【感想・ネタバレ】七月に流れる花のレビュー

あらすじ

坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。

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Posted by ブクログ

なるほど、『八月は冷たい城』がサイドBならこちらはサイドAといったところか。どちらにも謎は描写してあるけれど、これといった答えは出ていない。この辺を意地悪と取るか、はたまた「この不可思議こそ恩田陸」と取るかで評価は変わる。
どちらとも合わせて読んでも今ひとつハッキリしない。繋がりすらない。ディストピア的でありながら、夏休みのようなワクワクする気持ちが同居している。もう少し踏み込んでくれても良かったのでは? と思いつつ、この世界観にはいつまでも浸っていたい、そんな心地良さがあった。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

サクッと読める、恩田さんの不気味さというかぞっとする感じを味わえる話だった。謎解きは全然わからん。解決を待つまでちょっと怖くてそわそわした。
30分くらいで読んだかな?薄いのもあるけど、ほんとにサッと読めた。

花がきれいなもの、花火は帰る人のためのもの、というくだりが好きだな。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

懐かしくなるようなどこか哀愁漂う田舎の夏の描写と、林間学校の招待状が渡され、意味もわからず「夏の城」に閉じ込められるという物語の不思議さに魅了された。ラストも良かった。
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坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。
六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。
終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。
思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。
ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。
城には三つの不思議なルールがあった。

鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。
三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。
水路に花が流れたら色と数を報告すること。

少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

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2024年01月11日

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最初の方のファンタジー感のある雰囲気が最高に好き。(ブライト系の眩しくて爽やかな感じと、光のレースみたいな優しい生成り色。花の鮮やかな赤。みたいな世界観。)
風景と色彩の描写が私とカッチリはまってすぐにこの世界へ入り込めた。みどりおとこは不気味すぎる。

前半はうわぁ〜!っと、まんまるの目でワクワクしながら、後半はあ〜、なるほど。と冷静になる。

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2022年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(2021.10)
いつも私の本の世界を広げてくれる司書さんからオススメされた本。
大事に読み始めてみた。

ホラーなの?
えっ?処理? え?苦手なホラー?

とドキドキハラハラして読みすすめて
最後には、あーそーゆーことかぁ〜と、ストンと落ちた。
短い割には読み応えがあって、城の雰囲気も花の美しさと情景がとてつもなくキレイで、切なくもあるけど読んだあとに浸ってしまった。良い本に出会えて、そんなきっかけを作ってくれた司書さんにまた感謝だな〜❤

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2021年09月23日

Posted by ブクログ

短くまとまっているが、非常に読みごたえのある物語だった。八月の方も楽しみだ。
メメントモリ、死を思えっていうのは、こんな状況だからこそ大事にしたい。
忌み嫌うのではなく、深く見つめることで生とは何かに思いをはせたいものである。

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2021年01月07日

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ミチル一緒に なぜ? どうして? 変なの… とつぶやきながら読んでいく。あぁ そうだったのかと読み終わったけど、あれは? それは? これは? と残った疑問の答えを想像してみる。少しゾクッとして何だかにんまりしてしまう。

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2018年10月06日

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おぞましい話かとおもったら現実的だった。
それにしても恩田陸さんの話は詩的で、なんか心洗われる気がするし、読ませる。サクサク読んじゃうし、ついついページを捲る手がとまらなくなる。
やっぱ、恩田陸さんの小説好き。
この本と対になってる八月は冷たい城読みたい。

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2021年06月05日

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夏の香りが漂う中、真昼の誰も居ない道で何となく怖くなるようなそんな雰囲気が醸し出されている。
変な時期に転校してきたせいで周りに友達を作れず夏休みに入ってしまったミチル。
自分が新しく住み始めた街の事など分からない。
友達もいない。何も分からない。
そんな中で突然林間学校に呼ばれて、また何も分からないまま夏の城と言う場所で過ごし始める。
この『何も分からない』と言う事が読んでいるこちらの不安をとても煽る。
同じ林間学校で過ごす少女たちとの青春のような空気を感じながらも、どこか不気味。
その絶妙なバランスがとにかくドキドキさせられる。
続きというかアナザーストーリーもあるみたいなので是非読んでみたい。

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2021年02月21日

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最初はホラーなのかな?と思ったけど違いました。
読み進めてとても不思議な感覚になりました。
出てくる少女たちにも感情移入してしまいます。

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2020年04月06日

購入済み

恩田陸の不穏な少女小説好きにはたまらない世界観でした。
理屈ではおかしなところもありますが、それを超えてのミステリーと少女時代の懐かしいような揺れ動きが良かったです。

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2020年02月11日

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児童向け作品のようである。
城の構造やレイアウトが中々、掴みきれないところがあり、
難解かもしれない。
主人公は幼稚な性格でもない気がするが、そこまで秘密にする理由が今ひとつ、説得力に欠ける気がする。
真実を知れば、人は成長するものであるから。
やたら、恐怖を漂わせるところに疑問を感じた。

