恩田陸のレビュー一覧

  • いのちのパレード 新装版

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    恩田陸さんは恩田陸さんだなぁ。
    恩田さんの世界だなぁ。
    面白い面白くないではなく、興味あるなしでもなく、恩田陸を読みたいから手に取る感じだなぁ。
    そういうふうに読める作家もそんなに知らないので、まだまだ追いかけて読み続けたい。

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    2024年08月22日
  • 夜果つるところ

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    鈍色幻視行の中の核となる小説!
    墜月荘での主人公の生活を自ら回想。人々が集う夜の館でおこるなげき、許されぬ愛、絶望、問い、淡い恋、死、幽霊たちを主人公目線で語る。

    「墜月荘には途切れることのない緊張感がある」
    「墜月荘自体が、この世のものではなかったのではないか」
    「思い出はあたしのもの、あたしだけのもの誰にも評価なんかさせない」
    「生きることはすざましいことだ」
     いろいろな登場人物のセリフが刺さります。
    死を見つめ、生きることを考え、せつなさを感じる、そして夢を見ているようなそんな小説でした。千早茜さんの「魚神」を思い出しました。

    鈍色幻視行で船を選んだのは、途切れることのない緊張感を

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    2024年08月19日
  • 灰の劇場

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    始まりは、とある三面記事。
    一緒に暮らしていた女性2人が飛び降り自殺を図ったという内容。
    作家である著者は数十年も前に目にしたその記事がずっと心に引っかかっていた。

    著者(ノンフィクション)と記事の女性たち(フィクション)を交差させる物語の運び方に夢と現が混じり合うような不思議な気持ちで読み進めた。

    "結局自分の理解する範囲でしか物事を見られない。ましてや人間には感情があって、必ずしも合理的な行動を取らないことは証明されているし、他人の考えていることも決して理解できない。記録があっても、それを残したのは勝者と決まっているから、何か事件があっても「どうしてなのか」を知ることは無理だ

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    2024年08月18日
  • ドミノin上海

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    沢山の登場人物が出てきたにも関わらず、誰が誰だかこんがらがることも少なく読み切った。
    帯にあった『圧巻のエンタテイメント』、ドッタバタと過ぎ去っていく物語。
    同時にこれだけの物語が並行しながら展開して行く中、着地点をどうするんだ!?と話が展開していくにつれ益々分からなくなり、無事に終着できるのか!?と要らぬ心配に刈られる。
    すごいな、しっかり終結させたよ恩田陸。。。

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    2024年08月17日
  • 夜果つるところ

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    よかった イメージはネバーランドにちかい感じがする 淡々としてるのに風景が想像できるのがすごい 最後まで頭おかしいだけなのかそうじゃないのかわからないのがすごい

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    2024年08月16日
  • 夜果つるところ

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    『鈍色幻視行』の作中作。
    『鈍色幻視行』の登場人物達が魅せられた作品。
    表紙を捲り、数ページ捲ると、“飯合梓”の作品としての表紙が現れたり、奥付けもまた然り。
    『鈍色幻視行』の登場人物達のようなコアなファンからしたらワクワクの作りになっています。

    なんとも、怪しい淫靡な世界観でした。いや、淫靡なんて言葉を用いてはいけないのかもしれないな、とも思います。様々な愛の形が描かれていたのは間違いないです。
    そこに政治だの思想だの革命だのが入り組んでいて、さらにこの世のものではない異形のものも現れ、この世界観にのめり込む者、映像化したいと思う人はいるでしょうね。そして、映像化の企画があがる度に頓挫する

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    2024年08月16日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    全体的に緊張感の続く話だった。
    最後は身構えていたほど拍子抜けする終わりではなかったけれど、若干のもやっと感は残る。
    でも最後の最後までコロコロとストーリーがひっくり返るような展開は、まさにオセロっぽい。
    ミステリー?とSF味があって私はこういうの好き

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    2024年08月10日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    できるならこの時代に行ってここに出てくる人々と会ってみたくなった。
    常野はあくまでも添えてって感じで、主人公たちの美しい日常が切り取られている。どの人も魅力的で嫌な感じが一つもない。
    こんな少女時代を過ごせたら良かったのにな〜と自分のこれまでの人生に少し悲しくなったけど、こうして日記を覗き見るような感じも悪くないと思う。

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    2024年08月09日
  • 蛇行する川のほとり

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    これは少女の持つ、一瞬のはかない繊細さ、その雰囲気を味わう作品なのだ。
    だからリアリティを申し立てるのは野暮だということはわかっている。
    しかし、舞台の上で明かされた真実はあまりにも机上の空論で、物理的に無理だろう、と何度も突っ込んでしまった。
    そうしたら、最後の最後に…。

    3章それぞれに違う少女の一人称で語られるのには意味がある。
    一人称になると、ほかの人物の心情を書かなくてすむのだから。

    最初から不穏な空気があふれていた。
    おどろおどろしいとは違う、とらえどころのない違和感。

    登場人物の誰もが何かを心に秘めていて、せっかくの高校生の夏休みが、全然きらめいていない。
    そもそも両親が不在

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    2024年08月08日
  • 夜果つるところ

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    謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。心に闇を抱えた登場人物が、2.26事件を思わせるクーデーターに巻き込まれていくお話。主人公の子ども視点で見た大人達の妖しさ、人間の心に潜む狂気が物語全体に流れる退廃的なムードと相まって一気に物語の世界に引き込まれた。『鈍色幻視行』にまた戻りたくなる

