【感想・ネタバレ】朝日のようにさわやかにのレビュー

あらすじ

葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。しかしなぜ……(「楽園を追われて」)。ある共通イメージが連鎖して、意識の底に眠る謎めいた記憶を呼び覚ます奇妙な味わいの表題作など全14編。ジャンルを超越した色とりどりの物語世界を堪能できる秀逸な短編集。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

どれも面白かった。「冷凍みかん」、「深夜の食欲」、「淋しいお城」が特に好き。
「淋しいお城」が『七月に流れる花』の予告編とのことなので、本編も読む。
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葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。しかしなぜ……(「楽園を追われて」)。ある共通イメージが連鎖して、意識の底に眠る謎めいた記憶を呼び覚ます奇妙な味わいの表題作など全14編。ジャンルを超越した色とりどりの物語世界を堪能できる秀逸な短編集。

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2023年12月22日

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「水晶の夜、翡翠の朝」
理瀬シリーズが大好きなので、スピンオフっていうだけで幸せな気持ちで読めた。

「あなたと夜と音楽と」
ラジオ局の話。これもなかなか良かった。

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2022年07月26日

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ジャズがお好きな方には、このタイトルを知るとソワソワするかの如くの名曲なのだが、ジャズにも一家言擁しておられる恩田女史の作品は興味深かった。
沸々と優しい恐怖感(?)に襲われる14篇から成る短編集の一冊。
その中での一篇が「朝日のようにさわやかに」なのだ。
登場するトランペッターは固有名詞ではなく、イニシャルで綴られているのだが、私の推察するところではウィントン・マルサリスであろうと思われる。
決して仰々しいセッティングではなく、何気のない日常を描いているのだが、ジワジワと静かに摩訶不思議な世界へ誘われる。

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2022年07月08日

Posted by ブクログ

恩田ワールド全開!!という感じ
一篇は、数分から数十分で読めるような短さながら
内容は濃く。

ホラーあり、ふんわりあり、クラリとした展開あり。
楽しめます!

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2015年06月13日

Posted by ブクログ

短編集で、どの話も凄い面白い!
すぐに読み終えることができて
ブラックな話だったり
凄く短いのに心にずんってきたり
続きが読みたくなる話だったり
でも、時には理解できないのもあったけど
そういうのがいっぱい詰まってて
お得感満載の本でした!

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2019年01月16日

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不気味。怪奇。不可思議。
逆に作者の長編を読んでいないのでこの印象に尽きる。古の、星新一を初めて味わった頃の恐怖感が蘇ってくるよう。じわじわと何かが起こっている。

ここはひとつ『蜂蜜と遠雷』あたりを読んで涼もうか。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

友人の紹介がきっかけで読んだ。
短編14篇。理解できなかった話もあったが、総じて世界観が面白かった。
「水晶の夜、翡翠の朝」、「あなたと夜と音楽と」、「深夜の食欲」、「淋しいお城」の世界観が好きだった。
ホラー苦手だけど、小説だと読みやすくなって良いなあ。。。

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2025年01月25日

Posted by ブクログ

短編集です。14編、ホラー、シニカル、ミステリー等の話だらけです。設定が分からないものや、オチ的なものが有ったり無かったり、想像をフル回転して読みました。そしてこんな内容なのに、タイトルがコレっていうのが、心を少し冷えさせるところかなと思います。

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2024年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいて思ったのは、「恩田陸って、やっぱりプロの作家なんだなー」って(爆)
なんて、そんな失礼なこと言ったら、間違いなく怒られそうだけどw
でも、発想の豊かさだったり、読んでいてビシッと決まる表現にハッとさせられたり。あと、作家だけに人生の場面場面において、鋭く目を光らせていたりしているんだなーとか。
冗談抜きで、これは上手いと思った(全部じゃないけどw)。
「おみそれしました。はぁはぁー!」って感じ。

