【感想・ネタバレ】劫尽童女のレビュー

あらすじ

父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、7年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに! 激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが――。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か?

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Posted by ブクログ

実の父親に遺伝子操作され超能力者となり父親の前にいた組織に追われる。
幼い頃から逃亡生活をし、危険にさらされて生きていたが父親の死で生活が一変。
核を解体する作業に協力するが本当は核の爆破 。

アレキサンダーが見せた本当は核の爆破に関与してはいなかった事実。
復讐のために信じ込ませ本当は腹違いの弟と妊娠させられた博士の共謀。
腹違いの弟は許してほしいといって何百人の一般市民の犠牲と一緒に朽ちていく。
スケールの大きな話で最後は自分の意義を見つけて生きていく話だけど、文章をしっかり読まないと話が飛ぶので前に戻りながら読み進める。

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2021年10月05日

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父親の実験の道具とされ、ある部分で人よりも優れた力を持つ動物の能力をフィードバックされて生まれてきた遙。初めは小さな女の子として登場する。彼女が辿る過酷な運命を描いていく物語である。こんな力を持っていては圧倒的な孤独にならざるを得ない。とはいえ彼女に寄り添う高橋シスターや神崎の存在は読む者にとっては救いである。突然現れたトオルの存在もー。しかし、この出会いの後、とんでもない出来事が起こる。
特殊な能力を持った人間の物語でありながら、我ら凡人にも生きる意味とは何かということを突き付けてくような思いがしてならない。

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2019年12月17日

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まったく予備知識を持たずに読んでたので、一章の終りにああ!ってなってしまいましたが、その後も各章でおお!となり、一章ずつ一気に読んでました。
移動時間とかで読むことが多いので、こう集中して読めたのは久しぶりで、連休だったからこその贅沢でしたが、すごく引き込まれる内容だったことは確か。
途中でやめられないストーリー力がありました。
最後はちょっとうるうるしそうになってしまいました。
こんな終わりは痛いというか、切なすぎる。
ルカが可愛そうで仕方なかった。

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2015年05月10日

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続けて恩田陸の作品を手に取りました。
【超能力を与えられた少女・・・】なんだかSFチックなストーリーなのでしょうか?

読後:
超・能力少女のSFストーリーでした!恩田陸さんがこんな感じのSF系が好きだったなんて。なんだか短編でその後を書いてもらいたいと思いました。

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2013年06月23日

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ストーリーが面白く1日で読破。
設定的になんとなくコナンみたいだなーと思っていたら話のスケールがどんどん壮大になっていってびっくり。
ラストはいったいどういう意味なのだろう…。

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2024年05月25日

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父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、七年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに!激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが―。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か。

「劫尽」の説明は物語中盤を過ぎた頃に起こる大厄災を象徴する言葉として出てくる。「こうじんか、劫尽火」、悪いことをすると地獄の劫火に焼かれるその火のこと。世界が崩壊する時に、世界を焼き尽くす火のことでもある。
この単語の意味を知らなかったので、単純に身体能力が高い子供、と思って読み進めていたので驚いた。こんなにも分かりやすいタイトルだったとは。
よくあるラノベのような設定で、最後はいつものメンバーでほのぼの終了かと思いきや全くそうではなかった。
あとがきで外園先生も言っていたが一章から「えー!」と思わされ、二章で更に「マジか!」と驚く。そして最後は語り過ぎず読者に今後を委ねる。
ちっとも詳しく教えてくれない。最後まで生き方と言う重たいテーマを抱えた少女の物語。すごい能力でも役に立てるって難しい。なにが正義か分からないのに利用されているのかしているのか。
最後までアレキサンダーが寄り添ってくれていたのが救いだった。

