恩田陸のレビュー一覧
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学校生活の楽しかった部分の一端を思い出せる本。
平凡な学校だったので歩行祭などなく普通に修学旅行だったが、読み終えた頃には自分もそこに参加していたような満足感と楽しさがあった。現実には、それに凄まじい筋肉痛等が付属するだろうが笑
北高では修学旅行の代わりに歩行祭という、朝8時から翌朝8時まで歩くという行事が毎年ある。夜中に数時間の仮眠を挟んで前半は団体歩行、後半が自由歩行。
前半はクラス毎に二列縦隊で歩き、後半は全校生徒が一斉にスタートして母校のゴールを目指す。到着順に順位がつくがそれを狙っているのは運動部で、大半は歩き通すこと自体が目標。
なので、自由歩行は仲のいい者同士が語らいながら思 -
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誰を主観として物語が進んでいるのかわからなくなることが始めは多かったが、読み進めるうちに読みやすい作品だなと感じるようになった。
歩行祭のような終わってみるとあっという間だったと感じるような作品。
西脇融と甲田貴子に焦点を当てた物語であるが、歩行際には全校生徒が参加しており、それぞれが違った思いを持ちながら望んでいたと思う。
その思いに向き合えたかわからない。また、歩行祭は終わってみるとあっという間の出来事で夢のように感じることだろう。しかし、これを経験した生徒の中で何かが終わり、何かが始まっているのではないだろうか。夢のような出来事でも、しっかりとそれぞれの心の中に刻み込まれでいるよ -
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退官した判事 関根多佳雄が主人公の連作短編ミステリ
職業柄とミステリ小説好きが高じて繰り広げられる推理
中には無理筋と思えるような推理もあるけれども、それが「当たる」からこそ「名探偵」というメタな存在でもある
まぁ、真相がそうであるかは定かではないという結末でもある
収録12編とその出展
・曜変天目の夜(『ミステリマガジン』1995年11月臨時増刊号)
・新・D坂の殺人事件(『青春と読書』1998年2月号)
・給水塔(『小説NON』1996年1月号)
・象と耳鳴り(『小説NON』1997年12月号)
・海にゐるのは人魚ではない(『小説NON』1997年6月号)
・ニューメキシコの月(『小説N -
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曲が夜の海や山の森など、風景描写で表現されていて曲を知らなくても雰囲気が何となくわかる。
マサルの三次予選、リストのソナタで19世紀の別の物語で曲が表現されていて圧巻。
他にも風間塵の曲が亜夜との対話でひょうげんされたり、また弾き手だけでなく主催者、作曲者、友人、審査員などそれぞれの視点が移り変わって一曲をどう感じたか再現するのが見事。
風間塵が養蜂家であることが、タイトル的にももっと作中に活きればと期待してしまった。父の背景や変わった名前の由来など。二次予選の春と修羅で自然の猛威を演奏で表現していたけれどそれを実際感じたエピソードが欲しい。師匠のホフマンがわざわざ塵の遠征先に行って、という