恩田陸のレビュー一覧

  • 月の裏側

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    まだらに読んでいる恩田陸さんの作品で
    どちらかというと読んでいるものの方が多い中で
    なんとなくスルーしていた作品。

    塚崎多聞という主人公を据えた
    シリーズとして読める作品ということを知って読んでみた。

    内容としてはthe恩田陸。
    水路の走る町。
    老人の行方不明事件。
    少し不思議などこかホラーな、恩田陸の世界。

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    2025年10月01日
  • 木曜組曲 〈新装版〉

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    ネタバレ

    一瞬で読み終わってしまった…!
    美味しそうな湯気がたつ洋食の中で、井戸端会議のようにセンシティブな話題が繰り広げられるのは、自分が彼女らと同性で似たような事をする機会が多いからすんなり読めたのかなと思う。

    物書きの彼女たちは空想を広げるが、事実は小説よりも奇なり、という言葉がとても合うなと思った。
    彼女たちを殺そうとした真意はなんなのか読者にももちろんわからないが、考えられるようにこの視点での物語進行だったのかなと思った。

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    2025年10月01日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    5人の小説家の短編と、2人のクリエイティブディレクターのアンソロジー
    テーマは九州の特別列車「ななつ星」に乗り込む乗客の物語だ
    列車はたくさんの人を一度に運ぶけど、乗客の一人一人はそれぞれ特別な想いを持って列車に乗り込む

    5人の作家さんが寄せたとても短い物語には人生という長い長い想いが乗っていることに気が付く
    恩田陸さんの「お姉さん」が仕組んだ、複雑で切ない物語も時間の長さと、生きようとする想いの深さが音楽に乗ってやってくる

    個人的には小山薫堂氏の言葉が圧巻だった
    人から人へ繋ぐ想いが言葉となって、香り高く温かみを持って伝わってくる
    「共感」という到達点はその気持ちを理解しようとする意識の

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    2025年09月30日
  • 月の裏側

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    ネタバレ

    不安な気配を漂わせつつ物語が進んでいく。運河に何かありそうで恐ろしい。水や雨が怖いとすら感じました。どんどんホラーみが増してきて、4人が長靴を履いて寝るあたりはほんとに怖かったです。文学しりとりが未読のものがほとんどで自分が不甲斐なかった。この人たちの輪に入っていけないわ私は。高安さんが盗まれて例の場所で見つかるあたりが怖さのピークでした。結果的にはそう悪いものではない感じでみんなが帰ってきて、あれ?って感じでした。こうやってみんな次々に盗まれていくのかな。藍子の思いが最後切ない。幸せを感じて生きていって欲しい。

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    2025年09月29日
  • spring

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    バレエの話。
    春と入団試験から長い付き合いをする深津、春の叔父の稔、春とバレエ教室が同じの七瀬、そして春自身が紡ぐ春の話。
    読みながらバレエを、春を感じる。この高揚感流石すぎてほんまに好き。恩田陸さんの芸術系の作品ことごとくどんぴしゃりで好みすぎる。蜜蜂と遠雷とかチョコレートコスモスも音や演技が見えるようやったもん。このspringも、バレエが見えるようで胸を掴まれる。
    あと、出てくる人皆好きで読んでてストレスがなかった。深津も七瀬も稔も勿論素敵で、他の先生方やバレエ仲間もやっぱり素敵で、この人々が紡ぐバレエが見たくなる。
    最後の春目線の章で掴みづらかった春を掴めた気になり神聖視してたのに思い

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    2025年09月28日
  • spring

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    タイトルだけ見て、伊坂幸太郎の「重力ピエロ」を思い浮かべた的外れな読者です。重力ピエロには、泉と春という兄弟が登場する。どちらも英語ではSpring、まぁ、的外れではあるけれど、この本の主人公も「春」という名のバレエの神に愛されたいと願う男の子だ。ワークショップで出会う深津純目線の春。叔父の稔さん目線の春。バレエ教室から一緒の滝澤七瀬目線の春。そして、俺自身目線の春。という四部構成になっている。
    フィクションと言いながら、バレエの世界に限らず、世界の名だたる実在の人物、芸術作品が、これでもかというほど登場する。作者の教養に酔いそうな一冊だ。恩田陸、恐るべし。この一冊、1800円では安すぎる、と

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    2025年09月28日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    ネタバレ

    分かりやすい伏線とともに、何か小さなノイズのような隠してあるような伏線がたくさん潜んでいて、その先が知りたくて知りたくて、読むことが止められない物語

    読み始める時は、写真から始まり、え?こんな話なの?と始まるけど、1組の男女の思いもよらない過去の話がさらさらと語られる。
    読んでいてこっちも息を呑んでしまう、言葉だけで緊張感の漂う感じも、読むことを止めさせない。
    話がこれで終わりそうなときに、その見えにくい伏線に気づいて、また新たに彼らの過去が紐解かれていく。
    モヤモヤしそうだけれど、読み終わった後に意外と消化不良感はなくて、彼らはまた人生を歩いていくんだろうなと少し明るい未来が想像できそうな

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    2025年09月25日
  • 珈琲怪談

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    出てくる話はほぼ実話と聞いて、ちょっとぞくっとしました
    すごく怖い話でもなく、ちょっとあれっと思った話などなので、リアルに感じて逆に怖い
    日傘のおばあさんの話がほっこりあたたかくてすきです

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    2025年09月24日
  • 麦の海に沈む果実

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    文章は美しかった。けど、描写難しくて情景を想像するのに頭使った。最後のハロウィンの時の展開が早すぎて追いつけなかったし、理瀬のキャラクターが最後まで掴みきれなかった。それを狙って、最後で回収させたいのはわかったけど、急にキャラ変わりすぎて追いつくの難しい

