【感想・ネタバレ】禁じられた楽園〈新装版〉のレビュー

あらすじ

現代の語り部が贈る、幻想ホラー超大作。直木賞&本屋大賞ダブル受賞の著者の会心の作品。
建築学部に通う大学生の平口捷は、姉と二人暮らしの平凡な生活を送っていた。そんな彼の前に若き天才美術家・烏山響一が同級生として現れる。カリスマ的な雰囲気があり取り巻きが絶えないが、なぜか響一の方から捷に近づいてくる。そして、届いた招待状。訪れた熊野の山奥には、密かに作られた野外美術館が……。奇怪な芸術作品は、見る者を悪夢に引きずり込む。幻想ホラー大作。(解説 皆川博子)

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QM

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文字でここまで背筋が凍って後ろを振り向けなくなるような気持ちにさせられるのすごすぎ。
最後は夢で終わったのか?

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2024年10月01日

Posted by ブクログ

ページをめくるほど、現実を見失い作品の中にのめり込んでいき、まるで自分の心臓を掴まれたかのような恐怖を感じました。そして、ワードセンスが自分に刺さり、恩田さんを好きになるきっかけになりました。

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2023年08月21日

Posted by ブクログ

ページをめくる手が進まない
怖くて気持ち悪くて
心に錘を下げてお化け屋敷に放り込まれたような作品でした
でも面白かった

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2020年05月05日

Posted by ブクログ


世界観にゾクゾクした。
恩田陸の世界観が好きな人には刺さる。
特に理瀬シリーズとか。

結末がイマイチだったという感想を見てしまってから読んだけど、それは否定できなかった(笑)
むしろその感想を見てから読んだから覚悟が出来てた分、ガッカリ感が減少できたかも。

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

恩田陸ワールド全開の面白い引き込まれる作品だった。

人の意識、無意識を直接ゆさぶる、見据えるような不思議な世界観を登場人物を通して描き出す。

烏山響一の世界から解放?された後の個々人の様子については描かれていないが、それぞれがそれぞれの無意識の本来忘れていく、深く眠っているであろう側面を直視しないでいられるようになったのか。

恩田陸の作品を感想として残そうとするのは私にはまだ難しい。

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2024年11月23日

Posted by ブクログ

恩田陸、何書いてもおもしろ作家ですごい。物語星からきた小説星人?ちゃんと地に足のついた、描写もディティールもしっかりしている文章なのに最終的にどこへ連れて行かれるのかまるで想像がつかなくて、それがお、おもしれー…すごー…と圧倒されてしまう。
自分で選択したはずの行動が実は巧妙に仕組まれていることがわかったときの恐怖を寄る辺のなさ、他人どころか自分のことすらも信じきれなくなってしまう追い込まれ具合。
物語のはじめから不穏な空気感に満ちてて、それがどんどんふくらんで、いつ”パン!”って弾けてしまうんだろうかとそろそろと読みすすめていたのだけど、それが弾けるというよりはぷしゅーと空気が徐々に抜けていって、あとにはふくらんでいた抜け殻だけがある…みたいな。最後も一応決着はついたのに不穏さは拭いきれない感じで、え、大丈夫だよな?と不安になりつつも圧倒的な物語と文章の密度に巻き込まれていくのが楽しい読書だった

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2024年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学生でありながら、世界的な天才美術家烏山響一。
彼に惹かれながら怖れる捷(さとし)と律子。

突然姿を消してしまった婚約者・黒瀬淳(あつし)を捜す婚約者の夏海と大学時代の友人である和繁。

ふたつの人間関係が、熊野で一つになる。
地元の名家・烏山家の持つ個人的な野外ミュージアムを舞台に、おぞましいほどのイメージの奔流が、読む手を止めることを阻む。
どういうこと?
なんでこんな目に合わなきゃならないの?

