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Posted by ブクログ 2024年04月18日
理瀬シリーズの第3弾。長崎の古い洋館を舞台としたゴシックミステリ。第1弾の『麦の海に沈む果実』の後の理瀬が描かれていて、引き込まれて読めた。「解説」も良かった。
シリーズ序章の『三月は深き紅の淵を』では戸惑い、『麦の海に沈む果実』では結末にビックリし、本作でシリーズにのめり込んだ感じです。
Posted by ブクログ 2024年04月01日
薔薇の中の蛇の次に読んだ作品。
薔薇の中の蛇の理瀬は完全に成熟しきった大人の女性のイメージだったが、この作品で描かれている高校生の理瀬は知的ではあるが子供っぽいところもあり可愛らしいイメージ。
作品同士が繋がっているのかはわからないが、薔薇の中の蛇の理瀬が怖いもの知らずでいつも冷静だったのはこの作品...続きを読むでの出来事があったからなのかなと思った。
Posted by ブクログ 2024年01月30日
前作「麦の海に沈む果実」と比べてインパクトに欠けるなと思っていたら最後のどんでん返しに思わず唸ってしまった。
雅雪と黎二がリンクしていて少し切なかった…。
それにしても理瀬って、ちょっとおっちょこちょいなのか…?
少しずつ抜けてて愛らしい。
Posted by ブクログ 2023年08月12日
「麦の海に沈む果実」を読んだ後に。
プロローグや差し込まれる、その時にははっきりとは分からない抽象的な言葉たちが一度読み終えると分かるようになる魔法のような感覚は今作も変わらず。
最後の最後まで油断ならなかった…
他の理瀬シリーズも読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ 2022年10月02日
何回も読んでる、読みたいシリーズ。理瀬が前作よりも人間ぽかったのは、ちゃんと戦っているからか。 血のつながらない叔母ふたりと魔女の家に暮らす理瀬。となに住む朋子、弟の慎二、その幼馴染の雅雪。帰省する従兄弟の稔と亘。読む内に思い出す、全員の怖さ。確かに、死んだ彼女が1番わかりやすい悪で、対処しようがあ...続きを読むった。 女は嫉妬する。想いが強すぎると人は狂う。 これは、どうなると終わるのか、終わりを読みたくない気がする。慎二との絡みがもっと読みたかったな。雅雪も。
・(所詮、私は善人になれないのだ。)
・(悪は全ての源なのだ。
善など所詮、悪の上の上澄みの一部に過ぎない。
悪を引き立てるハンカチの縁の刺繍でしかないのだ。
でなければ、善がいつもあんなに弱く、嘘くさく、脆く、儚いことの説明がつかない。
つまり、この世の全ては、悪の巨大な褥から生まれたの...続きを読むだ。)
・(そして、悪の褥は常に新しい血を必要としており、その血を生まれながらに持った者が、
いつの世も必ず存在する。
悪の存続は、人間にとっての必然であり、自然の理として強く運命づけられているのだ。)
・(人間は弱く、忘れっぽいもの。目の前から現物が消えれば、記憶などたちまち改竄されてしまう。)
・(あたしは今、少女時代に別れを告げようとしている。今夜限りで、あたしの少女時代は終わるのだ。)
Posted by ブクログ 2022年06月16日
なかなか面白かったと思うー!
正確な気持ちは、☆5というよりも4.5くらいの感覚だけど。
最後まで、結局この主人公たちって何者?!というのはよく分からなかったけど(※後で解説を読んだところによれば、他の麦と~の本を読んでおけば分かったらしい。)、この設定は目新しいし、最後の種明かしまで謎は謎のママで...続きを読む、でも設定として冒頭から推理が始まってて。そういう意味では、割と短い小説なのに、ドキドキ感を長く味わえる1冊でした。
Posted by ブクログ 2022年01月16日
理瀬シリーズ(?)は麦の海、三月に続き3作目。まずタイトルに惹かれる。 百合の花に囲まれた魔女の家。理瀬は祖母の亡くなったその家で、遺言の為、血の繋がらない叔母二人と暮らすことになる。時系列は麦の海の後。変わらず幻想的な雰囲気に心を掴まれる。 理瀬は闇に寄り添い、従兄弟の亘は結局そちら側には至ら...続きを読むなかった。 しかし最後、梨南子疑ってすまん…と思ってたらおい、となった。最後までサスペンスを楽しめたのでよかったけれど。 ラストは続編を匂わせている?また会う少年二人ってのは雅雪と慎二かな…
Posted by ブクログ 2023年11月09日
2023.11.09 再読。
薔薇のなかの蛇が読みたくなった〜。
*°×.*°×.*°×.*°×.*°×.*
小高い丘の上にある古びた洋館。
百合の花とその香。
魔女が住むという噂。
そして、続く住人の不審な死。
謎に包まれた物語。
その中で際立つ主人公理瀬の素直さと冷静さ。
...続きを読むでも、こっち側って何???
