恩田陸のレビュー一覧
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にわか恩田ファンとしてこの紀行エッセイも読んでみたのだけれど、恩田さんの人となりがよくわかったような気が。ユーモアがあっていい人で一緒にいて楽しくてしかも博学で、チャーミングな人だなー、と。読んでて楽しかった。
飛行機が心底こわい、ということで、そのこわがりっぷりが他人ごととして読んでるとすごくおかしいんだけど、でも、臆病なわたしも日々いろんな恐怖にふりまわされているので、なにかがこわいっていう気持ちにすごく共感した。そう、個人的な恐怖ってものすごく孤独なのだ。
イギリス・アイルランド紀行はムア(荒地)の描写なんかが恩田さんのファンタジーに通じるものがあって。行ってみたくなる。あと「秘密の -
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人類の消費生活の末に旧地球に取り残された近未来の日本の、誰もが憧れるエリートのための学園。
そこは徹底的に管理され、一度入れば脱走は殆ど不可能な牢獄だった。
設定のひとつひとつを拾って並べればライトノベルのように見えるが、作者の力量で読み応えのあるしっかりしたSFになっているのが凄い。
又、軽妙な語り口とふんだんに織り込まれたパロディが面白い。
友情や、学園からの「愛」や世の中の人々の考え方の違い、ラストシーンでの主人公と友人の会話に描かれる人間の正直な気持ち等、もっと考えたい要素があちこちにある。
そのどれかを特に重点的に語るという作品ではない為それらひとつひとつはあまり掘り下げられてはい -
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これは、かつて「地球の歩き方のロンドンのガイドブック風」のカバーで出ていた本が文庫本化されたものです。作者がイギリス・アイルランドに行った時の話ですが、とにかく飛行機嫌いと言うことでその恐怖が大きく取り上げられているエッセイです。紀行文じゃないと宣言していますので、確かに、イギリス・アイルランドに行った場所で感じたことを書いたエッセイと言うのが的確でしょう。
しかし、恩田さんの作品は好きだけど、エッセイはどうも合わないなあ。面白くない訳じゃないし、書かれていることも好きなんだけど、なんだか合わない感じです。
他に「キリンビール」「サッポロビール」「オリオンビール」の工場見学のエッセイも -
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ネタバレ久しぶりに、恩田陸の作品を読んだ。
いままでほとんど、あさのあつこ作品を読んできた。わたしは、彼女が書く少年が好きだからだ。今回はなぜこの作品を読もうと思ったか。この物語の主人公も少年だったからだ。しかも、内容がSF!!舞台は近未来の地球。しかし、地球には日本人だけが居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事している。という面白い設定。結構わたし好みだった。
主人公・アキラとシゲルが通う大東京学園は東京にあり、過酷な受験戦争に勝ち残ったエリートが通っている。寮の名前が、23区の名前になっているのが、ツボだった。しかも、豊島区にある遊園地・としまえんは“年増園”。ディズニーランドは、“ディズ -
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ネタバレ舞台は近未来。
戦争、科学、核実験、自然破壊…
先人たちの負の財産に埋もれた地球。
他国の人々は既に“新地球”に移住し、
残された日本人にあるのは果てしない絶望のみ。
そんな中、親族や地域の希望を背負って
日本各地から集まった少年たちが
「大東京学園」で繰り広げる学生生活。
友情と葛藤、挫折と憧憬。
揺らぎ迷いながらも懸命に生きる生徒たち。
登場人物たちの漲る生命力に圧倒され、
臨場感ある文章に煽られ、どんどん広がっていくイメージ。
まるで、自分も主人公たちと一緒に闘っているような。
宙に舞うイエローキャブに乗った生活指導・タダノは、
数多い登場人物の中でも特に存在感のあるキャラ。
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