とにかく烏山響一が恐ろしい。
出てくるだけで不穏な気配に圧倒される。
多くの人は彼のまとう負のオーラに気づかない。
気付く者こそが、彼に招待されるのだ。

そして芸術家を多数生み出す烏山家の謎。
昔からの名家でありながら、広大な敷地を高い塀で囲った中にある烏山家。
何かある…はず。

恩田陸の作品に多々あるとおり、最後の落としどころがするっといきすぎて物足りないけれど、捷が、律子が、取り込まれそうになるところまでは手に汗握って読みました。
鍵を握る人物は最初からわかっていたので、いつ姿を現わすのか、どう現わすのかと思っていただけに、ああ、そうきてしまったのね…という感じ。
結果として私は「至上の愛」ってトラウマになりそうだけど、それは間違った読み方であることに自覚もある。

ただ、香織の婚約者の洞察力の根拠と、橘のその後(助かったの?)を知りたいです。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

恩田さんの世界観はやっぱりすごい好き。特に今回は大好きなインスタレーションを取り上げていて、そこへの冒険がめちゃくちゃ楽しかった。ラストは無理矢理片付けた感もあるけど、全体的には面白い。

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2020年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやあ、面白かったです。

1992年デビューの恩田氏の2004年の作品。ちょっと古めですが、恩田氏得意のモダンホラー系の作品です。

あれ?表紙ってあの、羽生結弦選手!?って思ったけど全く違った。俳優の高杉真宙さんでした。これだからオッサンは嫌ですよね。

・・・
本作、主役らしい主役というのが居ません。

しいて言えば、都内建築学部に通う捷、そして造形アーティストとして駆け出しの律子、ベンチャー企業経営兼大学院生の和繁、あたりか。

対して、人の心に入ることのできる(人に容易に感応できる)悪玉的アーティスト烏山響一がもう一方の中心人物。

上記の3名の人物やその係累が、響一に影響され、あるいは直接的に、或いは間接的に、彼の実家の和歌山県は熊野のふもとの実家にしつらえた私設インスタレーションへと導かれていく。

そこで待ち構えていた「あれ」とは…

・・・
やはり本作、響一のキャラの魅力が一番印象的です。

芸術家家系に生まれ、20代そこそこでアーティストとして成功。それが何故か遅れて大学生になる不可解さ。

更に現役大学生として手掛けたPV(コンピレーションアルバム?)が大ヒット。しかし、そのPVにはサブリミナル的な「何か」が見えたり見えなかったりと噂され…。

彼は人の心を読んだり、あるいは、彼の「感応力」「共振性」により相手の忘れたい記憶を呼び覚ましたりすることが出来るという設定。非常に悪魔的な雰囲気。

聞けば実家はそもそも田舎の旧家で、アーティストをよく支援しているという。先祖も多くはアーティストと結婚するも、そのアーティストはことごとく亡くなるという。

そうした血筋や格式の上に成立している響一こそが本作の魅力であると思います。

・・・
加えてですが、響一の実家が和歌山の山奥の熊野というのが、これまた良いではないですか!

熊野というと、役小角などが修験道を究め、結果超自然的な力を備えたという神聖な場所、というイメージです。

そこに佇む旧家のお屋敷、その山奥で何やらしめ縄でまつられる「それ」。

これは絶対何か人間じゃない超越的な存在がいるやつです。

で実際色々起こるわけですが笑

・・・
ということで恩田作品でした。

因みに結論は実はあっけない感じ?でした笑 ハッピーエンドです。展開が小気味良く、500ページ超の大部な作品ながらサクサク読むことができました。

モダンホラー、超能力等の話が好きな方にはおすすめできる作品です。

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2024年12月12日

Posted by ブクログ

【2023年122冊目】
やたらめったらホラー小説が読みたいという欲望に突き動かされ、読んでるのですが、この作品は怖くはない、です。が、気味は悪いです。さすが、幻想ホラー小説と謳ってるだけはあります。

物語の鍵を握る烏山響一ですが、前半の中でそのカリスマ性とか異様性を感じさせるような建付けになっているからこそ、別の人物にまでこっちの気が回らなかった気がしました。「いや、お前もそっちなんかーい」と思いました、やられた。

インスタレーション、ぜひ体験したいなぁと途中までは思ってましたが、精神に異常をきたしそうなので、やっぱ遠慮したいところです。でも、あったら行っちゃいそう。一時期イギリスにあったディストピアの遊園地を思い出しました、あんなの可愛いもんかもしれないけど。

