あらすじ
「僕はこの終わらない夜を生きていくしかないんだ」
残酷なのに柔らかで美しい。至高のアクションホラー!
作条痕のない窒息死体が連続で見つかった。
この殺人事件に、あの男は関与しているのか。
のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、特殊能力を持つ「在色者」たちが派遣を争う「途鎖国」で、やがて犯罪者たちの王として君臨する男、神山。
神山が闇に目覚める瞬間を描く表題作など、傑作ダーク・ファンタジー『夜の底は柔らかな幻』へと続く鮮烈な作品集。
解説・白井弓子
※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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独特の世界観に惹き込まれて一気に読んでしまいました。
ダークではありますが、すんなり入ってくる物語でした。
こちらはスピンオフとのことなので、本編も読みたいなと思います。
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恩田陸「終りなき夜に生れつく」
同じく恩田陸の常野物語の3作目「エンドゲーム」に近しい精神世界的な面に入りつつも(個人的には同作は少しそのイロが強かった)、均衡を保ったと感じた
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「夜の底は柔らかな幻」の短編。それを知らなくて短編から読んでしまったが、そんなの気にならないほどひとつひとつの話が面白く、読み入ってしまった!これが恩田陸!一気にハマってしまった!!
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スビンオフだったのか!知らずに読んでしまった~!本編を先に読みたかったな。
でも何も知らずにこれを読んでも、その世界観に十分引きつけられる。
さ、本編をゲットしに行こう!
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読みやすい。
短編だけど、夜の底は…の出て来た人たちの学生時代なので楽しく読めた。
葛城の冷めた、人間らしくない人格だと思っていたが違っていた。もっともっと知りたい途鎖国の生活。
何故独立した国となったのか物語として続いていってほしいけど、恩田陸ってそういう事しないよなぁ。。。
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本作「夜の底〜」が気に入ったならぜひ読むべきスピンオフ。とくにユウジや葛城が好きな方にはオススメ。とくに葛城は本編では殆ど見えなかった人間らしい一面の残る学生時代の彼の姿が読めます。
読み終えたあとには、もっと途鎖国シリーズが読みたくなるのでした…先生ーーーー!どうか続編か、もしくはまたスピンオフでもいいのてどうか…また彼らに会いたいです…
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『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ
軍勇司と葛城晃の友情、そして神山倖秀の覚醒
「終わりなき夜に生まれつく。永遠の夜に生きる。」
ウィリアム・ブレイクの詩からとられたタイトルが好き
恩田先生、〈途鎖国〉シリーズは、まだまだ続けてくださーい!
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『夜の底は柔らかな幻』の前日譚というべき短編集。
特殊な能力をもって生まれたゆえに、普通には生きられない。
それぞれが、それぞれのベストを模索していくのだけど…。
結局、人間は環境と運によって形成されるのか? (性格もそうではあるけれど、性格の形成も環境に左右されるのでここは環境として)
物語の中で、もしここがこうなら、と思わないでもないけれど、でも多分それは無理で、やっぱり最後は「夜の底」の世界にいってしまうのだろう。
って、それは絶望だね。
結局、何も変えられない世界を創ったのは、悲しいことなのだと思う。
うん。
これは、ただ、悲しい淋しい物語なのだろう。
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「夜の底は柔らかな幻」の前に読んでしまったけど大丈夫かな…全くあらすじを知らない状態で読んだのにぐいぐいと引き込まれた。
物語の人物が次の登場人物へと続く道標のようになり、先へ進む途中でたまに後ろを振り返りたくなるような感覚。わずかにしか出でこない神山の得体の知れない不気味さに惹きつけられる。(でも一番好きなのは軍勇司)
これを読んだ次の日に早速「夜の底は〜」を読み始めた…面白いよ…
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「夜の底は柔らかな幻」のスピンオフ作品。真紅の表紙がとても美しい。この本を手にしたい。まずそこに魅かれた作品でした。