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    2025年09月23日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    小学生の時にピアノを齧りかけて逆に歯がかけたくらいのレベルの私でも問題なく楽しめた!
    前に映画で観たときには途中で寝てしまった記憶。下巻も読んで、また映画観てみよう。

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    2025年09月23日
  • 珈琲怪談

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    〔Ⅰ〕四人の、まあ成功していると言えるおっさんたちが各地の喫茶店をハシゴしながら短くて他愛ない怪談話(というより奇妙な話系か)に興じ続けるというもの好きなお話。
    〔Ⅱ〕場所は、真夏の京都/真冬の横浜/五月の雨の神保町/神戸/大阪ではマヅラっぽい店や芝川ビルっぽいビルをはじめ知ってるとこが多かったのが嬉しくはある。御当地ものって面もあるなあ/晩秋の京都。
    〔Ⅲ〕とても好みのタイプの本でした。たぶん、こういうのがいちばん好き。

    ■塚崎多聞についての簡単な単語集

    【尾上】塚崎多聞の友人。作曲家兼スタジオミュージシャン。もともと京都人。布袋様みたいな感じ。喫茶店ハシゴでの怪談会を企画した。インスピ

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    2025年09月22日
  • 三月は深き紅の淵を

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    大好きな理瀬シリーズの原点(?)のような本。
    短編『回転木馬』はそのまま「麦の海」のプロローグだった。

    入れ子細工に作中作、あまりにわけのわからない世界観の真ん中に位置する『三月は深き紅の淵を』。
    恩田陸のわけのわからなさが癖になってきた今日この頃。

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    2025年09月22日
  • チョコレートコスモス

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    序盤はのろのろと書けない作家さんや
    クセ強な学生劇団などの話で
    読んでいられなかった
    ひとりの少女がクローズアップされて
    演劇の演技描写に話が進むと
    一変
    めくらずにはいられなくなってしまう
    最終その先はどうなったの?
    もっと読みたいと思ってしまう

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    2025年09月21日
  • 珈琲怪談

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    ネタバレ

    「ようこそ、珈琲怪談へ」と宣言して始まる、男だけの酢強な世界。京都、横浜、神保町、神戸、大阪、京都と4人の男が遠出し喫茶店を何軒もハシゴしながら、持ち寄った怪談を披露し合う。

    怪談ではあるけど、特に怖いわけでもなく、ちょっと不思議な話。多聞の話が検事の抱える事件の解決のヒントになったりして、ちょっとミステリ。
    とりあえず男4人が楽しそうにワチャワチャしてるのが微笑ましい。

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    2025年09月20日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    ネタバレ

    場面はずーっと男女2人がアパートの一室で喋っているところから変わらないけれど読み進めているうちに2人の関係性やある事件との関わりや過去への回想を通して読み進められるからとっても面白かった。今まで読んだことない感覚。

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    2025年09月20日
  • 酒亭DARKNESS

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    ネタバレ

    「跡継ぎの条件」「夜のお告げ」「昭和94年の横丁」
    「風を除ける」「黒の欠片」「曇天の店」「三味線の音」
    「笑うカピタン」「歌うカステラ」「祖父の墓」
    「白の迷宮」「アトランダムな神々」「空飛ぶ梅」
    「特別編ムーン・リバー」

    恩田陸さんらしい良いホラー。そんなに怖くないと油断していたら「風を除ける」で鳥肌が…。

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    2025年09月18日
  • ライオンハート

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    再読完了。
    このお話好きなんですよね。
    苦手なロマンスなのに、なぜか好きなんですよ。

    刹那の出会いと別れを繰り返す男女のお話ですが、これが、時空を超えて結びつく何やら広がりを感じるもので、一つ一つはほんとに切ないながらもポジティブな雰囲気があります。

    んで、そのつながりが小気味良いんです。
    あれ?さっきこの人出てこなかったっけ?と何度も戻りながら(すぐ忘れる)、ああこの人はこうなるんだあ、と答え合わせをしながら進むのも分かりやすく、ショートや短編も好きな自分に合ってるんだと思います。
    また、美術作品や歴史も絡めて物語が紡がれるので、変なリアリティを感じるのです。まさかあの人物が発端だったと

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    2025年09月17日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    この本は、ピアノコンクールを舞台にした青春群像劇で、音楽をテーマにしながらもエンタメ小説としての面白さが抜群です。上巻では、個性豊かな登場人物たちが次々と登場し、それぞれのバックグラウンドや音楽への想いが丁寧に描かれます。

    文章はまるで音楽そのもので、演奏シーンではまるで音が聞こえてくるような臨場感がありました。テンポよく展開しつつも、読者に想像する余白を与えてくれるのも魅力です。上巻の段階で既に「この先どうなるの?」と引き込まれ、続きを読まずにはいられなくなる構成でした。

    音楽やコンクールに詳しくなくても楽しめますし、むしろ登場人物たちの情熱に引っ張られて一緒にドキドキできる一冊です。

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    2025年09月15日
  • 木洩れ日に泳ぐ魚

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    ネタバレ

    最初読み始めたときの、これはこーゆー話かあと後半にかけての、え、こーゆー話!?の差がすごい。面白かったけど、しんどさも残る話だったなぁ

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    2025年09月14日
  • ネクロポリス 下

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    下巻の怒涛の展開がすごいっ
    このファンタジー+ミステリーの世界観面白かったです。
    最後はわりとよい終わりなのもよし◎
    (少し不穏なのもまたよし)
    続き見たさに早く早くーーーと思いながらページを捲ってました。
    とてもよい読書時間でした!

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    2025年09月13日