恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
退官した判事 関根多佳雄が主人公の連作短編ミステリ
職業柄とミステリ小説好きが高じて繰り広げられる推理
中には無理筋と思えるような推理もあるけれども、それが「当たる」からこそ「名探偵」というメタな存在でもある
まぁ、真相がそうであるかは定かではないという結末でもある
収録12編とその出展
・曜変天目の夜(『ミステリマガジン』1995年11月臨時増刊号)
・新・D坂の殺人事件(『青春と読書』1998年2月号)
・給水塔(『小説NON』1996年1月号)
・象と耳鳴り(『小説NON』1997年12月号)
・海にゐるのは人魚ではない(『小説NON』1997年6月号)
・ニューメキシコの月(『小説NON』1996年8月号)
・誰かに聞いた話(『小説NON』1998年7月号)
・廃園(『小説NON』1998年3月号)
・待合室の冒険(『小説NON』1998年10月増刊号)
・机上の論理(『小説NON』1999年2月号)
・往復書簡(『小説NON』1999年6月号)
・魔術師(書き下ろし)
恩田陸の初期作品
気になった短編は下記
・給水塔
時枝充が出てきてるんだけど、この人って後のMAZEシリーズの?
年齢が合わない気がしないでもないけど、多分そうなんだろうな
他にもこの作品の登場人物が他の恩田陸作品に出てたりするんだろうか?
少なくとも関根の子供たちは他作品にも出てる
・ニューメキシコの月
連続殺人を犯した死刑囚が検察官に毎年送ってくる絵葉書
起こした事件そのものは確かに重罪ではあるのだけれど
もしこの推理が正しいとしたら……
この医者はある意味で善意の死神なわけで
もし安楽死の制度があったらこんな事件は起こってないのかもね
こんな話を1990年代に書いていたとはね
まぁ、あくまで推測ですけどね
・机上の論理
関根多佳雄の子供達による、部屋の写真からのプロファイリング
検察官の息子と弁護士の娘
発想がどうしても何らかの刑事事件寄りになってしまう
まぁ、出題者のミスリードもあるわけだけどね
部屋からその人の性格とか人物像ってどれだけ察せられるのでしょうね?
汚部屋に住んでる美人はいるし、だらしないミニマリストがいてもおかしくないと思うんだけど?
もし私の家を誰かに見せて性格を推測してもらったらどうなるだろ?
一応いつでも他人が来ても問題ないくらいに片付けと掃除はしているけれども
見るところによっては掃除がまったくされていない、だらしない部分も伺える
とりあえず、本好きというのはわかるでしょうね
・魔術師
いくつかの都市伝説的な噂話
関根から見ればそれらの関係性も気付いてしまう
それぞれの出来事が微妙に繋がっていたり、場の力が働くという話は後の「ドミノ」っぽさを感じる
あの構図はこんなに前からあったのだなぁと思う
総じて、有名な古典ミステリを知ってたらもっと楽しめたのだろうなと思う -
Posted by ブクログ
結子さんの諦めずに本質を追求する考え方は実に共感できる。成り行きで関わった事でも見識がない分野でも本当の目的を思考する。これからAIが人の思考を肩代わりする時代に移り変わる。責任がなくとも、当事者ではなくとも困った状態を解消するために思考を回す。そんな思いを残せるのかどうか心配する。
ポスティングのアルバイトは自分では決して選択することはないと思っていた。もし携わるとなったら淡々と何も考えずに配り続けるだろう。配った効果や貰う人の傾向を念頭に置くことはない。でも、ちょっとの思考で事態は激変する事も稀にあるから苦労の先の楽しさを知る。
生成AIが身近なツールになってきたいま、考えるを怠ける人がきっと激増する。確かに短時間で応えてくれるスピードや内容の妥当性は認めざるを得ない。AIも誤った回答をする事がある。正解を判定するのに人の思考が必要との意見がある。ただ、正否判定よりも情の有無が人ならではの優位点ではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
いわゆる2.26事件は、不思議な出来事だと感じさせられる。
主に皇道派の軍事クーデター未遂、と単に言えるわけでもない。その中には国家社会主義に傾倒した者や、東北の農村の窮状に義憤を感じた者もいる。
確かに血は流れたが、他国のクーデターのような革命や国家転覆、暴力としての悲劇性は薄い。
が、首謀者達の末路は陰惨さを感じ、暗く長い時代の象徴的出発点とも言える。
そして、昭和の時代に天皇が自らの御意思を強く発露されたのは、この事件と先の大戦の終戦、この二回だけだろう。
そういった意味でも、2.26事件に目をつけ、SFとして書ききった著者の力は素晴らしい。
読後には様々なことを考えてしまう。
例えば、そもそも国連にそんな力はあるのか、だとか。
北一輝は現れないのか。磯部浅一はモブ役だなあ。トウジョーを殺したとて、果たして……その前の首相の方がマズくないか……などなど。
そんな野暮な事を考えながら、海軍が来るシーンなどはビックリしたし、鉄棒のシーンはやっぱりな、などと、色々考えている時点で、著者の術中にハマっている気がする。
ラストも同じく、これはそのまま受け取れば、いや、ひょっとしてこれ自体が、という謎も残った。
改めて「正史」とは何だろう、と考えさせられる。そもそも「時間」とは。歴史介入モノは面白い。
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Posted by ブクログ
旅行の飛行機で読もうと買ったホラーアンソロジー。
飛行機では結局1話目しか読まなかったけど、それ以降少しずつ読み進めた。
いろんなタイプの話が入ってて楽しかった。お得感。
特に印象的だったのは北沢陶さんの「お家さん」と恩田陸さんの「車窓」
お家さんは、大正時代に大阪の商家へ丁稚奉公する少年のお話。
時代や言葉が相まってすごく雰囲気があったし、ラストも恐ろしくて好き…
こういう作品もっと読んでみたい!
車窓は、新幹線から見える看板のお話。
少ないページなのにすごく引き込まれた。
ラストはいろんな解釈ができそう。
いろんな作家さんのお話読みたい欲でアンソロジー何冊か買っちゃったけど、読むペースが追いつかず、増えてく積読本…
仕事納めもまだだけど、何を読んで年を越そうか考えるのがわくわく。