恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「中庭」とはホテルの中庭。周りを建物に囲まれて、密室ではないようで、実は出入り口が限定されている。そんな一つの閉鎖世界ともいえる中庭で、人が死ぬ。それを題材にした舞台脚本を書こうとする人の話。なのかなんなのか。
劇中劇が半分くらい。でもどこまでが劇中劇で、どこまでが現実が分からない。
なんか読んでて思うんだけど、恩田陸さんは性悪説を頑なに信じてる気がする。普通の人はなんだかんだで、人は悪と思いつつ、性善説を捨てられないもんだと思うんだけどね、人の大本は悪であると思ってるんじゃないかしら。もちろん性格が悪いということではなく。
あー。僕も劇の中に生きたい。 -
Posted by ブクログ
恩田陸の『恐怖の報酬』日記を読みました。
酩酊混乱紀行 イギリス★アイルランド★日本〈ほぼ縦断〉とサブタイトルがついています。
恩田陸がビールを求めてイギリス、アイルランド、生麦(キリンビール)、札幌(サッポロビール)、沖縄(オリオンビール)と旅行してひたすらビールを味わうという旅行記でした。
さらに、恩田陸は強度の飛行機恐怖症とのことで、その恐怖についてもしつこく書かれています。
とは言え、アイルランドのどこまでも続く丘を見ているだけで、手紙を書く青年、手紙を読む少女、空を飛んでいく帆船たち、それを見上げている少年、といったイメージが浮かんできて1篇の物語が書けそうだ、というところが恩 -
Posted by ブクログ
「悪夢ちゃん」のドラマを見てから気になっていて、ようやく読みました。面白かったです! ファンタジーのカテゴリに入れましたが、SF、ミステリー、ラブストーリーの要素もあります。夢と現実の境界があいまいになる話は色々ありますが、この作品では夢の内容を映像化することができ、その映像を見てカウンセリングを行う「夢判断」という仕事が存在しています。さらに、境界があいまいになっていく人ではなく、その人を取り巻く周囲の視点で書かれているので、言いようのない不安を抱え、真相を突き止めようとする登場人物たちに感情移入しながら読みました。
物語の終章は現実世界で起きたことのようにも思えますが、夢の世界、意識の中の