ただ。恩田陸の小説の魅力って、必ずしも「上手い小説」ではないんだよね。
自分は、最初に「六番目の小夜子」を読んで。その煮え切らない結末に不満を抱きつつも、ストーリーが醸し出す謎めいた雰囲気にファンになって。
その後、1、2冊読んだ後、「月の裏側」を読んで、恩田陸は二度と読まない!と誓ったことがある(爆)
でも、その後、知り合いから「ユージニア」が回ってきて。嫌々読んだら、これがよくて、またファンになったという口だ。
そういうこともあって、恩田陸の小説に結末は絶対期待しないことにしているのだがw、ただ、昨今は「どんでん返しがなければ小説にあらず」みたいな風潮があることもあって。怒涛のどんでん返しや、伏線全て回収のような至れり尽くせり小説じゃないけど、結末の前までは読んでいて本当に楽しいのが恩田陸のスゴさだって思うのだ。
その「結末の前までの面白さ」は、ファンそれぞれだと思うが、個人的には、謎を謎で思いつくまま繋いでいく(プロットなんてもんを全く無視した)ストーリーだと思っている。
プロットを無視なんて言うと、今はプロットで書く小説が全盛っぽいから。それは悪いことのようだが、自分はプロットで書く作家は嫌いなのでw、むしろそれがよいのだ。

…と、何だかプロットの話になってしまったが、そういう意味では、この「朝日のようにさわやかに」は短編集だからなのか、それとも恩田陸だからか、プロット云々はあまり感じられない(その反面、短編だけに、著者は自身が苦手とするプロットをつくっているのかな?という気がしないでもない)。
それこそ、これって絶対夢だよねって思ったらその通りだった、「赤い毬」みたいな話も入っている。
短編集だから、他愛のない話もあるのだが、ハッとさせられる話もある。そのハッとさせられる話のハッとさせられる部分、それが「上手いなー」と思わせられた点なんだと思う。


ということで、以下は個々の話の感想。
「水晶の夜、翡翠の朝」は、「恩田陸の小説の魅力というのはこの雰囲気にこそある」と思う人はよいのだろうが、自分はそうではないでダメw
ていうか、自分はこれを読んで、恩田陸に「推理小説」は合わない。恩田陸に合うのは「ミステリー」だ!と思った。

「ご案内」はなー。
正直、文革的なアコギさよりも、今はプラットフォーマーと呼ばれる企業の方がよっぽどアコギだからなぁーって感じw

「あなたと夜と音楽と」は、ある意味「推理小説」なのだが。でも、会話で物語が進んでいく、恩田陸ならではのところがあってよかった。
あくまで短編なので、ちょっとショボいところがあるのだが、物語としてみるならこの本の中で一番面白い話なんじゃないだろうか?
「木漏れ日に泳ぐ魚」だったか。二人の会話で成り立つ話があったが、読んでみようかなという気になった。

「冷凍みかん」は、(自分は)恩田陸はこういう話は合わないかなーと思った。
たぶん、旅行していて、売店で売っている冷凍みかんを見て発想した話なんじゃないかと思うけど、作家ってそんなこと考えているんだなーと面白かった。

「赤い毬」は、展開される場面が次々、ぱぁーっと浮かんでくるのが、何だかすごく快感だった。
自分は、この話と「あなたと夜と音楽と」が好きかなー。
オチは、さすがに夢じゃないんだろうな?

「深夜の食欲」と「いいわけ」は、正直よくわからなかった。
ぶっちゃけ、短編集によくあるような話だなーという印象しかない。

「一千分の一秒殺人事件」は、ある意味恩田陸らしい話。結末は弱いのに、その前までがすごくいい!
あとがきには書かれてないけど、これも夢が元になってるよーな気がするけどどうなんだろう?
その家の意味不明さとか、唐突に出てくる富士額の植木屋とか、かなり夢っぽいw

「おはなしのつづき」と「邂逅について」は、うーん。なんだろ?w
全然違う種類の話で、本来はまとめて感想を述べられないのだろうが、とりあえず「うーん…」w

「寂しいお城」は、去年読み始めてつまんなくてやめたw、あの2冊の元らしい。
これを読む限り、あの2冊とつながっているようには思えないのだが、この話は結構好みだったりする。