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2023年09月02日

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恩田陸が2000年~2001年にかけて雑誌「ジャーロ」に発表した長編小説の文庫版。父親の実験で超能力を与えられた少女の物語です。ジャンルとしてはSFファンタジー、またはSFサスペンスになるんでしょうか。いつにも増して過酷な運命を背負った主人公が少女ですが、やはり恩田先生は思春期の少女を描かせると素晴らしいです。作品全体としては章ごとの繋がりに多少強引なところも見られます。ラストの描写は読者ごとに意見が分かれそうです。個人的にはハッピーエンドだと思っています。

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2022年06月20日

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ネタバレ

2002年の作品、恩田さんは所謂、予知夢、生まれ変わり、超能力というネタが
好きなのかもしれない。まだ、宇宙人作品には遭遇してませんが。

本の中にあった放射能汚染抑制作業ができていれば、2011年の日本も変わって
よかったのになあと非現実的な空想をした。

この本は恩田ワールドに珍しく、閉じた話になっていて、いい終わり方をしているような気がする。世界から地雷が無くなればどんなに幸せか?

マッドサイエンティストがいないと始まらない物語ですが。

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2020年05月16日

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恩田さんの描く特別な能力を持った人々となると真っ先に思い出すのは常野由来の人々だと思います。彼らの中には一人で複数の能力を持った人もいましたが、基本的には何か一つ。しかも「裏返す」とか抽象的な力ばかりで、今一つ理解し難いものがありました。それに対してこの本の主人公が与えられた力は我々が抱くいわゆる超能力の世界。ただし、それが人工的に作り出されたという設定。それが故に怪しい組織に追われ、超能力を持つが故の果てしない孤独とも闘い続ける少女の葛藤が描かれます。そして、ここに恩田さんは彼女と共闘する存在として犬を与えました。名作アニメに登場するヨーゼフやパトラッシュ、あの世界観が真っ先に頭に浮かびました。

舞台は小さな世界からどんどんと話が大きくなって、遂には冷戦後の核管理問題、東南アジアに残された地雷問題と出だしからは想像だにできなかった世界観へと激しい展開を見せます。中盤の展開などまさしく劇画調。こんな恩田さんの描く場面というのも貴重かもしれません。恩田さんがこれらの問題に敢えて対峙しようとされたのかどうかは分かりませんが、いずれもこの本の書かれた2000年前後にはニュースでも大きく取り上げられることが多かったいわば社会問題の数々です。あまりに予想外の内容に呆気に取られてしまいました。

そんな背景の前でヒロインである伊勢崎遥の存在がどんどん神がかって輝いて見えるように感じてきました。実のところ〈劫尽〉という字が読めませんでした。読み終えた後、併せて意味も調べましたが、実に的確な書名だと思いました。途中の彼女が落ちていく救いのない展開に心を痛めましたが、最後に恩田さんが描いてくれた納得感のある、そして救済感のある結末に自身の心も救われた気がします。

そもそも書名が読めなかったくらいなので全く期待していなかった作品でしたが、とても気に入りました。常野由来の人々のお話のような、いわゆる恩田さんらしい作品からは少し違う立ち位置にある作品だと思いますが、これはこれで楽しめたと思います。

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2019年12月25日

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夜のピクニックや蜜蜂と遠雷などの平和な世界とは全く違います。恩田さんのレパートリーの広さ、それでいてブレない恩田陸らしさに驚かされます。
解説とあとがきも良いです。

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2019年11月30日

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面白かった。この人の小説は、
やっぱり
なんつーか
漫画だなぁ。
これはAKIRAとか系の。これを小説で読めるのが嬉しい。
ラストがね…ちょっともったいなかったが。

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2019年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説外薗昌也氏。
『犬神』も読んでみたい。。

劫尽の火、劫火 という単語を知らなかったので、
単純に身体能力が高い子供、と思って読み進めていたので驚いた。。
こんなにも分かりやすいタイトルだったとは。。

恩田陸氏の描く少女は皆頭が良くて、なかなか理解し辛いが
今回10、11歳位だったせいか割とすんなり。
長編なのだろうけれど舞台、季節の変化で章が切り替わる為、もっと長く読んでいたかった、というのが1番の感想。