「夜の底」で最後に恩田さんに振り落とされてしまった人間としては何とかすがる先を探してしまいます。そんな疲れた心を癒す作品がこれでした。800ページを超えても判然としなかった謎の数々があっけなく解決します。明かされなかった名詞の意味が明らかになります。『ソク』と『フチ』、こんなにもわかりやすい説明、本編でしてよ!とちょっとクレーマーな気分を抱くことになる、読むほどに納得感のある「夜の底」の解説本的なストーリー。
4つの短編から構成されていますが、それぞれ、
〈砂の夜〉『少女が宙に浮かんでいる。』一気に「夜の底」の世界に引き戻してくれる秀逸な一文。軍勇司と須藤みつきのアフリカでの医療ボランティアでの活躍。『あたしが先生を守ってあげる。』という言葉がとても印象的。
〈夜のふたつの貌〉葛城晃と軍勇司の出会い。『意識下にある願望や真実は、人の口を使って顕れるのだ。』ゾクゾクするような驚愕の視点。「夜の底」で抱いた葛城晃の印象がくずおれる瞬間。
〈夜間飛行〉葛城晃が入国管理官になるまでの心と身体の道程。そして、あの「彼』との再会と別離。『噂ってのはさ、どんなガセネタでも、どこかに一粒くらいは真実が含まれてるものなんだ。』そう、火のないところに煙は立たない。そして、葛城晃が別人格に感じるエンディングのある意味の爽やかさ。
〈終りなき夜に生れつく〉途鎖を離れた首都で起きている連続殺人事件。あの大物の彼が登場します。『古くて新しい対立。どちらが新人類であるのか。どちらが人類の覇者であるのか、という対立軸。』古くて新しいこのテーマに、『新人類』の脆さを前面に押し出した描き方が新しい。でも、ニュータイプとオールドタイプはいつの夜もいがみ合い、自らの存在意義をかけて闘うしか道はない。誰が描いてもこの結論。『悲しいけどこれが人間なのよね。』
永遠に終わることのない、終りなき夜を生きて行くしかない者たちの苦悩。特殊な能力を持って生れてしまったが故の苦悩。そして、能力を持たない者との間に生まれる相剋。
本編+スピンオフという物量を投入しても描きたかったもの、恩田さんの強い熱意・想い、そしてこの世界観への深い愛情に触れた気がします。トータルで見て素晴らしい作品群でした。
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どこか別の世界という意味ではファンタジーなのだけど、恐くて暗くて恐ろしい。人対人の軋轢や喧嘩も嫌だけど、未知の力を持った納得できないものは恐ろしい
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2020年4冊目
イロと呼ばれる超能力の世界。その能力者たちの世界。
作者の名前と文庫版という事で衝動的に購入。後書きを読んで、「夜の底は柔らかな幻」という作品のスピーンオフ作品のようでした。
葛城晃が登場する「夜のふたつのかお」「夜間飛行」は圧倒的な能力者としての一面と、より協力な能力を持つものに圧倒されるというふたつの対比を見るのも良いかもです。
途鎖国(土佐)という架空の国が舞台。四国の山々の霊峰。なんともない日常をミステリアスに変える。
「夜のピクニック」や「蜂蜜と遠雷」という有名所は読みましたが、こんな作品も書くのだなと、作者の意外な一面に脱帽しました。
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途鎖国、特殊能力を持つ者を集めた結社で主人公の神山が自分の力に目覚め、王と呼ばれ君臨する、模写を描いた物語。少し入りづらさがあり、評価を下げた。
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恩田陸氏2017年の作品。『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ作品として位置づけられる。
なお、本タイトル『終わりなき夜に生れつく』はドレイクの詩からとられたとのことですが、同様にドレイクの詩から、アガサ・クリスティも同タイトルの作品が有ります。
因みにアガサの原題はEndless Nightとのこと(大分意訳!?)。これに対し、ドレイクの由来する詩は、Some are born to sweet delight, some are born to endless night、とのこと。
アガサ・クリスティの当作品も読んでみたいですね。
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本作、スピンオフということを知らず、本編を差し置いて読んでしまいました泣 しかも読んだあとの解説でそれに気づくという鈍感ぶり。
でも、スピンオフということを感じさせず、作品に没頭することが出来ました。
因みに本作は中篇小説になります。
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どういう話かというと、超能力「イロ」を持つ「有色者」にまつわるお話。「有色者」の多く存在する日本の内の独立国「途鎖国」や、その出身者のお話。