「楽園を追われて」が、恩田陸って、実は上手い小説を書く人なんだなーと思った話。
あとがきで著者は、“私にしては珍しい「普通の」話”と書いているが、なるほどな―と色んなことを思った。
実は読み始めてすぐ、恩田陸オールスターズの一員の煙草をくわえた中年女が出てきて、「え、またこの人?」とちょっと引いたw
でも、この話は、それがそんなに気にならないだけの不思議な魅力があるように思う。
といっても、たんに面白い話ではない。亡くなったかつての友人をみんなで上から目線でこきおろすだけの話で、そう言ってしまうなら結構嫌な話だw
ただ、かつての友人の葬式の後の会話って、実は普通にこんなものだったりもするわけだ。
もっとも、考えてみれば、登場人物たちが「あいつはいい奴だった」とひたすら語り合う話を読まされても面白くも何ともないのか(爆)
ていうか、この話の登場人物、例の「Y島」に行く話の登場人物とそっくりそのまま入れ替えても全然違和感がない気がするw

この話は著者が「普通の」と言うだけあって、恩田陸特有の謎を謎でつなぐ展開はない。
また、著者の魅力の一つである、多感な時代の登場人物たちを描くことで、読者にノスタルジーを想起させるのではなく。
疲れた中年が、かつての多感だった自分たちを語ることでノスタルジーを想起させる形になっている。
物語としては、そんなに大した話ではないのだろう。オチも弱い。というか、あれは、実は誰もが彼の才能に舌を巻いていたということなのか?
それとも、「楽園」だった自分たちの過去への憧憬として、それを無意識に持ち帰ったのか、その辺はよくわからなかった。
にもかかわらず、上手いなーと思ったのは、登場人物たちが語る、ちょっとしたエピソードや思いをさりげなく取り入れている所なんだろう。
何度も書くようだが、恩田陸というと個人的には謎を謎でつなぐストーリーと、それによって醸し出される雰囲気なのだが、逆に言うと、著者はそれだけとも思っていたのだw
でも、これを読むと、実は人の営みの断面を鋭く見ているんだなぁーって。
変な話、やっぱりプロの作家なんだなーって思わされたw
ただ、しつこいようだけど、恩田陸の小説の魅力はそこではないと思う。

「卒業」は、「寂しいお城」みたいに長編の元なのかな?
自分は描写がまるっきりアニメを連想させることもあって好みではなかった。

で、「朝日のようにさわやかに」は、なに、またエッセイなの?
と、拍子抜けしたら、(あとがきによると)どこか途中からフィクションになっているらしい。
前に「ブラザー・サン シスター・ムーン」を読んだ時。巻末の対談って、これは本当の話なんだろうか?もしかしたら、この対談も含めて「ブラザー・サン シスター・ムーン」という話なんじゃないのかな?と思ったが、これを読んで、あれはフィクションだと確信したw

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2020年08月29日

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「水晶の夜、翡翠の朝」
この世界観、好きだなと思ったら、シリーズの番外編だとのことなので、そのシリーズを読もうと思います。
「一千一秒殺人事件」
稲垣足穂を存じ上げませんが、スティーブン・キングの「ザ・ドーム」を思い出しました。

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2020年08月17日

Posted by ブクログ

“世界で一番美しいのはだあれ?”という問いかけに、”それは王妃様です”と答えるのは魔法の鏡。

子供が7歳の誕生日を迎えた日に同じ問いかけをした王妃。今度は”それは白雪姫です”と答えた魔法の鏡。怒り狂った王妃は白雪姫の殺害を命じます。命じられた猟師が不憫に思ったことで死を免れた白雪姫は七人の小人の家に辿り着きます。お腹が空いていた白雪姫はスープを飲み、パンを食べ、ぶどう酒にも口をつけた後、その家で眠ってしまいました…というのは童話の名作「白雪姫」。そんな名作に、

