恩田陸のレビュー一覧

  • 蛇行する川のほとり

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    高校生の歪みながらも美しい夏と、まだ幼かった少女ともう熟れきってしまった大人の過去の約束、事件が絡み合う作品。美しく、哀しい物語だった。

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    2022年11月13日
  • 夢違

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    夢札という未知のテクノロジーによって、変容していく世界と人類を描く、一種のとかのエクスキューズが要らない、ストレートなSF。惹句の類いにはどこにもSFと謳われていないが、これはおそらく作者さんじゃなくて、出版社サイドの意向だろうなあ。売れ行きに悪影響が出るってね。そんなわけで、案外と道標的な機能があるジャンルがあいまいなこともあるのだろう、どこへ向かうのかさっぱり解らない五里霧中な感じでお話は進む。その霧が結末に至って晴れるかと言えばそうでもなく、謎の多くは放り出されたままで終る。にもかかわらず、奇妙にすっきり感があるのが不思議。テクノロジーと人との関係を表す、カメラが進歩するまで、昔の人はも

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    2022年11月06日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    招待状を受け取った人は必ず行かなくてはいけない林間学校。

    規則はたったの3つ。

    謎めいた共同生活に隠された儀式の意味は。。
    隠された悲しい歴史が切なかった。


    七月は少女、八月は少年の目線で描かれ、切なさの中に大切な人を想う温かさを感じた。

    暗い背景の中わ小川を流れる花の色ははっきり見えるような物語でした。

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    2022年11月05日
  • 消滅 VANISHING POINT (上)

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    キャスリンのところどころおかしいセリフがおもしろい。
    上巻では謎は提示されたけど、登場人物たちについてはまだまだ語られていないところが多そう。
    とりあえず上巻での風呂敷の広げかたはおもしろい。下巻でどうなるやら。

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    2022年10月19日
  • 本からはじまる物語

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    本が好きな人には是非読んでほしい!
    本と人との関わり方、大切な本の思い出、ファンタジーな物語もあり、、、

    色々な方のストーリーをいっぺんに楽しめる欲張りな本です!!

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    2022年10月15日
  • 黒と茶の幻想(上)

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    ネタバレ

    「利枝子」
    嫌いになりそうな女性と思わせてとても好きな人。冷静で、頭が良くて、蒔生のことがずっと好き。この旅に来て1番よかったのは利枝子なんじゃないかと思う。利枝子の想いはずっと蒔生に向かっていて、下巻だけれど、再婚しないでっていうとことは、特に好き。
    「彰彦」
    とても明るくて、とてつもない闇を抱えている。お姉さんの本当の気持ちにきっと気づいているのに、絶対に向き合いたくないと思っている感じ。友達だったら1番楽しい人。上巻は、本当に蒔生を愛したふたりの想い。

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    2022年10月10日
  • 不安な童話

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    ネタバレ

    ある女性画家の遺作展を観に行ったところから物語は始まる。「見える」感覚のない自分にはわからないことだけど、怖くてたまらない気がする。得することもあるのかな・・・ 万由子は倫子の生まれ変わりなのか。遺言通りに絵を渡しにいくと、本当の倫子が、本当の秒が見えてくる。登場人物は少ないので犯人はすぐに絞れるのだけど、途中でまた事件が起こったりして、謎が増えるのに、解決に向かっているのかわからなくてどきどきした。真相への道が突然な気がしたのは、読み込めていない証拠なのかも。 恩田作品は解決した後の「独白」が好き。

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    2022年10月02日
  • 図書室の海

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    ネタバレ

    色々な味のある短編集。 やっぱり「ピクニックの準備」が大好き。 なかなか理解できないものや好みではないものもあったけども。
    「睡蓮」は理瀬が出てくるので好き。亘の彼女に嫉妬するけど、それはそんな必要のない相手。父親との会話がぎこちない。まだ後継者としての自覚をする前の理瀬。 「春よ、こい」「国境の南」「図書室の海」が好き。

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    2022年10月02日
  • 蛇行する川のほとり

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    先入観や事前知識無しで読みました。
    どストレートな青春物、ミステリー、SFなど、いろんなパターンがあり得る作家さんなので、どんなもんかと思って表紙をめくると、1ページ目にあらすじっぽいことが書いてあります。
    どうやら、どストレートな青春物ってだけでは済まなそうな雰囲気。
    出てくる登場人物は大人びた美少女ばっかり。実在する人物として想像しづらい感じもある。少女漫画の世界のよう。
    前半の雰囲気からだんだん「えっ?」ていうのが増えてきて、完全に予想外の展開でした。

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    2022年09月29日
  • ネクロポリス 下

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    いろいろと暴露される下巻。緊迫感が続いたから少し拍子抜けの結末だったけど、満足。どの登場人物もアクセントになっていて最後まで充実。

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    2022年09月25日
  • ネクロポリス 上

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    ファンタジーの不思議さと、ミステリーの緊張感が大好物。すごく良いバランス。
    仮想の世界観の中に半信半疑に迷い込んでいくのが読んでいてすごく楽しい。いろんな登場人物が絡んでくるのも面白い。