ヨハンって何者???
暗示って???
なぜ、あなたが???
予想外な展開にぐんぐん引き込まれます。
物語は解決しても、わからないことが沢山。
でも、そんな恩田さんの世界が止められない!
理瀬の謎を紐解くカギは、『麦の海に沈む果実』。
もっとヒントになる作品がありそうだ!!!
Posted by ブクログ 2023年08月22日
やはりこのシリーズの本は順を追って読んだ方が楽しめますね。
理瀬がいた学園のこと、理瀬のお父さんのことなど、わかっていた方が確実に楽しめます。
理瀬は前作よりちょっと大人になったものの、相変わらず聡明で上品で美少女。でも闇を持っていて、たばこを吸うなどのギャップがまた魅力的です。
今回は理瀬の亡...続きを読むきおばあさんの家の周りに巻き起こるミステリー。
おばあさんが自宅で亡くなり、美人な姉妹や爽やかな従妹が出入りしていればそりゃあ地元でも何かと話題になるでしょうよ・・・。
家の謎が、まさか親友・朋子の豹変で判明し、しかもその謎が地下の暗殺施設(?)だったというのも驚きでしたが、その後の実は梨南子さんがヨハンの敵対組織の刺客とは・・・
最後の最後まで目が離せない展開でした。
理瀬シリーズを短編を除いて一通り読みましたが、理瀬メインで進む「麦の海に沈む果実」とこの「黄昏の百合の骨」が一番好きです。
もっと理瀬メインの話を読みたい~!
Posted by ブクログ 2023年07月27日
水野理瀬シリーズの作品。
祖母が亡くなり、留学中のイギリスから戻ってきた理瀬。祖母が暮らしていた洋館にはおばである梨南子、梨耶子姉妹がいる。お互いに何かを隠し、牽制し、探り合いながらの生活が始まるのだ。
ゾクッとするような事件も起こり、恩田ミステリーを存分に味わえる。
Posted by ブクログ 2023年07月16日
この頃の恩田陸作品は起承転結のバランスが「起承承転もう一度承承承承転転からの結…なのか?」のようなおかしな散らばり方をしている印象があって、でもその”承”が面白いからページを繰ってしまうんだ。
Posted by ブクログ 2023年06月25日
幻想的で優雅な世界観が理瀬シリーズの魅力。
その中でたくさん湧き出る謎や事件、ワクワクするしゾクゾクする。
少女ではなくなった今後の理瀬の物語も期待します。
Posted by ブクログ 2023年05月02日
やっぱりシリーズで読んでいると、私の中に理瀬が出来上がってるんですよ。
ストーリーを理瀬視点で見ることも、主観で見る事もできる。
何はともあれ独特のミステリー感が良い。
Posted by ブクログ 2023年03月13日
「麦の海に沈む果実」がとても好みで面白かったので読みました。麦の方の登場人物が好きだったので今作では出てこないし残念に感じつつ読んだのですが、舞台は違えど引き込まれる世界観と新たな魅力的なキャラクターで一気に読んじゃいました
Posted by ブクログ 2022年10月19日
前作があると思わず読んでしまいました。
単体でも充分面白かった。
ただこれだけを読むと理瀬の素質なるものがわからない、というか何もしてないような
Posted by ブクログ 2022年10月07日
最後の最後の最終章の種明かしまでそれぞれの殺人犯がわからなかった。
恩田陸さんのストーリーは毎回違って、それが予想を裏切られて楽しめるのだけど今回はいつも以上に裏切られて新鮮な展開だと思います。狭い空間での展開なのに、どこまで行っても答えが出ない、楽しみました。
Posted by ブクログ 2022年09月30日
一言で感想を書くとしたら、女のひとって怖い。
最近の話のようであり昔の話のようでもある。一見穏やかで耽美なのに、ずっと不穏な空気が漂っているのは、このシリーズ共通。ただそれだけでは終わらない。ミステリー要素強め。
登場人物も読者も妖しい女に翻弄されます。
Posted by ブクログ 2022年01月30日
「魔女の家」と呼ばれる謎めいた洋館、白百合荘。
そこに住むのは、理瀬と血の繋がりのない義理のおばさん、梨南子と梨耶子。
一年前に祖母が転落死し、奇妙な遺言に導かれてこの家にやって来た高校生の理瀬。
理瀬の従兄弟の稔と亘。