『それっていけないことなんじゃないの?』
『見ず知らずの人のうちに入って、飲み食いして、勝手に寝ちゃったんだものね。今だったら、そのうちの人に、おまわりさんを呼ばれても不思議じゃないよね』

といきなり天下の名作に突っ込みを入れる冒頭。う〜ん、物語の本編に入っていく前にそんな風に突っ込まれたらグリム兄弟も立つ瀬がありません。『正式に児童文学としての依頼を受けて書いた、初めての短編』とそんな突っ込みから始まる物語を書いてしまう恩田さん。実に恩田さんらしい内容に思わずニンマリしてしまう、そんな短編が14も詰まったとても贅沢なこの作品。「朝日のようにさわやかに」と恩田さんが名付ける作品が、その書名通りの内容じゃないのは、恩田さんを読んできた読者なら嫌でもピン!と来るところです。そうです。ホラーあり、ホラーあり、ほら、ホラーがたっぷりのこの作品。でも安心してくださいね。ホラーと言っても恩田さんの描くホラーは一味も二味も違います。ホラー映画は絶対見たくない、見たことないという私が全然平気というのがその証拠です。そう、これはそんな恩田さんとっておきの短編集です。

14もの短編がたっぷり詰まったこの作品。恩田さんらしい雰囲気、展開を存分に楽しめる、そんな作品ばかりです。では、ここでは三つほどご紹介します。

まずは、〈冷凍みかん〉。『あれはもう何十年も前のことになる。早春の頃だった』と過去を振り返るのは主人公の『私』。大学の助教授・Kと大手電機メーカーを退職したばかりのNと共に『東北の内陸部』に旅に出ました。『ローカル線の長い乗車時間を果てしのないお喋りに』費やしていた三人。『通過電車を待つので二十分停車』した電車。『白いペンキのはげた木造のこぢんまりした駅舎の中の小さな売店』が目に入りました。『お、売店があるぞ』、『酒、酒』、『男どうしの旅行で何がいいかって昼間から飲めるところだな』と売店に向かう三人。『褪せたカーキ色の布の帽子をかぶった老人』店主に『じいさん、酒とするめをくれ』、『饅頭も』と話しかけます。そんな時『私は店の隅に置いてある小さなアイスボックスに目を留め』ます。『ずいぶんと年季の入ったアイスボックス』が気になり『中をのぞくと、底の方にだいだい色のものがチラリと目に入った』という瞬間、『冷凍みかんだ』と気づいた『私』。『じいさん、この冷凍みかんも貰うよ』と言うと『老人はハッとしたようにこちらを見た』、そして『あ、そ、それは』と慌てる老人。『皺だらけの顔の中の小さな目が大きく見開かれたと思ったら、突然、ウッと胸を押さえてかがみこむ』という急展開。『あっ』、と『一番近くにいたKが慌てて老人の腕をつかんで支え』ます。『大丈夫か、じいさん』。連絡を受けた車掌が電話で助けを呼びます。『老人はもごもごと口を動かした。震える手を必死に持ち上げ』、『店の、奥、に。箱が。れい、とう、みかん。ここに入れて。あん、ぜん、な、場所に』そう言うと『老人は意識を失』います。『私は老人の耳元で叫んだが、もはや返事はない』という突然の事態。『箱の蓋を開けると、折り畳んだ手紙が入って』いました。『万ガ一の時のためニ、これヲかきます。…あのみかんガ…』。その驚愕の内容に戸惑う三人。でもこの時の主人公はまさかこの冷凍みかんが世界を震撼させる未来に繋がっていくとは思いもよりませんでした…というこの作品。短い中に起承転結がはっきりしていて、かつ、スケール感が絶妙な作品だと思いました。