父親の焼きつくせ、という言葉をどう受け止めたかで、全然進む道が変わってくるのだなぁ、と。
(ひょっとしたら父親の真意は違うかもしれないが。。でも母親のタイプからして。。。)

もやもやするのではなく、こうかもな、と色々な可能性を探れる感じの読み終わりでした。

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2016年12月06日

Posted by ブクログ

失礼ながら、さして面白そうに見えないタイトルと表紙。そのせいで読むのを後回しにしていた己の不明を恥じる充実した内容でした。
独自に創り上げられた世界の中で起こるスピード感溢れる展開は、一気読み必至です。

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2015年09月21日

Posted by ブクログ

ラノベっぽいけど、とても面白かった。漫画を読んでいるような感覚で読み進められる。荻原規子のRDGシリーズに通じるものがある。そちらが好きなら気に入るでしょう。

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2014年03月14日

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焦って読んでしまったせいか、最後何でああなるのかよくわからなかった(´・_・`)
聖心苑のあたりが好き。

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2013年12月20日

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特殊な能力を備えた少女が秘密組織を相手に戦うという、
SF的な要素やアクション物語の要素を持ちながら、
人間の心の奥深くにある悲しさや苦しさをも描いた物語です。

父親であり研究者でもある伊勢崎博士の手によって、
容易ならぬ能力を与えられた主人公の遥(はるか)。
かつて所属していた秘密組織「ZOO」から逃れるため、
親子二人で海外逃亡を図り姿を消していた。
しかし、行方をくらませてから7年後、
二人は密かに日本に舞い戻り閑静な別荘地に隠れていた。
二人の帰国を知った「ZOO」からの追っ手ハドラーとその一味は、
特殊な方法で特殊な能力を得た遥を確保するため周到に包囲網を狭めていく。
遥の特殊な能力とは何か、特殊な能力はどのようにして備わったのか、
そしてその能力はどのように発揮されるのか。
次々と現れる追っ手の前に遥の能力は徐々に進化していくが。

タイトルの「劫尽童女」は「こうじんどうじょ」と読みますが、
「劫尽」とは「世界が終わるときに世界を焼く尽くす炎」という意味で、
その炎を「劫尽火(こうじんか)」という呼ぶこともあるそうです。

物語の中で「悪いことをすると、地獄の劫尽火に焼かれるよ」という言葉が出てきて、
物語を読み進めるうちにその言葉の意味が徐々に分かってきます。
特殊な能力を備えた主人公の悲しみと怒りがせつないほど胸に響いてきました。

恩田陸さんの物語は爽やかな青春ものもありますが、
どちらかというと人の心の内面を捉えたものが多く、
喜びよりも悲しみや切なさという面を捉えた物語が多いような気がします。

恩田ワールドでは摩訶不思議な世界や能力に目が行きがちですが、
そんな不思議な世界の中でも「人の心」というものが巧みに描かれていて、
読み進めるうちにジワジワと読む人の心の中に響いてくるんです。

また、物語の結末がやや難解に感じる物語も多いように感じますが、
それもまた読者に「結末の先」を考えさせる意味もあるのかなと思いました。

今回の物語も「結末の先」が読者に委ねられているような気がして、
読み終わったときにややもどかしいような気になりましたが、
それもまた恩田ワールドなんだなと感じました。

読み終わったときに一抹の切なさが心に残る一冊です。
個人的にはこういう終わり方が大好きです。

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2013年03月06日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、七年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに!激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが―。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か。
 内容はSF~父に改造された少女って…サイボーグ009の001だわ~って思っちゃいました~古い(@_@;)
 同じ特殊能力を持つ犬も…そんな漫画あったけぇ~と読みながら漫画が浮かんでしまった。面白かったですが、どうもこの手の内容は子供の時大好きで漫画で読んでいるので…浮かぶ映像は漫画~石ノ森章太郎さんだったり、手塚治虫さん。。。。もう一度漫画を読み返したくなりました。