恩田陸さんは文章が美しい。素敵な表現がたくさんあって、まさに幻想的でした。

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2023年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中から後半臨場感溢れるシーンに緊張や恐怖が強まり一気に読み進めた。でもこれはどう終わりを迎えるんだろう?え?まさか幻想とかじゃないよね?あれ?
香織が出てきたところからあっという間に収束。何も無かったかのように…
んー、な気持ちで読み終えた

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2023年05月17日

Posted by ブクログ

うーん…なんか物足りない感じでした。美術関係の話だと聞いたので購入したのですが、私的にはもう少し色々と書いて欲しかったかも。個人による感想なので、人によって個人差があるかもしれないけど、私は頁数分厚くても良いからもう少し詳しく書いて欲しかった。特に結末とか。

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2022年12月19日

Posted by ブクログ

最後の展開の途中くらいまではずっと面白かったのですが、終わり方が私の好みではありませんでした。読み手によって感想は全く異なると思いますが、一気につまらなくなったように私は感じました。

それまではずっと、身体の表面にゾワゾワする気持ちの悪い空気を纏っているような、まるでこの世のものとは思えない程くそ不味いリエットを食べた後の、いくら口をゆすいでも取れない不快感がこびりついてるような感覚がありました。
その感覚が新鮮で、他の小説では味わったことのない、地味だけど一時も離れることのない不快感を味わえて楽しかったです。
読者とキャラクターという一線を隔てた関係値なのに、キャラクターである響一に自分の中の本質を強引に引きずり出されるようで、捷や律子と共に後ろから見守りつつ着いて行く感覚があり、誰とは言いませんがラストで展開を大きく変えるあの人の目線で共に実際に体験しているような感覚で物語に引きずり込まれていました。

今感想を書きながら、なぜラストにあの人が影響を与えたのか理解できましたが、やっぱり終わり方は私の好みとは合いませんね。


ですが、ここまで自分も物語の中に引きずり込まれて目の前で同じものを見ているような感覚になる小説は初めてなので、ラスト以外は何よりも面白かったです。

これを機に、普段は絶対に行かないような、見ると気持ち悪さを感じるホラー系の絵画展にも行ってみたくなりました。

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2022年04月15日

Posted by ブクログ

人の内部の狂気を引き出す美術品。それを制作した人も狂気に捕らわれているのか?ここでは、才能と狂気の境目が曖昧だ。
捕らわれた人を助けるには、外からの助けが必要ですね。常に外側から内を観ることができるようにしなくては。

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2022年01月23日

Posted by ブクログ

実際に、インスタレーションを見て、平衡感覚がなくなったり不安な気持ちになることがある。烏山の芸術はそんな感覚を思い出させ、登場人物それぞれの封印してきた過去の幻影と繋がる。吸い込まれるように読み進めたが、最後は捲し立てられるように夢か誠かのファンタジー感で私もよく分からなくなった…。それも狙いなら、まんまと引っかかったわけだ。

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2022年01月17日

Posted by ブクログ

展開がすごく気になって、一気読みした。

どうなるんだろう、ページをめくるたび、ドキドキする展開。
最後、結末は、あれ?…???
はてなマークが頭に。

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2021年07月19日

Posted by ブクログ

主人公達が烏山響一の世界観に引き摺り込まれていくように、読み進めるうちに小説の世界観にどっぷり引き摺り込まれた。
気味の悪さがずっと続くが、最後はスッキリとした読後感があった。

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

烏山響一と黒瀬淳の二人が焦点となる話。
イメージ映像合戦でエンドゲームを思い出した。

失踪した黒瀬淳を追う話はサスペンスで引き込まれるし、烏山響一のほうの捷と律子は何が起きるのかというワクワクで面白かった。
特に何億何十億と巨大な資産を投じた山の中の美術館のシーンは面白かった。ゲストハウスのカラクリはきっと地震体験の家のようなものなんだろうな。
記者の橘とその弟、首無し死体についてはよくわからない。弟が首無し死体になったのか?橘がそうなるには時系列的に合わないし。