数々、読破したので、ストーリー展開は容易に読めてきた。
児童には難解すぎて、受け入れらだろうかと思った。

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2019年12月01日

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引っ越してきて間もないミチル
ある日突然「みどりおとこ」から招待状を渡される。
何もわからないまま、5人の少女たちと共に
夏の城でひと夏を過ごすことに・・・

「八月」の方を先に読んでしまったので
いろいろと分かった上で読んでいても
やはり美しく哀しい物語。

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2019年11月21日

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メメント・モリ。死を想え。

タイトルと表紙に惹かれて購入。
時間を忘れて一気読み。
やっぱり恩田陸好きだなぁと思った。

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2019年09月09日

Posted by ブクログ

いきなりでてきた設定にぎょっとしたものの、こんな不思議な物語なのだからそのくらいの唐突さがちょうどいいかもしれない。
引き込まれた世界観から急に現実にに繋がっていく感覚が楽しかった。
ちょっと分からないことがあるので次作も読んでみようと思う

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2019年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何も説明されないまま連れてこられた林間学校、奇妙な「夏の人」の存在、流れてくる花を数える仕事、3回鐘が鳴ったときにはお地蔵さんの所へ行かなくてはならない義務...現実離れした描写とシチュエーションからてっきりリドル・ストーリー系かなと思っていたが、ラストにかけてキチンと折りたたんでくれた。この辺はベストセラー作家としての実力を感じる。初めの方は情報量が少ないこともあり「こんなもんかな」と読み進めていたが、予想だにしない展開になったこともあり読後感はかなり切なかった。夏になったらもう一度読み返したい。それにしても亜季代ちゃんしんどいとてもしんどい。

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2019年01月09日

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恩田陸の描く青春ファンタジー。小品ながら恩田陸カラーに溢れ楽しく読めた。同じ時期に同じ所を別の子どもの視点で描いた姉妹作『八月は冷たい城』も読んでみたい。

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2018年12月13日

Posted by ブクログ

夏流(かなし)という城下町に転校してきたミチルは終業式の日に全身緑色の「みどりおとこ」に追いかけられる。やっと逃れたと思って、気がつくとカバンには夏の城での林間学校への招待状が突っ込まれていた。その夏の城-夏流城に集まったのはミチルと年の近い少女6人。この林間学校は誰がなんのために開いているのかも、ここに集められてきた少女たちが何故に選ばれたのかも、ミチルには何一つわからないまま、奇妙な夏の日常が始まっていく。
恩田陸さんらしい物語。閉ざされた環境の中で主人公がわけもわからず学校生活を送るという点で『麦の海に沈む果実』と雰囲気が少し似ているかも。謎めいて、どこか切なくて、そこはかとなく美しくて。だけどあれよりはすごく短くてちょっと物足りないような気も…。続編があるなら読みます。

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2018年12月01日

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転校してきたばかりの女子中学生が、全身緑の不気味な「夏の人」の指名により何故か不思議な城で夏休みを過ごす事になる、ジュブナイルテイストのファンタジーホラー。

子供達しかいない生活に謎のルール。
最初は戸惑っていたはずの非日常に慣れて受け入れて行ってしまうのが一番怖い。
対になる物語があるとは言え、全てが明らかになったわけではなくあえて謎を残すのがまたほんのりとした怖さの余韻を引く。
個人的にミステリーランド版の装幀がとても好きなので、文庫化でデザインが変わってしまったのが少し残念。

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2018年10月21日

Posted by ブクログ

懐かしいというのを一番に感じた。恩田さんが紡いでいく、形にも言葉にもし辛い、ただ確かにこの空間にある恐怖の演出が、恩田陸という作家を追い続けるキッカケとなった、六番目の小夜子のあの劇を彷彿とさせた。
勿論、手に取れば分かるがあれよりもずっと薄い作品なので恐怖の濃度は低めではあるが、主人公ミチルが真実をしるまでの駆け寄ってくる恐怖心は読者を惹きつける。

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2018年10月02日

Posted by ブクログ

 いきなり「みどりおとこ」が出てきたら驚かない方がおかしい。知らない方が幸せ以前の事な気が…
ファンタジーなのかと思ったら、現実の話と言うことが一番驚いたかも。設定が面白い。
八月…も読んでみよう。

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2022年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

話の内容は短くて、読みやすい。
短い割には読み応えもあった。冷や汗が出るようなお話かと思えば
ちゃんと現実話で、そういうことね〜という感じ。
サクッと読めて、ちょっと気分転換になったかな。
恩田陸さんの本を読んだ、という満足感がある短編でした。