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2013年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ストーリーとしては特に驚く箇所やサプライズがある訳でもなく、大体なんとなく想像しながら読んでいける話ではありましたが、こういう主人公が好きなので楽しく読めました。
中でも、主人公が死んでもいいと思う瞬間がありましたが、そこがなんだか、「はっ」となりました。
恩田さんワールド炸裂でしたね。

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2012年06月19日

Posted by ブクログ

篠原千絵の漫画を思い出した。
闇のパープルアイとAKIRAを混ぜたみたいな…
オチがちょっと判りにくかった。
初期の作品のせいか、文章が若く感じられた。
読みにくいというより印象的。

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2018年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

父伊勢崎博士に遺伝子をいじられたかしたで、超能力(身体能力、鋭い五感等)を獲得した伊勢崎遥。父の謂われるがまま殺戮を繰り返す。

彼女は設定上は小学生中学年か高学年という事だが、意識としては老成した50代程度みたいな設定です。

倫理的な思考はできるものの、殺戮への罪悪感は薄い模様。ただ、物語の後半でニューメキシコかシェラネバダあたりの貯蔵施設で核爆弾の処理(誤爆→周囲の汚染)に騙されて加担するというくだりがありました。これが応えた?模様。

・・・
このあたりの「心」未熟さが面白いところかもしれません。

ミュータントやロボットは自尊心を持ちうるのか、とでも言い換えることが出来るのかもしれません。キチンと情動もそなわっているのに、他人の為に労働を強いられる。感じる心が無ければ労働だって殺戮だって呵責もないものを、わざわざ心が、感じる能力が備わっている。だからこそ主人公の遥も他人の計算通りに動かずサプライズを起こす要因にもなりましょう。

で、ふと思い立ったのが、「アキラ」です。かの作品でも超能力を使える子どもたちが隔離され、訓練されていました。彼らもまた周囲の他人の為に自分の人生を犠牲にすることを余儀なくされていました。

同様に思い出されたのが「私を離さないで」のキャシー。詳らかにされませんが、臓器移植のために生み出されたクローンのような人々。これまた自己意識があるために、「なんだかんだで自分の人生悪くなかった」と必死に思い込もうとするような、まあどんよりした作品でした。

・・・
「人間は考える葦である」なんてパスカル某が言ったとか言わないとか。
その「意識」「思考」こそが人・生き物を崇高にもすれば、苦しみもさせるのかもしれません。

・・・
ということで、恩田陸さんの作品でした。相変わらず作風に富んだ作家さんであると感じました。

本作単体ではそこまで響くところは個人的になかったのですが、非人間の生き方、生き様、生命の優劣、自己決定権は人工物に及ぶのか、みたいなテーマで考えると世界が広がってゆく作品だと思いました。

ですので、本作はエンタメ好き、恩田さんファン、SF好きやディストピア好きのみならず、生命倫理等に興味がある方にもお勧めできると思います。

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2023年09月28日

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漫画っぽくて斬新だった
1章ごとに区切りがよくて、短編を読んでいる気分
遥の精神年齢大人すぎて、もう少し幼さが欲しかった。
ハンドラー何人おるん…

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2023年07月25日

Posted by ブクログ

非現実的なストーリーはどちらかというと苦手だけど、この本は、結構夢中になって読めた。
ある意味、父親の犠牲になっているとも言える遥だけど強いし、何より見守ってくれている神崎やシスターの存在に少しは救われていたのかな。

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2018年12月05日

Posted by ブクログ

【分かったふりしないでよ、ここはそんなに簡単じゃないのだから】

違う違う違う!!!君は強く僕を否定して、まるで自分は世界の全てを知っている、今はまだ知らないことがあったとしても、いつか当たり前の如く知ることができるのだといわんばかりにしたり顔で睨みつけている。

