恩田陸のレビュー一覧

  • spring

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    バレエダンサー兼振付家、萬春(よろず はる)。
    類いまれにみる感性と才能が育まれ、開花していく物語り。

    章ごとに語り手がバトンタッチされる構成で、
    最終章でハル自らが語り出す。

    大切な人たちとの出会いと別れを経て、
    自身の名前「春」が入った特別な思い入れのある大作、
    イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲「春の祭典」の振付へと挑む様子は、
    まさにハルの集大成であり、圧巻の描写。

    出てくる登場人物はそれぞれがとても魅力的、だけど
    章が進むにつれて、ひときわハルにどんどん魅了されてしまった。
    彼が見ているこの世のカタチ、どんな世界なんだろう。
    ひたすらに躍りと向き合い、身を捧げる姿勢は、もはや崇高

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    2026年04月19日
  • 三月は深き紅の淵を

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    先日出雲・松江を旅行し出雲大社や小泉八雲記念館などを周った。そういえばこのあたりが出てくる好きな作品があったなと、ふと思い出したのが本書。

    前回読んでから10年以上、初めて読んでからも25年以上たっているが、私の読書人生と読書趣味のなかに色濃く影響を残し続けてる作品だ。4話の中編からなる本書は、「三月は深き紅の淵を」というタイトルの謎の小説を巡る話。

    その本は、著者も内容も謎で、自費出版で僅かな冊数が出版され配布されたがのちに謎の男に回収されてしまい、いまは世の中に流通していない。なんともそそられるこの設定と、入れ子式の物語構成と、登場人物たちのおしゃべりや食事がとても魅力的なのだ。

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    2026年04月18日
  • spring

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    2025年本屋大賞ノミネート作品。恩田陸先生といえば芸術テーマで「蜜蜂と遠雷」が有名だが今度はバレエをテーマにした作品。天才バレリーナ兼振付師となる萬春(よろずはる)とそれを取り巻く周りの人々の関わりを描く。章ごとに人を変えて萬春という人物について語っていくという変わった構成。

    天才・春の凄さを色んな人の目線で見てきて「この人何考えてるんだろう?」っていう登場人物と同じ感覚を抱いたところで最後春目線で伏線回収されていくのが気持ちいい。バレエや音楽、映画など実存する作品が沢山出てきて面白かった。

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    2026年04月16日
  • チョコレートコスモス

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    響子ーーーーーー!!!
    よかったね、よかったね。
    舞台にあかるくないけど、舞台の場面を読んでいてひきこまれた。

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    2026年04月15日
  • 酒亭DARKNESS

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    ネタバレ

    酒亭DARKNESS

    基本的に全国各地の飲み屋を題材とした短編集。
    ラインナップは以下の通り。
    ○跡継ぎの条件〜東京・大森の空席
    ○夜のお告げ〜神奈川・野毛の都橋商店街
    ○昭和94年の横丁〜愛知・名古屋の日めくり
    ○風を除ける〜東京・代田橋の沖縄タウンのマブイ
    ○黒の欠片〜長野・松本の天守閣
    ○曇天の店〜富山・高岡のフェーン現象
    ○三味線の音〜新潟・古町の二口女
    ○笑うカピタン〜長崎・浜町の絵とナイフレスト
    ○歌うカステラ〜長崎・ある住宅街のあんと
    ○祖父の墓〜栃木・日光東照宮
    ○白の迷路〜兵庫・姫路城の白のマダム
    ○アトランダムな神々〜大阪・新世界/曾根崎
    ○空飛ぶ梅〜東京・湯島、稲妻と梅

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    2026年04月15日
  • spring another season

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    恩田陸さんのスプリングを読みたいと思っていて、スピンオフ小説集を先に読んでしまい、本編気になるし、海外の映画観ている気分になりました。人間関係や内容で分からない所もあるので、最初は本編を読んでからスピンオフを読むことをオススメします。
    バレエ物語は初心者ですが、切磋琢磨して上を目指していく話なんだろうと思ったので、本編を読むのが楽しみになりました。

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    2026年04月14日
  • クレオパトラの夢 新装版

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    前作メイズから間を空けずに読み進めました。

    メイズもそうでしたが、実際の史実が出てくるので読んでいて背筋が凍る様な瞬間が多々あります。
    今作の舞台は日本という事もあり、その瞬間はメイズよりも多くありました。

