恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恩田陸は物語という大風呂敷を広げるだけ広げて、そのまま畳まずに終わることが多々あります。今回もそのパターン、というか広げきる前に風呂敷をひっくり返してしまったみたいな物語でした。
ナショナリズムに象徴されるきな臭いアレコレを具象化した物語なのでしょう。わらわらと出てくる「グンカ」を封じ、グンカが出てくる「裂け目」を縫い閉じる。
人知れず何かと戦うヒーローもののようであり、何かわからぬものが跋扈する薄ら寒さをもたらすホラーでもあり。カバーには幻想ファンタジーとありますが、結局はよくわからないものです。物語の全体図を見せず、登場人物の行動と含みのあるセリフから推測するしかない。
そういう物語構 -
Posted by ブクログ
『夜の底は柔らかな幻』の前日譚というべき短編集。
特殊な能力をもって生まれたゆえに、普通には生きられない。
それぞれが、それぞれのベストを模索していくのだけど…。
結局、人間は環境と運によって形成されるのか? (性格もそうではあるけれど、性格の形成も環境に左右されるのでここは環境として)
物語の中で、もしここがこうなら、と思わないでもないけれど、でも多分それは無理で、やっぱり最後は「夜の底」の世界にいってしまうのだろう。
って、それは絶望だね。
結局、何も変えられない世界を創ったのは、悲しいことなのだと思う。
うん。
これは、ただ、悲しい淋しい物語なのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいて思ったのは、「恩田陸って、やっぱりプロの作家なんだなー」って(爆)
なんて、そんな失礼なこと言ったら、間違いなく怒られそうだけどw
でも、発想の豊かさだったり、読んでいてビシッと決まる表現にハッとさせられたり。あと、作家だけに人生の場面場面において、鋭く目を光らせていたりしているんだなーとか。
冗談抜きで、これは上手いと思った(全部じゃないけどw)。
「おみそれしました。はぁはぁー!」って感じ。
ただ。恩田陸の小説の魅力って、必ずしも「上手い小説」ではないんだよね。
自分は、最初に「六番目の小夜子」を読んで。その煮え切らない結末に不満を抱きつつも、ストーリーが醸し出す謎めいた雰囲気