恩田陸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレもーーー!ま・た・やられたよーーー!!って感じ(笑)恩田陸ワールド全開。もし初めてをこれにしたらもう二度と他作品読んでもらえないんじゃなかろうか…。
学生の時何度か読んでいて、毎度のごとくサッパリ!中身覚えていなかったのでそれなりに楽しく読み始めたのだけど。
もー話の核の謎、アイデア、構想、骨組みは面白いよ!すっごく!でも本一冊に足りなくてもうのばしにのばして何味だったか全くわからなくなってる!みたいな!
割りと前半から骨格がぼやけ始めててもうほぼ恩田さんの独り言とか最近の世に思ったこととかを登場人物が話してるだけじゃないか…?わたしは好きだけど。
これをミステリと言ったらもう…なんか…激怒するひと達押し寄せそうだからやめた方が…などと思ってたら山本周五郎賞受賞作なんだ…ふうん…(意味深)
わたしはメタっていうのかな?オチで急に登場人物が語りかけてきたりする話が大嫌い(笑)ってか物語として反則だと思うから、なんかもうまじかよって感じでした。
でも散りばめられているお話や他作品でも見かけたようなお得意の魅力的なキャラクターはほんとに生き生きとしていて、演劇要素も満載で、だからまた読んじゃうっていう沼に毎回沈んでんだけど。
廃線を頼りに古い舞台を目指してあるく二人の場面が印象に残った。
ああいう自然を旅しながら与太話する描写がもうほんとに天才的に魅力的なんだよね〜!
-
Posted by ブクログ
ネタバレもー!わかってるのに、めっちゃ面白い!気になる〜〜!となって一気読みして最後放り投げられるっていういつものパターンにはまりました。わかってるのに…。
でもまた何度でも繰り返してしまうの。そういう中毒性が恩田作品には確かにある。
昔読んだ時は学生で、なんというか…日本文学!として真面目に読んでたけど
大人になって読み返すと少女漫画っぽくてちょっと笑ってしまった。
エッセイを読むと恩田さんは強く少女漫画に影響を受けているとのことでなるほど。
でもなんていうんだろ、恩田作品て脚本ぽくて演劇ぽくて、キャラクターと設定がすごく魅力的だから否応なしに惹かれてしまう。
特に導入がもう…!読むっきゃない!という抗いがたい設定なんだよねーー!
そして読んでいて強く感じるのが、日常にとけるミステリー、謎を愛してやまない気持ちというか。
ふと気づいてゾッとするような小さな違和感、風景にまぎれているほつれ、それをねえ、って誰かに話したくなる物語として読みたくなる、そういう衝動。
そこにすごく共感して、わかるー!と楽しく夢中になってると最後にハイ、さよならーとぶん投げられてしまうという。
ここまでめっちゃくちゃ楽しかったけど、この散りばめられた謎、伏線どうするの…?あれ…もう残りページないけど…ま、まさか……でおしまい!笑
そんでいやなんでよーー!?ともんどり打つことになる。毎回!でも好きなんだよー!泣
本作にしても構造は最高に面白いしお得意の老女姉妹でてきて姉弟のキャラクターも魅力的、そして舞台は古い瀟洒なホテル!
絶対面白い!サイコー!やったー!と読んでいくとやっぱ途中からだんだんぼやけてそのままラストで煙に巻かれてしまうのよね。
恩田作品て登場人物が途中でとけていってしまう感覚がある。
最初は際立って確立した人々なのに、話が進むにつれてストーリーに引っ張られてキャラクターの輪郭がぼやけてしまう、書き手の恩田さんが見えてきちゃうというか。いいんだけど!
でも物語の立ち上げ方、こういうお話を書きたいって構想を広げていく鮮やかさが天才的で、
それをいつまでも見ていたいって思っちゃうんだよね。
なので大満足。恩田作品でしか得られない読後感を摂取できて満足しました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ電子版で読み始めたけど、やっぱり思い直して久しぶりに紙単行本で再読
纏まりごとに紙の色もフォントも組み方も異なるのに、めくり心地は均一だから没入感がたまらない
悪い春だけ文庫電子版で
311を過ぎた後の東京が舞台の2015年刊行の本作だが、「必ずまた疫病は来ます。」などハッとさせられる文言はあるし、東京オリンピックへのネガティヴな印象は開催前後のドタバタを思うと薄寒くなる
この本自体が東京の墓標になりやしないかと思えてくる
幸いまだゴジラは上陸していないし、平和サポートボランティアは導入されていないけれど、きな臭い空気感に包まれている社会がそれを笑い飛ばせなくしていて気が遠くなる -
Posted by ブクログ
父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、七年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに!激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが―。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か。
「劫尽」の説明は物語中盤を過ぎた頃に起こる大厄災を象徴する言葉として出てくる。「こうじんか、劫尽火」、悪いことをすると地獄の劫火に焼かれるその火のこと。世界が崩壊する時に、世界を焼き尽くす火のことでもある。
この単語の意味を知らなかったので、単純に身体能力が高い子供、と思って読み進めていたので驚いた。こんなにも分かりやすいタイトルだったとは。
よくあるラノベのような設定で、最後はいつものメンバーでほのぼの終了かと思いきや全くそうではなかった。
あとがきで外園先生も言っていたが一章から「えー!」と思わされ、二章で更に「マジか!」と驚く。そして最後は語り過ぎず読者に今後を委ねる。
ちっとも詳しく教えてくれない。最後まで生き方と言う重たいテーマを抱えた少女の物語。すごい能力でも役に立てるって難しい。なにが正義か分からないのに利用されているのかしているのか。
最後までアレキサンダーが寄り添ってくれていたのが救いだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ完璧な美少女・香澄と芳野に、香澄の家で演劇部の舞台背景を完成させるべく夏合宿しようと誘われる毬子が、数年前に香澄の家で起きた事件を巡って起きるあれこれに巻き込まれる話。毬子・芳野・毬子の友人の真魚子と視点人物を変えて語られる。青春小説かつサスペンスアンドややホラー。
香澄の母の自殺だった、というのは納得するんだが、結局香澄と毬子の事故は香澄の仕掛けた自殺だったのか、だとしたらその動機はなんなのか、いまいちわからない。登場人物が死んでオチをつける話は、それで感動する場合もあるけど納得の展開でなければ往々にしてチープなオチに思えてしまう。だから前半までは面白くハラハラしながら読めたけど、ちょっと不完全燃焼な気がした。 -
Posted by ブクログ
帯は、
-------------------------
あなたなら、
この旅に誰と出かけますかーー?
豪華寝台列車「ななつ星」をテーマに
7人の人気作家が紡ぐ「旅と人生」
-------------------------
小説5編と随想2編が収められています。
表紙の暗闇のなかの流れ星と、
車窓から漏れる灯りが素敵で。
以前、文学YouTuberの寝台列車のなかでひたすら読書する動画を見たことがありますが、列車とか旅は非日常感があってドキドキワクワクしますね。
列車をテーマにしても、オーソドックス(私の中では熟年夫婦やカップル)な物語だけでなく、友情や幽霊が出たり、感染症の流行で乗車が叶わなかった親子がいたり、糸井重里さんや、小山薫堂さんの随想だったり、とても新鮮で贅沢な一冊です。
ボリュームも少なく、雑誌をめくるような気分で読むことができました。