恩田陸のレビュー一覧

  • ブラザー・サン シスター・ムーン

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    同じ高校から同じ大学に進学した三人の物語。
    ベースを弾くのが上手い男の子、
    映画が好きな男の子、
    本を読むのが好きな女の子。

    第1部の綾音の物語を読んだ時、
    「これって恩田さん自身の事?」
    と疑惑が沸いたが、巻末の対談で
    「私にしては珍しく自伝的な作品」
    と述べている。

    そういえば恩田陸の作品には高校生が出てくるものは多いが、大学生を主人公にした作品はあまり見かけない‥‥いや、なかったかもしれない。そういう意味では珍しいが、恩田陸カラーはしっかり堪能できる、さわやかな青春小説だ。

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    2018年11月15日
  • 夜の底は柔らかな幻(上)

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    ネタバレ

    いつものことながら唐突に設定された世界観の描写から始まり、この読者を置いてけぼりにしがちなスタートに一気に引き込まれていく。
    「ウラって何だろう」「在色者って多分能力者かな」と想像しながら読み進めるのがとてつもなく面白い。
    主人公はもちろんのこと、脇役にも悪役にも個性がしっかりあり、1人1人を好きになれるところも良い。
    少しずつ絡まってくる人間関係にワクワクしつつ、主人公の真の強さも気になるし、敵対関係が協力関係に転換することもあるんじゃないかと楽しみでもある。

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    2018年11月12日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    白井智之さんの「首無館の殺人」が、もう飴村行さんのグロミステリの感じで、発想にビックリ。
    全部がそれぞれ特徴のある館で面白かった。

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    2018年11月04日
  • 八月は冷たい城

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    NHKあたりで連続ドラマ化すると丁度良い気がする。適度にクローズな世界観だが結末としては広がりを想像させる見せ方は流石。

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    2018年10月29日
  • 七月に流れる花

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    転校してきたばかりの女子中学生が、全身緑の不気味な「夏の人」の指名により何故か不思議な城で夏休みを過ごす事になる、ジュブナイルテイストのファンタジーホラー。

    子供達しかいない生活に謎のルール。
    最初は戸惑っていたはずの非日常に慣れて受け入れて行ってしまうのが一番怖い。
    対になる物語があるとは言え、全てが明らかになったわけではなくあえて謎を残すのがまたほんのりとした怖さの余韻を引く。
    個人的にミステリーランド版の装幀がとても好きなので、文庫化でデザインが変わってしまったのが少し残念。

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    2018年10月21日
  • 球形の季節

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    まず各章の中のセリフからとった章タイトルのつけかたがかっこいい。噂を効果的に使っており、向こう側の世界が出てくるものの全体をこちら側にとどめながら雰囲気を盛り上げる手腕は新鮮だった。噂は人々が語りたいから広まるという説明はなるほどと思わせられた。だから「ノーライフキング」で子供たちに死の噂が広まるのは彼らが潜在意識の中で死を身近に感じていたからだということが今更ながら納得できた。東北の眠ったような町という設定や次々起こる事件の配し方が効果的。「六番目の小夜子」も読んでみよう。

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    20241110 再読 ★4.4
    おもしろかった
    (自分でもどうにもまとまっていないとは思うが とにかく

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    2018年10月15日
  • 消滅 VANISHING POINT

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    ネタバレ

    飛行機で空港に降り立った小津康久は早く淡々軒の肉ワンタンを食べたかった。入国審査の列に並んだが、列の進み具合は遅かった。超大型の台風が近づいてくるとの情報もあり、早く空港を出たかった。ほかにも多くの人が早く空港を出たかったと思う。台風接近のなか、大規模な通信障害も起きている、そんな中で、入国審査で別室に呼ばれた11人の中に小津も入っていた。なんでこの11人は別室に呼ばれたのだろうか…。盛り上がっていくのだが、最後がどうかな、という感じ、

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    2018年10月19日
  • クレオパトラの夢 新装版

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    恵弥の家族のことや思考など、1作目にはなかった彼の人となりが見えて キャラ読みする人には ワクワクするお話だと思う
    だがしかし、函館←→札幌の距離感 おかしくないですか? なんだか そればっかり 気になっちゃって H市ってなっているってことは 函館そっくりの 架空の都市ってことでいいんですか? いや お話は面白かったんだけどね

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    2018年10月10日
  • ブラック・ベルベット

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    ウイルスハンター・神原恵弥第三弾(ウイルスハンターってなんかイメージ違うと思うけれど)。T共和国(トルコよねえ)を舞台に、新たな鎮痛剤の噂、女性科学者の行方、高校時代の恋の相手・橘との再会、恵弥は目的は果たせるのか。登場人物みんなが何かを隠していて(隠し事ばっかり! この仲間の世界はすごい)、恵弥が一つ一つ解明してゆく。あんまり深いものはないんだけれど、このシリーズは、恵弥のキャラを楽しめ、謎解きを楽しめ、旅気分も味わえてしまう。重くなくて良い。今回もそれで楽しめた。フリーになるのかな恵弥、そして橘とのその後の話、読んで見たいな。

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    2018年10月03日
  • 錆びた太陽

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    ネタバレ

    こういうことってあるのかもな、と思いながら読んでしまいました。

    タイトルとどういう風につながるのかは、最後まで分かりませんでしたけど。

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    2018年10月03日
  • 七月に流れる花

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    懐かしいというのを一番に感じた。恩田さんが紡いでいく、形にも言葉にもし辛い、ただ確かにこの空間にある恐怖の演出が、恩田陸という作家を追い続けるキッカケとなった、六番目の小夜子のあの劇を彷彿とさせた。
    勿論、手に取れば分かるがあれよりもずっと薄い作品なので恐怖の濃度は低めではあるが、主人公ミチルが真実をしるまでの駆け寄ってくる恐怖心は読者を惹きつける。

