恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恩田さんの描く特別な能力を持った人々となると真っ先に思い出すのは常野由来の人々だと思います。彼らの中には一人で複数の能力を持った人もいましたが、基本的には何か一つ。しかも「裏返す」とか抽象的な力ばかりで、今一つ理解し難いものがありました。それに対してこの本の主人公が与えられた力は我々が抱くいわゆる超能力の世界。ただし、それが人工的に作り出されたという設定。それが故に怪しい組織に追われ、超能力を持つが故の果てしない孤独とも闘い続ける少女の葛藤が描かれます。そして、ここに恩田さんは彼女と共闘する存在として犬を与えました。名作アニメに登場するヨーゼフやパトラッシュ、あの世界観が真っ先に頭に浮かびまし
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Posted by ブクログ
これは、素直に面白いです。まだ上巻を読み終えただけなので100%言い切れるものではないですが、とってもストレートなストーリー。直近で読んだのが理瀬シリーズや常野物語だったこともあって、こんなにストレートな作品も恩田さんなんだとビックリです。
ただ、そうは言っても恩田さんです。作品途中までの時間軸を混ぜこぜにしたような展開はまるで時と踊っているかのようです。そして、一気に作品世界に我々を引き込んだ後は、エンタメ・アドベンチャーの世界がスピード感を持って展開しはじめました。ところどころ少々都合が良すぎるように感じられる部分もありますが、なんと言ってもこれは小説ですから、それも含めて楽しめばいいん -
Posted by ブクログ
常識を超えた能力や現象をテーマとした恩田陸さんお得意のミステリー。他人の夢を記録として取ることができ、主人公の浩章はその夢判断を職業としている。あるとき、何年も前に死んだはずの古東結衣子が主人公の前に現れる。それから集団幻想や神隠しなど次から次へと不可思議なことが起こり始める。古東結衣子は夢で未来の災厄を予知することができたのだった。夢を巡って物語は予期せぬ結末へとなだれ込む。見方を変えるとこれも一つの恋愛ものかもしれない。ユングの集団無意識の考え方を取り入れて物語を紡いでいるが、うむひょっとして、もしかすると世界を動かすのはその集団無意識かもしれぬ。
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ネタバレバランス、それこそが神の摂理だ。
世界は常に均衡していなければならない。例外や過剰は許されないのだ。
神の摂理は、不自然なもの、いびつなものを見逃さず、均一であるのも許されない。
一つ印象に残っているのは、陛下が残した手記の中で、日本国民のことを「徒に付和雷同する」と評していたことだ。そうなのだ、決して戦争は軍だけが行うのではない。殺せ、奪え、あの陣地を取ってこいと銃後で囃し立てたのは国民なのである。目の前に提示された情報を吟味することなく、すぐに浮き足立って他人の尻馬に乗り、その場の雰囲気に酔うのは日本国民特性である。
なぜかは知らないけど、神は人間に好奇心という起爆剤を与えたんだ。人間 -
Posted by ブクログ
風刺性の強い世界ではあるけど、エンターテイメントとしてワクワクしながら読めるお話だったと思う。
本とは別に、恩田陸直筆のメッセージカードが入っていた。
メッセージ冒頭「ストレイテナーを聞いていたら、この物語の情景が浮かんだ」……恩田陸ストレイテナー聞くんだ?!青春爆走小説なのかな?と思ったらとんでもない、原発事故によって広い範囲で人間が住む事が出来なくなった日本で何十年後、何百年後の再生を目指して処理を進めるヒューマノイドと、人間の物語。
ロボットと人間の違いや、そんな違う生き物同士の関わり合いはフィクションでも現実でも永遠に議論できるテーマであるけど、このお話は両者の距離感もリアルで「そ