    次々とトラブルが起きるけど、原因が分からないスリルが、ミステリーらしい。
    これだから小説はやめられない、って思わせてくれる。


    上巻の最後ゾッとしつつ、下巻が楽しみ。

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    2022年09月25日
  • エンド・ゲーム 常野物語

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    分かる人には分かる世界 なるほどなるほど。
    レビューが二分するのも分かります。
    SFや不思議な話、時系列が前後する話が好きな人には「大好物」になるのではないのでしょうか。
    私はこの手の話が大好きなので、先が気になって気になって大変でした。
    常野の一族の中では異色なものに含まれるのだと思いますが、まあ確かに「裏返し」「裏返される」「敵」の正体についての言及はないので、疑問符がつきまくるのも分かります。
    しかし、ここで敢えて書かないことが良いのですよ。
    常野も敵も、いつのまにか一元化しているのですから。

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    2025年12月18日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    優しく暖かく残酷な世界の終わりに。 なんとも言えない読後感。
    それは悪い意味ではなく良い意味でなのです。
    文章から広がる田舎の風景。おそらく100年ほど前が舞台で、滔々と語られる風景、描写、感情はとても心地よい。
    聡子様に涙し、峰子に共感する。
    そして不思議な「常野」の一族。
    どこか「ポーの一族」を思わせるような感覚もあります。
    このシリーズ、一旦ケリはついてるのかもしれませんが再開して欲しいです。

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    2025年12月18日
  • 月曜日は水玉の犬

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    恩田陸の書評やエッセーをまとめた一冊。
    読んだことのない本ばかりだったが、恩田陸の書評は本の内容だけでなく、その本を巡る彼女自身の体験や思い出が語られるところがおもしろい。本を読んで、イメージが広がること、想起される思い出、自分も本を読んでいてそういった脳内の旅をしているはずなのに、それを言語化することはほとんどない。それを言葉にしている恩田陸の文章はいつも美しい。

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    2022年09月07日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    ①七月に流れる花
     ファンタジー的な展開でこのまま行くのかと思ったら、最後に怒涛の種明かし。でもね、あれだけのことで知識が無いのは不自然だし、もうちょっとうまくできなかったかなと。明かされていない不穏なエピソードも残っているし、八月も楽しみではあるけど。
    ②八月は冷たい城
     なるほどね。知識が無いのは隠す理由があったということで。いや、それでもとも思うけど。

    講談社タイガ版なので2冊に別れてるけど、まとめて面白い作品でした。

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    2022年08月21日
  • puzzle(パズル)

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    ネタバレ

    最初は突然謎の説明文から始まったので、
    訳がわからずこの本を選んだのを失敗したかと思ったが、
    物語が進んでいくと、不可解な遺体の真相を早く知りたくなり、あっという間に読み終えた。

    初めのあの説明文たちは、こういう伏線だったのかと感動した!
    また、二人の刑事のやり取りも面白く、よみやすかった。

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    2022年08月21日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    ネタバレ

    大学の同窓生4人が一緒にY島を旅行しながら、上巻では、利枝子、彰彦が、下巻では、蒔生、節子がそれぞれ語り手となり、"美しい謎"をテーマに様々な話をしたり、過去の出来事について記憶を辿ったり、自己&他者分析をしたりする様子を描いたストーリー。

    前半は、どんな暗い過去があったのか、とハラハラするシーンが多かったが、最後は少しホロッとさせられた。

    あ~、屋久島に行きたい!

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    2022年08月19日
  • 黒と茶の幻想(上)

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    再読。
    10年ちょっと前に、高校生だったときに読んだ時より格段に面白く読めた。
    読む力が成長した…というよりは、当時は過去を顧みるなんてことを知らなかったし。
    という具合に、登場人物たちの会話劇を楽しみつつ、自分と他者の関係や学生時代を思い出したりしてしまう力のある作品で、こういうところがこの頃の恩田作品が書評などで「ノスタルジー」で語られていた(そういう記憶がある)所以かな、と今更ながら思えた。

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    2022年08月10日
  • 麦の海に沈む果実

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    空気感が好き 全体的に漂うミステリアスな雰囲気が良いだけに、ラストが急にリアルになって、まとまった感があるところに違和感はありつつ、それでも文章の美しさや惹き込まれる書きぶりに圧倒された。

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    2026年01月12日
  • ライオンハート

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    ネタバレ

    エリザベスとエドワードの二人が時空を超えて、何度も出会う不思議な、少しせつない物語。

    やっと出会えても、一瞬でまた離れてしまうのに、なぜそんなに互いにひかれるのか。。
    シチュエーションが様々で、途中で少し混乱ぎみになったが、最後の"記憶"の章は、そうとは知らず、長年夫婦として過ごしてきたエレンとエドワードが、晩年になり、互いに相手が夢の中で会いたいと求めていた相手だと気づく。

    生涯に1度、一瞬でも会いたいと思う相手がいるなんて、切ないけれどステキだ。
    輪廻転生とか、運命の出会いなどというものをちょっぴり信じてみたくなる。

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    2022年07月24日