恩田陸のレビュー一覧

  • 月の裏側

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    終始ドロリと粘っこい黒い液体が身体にまとわりついてくるような作品でした。
    ホラー耐性が強くない自分には、グロテスクなシーンを想起させる文脈も多く登場して、なかなか辛い部分も。
    そして途中から、どうやらホラーの要素だけではないことにも気付きました(遅い)。
    一体どこにどうやって着地させるのか、と気になりながら読み進めましたが、なるほど、恩田陸はそこに着地させたかと、ウンウン唸りながら本を閉じました。
    シリーズ作品ということなので、続けて読んでいこうと思います。

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    2026年04月10日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    常野シリーズ第2弾。
    前回は短編でしたが今回は長編で個人的には今回の方が良かったです。

    不思議な力を持つ常野から来た人々。

    主人公は東北の村に住む峰子。
    峰子は旧家槇村家の末娘聡子のお話し相手となる。
    峰子は生まれつき病弱で学校にも行けず、ずーっとお屋敷での生活を強いられている。

    槇村家のお屋敷には色々な人たちが出入りする。
    そんなある日、常野から来た家族がやってくる。

    前半は峰子と槇村家の家族、そしてそこに出入りする人々とを穏やかに進んでいくが、台風襲来から話は一気に緊迫感が増して聡子が大胆な行動に踏みきる。

    物語は二十世紀が始まったばかりの明治時代。
    この後、日本はどんどん暗い時代に突入していく。
    だから尚更、前半のお話が良き日本の時代という印象が強く感じられた。






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    2026年04月06日
  • 麦の海に沈む果実

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    ネタバレ

    読後はなんだか言いようのない喪失感を味わいました。
    ラスト2章は急展開で感情が追いつかず、黎二の死と、主人公の変貌と、主人公の黎二への扱いにショックを受けました。
    特にラストに黎二への思いが書かれていますが特別な人というより踏み台の一部、ちょっとした私物をを無くしたくらいの痛み程度に書かれていて、「本当にもう、、」とやるせなくなりました。
    色々なんだかんだあったけどハッピーエンドになることを想像していただけに、、
    でも面白いですね

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    2026年04月03日
  • 愚かな薔薇 下

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    恩田陸さんの作品は何冊か読んだことあるけど自分には合わない作家さんだなと思ってた、だけどこの愚かな薔薇は吸血鬼SFホラーミステリーみたいな感じの話で面白かった日本が舞台だけど西洋の吸血鬼との相性も良くて雰囲気も凄く良かった

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    2026年04月02日
  • 夜明けの花園

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    とある全寮制学校、その中や卒業生に起こる事件を短編集として描いている。その学校には様々な事情やバックグラウンドを持つ生徒たちが所属しており、学校側にも多大ないわくがありげである。そのため全編に共通して不穏さや緊張感が漂っている。特に意識しなくとも面白く読めるが、ミステリとしても楽しく読めるであろう作品もあり、読み応えがある。

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    2026年04月02日
  • 光の帝国 常野物語

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    ツル先生の戦時中の話が悲しくて1番印象に残った。この話から物語に惹き込まれていった。

    回収されない謎も多いと思ったけど、続編が2冊あると知って納得。

    章が沢山あって、登場人物が多いから、名前が覚えられず何度も見返した。少し苦労したけど、章を超えた繋がりを発見する瞬間が楽しかった。

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    2026年04月01日
  • 六番目の小夜子

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    これは青春群像劇。(ミステリとホラーを求めている人は注意が必要かも)
    タイトルと概要からミステリ或いはホラー系統かと思って読み始めたが、確かにエッセンスはあるものの、その実素敵な青春作品だった。

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    2026年04月02日
  • 夜明けの花園

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    やはり私にはハマります。

    「麦の海に沈む果実」に登場する人物達のその後が短編で集約されて描かれています。

    理瀬シリーズ特有?の不気味な雰囲気やゴシック感というのは読んでて本当に面白いです。
    なので、読み始めて1日半で読み終えてしまいました 笑

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    2026年03月31日
  • 不連続の世界

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    恩田陸作品では珍しい
    キャラクターの共通するシリーズ
    「塚崎多聞シリーズ」の2作目。

    形式は短編集。

    1作目の雰囲気から、
    少し幻想的な、霧に包まれていくような謎体験が得られるかと思って読んだけれど、
    想像よりもずっと明確な解答の用意された短編集だった。

    同名のキャラクターが登場するシリーズもののような扱いだけれど、
    世界観はパラレルで直接つながっているわけではないです。

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    2026年03月27日
  • 蛇行する川のほとり

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    恩田さんの描く女性、少女は、今の時代に存在しうるのだろうか。不穏でありながら、誰にも媚びることなく凛として潔い。私は好きだなぁ、ノスタルジーを感じる。残酷な運命を彼女たちに負わせた、、、恩田さんはそう述べている。確かに衝撃体なエピソードが待っていた。男性、ガラス細工のような少年も登場するんだけど、あくまで観察者というか、脇役のようだ。

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    2026年03月27日
  • ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(上)

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    コレは面白い!ニ・ニ六事件をモチーフにしたストーリー、ということでもっと硬くて理解しづらいかと思ってたが、読む手が止まらなくなるエンタメ感。流石、恩田さん。これは下巻が楽しみです。この勢いなら、恩田ワールドの上位に入るのでは〜!

