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現代の語り部が贈る、幻想ホラー超大作。直木賞&本屋大賞ダブル受賞の著者の会心の作品。 建築学部に通う大学生の平口捷は、姉と二人暮らしの平凡な生活を送っていた。そんな彼の前に若き天才美術家・烏山響一が同級生として現れる。カリスマ的な雰囲気があり取り巻きが絶えないが、なぜか響一の方から捷に近づいてくる。そして、届いた招待状。訪れた熊野の山奥には、密かに作られた野外美術館が……。奇怪な芸術作品は、見る者を悪夢に引きずり込む。幻想ホラー大作。(解説 皆川博子)
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文字でここまで背筋が凍って後ろを振り向けなくなるような気持ちにさせられるのすごすぎ。 最後は夢で終わったのか?
Posted by ブクログ
ページをめくるほど、現実を見失い作品の中にのめり込んでいき、まるで自分の心臓を掴まれたかのような恐怖を感じました。そして、ワードセンスが自分に刺さり、恩田さんを好きになるきっかけになりました。
ページをめくる手が進まない 怖くて気持ち悪くて 心に錘を下げてお化け屋敷に放り込まれたような作品でした でも面白かった
世界観にゾクゾクした。 恩田陸の世界観が好きな人には刺さる。 特に理瀬シリーズとか。 結末がイマイチだったという感想を見てしまってから読んだけど、それは否定できなかった(笑) むしろその感想を見てから読んだから覚悟が出来てた分、ガッカリ感が減少できたかも。
恩田陸ワールド全開の面白い引き込まれる作品だった。 人の意識、無意識を直接ゆさぶる、見据えるような不思議な世界観を登場人物を通して描き出す。 烏山響一の世界から解放?された後の個々人の様子については描かれていないが、それぞれがそれぞれの無意識の本来忘れていく、深く眠っているであろう側面を直視しな...続きを読むいでいられるようになったのか。 恩田陸の作品を感想として残そうとするのは私にはまだ難しい。
恩田陸、何書いてもおもしろ作家ですごい。物語星からきた小説星人?ちゃんと地に足のついた、描写もディティールもしっかりしている文章なのに最終的にどこへ連れて行かれるのかまるで想像がつかなくて、それがお、おもしれー…すごー…と圧倒されてしまう。 自分で選択したはずの行動が実は巧妙に仕組まれていることがわ...続きを読むかったときの恐怖を寄る辺のなさ、他人どころか自分のことすらも信じきれなくなってしまう追い込まれ具合。 物語のはじめから不穏な空気感に満ちてて、それがどんどんふくらんで、いつ”パン!”って弾けてしまうんだろうかとそろそろと読みすすめていたのだけど、それが弾けるというよりはぷしゅーと空気が徐々に抜けていって、あとにはふくらんでいた抜け殻だけがある…みたいな。最後も一応決着はついたのに不穏さは拭いきれない感じで、え、大丈夫だよな?と不安になりつつも圧倒的な物語と文章の密度に巻き込まれていくのが楽しい読書だった
恩田さんの世界観はやっぱりすごい好き。特に今回は大好きなインスタレーションを取り上げていて、そこへの冒険がめちゃくちゃ楽しかった。ラストは無理矢理片付けた感もあるけど、全体的には面白い。
【2023年122冊目】 やたらめったらホラー小説が読みたいという欲望に突き動かされ、読んでるのですが、この作品は怖くはない、です。が、気味は悪いです。さすが、幻想ホラー小説と謳ってるだけはあります。 物語の鍵を握る烏山響一ですが、前半の中でそのカリスマ性とか異様性を感じさせるような建付けになって...続きを読むいるからこそ、別の人物にまでこっちの気が回らなかった気がしました。「いや、お前もそっちなんかーい」と思いました、やられた。 インスタレーション、ぜひ体験したいなぁと途中までは思ってましたが、精神に異常をきたしそうなので、やっぱ遠慮したいところです。でも、あったら行っちゃいそう。一時期イギリスにあったディストピアの遊園地を思い出しました、あんなの可愛いもんかもしれないけど。 恩田陸さんは文章が美しい。素敵な表現がたくさんあって、まさに幻想的でした。
うーん…なんか物足りない感じでした。美術関係の話だと聞いたので購入したのですが、私的にはもう少し色々と書いて欲しかったかも。個人による感想なので、人によって個人差があるかもしれないけど、私は頁数分厚くても良いからもう少し詳しく書いて欲しかった。特に結末とか。
最後の展開の途中くらいまではずっと面白かったのですが、終わり方が私の好みではありませんでした。読み手によって感想は全く異なると思いますが、一気につまらなくなったように私は感じました。 それまではずっと、身体の表面にゾワゾワする気持ちの悪い空気を纏っているような、まるでこの世のものとは思えない程くそ...続きを読む不味いリエットを食べた後の、いくら口をゆすいでも取れない不快感がこびりついてるような感覚がありました。 その感覚が新鮮で、他の小説では味わったことのない、地味だけど一時も離れることのない不快感を味わえて楽しかったです。 読者とキャラクターという一線を隔てた関係値なのに、キャラクターである響一に自分の中の本質を強引に引きずり出されるようで、捷や律子と共に後ろから見守りつつ着いて行く感覚があり、誰とは言いませんがラストで展開を大きく変えるあの人の目線で共に実際に体験しているような感覚で物語に引きずり込まれていました。 今感想を書きながら、なぜラストにあの人が影響を与えたのか理解できましたが、やっぱり終わり方は私の好みとは合いませんね。 ですが、ここまで自分も物語の中に引きずり込まれて目の前で同じものを見ているような感覚になる小説は初めてなので、ラスト以外は何よりも面白かったです。 これを機に、普段は絶対に行かないような、見ると気持ち悪さを感じるホラー系の絵画展にも行ってみたくなりました。
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