あらすじ
英国と日本の文化が融合した世界「V.ファー」の「アナザーヒル」では、死者と交流する「ヒガン」と呼ばれる行事が毎年行われている。「V.ファー」で連続殺人事件が発生した年、聖地である「アナザーヒル」でも事件が起きる。犯人探しが進むなか、不思議な風習に彩られた「アナザーヒル」が変質し始める――。著者初の上下巻作品となった大作ファンタジーが待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
11月のヒガンに故人と会えるアナザー・ヒル。英国と日本の文化や宗教が入り混じる黄昏の世界を堪能しました。英国調で西洋の城もある景色にそびえ立つ大鳥居。お稲荷さんの祠もあるし良いです。
亡くなった家族に会いに行く人もいるけど、今年のヒガンはなんと言っても連続殺人「血塗れジャック」の被害者から犯人を聞き出すことが1番の課題です。
主人公の、東大の学士・ジュンはぼけっとしているし、何かが引っかかってもその時に思い出さないのでヤキモキするけれど憎めない良いやつ。アナザー・ヒルの諸々に慣れていないので読者も彼と一緒にドキドキ出来ました。
ジュンと行動を共にする面々も島の人たちもゴシップ好きでガヤガヤとポジティブな人たちで面白いです。リアリストみたいな皮肉さとかあるのに、この島での「お客さん」やヒガンのしきたりは当たり前のものとして暮らしているのが不思議。
「風」というファンキーなポルターガイストも、「ガッチ」という響きがかわいいけど実際は恐ろしい盟神探湯も、ミサーグに行ったね…が「御陵」だったりと日本の神事色が強い。お稲荷さんにはオムレツをお供え。
血塗れジャックっぽい人は殺人続けてるし、黒婦人もラインマンもユイの三役も謎めいています。
“モットーに並び立つ陛下に栄えあれ!”
Posted by ブクログ
コーヒーは、やはりビジネスブレイクという感じがします。ビジネスがメインにあって、コーヒーはあくまで息抜き。でも、紅茶は紅茶のためのブレイクなんですね。一日は紅茶がメインで支配していて、それ以外の時間は紅茶に隷属しているんですね。