恩田陸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
デビューからの14年間に発表された全エッセイをまとめたもの。エッセイは読むものであって書くものではない、とご本人は言っており、エッセイでも好きな本読んできた本をテーマにしたものだったり、あとは他の作家の作品に寄せた解説文など、タイトル通りに恩田さんが書いた小説以外の文章を集めた本です。恩田さん、お話を書くのは好きだけど自分のことを書くのは苦手、ということでストレートに自分のことが書かれてるところは無いのですが、こういう本を読んでこう思っていた、とか、誰の作品の持っているこういう雰囲気が好きだ、とか、本を通じて恩田さんの人となりも透けて見えて、とても面白かったです。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ本屋大賞に選出されているだけあって、読みやすい。
尚且つ、高校生の青春を言語化した作品でもあったことが面白かった。
読んでみて思った感想として真っ先に思い浮かんだのは、犯人目線の推理小説みたいだということだった。
ずっと主人公である甲田さんと西脇くんは、異母兄弟だということを黙っていた。それをほとんど知らない周囲の目ではなく、知っている2人目線の話だったことがとても新鮮だった。
愛のかたちについて、ずっと悩んでいた。
嫉妬も、愛おしさも、敬う気持ちも、全部愛だとわかっていて、愛に疑問を抱いていた。
その疑問というか、概念というか、相手を思うことこそが愛なのではないかと直感で教えてくれる作品でも -
Posted by ブクログ
七瀬とHALが即興でコンテンポラリーを再現しているくだりでやっと気がついた。
「蜜蜂と遠雷」の作者じゃん!
亜夜とマサルじゃん!
いや、別の話だし、
こちらはこちらで素晴らしかったけれど。
バレエは娘が12年やってた。
ロシア留学なんて言い出したら費用は?
なんてバカ親炸裂させていたけど、
娘が楽しかったのはバレエ以上に友達と一緒にいる事だったらしく、この発表会が終わったら受験生、というタイミングであっさり未練もなくやめて、トゥシューズも捨ててしまった。
送迎に、役員の押し付け合いに、発表会の裏方に、振り回された日々は何だったんだ、という気もするけど、娘は楽しい時間を過ごせたのだろうし、私 -
Posted by ブクログ
たぶん『蜜蜂』以来の恩田作品。前回は音楽家、今回は役者。恩田さんは「天才」たちを描くのが本当に上手。それぞれキャラクターの魅せ方も巧いし、言うことないわ!笑。こういう作品を読むたび、作家もまた「天才」なんだなと尊敬するよホント。星四つ半。
追記。
(個人的に思うこと)これから一番面白くなってくる分岐点があるとするなら、ここだと思う。p385。まさに前フリだ。あと、p494〜495にかけて。『蜜蜂』のときも感じたが、ゾーンの表現が本当に巧いなぁホント。これは一体なんの涙なの?別に嬉しいわけでもなく、ましてや悲しいわけでもないのに…。こんなよくわからない感情は初めてだ。嗚呼。