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    2026年03月24日
  • 麦の海に沈む果実

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    ネタバレ

    すごく良かったです。『冷たい校舎の時はとまる』が好きな方におすすめと聞いて購入しましたが、こちらの方が好きかも。終盤でも謎は解けないまま、少ない残りページでどのような真相が提示されるのかと思いきや。まさかの真実に唖然。校長の妄想のように理瀬は演じていたのか否か。黎二の存在が、冷静な理瀬の心に少しの影響を与えただろうことを救いに思いました。恩田さんの作品は初読みでしたが、あらすじに心惹かれたのか積本の中に他の作品が数冊あることを発見。楽しみに読んでいきたいです。

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    2026年03月23日
  • 劫尽童女

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    コレは傑作だ!と読み進めて、ラストが??だった、、、ので星4.。途中までは、すごく良かったんですよ。早く読みたい!どこへたどり着くんだぁ!とワクワク。そこは、恩田さんなのですねぇ。オチが読者に委ねられてるというか、なんだけど、やはりコレは傑作です。残念なのは装丁かも。ファンタジーな童女の物語かと思いましたから〜。

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    2026年03月22日
  • 図書室の海

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    恩田さんの短編は短編にあらず。濃い世界観満載。イサオ・オサリヴァンを探して、は凄く良い!長編SFの予告編として書いたと、あとがきにあるが、書かれてないのでは〜?是非読みたい!
    水野理瀬の世界観も好きだなぁ。それにしても、短編であっても、ラストに向けてわからないのは、やはり恩田さん。

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    2026年03月21日
  • 球形の季節

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    まさに、恩田ワールドらしさがある。ノスタルジックな学園モノ、と序盤感じるが、谷津、という地方都市の場所としての魔力、伝説発祥みたいな。異世界は果たしてどちらなのか。恩田ワールドにハマるキッカケとなった、蒲公英草紙の世界観にも通じるものがある。

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    2026年03月15日
  • ユージニア

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    殺人事件の話だけど、ミステリやサスペンスではない…なんかフワフワしてて、目眩く世界というか、白昼夢のような。
    真実は分からない。結局分からなかった、私には。

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    2026年03月15日
  • 球形の季節

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    谷津の現実の底には人々が吸い寄せられる荒野が横たわっている、現実と浮世と心の境界がぼんやりして好きだった。守り人シリーズみたいな世界の描き方!通り過ぎる国道沿いの田舎の街がくっきりどっしり頭に建てられていくような、すごく現実味のある力強く綺麗な文体で、あるようなないような世界が描かれていく! みのりに憧れる。地に足がついていて、遠い世界へ跳ぶことを望まない。持っている幸せをたっぷり受け止めていてすごい。 石怖すぎると思いながら読んだ。ジャンルで言うとホラーなんだそうなんだ。恩田陸好きだなー。もっと読みたい

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    2026年03月13日
  • ユージニア

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    黒幕は誰なのか?実際は何が起こったのか?これを断定することは出来ない。多分わざと、材料が足りない状態にしている。


    緋紗子という盲人の少女。彼女の存在感も手伝って、『群盲、象を評す』という言葉が思い出される。盲人が象の身体の一部を触った感触から象を語ろうとするが、いずれも見当違いな感想になるという皮肉の言葉だ。


    本作では頻りに、真実を語ることの難しさについて述べられている。それは、我々は等しく「象」という全体像を見ることは出来ないからだ。同じこと体験したとしても、そこから得られるのはそれぞれの視点から見た断片でしかない。その事を忘れて真実を知った気になって、象を語らそうとする愚かさが表現されている本だと思った。


    実際、何度か読み返して自分なりに解釈を試みたが、肝心のところは分からないままだった。以下に、自分なりに解釈した断片を散らしておく。


    ・第三章だけ、名前が違う。青澤医院は相沢、緋紗子は久代など。名前の違いはこの章だけ。『忘れられた祝祭』の抜粋であることが濃厚。


    ・第七章。ここも『忘れられた祝祭』の抜粋ではないかと推測。文房具屋は実際にはM書店。『忘れられた祝祭』では古書店があるべき所が違う店になっていると記述がある。若旦那についてわざわざ、書が趣味の文房具屋〜と書かれている。若旦那だけ、取材をされていないし、誰とも繋がりがなく浮いていて気になる。断定できる根拠は見つからず、推測の域は出ない。というか、もはや想像でしかない。


