恩田陸のレビュー一覧
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「ねじの回転―February moment(上・下)」恩田陸
歴史SF。オフホワイトって感じでした。
感触としては「ライオンハート」に通じるものがあるかなぁ、と。
あの茫洋とした読み心地と時間軸の「ねじれ」感がとても好きです。
これは何度も読み返すことになるだろうなという一冊でした。
なにより、ハードなSF描写で引きずり込まれてもおかしくない設定がごく当たり前のように導入される雰囲気がいいですよね。違和感がない。
「え、もしかしてこれくらいなら現実におこっててもアリかなぁ」っていう。それはないか。
物語がとても洗練されているんだと感じました。
それでいてSFとしての見せ場 -
Posted by ブクログ
ホラー色濃いめの短編集。いろんなタイプでどれも印象的。
お話としては読み手に委ねる部分も多く、正直良くわからない話もあった。だけど、私は恩田さんの文体から滲み出てくる雰囲気がたまらなく大好きだ。なんともいえない世界観を幾重にも孕んでておもしろかった。
今回のお気に入りは、「水晶の夜、翡翠の朝」、「あなたと夜と音楽と」。この2つは個人的にタイトルからしてキレイだし、お話としても★5。大好きなシリーズの番外編と元ネタが好きな作品。といってもABC殺人事件って読んだの前すぎて覚えてない…。読み直そう、うん。
たぶん「冷凍みかん」は、このネタがはじめただったら衝撃的でダントツだったかもしれない。だけ -
Posted by ブクログ
何度目かの読み返しです。
飛行機嫌いの著者が、「イギリスとアイルランドに行きたいねー」と口走ったために実現してしまった「処女海外旅行」。
サブタイトルには「酩酊混乱紀行」とあるけれど珍道中になってはいません。
他に本土・北海道・沖縄と国内3ヵ所のビール工場見学記も収録されています。
冒頭では「飛行機」と記されていたのが、しまいには「アレ」になっているのが笑えます。
どこに行っても物語のインスピレーションを得ているようで、この人は根っからの作家なのだとあらためて思いました。
短いけれど司馬遼太郎批判はするどいものがあります。
欄外に117ある著者による注もニヤリものです。
オスス -
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ネタバレロミオとロミオ。
近未来の歪んだ機構の学園ものという記憶があったが、まぁ大体合ってたか?
上巻では、まだまだいいとこで終わる。これが下巻にうつった時、一気に面白くなるんだよなぁ(確か)。
アタミの話し方とかが、神原恵弥を彷彿とさせて好きだなぁ。あとはキョウコ。下巻が楽しみ。
(2010.02.11)
ロミオとロミオは昭和とか懐かしくなるので面白い。
ただ、あの新宿クラスへのやり方が読んでるこっちも怖くなるくらいですけどね。。
…ダメだ、再読してからも結構経ってしまったのであんまり感想が思い出せないや。。
(2012.09.29) -
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何年振りかに再読。初読の時はあんまりおもしろかったイメージがないんだけど、再読すると思いのほかちゃんとまとまっていて面白い作品でした。
初期の恩田さんっぽくって、いい意味でこじんまりしていておもしろかった。
ラストに含みを持たせるのもさすがって感じだし。
それにしても、高槻倫子はすごいよね。後半メロドラマっぽくなったのがちょっと衝撃でした。なんていうか、もう少しきれいな人でいてほしかった。
そしてラストのどんでん返しは衝撃でした。ははぁ、そういう風につながるのかぁって納得。
まさかパスタ製造器がそこでからんでくるとは!! さすがだなー。
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/4/29〜5/3
恩田さんの作品は、メフィストの連載で読んでいたが、まとまった形で読むのは初めて。この本も10年くらい前に買ってあったのをようやく読めた。
大学教授秘書の古橋万由子は、訪れた絵画の個展で、今は亡き高槻倫子の遺児、秒から母の生まれ変わりである、と告げられる。万由子は、他人の記憶がフラッシュバックのように見えたが、倫子もそういう体質であったらしい。秒は、万由子に母親を殺した犯人を一緒に探して欲しい、といわれる。個展の際に見つかった倫子の遺言にある絵を渡して欲しい、とあった4人が怪しいと思われたが。その4人と順番に会ううちに万由子に奇怪 -
Posted by ブクログ
タイトルどおり、小説以外のエッセイ等をまとめた本。ほとんどが書評など、(一部違うけど)になってて、読みたい本満載です。好きな本について語る恩田さんの文章力もすごい。私はアガサ・クリスティーが好きで特にミス・まープル物が好きなのですが、恩田さんもそうで、作品にも影響を受けていると聞いて、少し納得。恩田さんの好きな本と作品のつながりなどもわかって、興味深いです。恩田さんの方が私より少し上だけれど、小説だけでなく、漫画や映画、テレビなどにも影響を受けていて、体験も似通っているのも、面白かったです。でも、おんなじような体験してても、恩田さんのような小説は書けないな・・・ちょっとうらやましい。 海外ミス
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Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに、「寝る間も惜しんで読む」ということをした。
それだけ、続きが気になってしまった。
練も千華子も、どれだけ冷静で頭のいい子なんだって感じ。
中学生と小学生だなんて、嘘なんじゃないか?ってくらい物事を冷静に判断できる。
今の私が彼らと同じ状況に立たされたら、彼らと同じように行動できる自信がない。
きっと、のたれ死によ、私は。
千鶴子を、「なんだろうね、この女は」と思って見ていたけど、ラスト近くの千鶴子と千華子のシーンでは、ちょっと涙してしまったりして。
私も絶対こうする、ということを千鶴子がしてくれた気がした。
練や千華子にはなれないけど、あの瞬間の千鶴子になら、なれると思う。
母親