    今作は恵弥視点で書かれているため、言い回しなど面白い所もありつつ、着々と物語が進んでいく不気味さ。
    恩田陸さんの本を読んだ時にある「霧の中を彷徨う様な不気味さ」がずっと続き、メイズ同様ページを捲る手が止まりませんでした。

    結末もやはりメイズと同じく予想の斜め上。
    楽しませてもらいました。

    3部作目の次作も間を空けずに読む予定です。

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    2026年04月14日
  • MAZE 新装版

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    久しぶりに一気読みした一冊でした。

    恩田陸さんの著書は多く読んできましたが、新しい一面に触れた気がします。

    人はなぜその建物に入ると消えるのか。
    そんな非科学的な事をどう解決してまとめるのか。

    気になってページを捲る手が止まりません。
    最後の結末は想像の斜め上でしたし、なるほどと思わず唸る内容でした。

    シリーズ3部作という事もあり、次の本も読み進めたいと思います。

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    2026年04月14日
  • spring

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    ネタバレ

    バレエをテーマにした芸術系恩田陸作品で、2025年の本屋大賞ノミネート作品。
    バレエという歴史ある芸術だけど、馴染みがない人も多いだろうこのテーマで、ここまで読ませて本屋大賞にまでノミネートされてしまうのは流石と言わざるを得ない。実際、全く興味がなかったのにバレエの動画を見てみようと思ってしまった。
    萬春というダンサー・振付家を、叔父、バレエの先生、パートナーとなる作曲家の目線から描き、最後に萬春本人目線での物語が語られる。構成は『成瀬は天下を取りにいく』に似ていて、天才ダンサー・振付家に接する人たちの話から、その天才は実はこういう人だったということが明らかになっていく。
    タイトルの『spri

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    2026年04月12日
  • ネクロポリス 下

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    評価に迷う作品。上巻に比べて物語が動いたのと、ラストがダーク過ぎなかったので4。にしても、スゴい世界観でしたわ。コックリさんが出てきたかと思えば、死者の世界と融合とか、世界の始まりとか、、、八咫烏は別の作品にも出てきてましたよね。異世界物語は昨今けっこうあるようだけど、複雑摩訶不思議なのは恩田さんならでは。

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    2026年04月11日
  • 月の裏側

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    終始ドロリと粘っこい黒い液体が身体にまとわりついてくるような作品でした。
    ホラー耐性が強くない自分には、グロテスクなシーンを想起させる文脈も多く登場して、なかなか辛い部分も。
    そして途中から、どうやらホラーの要素だけではないことにも気付きました(遅い)。
    一体どこにどうやって着地させるのか、と気になりながら読み進めましたが、なるほど、恩田陸はそこに着地させたかと、ウンウン唸りながら本を閉じました。
    シリーズ作品ということなので、続けて読んでいこうと思います。

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    2026年04月10日
  • 蜜蜂と遠雷(下)

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    最後の最後まで目が離せない小説でした。
    登場人物の心情がピアノの演奏によく表れているように感じ、実際にコンクール会場で聞いているかのように感じた。
    ピアノの演奏者は音に何を込めるかはそれぞれで、すごい演奏というのは必ず聞いている人に突き刺さるものだと感じた。
    この小説を通じて、実際にピアノの演奏をしてる人は大勢の人の前で、自分の音を届けるというのはとても難しく、素晴らしいものだと思った。また、実際にコンクール会場にいって演奏を聞いてみたいと思った。

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    2026年04月08日
  • チョコレートコスモス

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    東響子というキャラクターに惹かれた。圧倒的な才能を持ち、自分がどう見られているか分析するバランス感覚があるのに、器用貧乏で贅沢な悩みに苦しんでいて、応援したくなる人物だった。佐々木飛鳥と東響子は風間塵と栄伝亜夜に重なる。蜜蜂と遠雷と大まかなストーリーは似ているが個人的には蜜蜂と遠雷派かなぁ。クラシックの描写が緻密で、感動が段違い。 舞台にはプレイヤーの意思とは離れたなにかが存在しているのだな〜と思った。相変わらず恩田陸はハズレなしで有難い。

