恩田陸のレビュー一覧
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面白いです。空港の入管で突然別室に集められ、「当局はこの中に敬称なしのテロリストがいると見ているので、皆さんで話し合って見つけ出してください」とヒューマノイドに言われる人々…外界は超大型台風接近中で、通信機器も全てダウン。
ヒューマノイドがぶっちゃけ過ぎるけれど、本当に上はこういうこと考えそうだな…というリアルさがあります。
集められている11人(とコーギー。かわいい)も、観察力や思考能力が高い気がするので、少しずつ情報を明らかにしていくのにワクワクします。
キーパーソンは触れたら相手の思考が読める少年だな。。
続きも楽しみです。
てか、テロリストが消滅させたいの、台風では…?って思ったりし -
Posted by ブクログ
『夜の底は柔らかな幻』の前日譚というべき短編集。
特殊な能力をもって生まれたゆえに、普通には生きられない。
それぞれが、それぞれのベストを模索していくのだけど…。
結局、人間は環境と運によって形成されるのか? (性格もそうではあるけれど、性格の形成も環境に左右されるのでここは環境として)
物語の中で、もしここがこうなら、と思わないでもないけれど、でも多分それは無理で、やっぱり最後は「夜の底」の世界にいってしまうのだろう。
って、それは絶望だね。
結局、何も変えられない世界を創ったのは、悲しいことなのだと思う。
うん。
これは、ただ、悲しい淋しい物語なのだろう。 -
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ネタバレ読んでいて思ったのは、「恩田陸って、やっぱりプロの作家なんだなー」って(爆)
なんて、そんな失礼なこと言ったら、間違いなく怒られそうだけどw
でも、発想の豊かさだったり、読んでいてビシッと決まる表現にハッとさせられたり。あと、作家だけに人生の場面場面において、鋭く目を光らせていたりしているんだなーとか。
冗談抜きで、これは上手いと思った(全部じゃないけどw)。
「おみそれしました。はぁはぁー!」って感じ。
ただ。恩田陸の小説の魅力って、必ずしも「上手い小説」ではないんだよね。
自分は、最初に「六番目の小夜子」を読んで。その煮え切らない結末に不満を抱きつつも、ストーリーが醸し出す謎めいた雰囲気 -
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- ”オネエキャラ”ってなんですか?
それはね、ある種の見せ物や芸能ということを分かった上で、男性でありながら女性っぽい言葉を用いる人たちのことを言うんですよ。
- 女性っぽい言葉ってどんな感じですか。
『なあによ。感じ悪いったら。』
『ねえ、このコートはまずいかしら?あんた、何かまともなコート持ってない?』
『フン、何よ、たまに会うとみんな冷たいのよねえ』
『何よ、あんたったら、随分突っかかるわね。何が言いたいのよ、さっきから』
『じゃあお願いしようかしら。送り狼は無しでよろしくね』
…というような感じですね。聞いたことがあるでしょう?テレビで強烈な印象を放っている、あの芸能人、この -
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“世界で一番美しいのはだあれ?”という問いかけに、”それは王妃様です”と答えるのは魔法の鏡。
子供が7歳の誕生日を迎えた日に同じ問いかけをした王妃。今度は”それは白雪姫です”と答えた魔法の鏡。怒り狂った王妃は白雪姫の殺害を命じます。命じられた猟師が不憫に思ったことで死を免れた白雪姫は七人の小人の家に辿り着きます。お腹が空いていた白雪姫はスープを飲み、パンを食べ、ぶどう酒にも口をつけた後、その家で眠ってしまいました…というのは童話の名作「白雪姫」。そんな名作に、
『それっていけないことなんじゃないの?』
『見ず知らずの人のうちに入って、飲み食いして、勝手に寝ちゃったんだものね。今だったら、そ -
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世界観の把握ができたからか上巻よりも読みやすく、一気読み!昭和のリアル映像のくだりは理解が追いついてないのですが、大東京学園オリンピック会場に昭和が現れ、ゴジラ、キティ、スヌーピーとそうそうたる面々の大乱闘。脱走は命懸けとは言われていたけれども、ここまでがんばったのに脱落するのかと生存率の低さに驚きました。思ってもみなかった黒幕はただただ胸熱。結局、恩田さんにも意味が分かっていないタイトルとのことですが、すっごいキャッチーで私は大好き。映像化してほしい、勢いが爆発してる作品でした。
[追記]
(中田先生の授業であらすじしか知らないけど)『AKIRA』、『グレンラガン』の今石作品、(ちょっと毛