恩田陸のレビュー一覧
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消息を絶った女性科学者を捜索するために、神原恵弥はT国にはいる。
そこには夢のような鎮痛剤の噂があった。
恵弥の声が、子安さまで再生されるのでいかんともしがたいです。ごめんなさい。
つか、もう全体が映像化を全力で求めているよね。
T国って、トルコだけど、街並みやら自然やら、圧倒的な映像力で見せて、じゃなくて感じさせてくる。
もう、空気感というか、熱気とか湿度とか、そういうものまで感じる。
とはいえ、これは恵弥の圧倒的なキャラクター力なのだと思う。
彼が、そう感じているから、読んでいる方も感じる。
心情的ではなく、体感としてシンクロさせてくる。
うん。
心情と体感を -
Posted by ブクログ
ネタバレ何も説明されないまま連れてこられた林間学校、奇妙な「夏の人」の存在、流れてくる花を数える仕事、3回鐘が鳴ったときにはお地蔵さんの所へ行かなくてはならない義務...現実離れした描写とシチュエーションからてっきりリドル・ストーリー系かなと思っていたが、ラストにかけてキチンと折りたたんでくれた。この辺はベストセラー作家としての実力を感じる。初めの方は情報量が少ないこともあり「こんなもんかな」と読み進めていたが、予想だにしない展開になったこともあり読後感はかなり切なかった。夏になったらもう一度読み返したい。それにしても亜季代ちゃんしんどいとてもしんどい。
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Posted by ブクログ
夏流(かなし)という城下町に転校してきたミチルは終業式の日に全身緑色の「みどりおとこ」に追いかけられる。やっと逃れたと思って、気がつくとカバンには夏の城での林間学校への招待状が突っ込まれていた。その夏の城-夏流城に集まったのはミチルと年の近い少女6人。この林間学校は誰がなんのために開いているのかも、ここに集められてきた少女たちが何故に選ばれたのかも、ミチルには何一つわからないまま、奇妙な夏の日常が始まっていく。
恩田陸さんらしい物語。閉ざされた環境の中で主人公がわけもわからず学校生活を送るという点で『麦の海に沈む果実』と雰囲気が少し似ているかも。謎めいて、どこか切なくて、そこはかとなく美しくて