【感想・ネタバレ】八月は冷たい城のレビュー

あらすじ

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。

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Posted by ブクログ

『七月に流れる花』ですっきり解決したかと思うと、本作で「夏の人」の正体が深堀され、林間学校の謎も明かされと、さらに面白かった。
恩田陸作品の現実離れしているものの、ファンタジーとまではいかない独特の雰囲気が楽しめる1作だった。
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夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。

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2024年01月16日

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七月に流れる花、とは対となる物語。こっちはちょっとホラーっぽい。相変わらず、恩田さんは不安定な少年を書くのが上手い!

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2023年01月08日

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前作で疑問に思ったこと、それらがゆっくりと紐解かれて行った。
美しくて、虚しさが溢れる文章から想像も出来ないくらい過酷な現実の話だった。


みどりおとこの本当の意味は、城から立ち去る子供たちの見送りなんじゃないかなって、考えてみたり。

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2019年05月06日

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前作「7月は~」の続編といより、B Sideに近いお話。前作で微妙に回収されなかった伏線がしっかりと回収されています。
また、前作と同舞台のため、不明点から不安が広がる、とは違い、知っていることの上で新たな謎が出てくる、という形も面白い。
主人公の光彦が命に対してどう感じ、どう考えを変わっていくのかは、この物語のもう一つ見所。

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2025年10月20日

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摩訶不思議な世界観、さすが恩田陸と思いきや二部作の二作目だったようです。
それはさておき、この不思議さは不気味とも怖いとも違う。子供の頃見たひと夏の変な瞬間、とでも言うべきか。
言葉のチョイスがいい。「みどりおとこ」に『夏の男』、これらが一体何なのか……結末まで読んで「おお」と唸ってしまった。前作から読まなかった後悔が大きい。やらかした。

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2025年08月06日

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 七月…と対になる話だけど、全然異なる。七月…はファンタジーな感じだったが、八月…はホラーというか、ミステリー要素が高い。
カマキリがでてきた時点で、何となく想像ができたところもあるけど、七月…だけ読んだだけなら美しい感じすらあったのに、180度見かたが変わった。

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2022年12月08日

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感想を書き忘れていた。。少年たちの物語。「7月」の謎も解け、世界が明らかになる一冊。シンプルな作りであっさりとしているけど、見所は多い。

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2020年07月20日

購入済み

前作の7月に続き、面白く読めました。
恩田陸の描く孤立した少年少女の世界観は良いですね。忘れていたういういしさや理不尽さなど、感じやすい年代を思い出しました。

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2020年02月11日

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今度は男の子たちの林間学校
そしてそのメンバーはみなその意味を知っている

「みどりおとこ」とはいったい
ストーリーは楽しめました

ってか前作と今作の薄さは・・・
二冊ではなく一冊でまとめて出してほしい
と思いました

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2020年02月05日

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ネタバレ

閉鎖された空間の中で少年たちが経験する、夏の恐ろしく寂しい出来事。世間から隔離された城という空間が、時間の感覚を麻痺させながら、その分恐怖を増幅させるように感じました。最後に明かされる事実はあまりにグロテスクで悲しくて、静かな重たい余韻に襲われました。
前作「7月に流れる花」から読まないと、内容がピンとこないかもしれません。

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2019年11月11日

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2つで1つの作品という感じでした。私はもう覗くことは出来ないけど、この世界はこれからもずっと続いて行くのだろう。

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2019年04月10日

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内容としては「七月に流れる花」で謎だったところ
が繋がって明らかになっていきました。
簡潔にいうと、夏の人とお城の正体と、病気の事が
明かされます。
見方が違うだけでラストの印象がこんなに違うのだと
驚きました。
彼らは前を向いてこれから死を背負って生きていく。
それは、夏の乾いた風が汗ばんだ頬を吹き抜けて
夏が終わっていく時のような懐かしくて
切なくて名残惜しいような気持ちに似ている。
私達はもしかしたら夏から「永遠なんて無い」
ことを学ぶのですかね。素敵な一冊でした。
私としては七月を読んでから読むことをお勧めします。

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2018年12月16日

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夏流城での少年たち。彼らの心に同調できない、「七月に流れる花」にのめり込み過ぎていたのかもしれない。

光彦が思ったことの中の明るいほうへ向いていけるといいな。世界がどう変わっていこうとも

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2018年11月17日

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NHKあたりで連続ドラマ化すると丁度良い気がする。適度にクローズな世界観だが結末としては広がりを想像させる見せ方は流石。

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2018年10月29日

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「七月に流れる花」と対になる短めの長編。気にしてなかったのだが、読んでみると七月のネタバレらしい描写が続く。どうやら七月→八月の順で読むものらしい(そりゃそーか)。一応合理化はされるものの、異様な設定の林間学校に放り込まれてしまった少年たちの、葛藤の物語。学年などへの言及がないのではっきりしないが、光彦の言動の描写からすると、少年たちと言うより、子供たちと呼んだ方が的確なのかも知れない。リアリティ無視の「学校」に閉じ込められてしまう少年・少女たちという設定は「麦の海に沈む果実」を思わせるが、何せ短いので、学校の異様さを際立たせるディテールの描写が簡潔で、酔う前に終ってしまう感じが少し残念。結末での「謎解き」も駆け足の感じで、とってつけた感が否めないですかね。まあ、七月を読んでみましょうか。