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    2018年10月02日
  • クレオパトラの夢 新装版

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    神原恵弥の第二弾。不倫をしている双子の妹を家に戻そうとH市に旅立つ恵弥。しかし、不倫相手は死んでいて、後に妹も姿を消してしまう。実は不倫相手とは恵弥の仕事に関係ある人で、彼の手帳には「クレオパトラ」とあり、その謎を恵弥が追うといったもの。前回はお友達との会話、エキゾチックな雰囲気での物語でしたが、今回は恵弥の妹だけあって手強い相手、そして恵弥節も炸裂で前回よりも色が濃い印象。誰が敵か味方かわからず、心理戦、嘘と謎ばかりで楽しめました。舞台が函館てこれもイメージが浮かびやすくよかったね。なんといっても恵弥のキャラ、惹きつけられる三作目へGOだ。

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    2018年09月22日
  • 錆びた太陽

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    爽やかじゃない方の恩田陸ワールド全開。直木賞から読み出した人だと困惑しそう。

    と思ってレビュー読んだら、A面の恩田陸しか許せない人達だらけで見事に地獄図。

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    2018年09月13日
  • 酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記

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    恩田本は結構好きですが、エッセイは初めて。そういえば若い頃はエッセイが大好きでしたが、最近ほとんど読まなくなりました。イギリス、アイルランドに日本がおまけ。あちこちで見聞し、呑んだくれるという話。私もたいがい飛行機が嫌いなので、ちょっと怖さがブーストして背中に変な汗がでました。飛行機の中では読みたくない(高所恐怖症、閉所恐怖症、飛行機恐怖症なら)。小説よりもさらに軽快な文章で、恐ろしいスピードで読めます。かなり気の散る環境でも楽しめる文庫本だと言えるでしょう。イギリスアイルランド札幌方向への旅行には良いチョイスだと思います。

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    2018年09月12日
  • 消滅 VANISHING POINT

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    ドミノ系のお話。導入部分が読むの大変だけど、キャラの特徴が掴めたらあとはグイグイと引き込まれた。

    いやー。いいエンディングだな。
    ラスト数ページで回収されてない伏線が多くてハラハラしたけど(恩田さんやし(笑))このお話は恩田さんの作品の中ではきちんとまとまりあるタイプのお話でした。

    スッキリ!!
    名前が出てこない面子もラストにはきちんと名乗ったしね。


    てか、少年、君は在色者かい?(笑)←「終わりなき〜」読んでからこれ読んだからめちゃ途鎖国が浮かんだわ(笑)

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    2018年09月08日
  • 夏の名残りの薔薇

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    うん。うん。恩田陸だね~
    この、誰かが死ぬ結末を、回避して次の章が始まる流れ、面白い。
    途中に挟まれる文章が、最初ウザかったんだけど、ちゃんと機能してたね。

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    2018年09月01日
  • ブラック・ベルベット

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    ネタバレ

    再読。神原恵弥シリーズ第3弾。なんといっても主人公のキャラクターが魅力的。謎解き自体はちょっと外れたところに着地した感があるけど、結末までぐいぐいと引き込んでいく面白さは何回読んでも楽しい。伏線のフリをした話のネタが多岐にわたっていてふむふむと思うし、トルコ中を巡る観光ガイドの面もあって旅気分にもなれる。また忘れたころにシリーズの次の作品が出るのかなあ。

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    2018年08月21日
  • MAZE 新装版

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    アジアの西のある場所に豆腐のような白い直方体の建物。中に入ると戻れない人がいるらしい。その謎は一体? 神原恵弥シリーズ第一作みたいですね。最初は、ファンタジー系なのかと思い読もうかどうか迷ったんだけれど。個性的で魅力ある主人公、数々の推理、物語の世界の緊張感、面白かったなあ。そんなに長くないこともあってさっと一気読み。白い建物が目に浮かぶほど、印象に残っています。自作も読んでみようと思った。恩田さんってすごい人だなとも思ったよ。

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    2018年08月20日
  • きのうの世界(下)

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    上司の送別会の最中に突然姿を消した男が、1年後遠く離れた田舎町で死体となって発見されます。

    田舎町は、水路があり目的の分からない塔が立っています。
    犯人探しから明らかになっていく不思議の数々に驚く一冊でした。

    読み進めると、まるで不気味な雰囲気の中、追い立てられるような感覚に陥り、主人公に感情移入していまいます。
    お天気がずっと曇りの中、何かを探して夢中で歩いているような気分になります。

    謎が謎を読んでわからないことや不可解なことが入り乱れて、独特の不気味で不思議な世界観が体験できる内容でした。

    まさかこんな展開になるとは! と驚きで一杯の下巻でした。

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    2018年08月18日
  • きのうの世界(上)

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    上司の送別会の最中に突然姿を消した男が、1年後遠く離れた田舎町で死体となって発見されます。

    田舎町は、水路があり目的の分からない塔が立っています。
    犯人探しから明らかになっていく不思議の数々に驚く一冊でした。

    読み進めると、まるで不気味な雰囲気の中、追い立てられるような感覚に陥り、主人公に感情移入していまいます。
    お天気がずっと曇りの中、何かを探して夢中で歩いているような気分になります。

    謎が謎を読んでわからないことや不可解なことが入り乱れて、独特の不気味で不思議な世界観が体験できる内容でした。

    どきどきしながら先を読み進めても謎が深まるばかりで、不安な気持ちでいっぱいになる上巻です。

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    2018年08月18日