嗚呼。研究者というものはどうしてこんなにも、柔軟性がないのだろうか?こんな朴念仁が、この世界の誰もまだ見ぬ真実の隙間を見つけられるというのだろうか?僕からしたら地球に何回も体当たりして、自分の望む通りに穴を開けてそれを発見といっているようにしか見えない。奇跡を信じる?といって目を輝かせていた君は、いつの間にか全てに意味を持たせたがって、覗けもしない他人の心までも定規を持って測りだす。自分が正しくない事だって、考えられないような研究者が、トリケラトプスの生態の解明を拒んできたのだろう。僕はまた、小さくため息を吐き出した。

忘れないでよ。天秤は、バランスを図る玩具じゃない。量る物だから。

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2015年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。恩田さんの作品の中ではかなりハードボイルド。最後は核爆発や地雷除去と話が大きくなったわりには、主人公遙が仏教の解脱のようなラスト。ちょっと拍子抜けしたかな。でも、前半の戦う遙はかなりクールで、面白かった。

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2015年02月19日

Posted by ブクログ

映画化も出来る作品。

主人公遥が自分は一体何者なのか、罪深く生きていきつつ、その答えを探す中で、さまざまな戦闘シーンもある。
恩田さんらしい、しっかり楽しめた作品。

もっと複雑な抽象的で、もっともっと思考したい人には少し物足りないかも。それを目的で書いてないと思うので。

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2014年11月07日

Posted by ブクログ

少女ー伊勢崎遥は“フランケンシュタイン”だった。
彼女の父、伊勢崎博士は人間の能力を飛躍的に伸ばす遺伝子操作(だと思う)の研究を組織で行っていた。そしてその成果を自身の娘である遥へと施し、組織を逃げ出した。同じく実験で生まれた天才犬アレキサンダーとともに、遥は組織に殺された両親の仇をとるため、そして自分が生きて行くためにその手を血に染めて組織を壊滅へと追い込んで行く。
組織ーZOOー、それと反する米軍、米軍で保護されていた双子の弟の存在、そしてカンボジアでの運命の再開。
彼女の能力は危機に見舞われるたびに人智を超えたものへと変質していく。
全てを焼き尽くせ、父のその言葉通り少女は世界を焼き尽くすのか。

ラストは相変わらず読者に委ねる、というのか、広がりだけを示唆して終わる終わり方でした。私は好きです。
ただ何人かのへビューでみた通り、アレキサンダーにもう少し出番があればなと。

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2013年12月11日

Posted by ブクログ

父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、七年を経て、組織の追ってにより、再び戦いの中へ身を投じることに!激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるがー。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か?

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2013年10月02日

Posted by ブクログ

再読7回目。
騙されるつもりで読んで後で驚くのもいいし、2回目以降はいろんな伏線に驚愕するのもいい。
何にしても、後味は爽快。

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2013年06月16日

Posted by ブクログ

難しい・・・
前半までは比較的内容も掴みやすかったのだけれど、中盤のお話でどのように捉えていいのか、主題が何だったのかが一気に分からなくなってしまった。
ただ、ルカのあの能力は普通に生きていくにはとてもつらいだろうなと終始思った。

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2013年02月20日

Posted by ブクログ

スラン(ヴォクト)の逃げ惑う超能力者をイメージして購入したのですが、読み始めたら、これは幻魔大戦(平井和正)か?いや、相手は人間だしファイアスターター(キング)の方が近いか、なんて。そしたらあとがきに「『ファイアスターター』プラス七〇年台SFを念頭に」と書いてありました。
ばっちりじゃん。
少女を主人公にして、かなりド派手で、ちょっとノスタルジーを感じるミュータント・SFです。このタイプのSFを読むのは久しぶりで、それはそれで楽しかったのですが、ちょっと途中から収拾が付かなくなった感じがあって残念でした。

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2016年08月07日

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