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2022年10月29日

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ネタバレ

7月に続き8月も読んでた。
表紙をみて「あの男の子の話だ!」と。7月に~の時に一瞬出てきた後、何も出てこなかったので、???って気になっていた男の子の話が読める♪と思って、読んでみた。

こちらは、切なすぎる。
というか、7月には気にならなかった設定が、8月を読んで、気になりまくってあまりストーリーを受け入れられなくなった。
読めば読むほど、何も知らされなかったミチルが切なすぎて、この城に来る子供たちが切なすぎて、なんでこの場にこの子達をケアする大人が近くにいないのか、謎過ぎた。親を失うこの巨大な喪失感を、子どもたちだけで過ごさせるって・・・。

コロナが落ち着かない中でのこの話は、ちょっとえぐられた。
コロナ禍じゃなかったら、もう少し落ち着いて読めたかな。

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2021年10月02日

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「七月に流れる花」を読んでいたので夏流城でのルールや設定などはある程度分かっていた。

やはり光彦を含む少年サイドで描かれていて、「七月に〜」の方には見られなかった光彦・蘇芳の接点も描かれていた。
「みどりおとこ」についても迫っており、どこか温かく思えるような話。



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2020年09月25日

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短くて読みやすかったがあっさりし過ぎている気もした。
七月〜の方は読んでいないが、蘇芳のいる女の子たちの側の話なのだろう。

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2020年08月13日

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ネタバレ

「七月に流れる花 」の続編で、本編でストーリーがわかります。
中学生位では「死」を受け止めることはなかなか難しい。

自ら死の境界を味わうこと、他人の死を経験することで、
死が身近になった位だから。

比喩もグロいけど、解釈を間違えると、恐怖になる。

児童向きのため、話の展開は難しくないが、必ず「みどりおとこ」なのか?疑問が残ったけど。

この話はエイズ等から発想が生まれたのかな。

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2019年12月04日

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「緑色感冒」で親の死が近い子供たちばかりが集められる
「夏の城」

少年たちはその場所で親の死を待つ

「七月」より先にこっちを読んでしまったので
世界観がわかるまで時間がかかっちゃった(汗

案内人の「みどりおとこ」の正体は・・・

急いで「七月」も読まなくちゃ

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2019年11月13日

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少年サイドの話。
 <夏の城>にやってきた4人の少年を待っていたのは、首を折られた4本のヒマワリだった。

 7月とは違って、ここにいる意味が解っている少年たち。
 が、不穏因子があって、結局は世界が、小さくだったとしても、揺れ動くことになる。

 <真実>はかのように重い。

 にしても、最後の最後にうっそうとした緑に覆われて、人工のものが朽ちているというイメージはよくある。
 よくあるということは、わりと共通する夢想なのだろう。

 人は、緑を夢にみる。
 緑の中で、圧倒的な沈黙の中で、朽ちることを遺伝子レベルで求めているのかもしれない。

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2019年05月03日

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夏流城(かなしろ)での林間学校に参加した光彦と三人の少年を迎えたのは、首を折られた四本のひまわりだった。
不穏な空気が漂う中、光彦は茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。
閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き…、彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。

「七月に流れる花」と同時期に城の反対側にいた少年たちのお話です。

「七月に~」を先に読まないと楽しめないので、読む順番を間違えないように冒頭に書いておいてほしいです。
事前情報を持たずに読む方も多いと思うので、そういう配慮は必要なのでは…。
「七月~」では解明されなかった謎もこちらでは明らかになったので、セットで読むことをお薦めします。

通奏低音のように流れる不穏な雰囲気は「七月~」と同じですが、前作が何となくリリカルなひと夏の寓話めいていたのに対し、こちらは冒険譚のような、少し戦闘的な感じ。
やはり少年と少女の違いでしょうか。

それにしても、同じ状況を描いている話なのに、登場人物の置かれた立場によって話の表情が変わるのが面白かった!
見る方向や立場によって全く別の様相が現れていくので、読んでいて飽きなかったです。

最後、通過儀礼を経て大人に近づいた彼らの後姿は頼もしく、眩しい。
この本でミステリーランドのレーベルも完結となるそうですが、少年少女がその時代を卒業していくという、レーベルとしても最後にふさわしいお話になってました。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

7月よりもこちらのほうが怖かった。7月を読み終わった段階で謎はすべて解けたと思っていたけど、まだ謎は潜んでいた。導き出された答は多少無理があるけれど、少年達の不安な気持ちがひしと伝わってきた。

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2018年12月22日

Posted by ブクログ

講談社タイガから発売された連作です。
表紙の絵とタイトルが気になって読んでみました。 『六番目の小夜子』とか『麦の海に沈む果実』とか『蜂蜜と遠雷』とかタイトルのセンスが好きです。

何かしらの「美」を感じます。

ただ、1冊あたり160ページしかないので通勤の電車で読み終わってしまった。
賞味2日(4時間)。 ストーリーも設定は面白いけどどこかで読んだような。

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2018年10月27日

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