二つ目は〈水晶の夜、翡翠の朝〉。『湿原に再び初夏が巡ってくる頃、ヨハンは退屈していた』という冒頭のたったこれだけの文章で読者は二つのグループに分けられます。その二つとは恩田さんの名作「麦の海に沈む果実」を既読か未読かの違いです。この作品を既読の方は、もうたったこれだけの文章で目がうっとりしてしまうこの世界の描写。そう、これは「麦の」のスピンオフ作品です。『彼の重要なパートナーである少女はこの早春、一足先に学校を去ってしまった』等々、あれからあの湿原の中に浮かぶ学園がどうなったかを思い起こさせる記述も多々登場し、この短編だけで元が取れたと感じる方も多数いると思います。「麦の」に含まれるひとつの章だったとしても全く違和感のないとてもよくできた短編でした。未読の方はまず「麦の」を先に読みましょう。読中・読後が全く別物になります。

そして三つ目、〈一千一秒殺人事件〉。この作品は、恩田さんの恩田さんたる所以というくらいに恩田さんの魅力が最高に詰まった作品だと思いました。はい、これ、ホラーです。『これからお話しするのは、星に殺された男の話である』という意味ありげな冒頭。『ある夕暮れ、T君はA君と連れ立って出かけた』という二人は『バケモノ屋敷に向かうところ』でした。その屋敷は『次々と起きる異変に皆真っ青になって逃げ出してしまい、一度この家で夜を過ごした者は二度とやってこない』という恐怖の館。そして、そして、そして〜『空に子供が浮かんでいた。よく見ると、それは古びた大きな市松人形である』、『襖がドンドンドンと叩かれ始めた』、『目の前に巨大な三日月が二つ、すうっと昇ってきた。三日月は瞬きをし、「にゃああ」としゃがれた声で鳴く。生温かい、巨大な舌が伸びてきて、二人の身体をぺたんと覆ってしまう』。思わず出てしまう『うわあ』という叫び!ホラーーーーーーー!怖いよ〜、私はホラーなんてまっぴらごめんだー!という方もいらっしゃると思いますが、これは恩田さんの描くホラーというのが味噌です。上手いな〜という感想で終わる恩田さんのホラー。短編集「私の家では何も起こらない」も絶品でしたが、これも悪くないです。

その他にも『かつて人間の身体に付いていたものって、身体を離れると、どうしてああもおぞましいのかしら』という身近な不思議。『髪の毛だって、恋人の頭についていればとても愛おしいのに、離れてしまうとあんなに嫌なものってないわよね』という、そうだ、そうだね、と納得してしまう〈深夜の食卓〉。『二十枚以内で』という条件の元『スプラッタ・ホラーをやってみた』という〈卒業〉。『どこからが作り話かは、ご想像にお任せする』というエッセイのような〈朝日のようにさわやかに〉などなど14編からなる恩田さんの短編の世界。恩田陸さんという作家さんの魅力をこれでもか!と満喫できる、そんな短編集の傑作でした。

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2020年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

理瀬シリーズが好きで買いました。
タイトルの朝日のようにさわやかに、全然内容はさわやかっぽくない、だけどそこがいい!
この短編集は買って当たりだと思います。

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2020年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スプラッタホラーから児童文学まで、様々なジャンルの物語を詰め込んだ短編集。‬

‪著者の自由な発想のいいとこ取りをしたような贅沢さを感じる。パチパチと頭を切り替えて楽しめた。‬
‪特に、奇妙な連想で進んでいく表題作にとても惹かれる。‬ 無意識に連想するときのきっかけは何なのか、想起させるポイントは記憶とどう結び付けているのか、自分と他人の解釈の違いなど、考えてみたくなった。

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2020年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。 全然違う作風で、多様多彩でそれぞれ面白い。
タイトルの作品はエッセイだった。 曲、きいてみようか。。
文庫本にあたっての後書きあり。
が、その後書きを読んでも分からない事もあって、もっと色々知りたいと思う。。
(アガサクリスティとか、『いいわけ』のモデルとか。。)

フォロワーさんに教えて貰って『淋しいお城』目的。
(『七月に流れる花』と『八月は冷たい城』の予告として書かれたもの)
こちらの方が、直接的な死 ではないけれど、悲しい、と感じた。
けれど、淋しい子どもを探してくるみどりおことが妙にサバサバしていて。。 役割交代の時に以前のそんな感情すら食べてしまうのだろうか。。