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    2024年08月04日
  • ドミノin上海

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    すごい疾走感。
    群像劇は大好物なので、楽しみました!!
    ただ時々、ブレーキがかかる冗長な箇所がある
    とも思います、

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    2024年08月03日
  • 灰の劇場

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    新聞の隅っこに、ひっそりと載せられた記事。それが棘のように、1人の作家の胸に刺さる。その棘から生み出された作品です。

    名言:本や映画に一定の時間をさくというのは、それだけ孤独を強いられるということでもある。



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    2024年08月03日
  • 夜の底は柔らかな幻(上)

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    ネタバレ

    架空の日本、土佐ではなく途鎖国には多くの在色者がいて戸惑いながらも生活していた
    イロをコントロールするべく研究に挑む世代、コントロールされた世代、イロのコントロールは嗜虐性を呼び起こすのか

    読み始め、常野物語の続編?と気分が上がる
    謎めいた言葉や流れに身を任せて自分も闇月に引きづられていく

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    2024年07月30日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    古本屋で購入⑺

    Y島の旅後半。過去の謎が明らかになってくる。
    一人ひとりが、それぞれの3人に抱いているイメージや、思い出が読み手に共有していく感じが面白い。

    いちばんあっけらかんとしていて、さっぱりしているように見える節子のパートで物語が終わるのが意外であり、面白かった。

    話の所々で、理瀬シリーズの全寮制の学園の話が出てきて、理瀬シリーズを彷彿とさせた。なのに本書ではその学園はおとぎ話のように扱われているところで、より一層秘密めいた学園になった気がした。

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    2024年07月29日
  • 上と外(上)

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    恩田陸さんの作品は読みやすくて好き。
    実際には起こり得ない、だけど容易に想像つく書き方、表情まで自分の中で作り上げられる。
    2人がお互いを信じ合っているのが、それぞれの描写からよく伝わって来て、ハラハラしながらも絶対助かるよね、と安心できる作品。

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    2024年07月27日
  • 不連続の世界

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    奇妙な世界へ引き込まれる独特な筆致、世界観だった。ホラーとはまた違う、気づいたときには日常に戻れないような感覚を味わえる「不気味」ジャンルを確立した印象。

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    2024年07月21日
  • 黒と茶の幻想(上)

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    古本屋で購入⑹

    理瀬シリーズ3作目、スピンオフ。
    1作目の、空想上の本『三月は深き紅の淵に』の第一章として語られていた『黒と茶の幻想』が本作に繋がる。この仕掛けが既にロマンチックに感じる。

    「美しい謎」をテーマにかつての友人たちとY島を旅するあらすじ。
    登場人物それぞれの推理に、各々の個性が感じられて面白かった。
    会話を中心に物語が進んでいくので、4人の関係性や性格を把握するのに少々時間がかかったけれど、読むにつれて理解が深まってくる。

    上巻は利枝子と彰彦の2人のみの視点だったので、下巻のほうが「謎」に対する展開に大きな動きがありそう。読むのが楽しみです。

    印象に残ったフレーズ
    ・「彼

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    2024年07月17日
  • 夜果つるところ

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    ネタバレ

    ずっと仄暗い、夢の中にいるような作品だった。

    ビィちゃんと呼ばれる“少女”の語りで唐突に始まって、説明もないまま話は進んでいく。
    ので、こちらも遊郭『堕月荘』で生まれた女の子の話なんだろうな〜戦争終わりが近い時代の話なんだろうな〜となんとなくピースを拾いながら読み進めていった。
    最後明かされるビィちゃんの素性、そして続く長い夜。

    『鈍色幻視行』の作中作品ということで、こちらのほうが早く手に取れたので先に読んでみたけど、これがガチの単体作品だったらわけわからんかったなーで終わる内容だった。二次創作ぽい。
    どう絡んでいくんだろう。期待ばかりが膨らむので期待通りだといいな…

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    2024年07月16日
  • 薔薇のなかの蛇

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    ネタバレ

    えー何!リセは裏社会の人なの?良い人なの悪い人なの?ヨハンって誰!そこ繋がってたの?!アーサーと敵対するところも読みたい。
    殺人シーンがグロテスクで少し吐き気がした。理瀬シリーズ、他のも読みたい。

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    2024年07月14日
  • 薔薇のなかの蛇

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    霧の立ち込める重々しい雰囲気の中、ぼんやりとした灰色の道が続くという幻想的な風景の描写から物語は始まります。
    英国留学中に、「ブラックローズハウス」と呼ばれるお屋敷のパーティーに招かれたリセ。
    そのお屋敷は、猟奇的な殺人事件が起きたソールズベリーの遺跡の近くにあり、五弁の薔薇の形をしているブラックローズハウスでも同じような切断遺体が発見される。そして主人のオズワルド・レミントンは何者かに脅迫されていたという。

    疑問だらけの連続殺人事件は、終盤一気に展開が加速していきます。
    謎めいた聡明な美少女理瀬の佇まいが、英国のお屋敷と見事に調和されていて、どきどきしながら物語を楽しむことができました。

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    2024年07月07日