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2021年07月18日

Posted by ブクログ

何も知らないミチルと共に、真実に向かっていく感じを純粋に楽しめた。

「七月に流れる花」は少女サイド、「八月は冷たい城」の方では少年サイドの話の模様。

ミチルが声を聞いた、蘇芳と関係がありそうな少年はどのように繋がってくるのか。

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2020年09月25日

Posted by ブクログ

読み始めた時はホラーチックで怖い雰囲気だったけど、全ての意味が分かったときはそうだったのかー。と思うのと同時に切なくなった。

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2019年12月09日

Posted by ブクログ

ファンタジーと現実の狭間のお話。
何も教えてもらえないミチルがちょっとかわいそうです。笑
最後まで読んでから読み返してみると、また別の物語のようです。続き…というか別視点のお話もあるそうですが、まあいいかな。

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2019年05月28日

Posted by ブクログ

 季節外れの転校生は、呼ばれると必ず行かなければならない林間学校「夏の城」に招待された。
 古城で5人の少女たちの共同生活が始まる。

 「7月に流れる花」が少女サイドで、「8月は冷たい城」が少年サイドの話なので、両方読んでしまうと、そういうことなのね、って思うのだけど、とにかく謎が多い。
 転校生であるという条件というか立場が、これほど歯がゆいとは。
 それにしても、何もかも内緒にしなくてもいいんじゃないかと思うんだけどね。

 もう、何をどう書いてもネタバレそうになりそうなので、あれなんだけど、ようするに、様々な選択肢をつきつけられる物語なのだと思う。
 
 必ず行かなければならないとしても、やはり選択したのは彼女なのだ。
 そして、彼女は<知る>ことを選んだ。

 ようするにそういう話。

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2019年05月03日

Posted by ブクログ

夏流(かなし)に転校してきたミチル。
転校が六月という中途半端な時期だったのと内向的な性格のため、友達が出来ないまま夏休みを迎えたが、彼女のもとに奇妙な「林間学校」への招待状が届く。
呼ばれた子どもは必ず行かなければならないという夏の城で、ミチルと5人の少女たちは不思議な夏休みを過ごすことになる…。

講談社のミステリーランドシリーズの配本なので子ども向けの小説ですが、往年の恩田陸の味付けがなされた、ザ・恩田ワールドなお話でした。
物語を包むノスタルジックで不穏な空気、謎を煽りまくる思わせぶりな演出、静謐で賢い主人公が直面する物悲しい真実。
まさに「恩田さんのいつものやつ」、久しぶりに読んだ気がするわ~!

作品の冒頭、全身緑色の謎の「みどりおとこ」が現れ主人公に迫るところから物語はスタートします。
夏の城に集められた少女たちは、水路に流れる花を観察し記録する、鐘が3回鳴ったらお地蔵様の所に集まる、などの妙なルールを課せられ、隔離された共同生活を送ることになります。
何も知らされていないミチルと同じ視線で読者は物語を進んでいくので、ミチルの不安が直に伝わってきてドキドキさせられました。
稲穂の海の中で停まった列車から飛び降りる場面や水路に流れる花の情景が醸し出す美しくも儚い雰囲気がより物語を謎めいた混乱に導き、最後はどうなるんだろうとページを繰る手が止まりませんでした。

ラストは、子どもには容赦が無くシニカルな方向へ。
何かを失ったけど、同時に何かを得た少女たちの姿が清廉で切ない、印象的なラストでした。

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2019年02月18日

Posted by ブクログ

恩田陸さんのファンタジーっぽい物語大好きで、本屋さんで見かけて即買いです。
比較的短い物語ですぐ読めました。
静かな世界観です。もう一度じっくり読んでみます。

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2018年11月17日

Posted by ブクログ

6月に夏流に転校してきたミチル。中途半端な時期の転校なのでなかなか友達を見つけられず。そんな中、ある鏡を見ていたら、中の世界に「みどりおとこ」を見つけた。実際の世界でも逃げだすが、クラスの子に会い、安全を確認する。しかし、呼ばれた子どもは必ず行かなければならないという夏の城―夏流城での林間学校への招待状が鞄に残されていた。謎だらけの城で参加した六人とともに暮らすが、ここにも不思議があり…。
異国のような世界、恩田さんはこういう不思議さを出すのがうまいなあと思う。そして、「みどりおとこ」とか花の謎、すっと引き込まれました。その世界に自然に浸れた。短いし気軽に楽しめた。『8月は〜』も続けて読みたい。

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2018年11月07日

Posted by ブクログ

夏休み、みどりおとこに連れられて集められた少女5人。
謎多き城。なぜなぜなぜと思いながら読み続けると最後に蘇芳から語られる悲しい結末。この薄さじゃ物足りない!

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2018年11月02日

Posted by ブクログ

講談社タイガから発売された連作です。
表紙の絵とタイトルが気になって読んでみました。 『六番目の小夜子』とか『麦の海に沈む果実』とか『蜂蜜と遠雷』とかタイトルのセンスが好きです。

何かしらの「美」を感じます。

ただ、1冊あたり160ページしかないので通勤の電車で読み終わってしまった。
賞味2日(4時間)。 ストーリーも設定は面白いけどどこかで読んだような。

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2018年10月27日

購入済み

啞然

恩田陸先生、一体どうしたんですか?尊敬する先生とは思えないほどひどい物語でした。

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2018年11月20日

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