「砂の夜」、「夜のふたつの貌」、「夜間飛行」、「終わりなき夜に生れつく」の四編からなります。
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なお恩田氏はこのような超能力系は意外と好きかもしれませんね。
本作の他にも、『常野物語』、『劫尽童女』、それと、ちょっと異世界系の『球形の季節』とか、類似の作品は割とありますね。
かつてNetflixでグリムという海外ドラマを好きで見ていたのですが、ああいう異能力系が好きな人にはヒットすると思います。
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ということで一か月ぶりの恩田作品でした。
体の調子がイマイチで、週末にだらだらしながら読んだ一作でした。
オッサンが風邪をこじらせると回復度合いが悪くて困ります。。。
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『夜の底は柔らかな幻』の前日譚といったところか。
いわゆるスピンオフ作品。
本編で登場した途鎖国で暗躍するキャラたちの過去を描く短編集。
先に『夜の底は柔らかな幻』を読んでいたので、
世界観含め、あの独特の専門用語と設定もスッと頭に入ってきた。
つまり、本編を先に読むこと必須な作品であろう。
おそらくこのスピンオフから手を出すと勿体無い気はする。
理解が追いつかないという意味でだが。
個人的にお気に入りだった軍勇司を中心とする話が割と多いので、
彼の過去や人となりが更に深掘りされていてよかった。
そして、本編ではその異常なまでの実邦への執着心を見せ、
圧倒的な力で邪魔者を排除してきた途鎖の入国管理官である葛城晃。
その彼の入国管理局へ入る前の大学時代、
そして入国管理局へ入るきっかけとなった出来事が描かれているのだが、
殺戮マシーンにしか見えなかった本編とは打って変わって
人間らしさ全開で、そのギャップに戸惑うと共に微笑ましさを感じる。
そして稀代の殺人鬼である、神山倖秀。
彼が殺人鬼として世に知れ渡る直前の、まさにきっかけを描いた章もあり、
短編集にしては見どころは盛りだくさんな内容であった。
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『夜の底は柔らかな幻』を読み、世界観をわかっているほうが最初から物語を楽しめる。スピンオフです。
葛城の、まだ青くて人間みがあった頃を知れて嬉しい。
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今まで「苦手かも」と思っていたこういう系。ダークファンタジー。超能力、特殊能力。
苦手意識があって読み始めたけど面白かった!途鎖ってなに?どんな力を持った人たちがいるの?力を抑えたい人、強めて何かを成し遂げたい人、どんな人たちがいるの?気になるので「夜の底は柔らかな幻」も読みます。
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特殊能力を持った、いわゆる人たちを描いた短編集。こんな能力を持ちたくないが、恩田陸の世界が溢れている。
"夜の底は柔らかな幻"に続くスピンオフ作品とのことなので、本編の方も読んでみたい。
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あまり好きじゃないかも。登場人物も世界観も凄く魅力的だけど、私にはこの設定のSFが合わないのかもしれない。でも、一回読み終わってからまた2回目に突入しているので、苦手なだけで何回も読んでしまう。好きな人にはブッ刺さりそう。
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スピンオフだったとは、、題につられて買ってしまった。
本編を読み切ってから読み返してみると、当たり前だが初回とは違った面白さがあった。
しかし知らない時でも物語の連続として十分に面白かった記憶がある。
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「夜の底は柔らかな幻」のスピンオフ作品。とはいえ、本編を読む前にこちらのスピンオフを先に読んでしまったが、それでも面白い。解説の方で若干ネタバレがあったので、本編を読んでいない人は避けた方がよいかもしれない。
Posted by ブクログ
特殊能力者が多数住んでいる国『途鎖国』の隣国の産まれであることもあり、興味深く読んだ。本作はダーク・ファンタジー長編『夜の底は柔らかな幻』へと続く短編集(スピンオフ作品)だということを読み終わってから知った。恩田陸は様々なタイプの作品を書く小説家だが、本作のような作風も持っていたことに正直なところ驚いた。
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夜の底は柔らかな幻の登場人物の過去の話。
これを読んでからまた前の本を読むのもいいかなと、思ったのですが、確か、あの本は訳が分からないまま終わったような……。
この本はこの本で充分楽しめました。