感情タグBEST3
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ページをめくるほど、現実を見失い作品の中にのめり込んでいき、まるで自分の心臓を掴まれたかのような恐怖を感じました。そして、ワードセンスが自分に刺さり、恩田さんを好きになるきっかけになりました。
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大学生でありながら、世界的な天才美術家烏山響一。
彼に惹かれながら怖れる捷(さとし)と律子。
突然姿を消してしまった婚約者・黒瀬淳(あつし)を捜す婚約者の夏海と大学時代の友人である和繁。
ふたつの人間関係が、熊野で一つになる。
地元の名家・烏山家の持つ個人的な野外ミュージアムを舞台に、おぞましいほどのイメージの奔流が、読む手を止めることを阻む。
どういうこと?
なんでこんな目に合わなきゃならないの?
とにかく烏山響一が恐ろしい。
出てくるだけで不穏な気配に圧倒される。
多くの人は彼のまとう負のオーラに気づかない。
気付く者こそが、彼に招待されるのだ。
そして芸術家を多数生み出す烏山家の謎。
昔からの名家でありながら、広大な敷地を高い塀で囲った中にある烏山家。
何かある…はず。
恩田陸の作品に多々あるとおり、最後の落としどころがするっといきすぎて物足りないけれど、捷が、律子が、取り込まれそうになるところまでは手に汗握って読みました。
鍵を握る人物は最初からわかっていたので、いつ姿を現わすのか、どう現わすのかと思っていただけに、ああ、そうきてしまったのね…という感じ。
結果として私は「至上の愛」ってトラウマになりそうだけど、それは間違った読み方であることに自覚もある。
ただ、香織の婚約者の洞察力の根拠と、橘のその後(助かったの?)を知りたいです。
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恩田さんの世界観はやっぱりすごい好き。特に今回は大好きなインスタレーションを取り上げていて、そこへの冒険がめちゃくちゃ楽しかった。ラストは無理矢理片付けた感もあるけど、全体的には面白い。
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禁じられた楽園とは何か。その未知なるものへの期待と恐怖を感じながら、読み進めた。
序盤から不穏な空気を感じつつ、まだ行けるまだ行けると進み、…気付いたときには、もう戻れないが進みたくもない怖さに囲まれていた。まさにこの登場人物たちと同じ境遇である。
ただのホラーで終わりかと思いきや、最後は(中盤からは想像できないくらい)希望を残して終わる。やはり人間には、絶望より希望が必要なのかな。
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やっぱり恩田陸はすごい!ボリュームのある作品だったけど、どんどん読み進めた。今回も違う場面の登場人物たちが、一体どこで関係してくるのかとワクワクした。少しゾクゾクとしたし、まさに恩田ワールドだった。面白かった。
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【2023年122冊目】
やたらめったらホラー小説が読みたいという欲望に突き動かされ、読んでるのですが、この作品は怖くはない、です。が、気味は悪いです。さすが、幻想ホラー小説と謳ってるだけはあります。
物語の鍵を握る烏山響一ですが、前半の中でそのカリスマ性とか異様性を感じさせるような建付けになっているからこそ、別の人物にまでこっちの気が回らなかった気がしました。「いや、お前もそっちなんかーい」と思いました、やられた。
インスタレーション、ぜひ体験したいなぁと途中までは思ってましたが、精神に異常をきたしそうなので、やっぱ遠慮したいところです。でも、あったら行っちゃいそう。一時期イギリスにあったディストピアの遊園地を思い出しました、あんなの可愛いもんかもしれないけど。
恩田陸さんは文章が美しい。素敵な表現がたくさんあって、まさに幻想的でした。
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途中から後半臨場感溢れるシーンに緊張や恐怖が強まり一気に読み進めた。でもこれはどう終わりを迎えるんだろう?え?まさか幻想とかじゃないよね?あれ?
香織が出てきたところからあっという間に収束。何も無かったかのように…
んー、な気持ちで読み終えた
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うーん…なんか物足りない感じでした。美術関係の話だと聞いたので購入したのですが、私的にはもう少し色々と書いて欲しかったかも。個人による感想なので、人によって個人差があるかもしれないけど、私は頁数分厚くても良いからもう少し詳しく書いて欲しかった。特に結末とか。
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最後の展開の途中くらいまではずっと面白かったのですが、終わり方が私の好みではありませんでした。読み手によって感想は全く異なると思いますが、一気につまらなくなったように私は感じました。
それまではずっと、身体の表面にゾワゾワする気持ちの悪い空気を纏っているような、まるでこの世のものとは思えない程くそ不味いリエットを食べた後の、いくら口をゆすいでも取れない不快感がこびりついてるような感覚がありました。
その感覚が新鮮で、他の小説では味わったことのない、地味だけど一時も離れることのない不快感を味わえて楽しかったです。
読者とキャラクターという一線を隔てた関係値なのに、キャラクターである響一に自分の中の本質を強引に引きずり出されるようで、捷や律子と共に後ろから見守りつつ着いて行く感覚があり、誰とは言いませんがラストで展開を大きく変えるあの人の目線で共に実際に体験しているような感覚で物語に引きずり込まれていました。
今感想を書きながら、なぜラストにあの人が影響を与えたのか理解できましたが、やっぱり終わり方は私の好みとは合いませんね。
ですが、ここまで自分も物語の中に引きずり込まれて目の前で同じものを見ているような感覚になる小説は初めてなので、ラスト以外は何よりも面白かったです。
これを機に、普段は絶対に行かないような、見ると気持ち悪さを感じるホラー系の絵画展にも行ってみたくなりました。
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人の内部の狂気を引き出す美術品。それを制作した人も狂気に捕らわれているのか?ここでは、才能と狂気の境目が曖昧だ。
捕らわれた人を助けるには、外からの助けが必要ですね。常に外側から内を観ることができるようにしなくては。
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実際に、インスタレーションを見て、平衡感覚がなくなったり不安な気持ちになることがある。烏山の芸術はそんな感覚を思い出させ、登場人物それぞれの封印してきた過去の幻影と繋がる。吸い込まれるように読み進めたが、最後は捲し立てられるように夢か誠かのファンタジー感で私もよく分からなくなった…。それも狙いなら、まんまと引っかかったわけだ。
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展開がすごく気になって、一気読みした。
どうなるんだろう、ページをめくるたび、ドキドキする展開。
最後、結末は、あれ?…???
