恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ多聞の出てくるシリーズは、『珈琲怪談』、『不連続の世界』、そして本作と、刊行順と逆に読んでしまいましたが、直接ストーリーが続いているわけではないので普通に楽しめました。
本作は結構SFっぽい話だったなと、僕は個人的には思います。真相については受け取る側にある程度委ねている部分もあるのかなと思いました。結局、箭納倉で起きた一連の失踪事件はなんだったのか(何者の仕業か、人間もどきってなんだったのか)について明記されていないので。
ハッキリとした真相が知りたいって思うタイプの方はモヤモヤするかなと思います。
でもやっぱり恩田陸さんの文章力ってやっぱりすごいんだなとひしひし感じました。僕としても若干のモヤモヤはありますがストーリーの持っていき方には面白さを感じました。読んでて真相がわかりそうな気になりつつもやっぱりよくわからない、どんどん読み進めるけど真相はわからなかった。でも満足感のある読み応えでした。
ストーリーに直接関係ないですが、協一郎と多聞がやっていた文学しりとりが楽しそうでした。今度僕もやりたい。 -
Posted by ブクログ
私が子どもの頃、読書というのは賢くなるための手段の一つだと考えていた大人が、私のまわりには結構いた。
なので、楽しいから本を読んでいるだけなのに、「えらいね~」とよく言われたものだ。
この年になって、賢くなるために本を読んでいたわけではないにしても、本を読んでいたから知識がついたことは否めないし、知識があれば物語の解像度が上がって、余計楽しくなることも判ってきた。
だから、この多読なうえに広範囲のジャンルの本を読む恩田陸は、私の何倍も物語を楽しめているんだろうなあ、と思う。
今回、上橋菜穂子の『精霊の守り人』の文庫解説を読んで、膝を打つ思いだった。
「モノが違う」。
巷にあふれている異世界物の小説。
異なる世界を一から構築することは、作家みょうりに尽きるのかもしれないけれど、これは相当に難しいミッションである。
ゲームのようにアイテムが用意されていて、好きなように並べればいいというようなものではない。
その世界の文化は、歴史は、何をもって特徴とするか、その中で登場人物たちはどう生きるのか。
毎日ネットの無料マンガをちびちび読んでいる。
今は毎日3作品。
おすすめで紹介されたもので絵のきれいなものを読むと、毎日「無料チャージされたよ」とお知らせが来るので。
たまたま今読んでいる3作品は、どれもが異世界の貴族令嬢に転生していて、魔法的な能力を持ち、家族は機能不全で、髪の毛はピンク。
毎日読んでいるけど、今一つ区別がつかない。
そんな張りぼての異世界ではなく、もしかしたらどこかの並行世界に本当にあるかもしれないような臨場感を持った異世界が、上橋菜穂子の書く作品だと思う。
誰もが彼女くらいかけねばならない、とは思わないけれど、もう少し異世界を構築することの意味というか、世界について勉強してほしいと思う。
これは、異世界だけではなく、最近はやりの、ふわふわした口当たりがいいだけの現代小説の書き手にもそう思っている。
まだ20代の若手ならまだしも、ヘタすると私と同世代でこの程度か…とがっくり来ることが多くて。
あと、若竹七海について書いている文章の中に、コージー・ミステリに必要なのが、「ちょっとした悪意」というのに目ウロコでした。
これはいやミスのあからさまな悪意とは別物で、エレガントなコージー・ミステリに不可欠なもの。
アガサ・クリスティやドロシー・セイヤーズあたりの作品に特徴的な。
ああ、読みたい本がまたどんどん増えてしまう。