恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ兄弟であることが身をよじるほど燃え上がる恋愛をさせていた。兄弟ではなかったことがその恋愛を終わらせた。
小説の中で、「やっぱり、死は『生きる』ということの無数の選択肢の中のひとつなんだよ。生と死が別個にあるんじゃなくて、死は生の一部分なんじゃないかな」とあった。崖から落ちて死んだ男、死が近い母、死んだ千明であったはずの小さい女の子。圧倒的な生のなかではこれらは一つの選択を選んだ事実にすぎない。そして涼しい風が吹く初夏のもとではこれらはコメディにすぎないのである。晩夏や向秋ではなく、初夏というのがまた妙でありいとおかし。
恩田さんの言葉選びはおしゃれ
女には自己憐憫と言う娯楽がある。
彼の目が宙を泳ぐとき、私はいつも木洩れ日が揺れるのを見る。
カメラに向かって笑う僕たちは、未来の僕たちと常に共犯関係にある。
夜明けの公園は、ひっそりとして、「公園」という名の置物みたいだった。
朝の雄弁な沈黙が足元から這いのぼってきた。