はてなマークが頭に。
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主人公達が烏山響一の世界観に引き摺り込まれていくように、読み進めるうちに小説の世界観にどっぷり引き摺り込まれた。
気味の悪さがずっと続くが、最後はスッキリとした読後感があった。
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烏山響一と黒瀬淳の二人が焦点となる話。
イメージ映像合戦でエンドゲームを思い出した。
失踪した黒瀬淳を追う話はサスペンスで引き込まれるし、烏山響一のほうの捷と律子は何が起きるのかというワクワクで面白かった。
特に何億何十億と巨大な資産を投じた山の中の美術館のシーンは面白かった。ゲストハウスのカラクリはきっと地震体験の家のようなものなんだろうな。
記者の橘とその弟、首無し死体についてはよくわからない。弟が首無し死体になったのか?橘がそうなるには時系列的に合わないし。
作者自ら〈バリバリ邪悪路線の男〉と言われた烏山響一については、その評価に笑うが、自分はあまり邪悪さを感じなかった。置き去りにするし負のエネルギー蓄えようとするし無償の愛を信じてないし理解できないけど、彼の描写について薄くて、あんまりなあっていう印象。
黒瀬についてもそう。
夏海さんがガラリと態度を変えたというか、あれ演技なのかよ!っていうのがショック。絶対後付けでしょ。態度を変えられてよくわからなかった。
最後は姉のおかげで助かるけど、姉よくたどりついたな。『ロミオとロミオは永遠に』並みにすごくない?
あんましこの作品のオチは…って言われてたので覚悟してたけど、夢オチのような、終わり方で笑った。ホラー映画のような…まあそれに近いしな。
またあのインスタレーションを味わいたくなったら読むと思う。
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前半は先が気になってどんどん読み進んだけど、インスタレーションに入ったところから情景が今ひとつ浮かんでこなくてスピードダウン。最後もあ〜やっぱりこの人が出てくるんだ〜って予想通りでちょっと期待値より下だったかな〜
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就寝前に読むと悪夢をみそうだったが、思わず引き込まれて止まらなかった。
陰と陽のパワーは、世界に溢れてる。そして、人の中にも。どちらを引き出すかは、自分自身によるのかな。
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なんとなく「夜の底は〜」に近いなと思った。個人的にはあちらの方が怖かったんだよな…神山の得体の知れなさが。
比較してしまうのは良くないかもしれないけど、烏山はそこまでカリスマ性を感じなかった…すごい人なんだとは思うんだけど…
そんな風に思うのはラストでひっくり返されたから。悪は悪のままであるからこそ光るのではと思う。想像もしなかった善にやられる悪という構図は定番といえば定番だけどやや納得できないラストだった。
というか姉ちゃん一人であそこまで来たの?インスタレーション沢山あったのに?
夏海は世界を支配する側になりたいと思っているが、本性曝け出したところでものすごい小物感あるなぁと思ってしまった。烏山が悪のままでラストを迎えたとしても、結局はいいように使われて始末されてそう。
そしてひたすらに橘兄弟がかわいそう。
全体的に不気味だという印象はあるけど怖いとまでは思わなかった。一番嫌だなと思ったのはゴムの迷路…気持ち悪い…
恩田作品のこの手のラスト最近しんどくなってきた。伏線回収が雑すぎる…
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これまで何冊か恩田陸の本を読んできて感じたことが、どこかモヤモヤして終わること。この本は一気に読み進めてしまったが、読み終わった今でも物語の解釈を進める私がいる。伏線なのか表現技法なのか、謎を残して終わるところも恩田陸らしい。また読んでみようと思った作品の一つとなった。
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序盤から何やら正体不明の怖さにぞくぞくさせられた。よくよく考えるととてつもなく厭な話。最後は納得出来ない人多いでしょうが、私はこに終わり方でよかったんじゃないかと素直に思う。