恩田陸のレビュー一覧
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バレエダンサー兼振付家、萬春(よろず はる)。
類いまれにみる感性と才能が育まれ、開花していく物語り。
章ごとに語り手がバトンタッチされる構成で、
最終章でハル自らが語り出す。
大切な人たちとの出会いと別れを経て、
自身の名前「春」が入った特別な思い入れのある大作、
イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲「春の祭典」の振付へと挑む様子は、
まさにハルの集大成であり、圧巻の描写。
出てくる登場人物はそれぞれがとても魅力的、だけど
章が進むにつれて、ひときわハルにどんどん魅了されてしまった。
彼が見ているこの世のカタチ、どんな世界なんだろう。
ひたすらに躍りと向き合い、身を捧げる姿勢は、もはや崇高 -
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先日出雲・松江を旅行し出雲大社や小泉八雲記念館などを周った。そういえばこのあたりが出てくる好きな作品があったなと、ふと思い出したのが本書。
前回読んでから10年以上、初めて読んでからも25年以上たっているが、私の読書人生と読書趣味のなかに色濃く影響を残し続けてる作品だ。4話の中編からなる本書は、「三月は深き紅の淵を」というタイトルの謎の小説を巡る話。
その本は、著者も内容も謎で、自費出版で僅かな冊数が出版され配布されたがのちに謎の男に回収されてしまい、いまは世の中に流通していない。なんともそそられるこの設定と、入れ子式の物語構成と、登場人物たちのおしゃべりや食事がとても魅力的なのだ。
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ネタバレ酒亭DARKNESS
基本的に全国各地の飲み屋を題材とした短編集。
ラインナップは以下の通り。
○跡継ぎの条件〜東京・大森の空席
○夜のお告げ〜神奈川・野毛の都橋商店街
○昭和94年の横丁〜愛知・名古屋の日めくり
○風を除ける〜東京・代田橋の沖縄タウンのマブイ
○黒の欠片〜長野・松本の天守閣
○曇天の店〜富山・高岡のフェーン現象
○三味線の音〜新潟・古町の二口女
○笑うカピタン〜長崎・浜町の絵とナイフレスト
○歌うカステラ〜長崎・ある住宅街のあんと
○祖父の墓〜栃木・日光東照宮
○白の迷路〜兵庫・姫路城の白のマダム
○アトランダムな神々〜大阪・新世界/曾根崎
○空飛ぶ梅〜東京・湯島、稲妻と梅 -
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ネタバレバレエをテーマにした芸術系恩田陸作品で、2025年の本屋大賞ノミネート作品。
バレエという歴史ある芸術だけど、馴染みがない人も多いだろうこのテーマで、ここまで読ませて本屋大賞にまでノミネートされてしまうのは流石と言わざるを得ない。実際、全く興味がなかったのにバレエの動画を見てみようと思ってしまった。
萬春というダンサー・振付家を、叔父、バレエの先生、パートナーとなる作曲家の目線から描き、最後に萬春本人目線での物語が語られる。構成は『成瀬は天下を取りにいく』に似ていて、天才ダンサー・振付家に接する人たちの話から、その天才は実はこういう人だったということが明らかになっていく。
タイトルの『spri -
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常野シリーズ第2弾。
前回は短編でしたが今回は長編で個人的には今回の方が良かったです。
不思議な力を持つ常野から来た人々。
主人公は東北の村に住む峰子。
峰子は旧家槇村家の末娘聡子のお話し相手となる。
峰子は生まれつき病弱で学校にも行けず、ずーっとお屋敷での生活を強いられている。
槇村家のお屋敷には色々な人たちが出入りする。
そんなある日、常野から来た家族がやってくる。
前半は峰子と槇村家の家族、そしてそこに出入りする人々とを穏やかに進んでいくが、台風襲来から話は一気に緊迫感が増して聡子が大胆な行動に踏みきる。
物語は二十世紀が始まったばかりの明治時代。
この後、日本はどんどん暗い時 -
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『spring』の登場人物たちとまた会える喜び!
しかも、出会った時のエピソードから、大人(40歳〜60歳)になるまで、彼らの人生を幅広く追えるお話がたくさん。
『spring』では語られなかった「あの時」の裏話や、他の人からみた視点でのお話など、『spring』に魅了された読者にとっては最高のスピンオフ作品集でした!
これだけ様々な人から見た話や、春自身が語り手になる話があっても、「萬春」という人物がふわふわと得体の知れない存在であり続けているのが、不思議。
最愛のパートナーであるフランツに対してさえも、まだ見せていない顔があるのでは。無限の表情を持っているのでは。
と思わせる、幻の生き物