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Posted by ブクログ
10年ぶりくらいの再読。読んでいくうちに、そうだった!これこれ!と思い起こされ、あぁやっぱりなんて面白い作品なんだ!と最後までノンストップでドキドキワクワクさせられた。最高の一冊。
何のための遡行プロジェクトなのか判明する時の鳥肌といったらないし、これまで割といい子だった石原がまさかの行動により不一致を起こした瞬間もジトりとした恐怖が沸く。
そして懐中連絡機を持ったマツモトの口調や喋り方、こんなにゾクゾクするものはない。置かれた環境が人格を作るのだとまざまざと感じられる。
何といっても目を離せないのは栗原中尉。彼の冴え渡る勘と研ぎ澄まされたカリスマ性には心を奪われてしまう。必死にもがいて巧みに誘導してきた彼の、最後の不一致での叫びに胸を締め付けられないものはいまい。
こんなに面白い物語をこれから初読できる人たちが羨ましくてたまらない。
Posted by ブクログ
いわゆる2.26事件は、不思議な出来事だと感じさせられる。
主に皇道派の軍事クーデター未遂、と単に言えるわけでもない。その中には国家社会主義に傾倒した者や、東北の農村の窮状に義憤を感じた者もいる。
確かに血は流れたが、他国のクーデターのような革命や国家転覆、暴力としての悲劇性は薄い。
が、首謀者達の末路は陰惨さを感じ、暗く長い時代の象徴的出発点とも言える。
そして、昭和の時代に天皇が自らの御意思を強く発露されたのは、この事件と先の大戦の終戦、この二回だけだろう。
そういった意味でも、2.26事件に目をつけ、SFとして書ききった著者の力は素晴らしい。
読後には様々なことを考えてしまう。
例えば、そもそも国連にそんな力はあるのか、だとか。
北一輝は現れないのか。磯部浅一はモブ役だなあ。トウジョーを殺したとて、果たして……その前の首相の方がマズくないか……などなど。
そんな野暮な事を考えながら、海軍が来るシーンなどはビックリしたし、鉄棒のシーンはやっぱりな、などと、色々考えている時点で、著者の術中にハマっている気がする。
ラストも同じく、これはそのまま受け取れば、いや、ひょっとしてこれ自体が、という謎も残った。
改めて「正史」とは何だろう、と考えさせられる。そもそも「時間」とは。歴史介入モノは面白い。
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