    ・白い繭。これは兄と猫であると読むのが自然。
    だとすると、ユウジンが毒を運ぶ前に毒は既に盛られていたことになる。だとするとどうなるのか?母が毒を盛っていた?断定できる根拠は見つからない。


    ・事件当日、キミさんが取った電話。かけてきたのは教会の子供たち。緋紗子かユウジンがかけさせた。第十三章で、老人の家に行って花火で遊んでくるように言ったこと、電話をかけさせたことを仄めかしている。『幾つかの断片』で花火に行かせた描写がある。電話の件は、キミさんが事件から数年経ってから思い出したことで、それまでは誰も知らなかったこと。海外に行っていた緋紗子が電話のことを知るには、電話をかけた本人であるか、証言の通りに子どもに電話をかけさせたのでなければならない。現場にいた緋紗子は電話をかけられない。よって電話をかけさせたという証言も事実。目的は不明だが、電話の事を思い出した時にキミさんが目をキラキラさせていたというのが気になる。キミさんはあの電話によって、自分の想像していた真相を否定された。そのことが彼女にとって救いだった。それが分かっていたから、緋紗子はわざわざ電話をかけさせて、キミさんを罪悪感から救おうとしたのではないか。


    ・キミさんの罪悪感について。キミさんは、緋紗子とユウジンの会合を知っていた。そして、自分の渡した、お菓子を包んだ紙に住所が書いてあり、それがメモとして使われたと考えた。自分のせいで、事件が起こった。その罪悪感に苦しんでいたキミさんは、電話のことを思い出す。やはり、外部の人間が手引きしたのではないか、あのメモは関係なかったのではないか。そう考えて、キミさんは目をキラキラさせた。裏付ける記述は見つからず、やはり推測の域を出ない。


    ・満喜子は『忘れられた祝祭』を書いた時点では「青い部屋」のことだけを聞いていた。後から白い百日紅の話もしていたことを知る。そしてようやく青い部屋とは祈りの部屋であったことに辿り着く。キミさんは、後になって満喜子が知ったことを、事件の起こる前から知っていた。二十年の付き合いになるというキミさんが、母の強迫性と青い部屋での祈りの強要に気づいていても不思議はない。知っていて、放置していた。その事も、キミさんの罪悪感には含まれていたのではないか。


    ・第十四章が終わり、その後に満喜子は死んだのかなとまず思った。しかし、そうすると第一章と時系列的に矛盾する。第一章では既に、青い部屋と白い百日紅の話を聞いている。婦人警官からその話を聞いたのは第十四章の時点。第一章での出来事は、第十四章より後でなければならない。第十四章の後死んだとなると、婦人警官と話し、兄の友人に会いに行き、四時半の時点で公園のベンチで死ぬことになるがあまりに無理がある。第一章では途中で雨も振っているが死亡が確認された時の記述ではずっと晴れていた。それに第十四章での行動、思考がこの後に人と会う約束をしている人のものとは思えない。また、ファイルからの抜粋では、ベンチに座って子連れの女性と話をしていることを目撃したとあるが、第十四章での描写的には駅の片隅で立ち話をしていたとある。「他人の時間を無駄にしない人だ」という記述からも、移動して公園のベンチまで行って話し込んだとは考えにくい。「ふくよかな女性」と婦人警官の特徴は一致するが、ファイルの記録と第十四章での出来事は微妙に辻褄が合わない。第十四章は満喜子が死ぬ直前の出来事ではない。


    ・ユージニアとは、ユウジンとユートピアから取った名前。二人だけの世界。緋紗子のいう「二人」とは、あくまで「あたしが一緒にいたいと思う人」のことであり、ユウジンと呼ばれた青年のことは指していない。特定の人物のことを指す言葉ではない。満喜子はユージニアの詩のことを恋文とは読めないかと言っているが、緋紗子にとって『忘れられた祝祭』こそが満喜子からの恋文だったのではないか。『忘れられた祝祭』を呼んで、緋紗子は満喜子のなかに「ユージニア」をみたのではないか。海外に行ったことで緋紗子の時効は伸びている。時効が続いてる限り、私たちの時間は続いてると満喜子は言った。緋紗子は望んでそうしたのではないか。夢の通い路のように、二人は向かい合わせになって共に歩いている。その世界こそがユージニアなのではないか。

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    2026年03月11日
  • 酒亭DARKNESS

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    お酒を飲み美味しいものを食べる描写が、食いしん坊の私にはたまらずどんどん読み進めてしまった。怖いというよりも不思議な話が多く、『タマゴマジック』のような雰囲気。特にカウンターの一席に客を座らせない店主の話が印象に残った。

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    2026年03月10日
  • 七月に流れる花

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    何かあるだろうと思うけどなかなか辿り着けない。ページをめくる。徐々に解明される真相。穏やかな謎。どこか切ない雰囲気。

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    2026年03月09日