恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「天才」と呼ばれる存在を、真正面からではなく、周囲の人々の視点を通して描いていく物語。
主人公・ハルはどこかつかみどころがなくて、決して多くを語らない。それなのに、彼の周りにいる人たちの言葉や記憶、感情の中には、確かに“圧倒的な存在”としてのハルが浮かび上がってくる。この「他人の視線によって輪郭が形作られていく主人公」という描き方が、とても恩田陸らしくて心地よかった。
本人の語るハルは静かで淡々としているのに、周囲が語るハルは眩しく、時に理解不能で、でも強烈に人の人生を動かしていく。そのズレが、この物語のいちばんの魅力だったと思う。
天才とは何か。
才能は祝福なのか、それとも孤独を伴うも -
Posted by ブクログ
ネタバレ表題から想像していた話とは違っていて、(もっとホラーテイストで壮大なのかと勝手に思っていた)普通の暮らしの中に住む人々のSF的なお話だった。なんとなくジブリの平成狸合戦ぽんぽこを想像した。
短編が連なり、特殊な力を持ったひとびとと、普通のひとびとが関わってゆく話が描かれる。中でも表題になった「光の帝国」は、力を持ってしまったがゆえに狙われてしまった過去の常野の子どもたちの悲しいお話で胸が痛くなった。
現在も発達障害やLGBT等、いわゆる「普通」とは違うひとびとがいるが、偏見の目を持たないでフラットに接していきたいという気持ちにさせられた。 -
Posted by ブクログ
恩田さんのデビュー作!
とある高校では十数年にわたり、『サヨコ』という奇妙なゲームが受け継がれていた。3年に一度サヨコが選ばれ、今年は「六番目のサヨコ」が誕生する年であった…。
高校生の瑞々しさと揺れ動く繊細な心をよく表現していると思いました!その一瞬一瞬を大切に過ごしているキャラクターたちも良かったです!
学園祭の「呼びかけ」は名場面!没入感がすごく、また読み返したいくらい好きなシーンでした
「うたごえ喫茶みぞぐち」のシーンや友達と勉強するシーンなど読むと学生時代の楽しかった頃を思い出しました
もちろんホラーなシーンもありました!でも、残酷すぎる描写はほとんどなく、幻想的で曖昧な世界