あらすじ
「僕はこの終わらない夜を生きていくしかないんだ」
残酷なのに柔らかで美しい。至高のアクションホラー!
作条痕のない窒息死体が連続で見つかった。
この殺人事件に、あの男は関与しているのか。
のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、特殊能力を持つ「在色者」たちが派遣を争う「途鎖国」で、やがて犯罪者たちの王として君臨する男、神山。
神山が闇に目覚める瞬間を描く表題作など、傑作ダーク・ファンタジー『夜の底は柔らかな幻』へと続く鮮烈な作品集。
解説・白井弓子
※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
恩田陸氏2017年の作品。『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ作品として位置づけられる。
なお、本タイトル『終わりなき夜に生れつく』はドレイクの詩からとられたとのことですが、同様にドレイクの詩から、アガサ・クリスティも同タイトルの作品が有ります。
因みにアガサの原題はEndless Nightとのこと(大分意訳!?)。これに対し、ドレイクの由来する詩は、Some are born to sweet delight, some are born to endless night、とのこと。
アガサ・クリスティの当作品も読んでみたいですね。
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本作、スピンオフということを知らず、本編を差し置いて読んでしまいました泣 しかも読んだあとの解説でそれに気づくという鈍感ぶり。
でも、スピンオフということを感じさせず、作品に没頭することが出来ました。
因みに本作は中篇小説になります。
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どういう話かというと、超能力「イロ」を持つ「有色者」にまつわるお話。「有色者」の多く存在する日本の内の独立国「途鎖国」や、その出身者のお話。
「砂の夜」、「夜のふたつの貌」、「夜間飛行」、「終わりなき夜に生れつく」の四編からなります。
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なお恩田氏はこのような超能力系は意外と好きかもしれませんね。
本作の他にも、『常野物語』、『劫尽童女』、それと、ちょっと異世界系の『球形の季節』とか、類似の作品は割とありますね。
かつてNetflixでグリムという海外ドラマを好きで見ていたのですが、ああいう異能力系が好きな人にはヒットすると思います。
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ということで一か月ぶりの恩田作品でした。
体の調子がイマイチで、週末にだらだらしながら読んだ一作でした。
オッサンが風邪をこじらせると回復度合いが悪くて困ります。。。