他作品も面白いが、読んだ時の状況、年齢によって、どの作品が心に残るか、違ってきそう。

『おはなしのつづき』
ネタが白雪姫だったから、お母さんが美人なお医者さんを殺してしまったのかと思った。。
全然違った。。。
そんな予想をたてた自分にヘコんだ。。
今江さんの『さよなら子どもの時間』も読んでみたい。

『卒業』
このタイトルでこの内容を予想できる人がいるのだろうか。。
強烈に記憶に残る。。

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2017年03月29日

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ホラー色濃いめの短編集。いろんなタイプでどれも印象的。
お話としては読み手に委ねる部分も多く、正直良くわからない話もあった。だけど、私は恩田さんの文体から滲み出てくる雰囲気がたまらなく大好きだ。なんともいえない世界観を幾重にも孕んでておもしろかった。

今回のお気に入りは、「水晶の夜、翡翠の朝」、「あなたと夜と音楽と」。この2つは個人的にタイトルからしてキレイだし、お話としても★5。大好きなシリーズの番外編と元ネタが好きな作品。といってもABC殺人事件って読んだの前すぎて覚えてない…。読み直そう、うん。
たぶん「冷凍みかん」は、このネタがはじめただったら衝撃的でダントツだったかもしれない。だけど、「クレオパトラの夢」が既読で、このネタがのってたので衝撃度が少し低かった。それでも、衝撃があったけど。

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

理瀬シリーズのヨハンにまつわる短編が読みたくて。
少しぞわっとするような不思議な話が多かった。
かなり短めの話が多いのでさくっと隙間時間に読める。

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2025年06月02日

Posted by ブクログ

「水晶の夜、翡翠の朝」
ヨハンの後日談?スピンオフ?を読み返しにきました。そしてまた『麦の海に沈む果実』読もっかなって。
「ご案内」高圧的注文の多い~
「あなたと夜と音楽と」ラジオパーソナリティ
「冷凍みかん」グロい蜜柑、スーパーボールみたいなものを想像します
「赤い毬」これは…暗示されているものは…月経や妊娠??
「深夜の食欲」疑心暗鬼のホテルのボーイ、深夜のルームサービス
「いいわけ」
「一千一秒殺人事件」
さらっと“鈍色(にびいろ)”が登場して、このあと読むつもりの新作が思い浮かぶ。ずっと大好きな作者ですが、こういう言葉の選び方がとても好きです。
箱庭を眺める擬人化された星、、、最近アンデッドアンラックで似たような概念を感じた

「おはなしのつづき」
この物語はどこに向かっているのか、、、とぞくぞくする
⇒これ国語の時間に読んで状況を想像して書くっていう授業してみようかな

「邂逅について」この少女は作者自身?そして『麦の海に沈む果実』の構想を練っているように感じてドキドキしました

「淋しいお城」みどりおとこ、、、このあと本編を読みます

「楽園を追われて」
「卒業」スプラッタ!!『錆びた太陽』(2017刊なのでかなり後の作品ですが)を思い出す
「朝日のようにさわやかに」
デジャブの突き止める、自分の中にだけある連想ゲームのように浮かんでくる記憶を列挙する、とりとめもない心の内を明かしていく内容、好きです

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

ホラーも、ミステリーも、リアリティのあるものも、SFっぽいものも、全部楽しめる一冊でした。
特に、館•お屋敷が舞台の話が、どれも得体の知れない奇妙さがあって気に入りました。

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2023年11月11日

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一番面白かった話は「あなたと夜と音楽と」。「冷凍みかん」は発想が面白くて好き。「淋しいお城」も面白いなと思ったら続編があるそうなので読んでみたくなった。他の作家は分からないが、恩田陸の短編集は高確率で長編の番外編が収録されている気がする。