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    2026年04月07日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    常野シリーズ第2弾。
    前回は短編でしたが今回は長編で個人的には今回の方が良かったです。

    不思議な力を持つ常野から来た人々。

    主人公は東北の村に住む峰子。
    峰子は旧家槇村家の末娘聡子のお話し相手となる。
    峰子は生まれつき病弱で学校にも行けず、ずーっとお屋敷での生活を強いられている。

    槇村家のお屋敷には色々な人たちが出入りする。
    そんなある日、常野から来た家族がやってくる。

    前半は峰子と槇村家の家族、そしてそこに出入りする人々とを穏やかに進んでいくが、台風襲来から話は一気に緊迫感が増して聡子が大胆な行動に踏みきる。

    物語は二十世紀が始まったばかりの明治時代。
    この後、日本はどんどん暗い時

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    2026年04月06日
  • spring another season

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    ネタバレ

    10編の収録と2編の書き下ろし。

    恩田陸、フランツとハル好きだなあと感じた。
    美男美女好きだなあとも。

    バレエの描写は、バレエについて全然知らなくても、イメージだけでイメージ出来るようになっているからすごい。

    バレエが好きなんだ!という恩田陸の趣味100%から出来た作品の後日談みたいなものなので、ほんとにオマケみたいな内容だけれども、面白かった。

    映像で見たくなるので、予算注ぎ込んで映像化したら売れそう。
    国宝売れたし。

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    2026年04月03日
  • 麦の海に沈む果実

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    ネタバレ

    読後はなんだか言いようのない喪失感を味わいました。
    ラスト2章は急展開で感情が追いつかず、黎二の死と、主人公の変貌と、主人公の黎二への扱いにショックを受けました。
    特にラストに黎二への思いが書かれていますが特別な人というより踏み台の一部、ちょっとした私物をを無くしたくらいの痛み程度に書かれていて、「本当にもう、、」とやるせなくなりました。
    色々なんだかんだあったけどハッピーエンドになることを想像していただけに、、
    でも面白いですね

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    2026年04月03日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    不思議で、何とも言えない魅力に溢れている。再読だが、恐らく初めて読んだ時には消化し切れていなかったのだろう(あるいは単に内容を忘れてしまった可能性もあるが)。
    密室心理サスペンスかと思いきや、物語の進行と共にこれが恋と愛の話に変貌していく。
    恋と愛と書くとこれが甘ったるいやりとりが満載されているかのように思われるが、何せ作者が作者だ。そんな事はない。物語は静寂に満ちているが、中身は芳醇で濃厚だ。そのくせ後味がスッキリしていて推理小説としての魅力まで兼ね備えている。出来の良い密室劇を観たかのよう。

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    2026年04月02日
  • 愚かな薔薇 下

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    恩田陸さんの作品は何冊か読んだことあるけど自分には合わない作家さんだなと思ってた、だけどこの愚かな薔薇は吸血鬼SFホラーミステリーみたいな感じの話で面白かった日本が舞台だけど西洋の吸血鬼との相性も良くて雰囲気も凄く良かった

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    2026年04月02日
  • 夜明けの花園

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    とある全寮制学校、その中や卒業生に起こる事件を短編集として描いている。その学校には様々な事情やバックグラウンドを持つ生徒たちが所属しており、学校側にも多大ないわくがありげである。そのため全編に共通して不穏さや緊張感が漂っている。特に意識しなくとも面白く読めるが、ミステリとしても楽しく読めるであろう作品もあり、読み応えがある。

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    2026年04月02日
  • spring another season

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    『spring』の登場人物たちとまた会える喜び!
    しかも、出会った時のエピソードから、大人(40歳〜60歳)になるまで、彼らの人生を幅広く追えるお話がたくさん。
    『spring』では語られなかった「あの時」の裏話や、他の人からみた視点でのお話など、『spring』に魅了された読者にとっては最高のスピンオフ作品集でした!

    これだけ様々な人から見た話や、春自身が語り手になる話があっても、「萬春」という人物がふわふわと得体の知れない存在であり続けているのが、不思議。
    最愛のパートナーであるフランツに対してさえも、まだ見せていない顔があるのでは。無限の表情を持っているのでは。
    と思わせる、幻の生き物

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    2026年04月01日