毒殺や失踪などの不吉な事件が起こり、近隣に住む理瀬の友人朋子や、弟の慎二、朋子...続きを読むの幼馴染の雅雪にも目が離せない。
悪は全ての源なのだ――善などしょせん悪の上澄みの一部に過ぎない
という言葉が心に突き刺さる。
この物語の中では、誰もが演技をし、誰もが噓をついているようで、まるでお芝居をみているかのようだった。
これぞミステリーの醍醐味。面白くて、あっという間に読み終えてしまった。
人間の魅力というのは、一筋縄ではいかないものだ。
ということは、悪もその人の魅力のひとつになるということなのだろうか。
ミステリアスで魅力的な人物が登場する理瀬シリーズ、まだまだ読んでいきたい気がします。
Posted by ブクログ 2022年01月23日
常に緊張感があって、ゾクっとする場面もあり一気に読んだ。互いの心理戦も面白いし、学園を知ってるからその世界で読めた。
勝手にシリーズがこれで最後だと思ってたら、短編やら番外編やらあるんですね。
しかも21年に最新作が出ていたとは!楽しみがまだあって嬉しい
Posted by ブクログ 2022年01月04日
かなりぞわぞわするミステリー。理瀬シリーズではあるけれど、理瀬のみならずキャラクターが濃いので、それだけで百合の香りにうたれてしまいそうな感じ。こっち側、そっち側って、わかるようなわからないような・・・いままでの理瀬シリーズからふわっとイメージはするものの、そもそもあのファミリーは何なんだろう?謎は...続きを読むまだまだ残りますが、ページを繰る手が止まらないという意味ではやはり圧巻。しばらく、百合、むりかも。
Posted by ブクログ 2023年07月31日
【2023年84冊目】
面白かった〜。ストレートに終わらず、最後にもう一捻りあるのが好きなので、来るか?来るか?と思いながら読み進めて期待を裏切らぬ展開となり、嬉しくなりました。
主人公を取り巻くさまざまな人物との関係性を頭に入れつつ、「はてジュピターとは何かしらん」と思いながら読み進め、「そう来...続きを読むたか、なるほどね」といった感じの終息具合に嘆息。
物語の完成度と、伏線の回収、真相が明らかになった後にもう一捻りあるところなど、ミステリーだけにとどまらず小説のお手本のような流れを楽しませて頂きました。
Posted by ブクログ 2023年01月31日
学園を去った後の理瀬が、親類とともに洋館の謎に迫るサスペンス。
理瀬を筆頭に、恩田さんの書き上げる少年少女たちの魅力が詰まったような子たちが幾人も登場します。
何よりも従兄弟の稔と亘。彼らは少女が憧れる理想の青年像で、如才ないけれど一族の闇を背負った稔、日向を歩くことを運命づけられた亘・・・と、隠と...続きを読む陽の二人です。
思春期の揺らぎと陰謀めいた洋館の秘密を追うストーリーを支える、魅力的な登場人物たち。
すっかり没入してしまいました。
Posted by ブクログ 2022年11月29日
71冊目『黄昏の百合の骨』(恩田陸 著、2007年4月、講談社)
謎の女子高生・水野理瀬の活躍を描く、通称「理瀬シリーズ」に連なる一冊。『麦の海に沈む果実』のその後が描かれており、16歳になった理瀬が「魔女の家」と呼ばれる屋敷の謎に迫る。
どことなく『三月は深き紅の淵を』の第三章に似た手触りを持った...続きを読む作品。
全編を通して醸し出される不穏な空気感は素晴らしいのだが、キャラクターの設定が少々幼稚。終盤の展開は突飛すぎて、正直肩透かしを喰らった。
「夜の底に百合の香りが漂っている。」
Posted by ブクログ 2022年09月02日
百合の花言葉は、純粋無垢。
その由来は、キリスト教にまつわる話がいくつか挙げられている。
祖母が理瀬を白百合荘へ来させたのは、純粋無垢だった昔の理瀬との訣別を意味していたのではないだろか。
白百合荘を潰すことにより、理瀬を「こちら側」の世界へ誘った。
そして、雅雪と二十六聖人へ行くのは、理瀬の願望の...続きを読むようにも見える。
色々なメタファーがボディーブローのように効いてきて、無駄なところがなく色々なところに秘密が張り巡らされた物語だった。
ただ、一つ気になったのは稔の用意のよさ。
勤務医がわざわざ鎮静剤や注射器を持参するだろうか。激務のなか、あそこまで休みを取り続けられるものなのか。