作者自ら〈バリバリ邪悪路線の男〉と言われた烏山響一については、その評価に笑うが、自分はあまり邪悪さを感じなかった。置き去りにするし負のエネルギー蓄えようとするし無償の愛を信じてないし理解できないけど、彼の描写について薄くて、あんまりなあっていう印象。
黒瀬についてもそう。
夏海さんがガラリと態度を変えたというか、あれ演技なのかよ!っていうのがショック。絶対後付けでしょ。態度を変えられてよくわからなかった。

最後は姉のおかげで助かるけど、姉よくたどりついたな。『ロミオとロミオは永遠に』並みにすごくない?
あんましこの作品のオチは…って言われてたので覚悟してたけど、夢オチのような、終わり方で笑った。ホラー映画のような…まあそれに近いしな。

またあのインスタレーションを味わいたくなったら読むと思う。

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2020年09月14日

Posted by ブクログ

前半は先が気になってどんどん読み進んだけど、インスタレーションに入ったところから情景が今ひとつ浮かんでこなくてスピードダウン。最後もあ〜やっぱりこの人が出てくるんだ〜って予想通りでちょっと期待値より下だったかな〜

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2020年09月08日

Posted by ブクログ

就寝前に読むと悪夢をみそうだったが、思わず引き込まれて止まらなかった。
陰と陽のパワーは、世界に溢れてる。そして、人の中にも。どちらを引き出すかは、自分自身によるのかな。

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2020年08月15日

Posted by ブクログ

気になって一気に読んだけど、私の読解力がないせいか???が沢山残った。もう一度読み返した方が良いのかなって思うけど気力がない

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2020年08月13日

Posted by ブクログ

なんとなく「夜の底は〜」に近いなと思った。個人的にはあちらの方が怖かったんだよな…神山の得体の知れなさが。
比較してしまうのは良くないかもしれないけど、烏山はそこまでカリスマ性を感じなかった…すごい人なんだとは思うんだけど…
そんな風に思うのはラストでひっくり返されたから。悪は悪のままであるからこそ光るのではと思う。想像もしなかった善にやられる悪という構図は定番といえば定番だけどやや納得できないラストだった。
というか姉ちゃん一人であそこまで来たの?インスタレーション沢山あったのに?
夏海は世界を支配する側になりたいと思っているが、本性曝け出したところでものすごい小物感あるなぁと思ってしまった。烏山が悪のままでラストを迎えたとしても、結局はいいように使われて始末されてそう。
そしてひたすらに橘兄弟がかわいそう。
全体的に不気味だという印象はあるけど怖いとまでは思わなかった。一番嫌だなと思ったのはゴムの迷路…気持ち悪い…
恩田作品のこの手のラスト最近しんどくなってきた。伏線回収が雑すぎる…

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2020年06月02日

Posted by ブクログ

これまで何冊か恩田陸の本を読んできて感じたことが、どこかモヤモヤして終わること。この本は一気に読み進めてしまったが、読み終わった今でも物語の解釈を進める私がいる。伏線なのか表現技法なのか、謎を残して終わるところも恩田陸らしい。また読んでみようと思った作品の一つとなった。

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2020年05月26日

Posted by ブクログ

序盤から何やら正体不明の怖さにぞくぞくさせられた。よくよく考えるととてつもなく厭な話。最後は納得出来ない人多いでしょうが、私はこに終わり方でよかったんじゃないかと素直に思う。

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2020年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

捉え方次第でここまで風景が変わってしまうとは
インスタレーションの描写は脳内で映像化されてゾクゾクしたけど読み終えても消化されない謎が多い
捷がなぜあそこまで子供の死に囚われているのか、そこがあまり納得できなかったかも。昔の記憶といっても自分が直接死に関わったわけでもないので、そこの潜在的な感覚をもう少し描写して欲しかったかな
総合的に狂わされるのも人間だし呼び起こさせるのも人間だと、喚起させられた。最後は少し呆気なかった気するけど響一は魅力的でした…

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2020年03月27日

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