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2023年06月16日

Posted by ブクログ

ファンタジーからホラーまで色々なジャンルの物語が詰まった短篇集。
本当にジャンルが様々なので物語が始まって数ページ読んで雰囲気を掴むまでの時間が楽しかった。
ただそういう感じで終わるのか〜という作品も多く、ちょっと不完全燃焼な部分も。
最後まで苦手な物語だったという事もあったりでそこでマイナスポイントしちゃいました。
ただどの短篇も世界観が作り込まれていて物語にしっかり引き込んでくれるのが恩田作品らしいなと思いました。
どのお話も短いので軽く読み切れるのも良いポイント。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

恩田陸らしい短編集。

爽やかさはあまりないが、面白い。
個人的には、『楽園を追われて』が好きだ。

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2022年09月14日

Posted by ブクログ

再読4回目。
タイトルに惹かれて読んだけど、大半はホラーやないかい!って言いたくなってしまった。いや、そこが好きなんだけど。

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2022年08月06日

Posted by ブクログ

 題名とは裏腹なダークな話が多いですね。理瀬シリーズを読みたくて手に取りましたが、読んで正解。続編書いてほしいです。

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2021年02月03日

Posted by ブクログ

ヨハンくんのスピンオフずっと読みたかったし結局最高の凶悪なヨハンくんが見られて大満足だった

他だと「卒業」と「深夜の食欲」が好き

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2020年12月10日

Posted by ブクログ

恩田陸さんの短編集を読むのは初かも。
麦の海に沈む果実のスピンオフストーリーも収録。
タイトルからは想像してなかったが、少しダーク調の物語ばかりで、多くはファンタジー要素のあるもの。でも私はその中でも一番普通っぽい「楽園を追われて」が好きかな。「少し不思議」な話が好み。他の話は、ハマれなかった。

恩田陸さんの長編は、「上と外」「麦の海に沈む果実」「蜜蜂と遠雷」の実はまだ3冊しか読んでいない。
ピアノ好きなこともあり、私は蜜蜂と遠雷が大好きなのだが、恩田さんは本当はどんな作品が得意なんだろう。個人的には恩田さんの作品はミステリー要素、ファンタジー要素のないものの
方が好きな予感がしているが、これから他の作品も読んでみようと思う。

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2020年07月13日

Posted by ブクログ

長さがバラバラならばテーマも様々な14編の短編

「水晶の夜、翡翠の朝」は水野理瀬シリーズの、
「淋しいお城」は“ミステリーランド”シリーズの番外編…前者のヨハンはカッコよく、“みどりおとこ”の転生が
生々しい

この2編とラジオパーソナリティの会話だけで
事件が進み解決する「あなたと夜と音楽と」が好き

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2020年01月12日

Posted by ブクログ

まず、巻末を読むことをお薦めします。
短編集は2冊目ですが、他の長編とのつながりはない作品のようです。

不思議な感覚を感じた作品もありました

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2019年11月14日

Posted by ブクログ

恩田陸らしさが詰まった短編集。特に5ページしかないショート・ショートもあって、飽きなかった。恩田陸を読むと夢の中のような幻想的で曖昧な描写にいつも驚かされる。曖昧というか、抽象的というか、、、ドキドキするホラーからドラマチックな物語まで幅が広い!一番は「楽園を追われて」が好きだった。恩田陸はやっぱりすごいなあ

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2018年07月04日

Posted by ブクログ

短編です。どれも読みやすかった。最初の「水晶の夜、翡翠の朝」が良かった。これはシリーズみたいなので他のも読んで見よう。

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2016年10月29日

Posted by ブクログ

短編集、「水晶の夜、翡翠の朝」と「赤い毬」はアンソロジーで既読。「あなたと夜と音楽と」が一番面白かった。本当にラジオの深夜放送を聴いている気分。
「淋しいお城」はドキッとする。自分も淋しい子どもだったのかな…と。
「楽園を追われて」は「猫と針」や「黒と茶の幻想」を彷彿させる。恩田陸はこういった同窓生が集う話が上手いですね。

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2016年07月22日

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