恩田陸のレビュー一覧
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購入済み
同作者の中で一番好きなのがこれ。
厳密には、特に2章が素晴らしい。
登場人物二人の、編集者としてのスタンスや
仕事への取組み、物語に対するちょっと過剰な
までの思い入れ、こういったものがギュッと
つまっているシーンがとても好きだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいろんな登場人物が入れ代わり立ち代わり登場し、推理小説を読むようにこの中にいるスリーパーは誰だろうと考えながら楽しく読んだ。成瀬の咳がひどくなった時は、騙された。これが推理小説なら、探偵役になる十時の独特で愛嬌のあるキャラクターが好きだ。小津のワンタンへの執着心、気の毒な大島凪人、飛行機好きの岡本喜良、ロボットを欲しいと思う三隅渓など変わり者ばかりだ。SFっぽさを感じさせてくれる、黒澤親子の存在は恩田陸ならでは。そして、題名の「消滅」の意味するものはなかなか深い。ベンジャミンの作り上げた、人と人との間の壁を壊し、双方を繋ぐものが日常的に使う生活用品であるところなんかが微笑ましい。この物語のキー
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Posted by ブクログ
ネタバレ久々の恵弥シリーズ。
旅行中だがあっという間に読んでしまった。
今回はT共和国に仕事とプライベートの野暮用(?)で行ったはずがやはり何かに巻き込まれてしまう。
今作は前作までをちゃんと読んでいないと楽しめないかもしれない。それくらいMAZEとクレオパトラネタが多い。
個人的には慶子と満が出てきたので満足。
多田からとある女性の捜索を依頼されるものの女性は恵弥の目の前で刺殺され、依頼した多田も謎の事故?で負傷してしまう。そして恵弥の元には色々な人が現れて慌ただしい。
今までのまとめ感があるのだがこれでシリーズ終了なのだろうか?
最終盤で恵弥は選択をしなければならないフラグも立っているのでこれで終 -
Posted by ブクログ
時間遡行を使ったSF小説。・・・と言っても難解な科学理論で頭が痛くなるようなものじゃない。読み進む中で時々思考が追いつかないような場面があったとしたら、それは物語の伏線を張るための巧妙なスモークのようなもの。本当にこの物語は多くの伏線が巧妙に張られ、知らず知らずにその1本1本が脳に付着して静かに息を潜めている。そしてクライマックスの合図の瞬間、1本の強く長いロープとなり私の脳を一気に縛り上げてしまう。快感、まさに快感。『近代日本史』『軍』は今の私のちょっとしたブームであり、その点も相俟ってとても快感な作品でした。何度も言うが伏線の張り方が本当に凄い。
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