々のわあわあとした討論と相まって、昔読んだコナン・ドイルやクリスティーの雰囲気で悪くは無いんだけど、う〜ん、どのように収束するのか、今ひとつノリきれず。取り敢えず下巻へ。