恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
その場所は常に濡れているようだった。そしてその場所には黒ぐろと水を湛えた堀が毛細血管のように延びていた。張り巡らされた堀は常に人間を監視しているのか? いや 管理しているのか?… 常に身近にある水が ある時意思を持って迫ってくる。その意思は人間にとって良いものなのか?悪いものなのか…?
独特な世界観だった。
多聞さんと協一郎先生には若干回りくどさを感じていたので藍子と高安の存在は有り難かった。
そして結局いったい何を『盗まれた』のか? 時間?体?意識?
正直よく解らない。
─この世の中には説明できないこと、説明しなくてもいいことがあるんじゃないかなって。
ということなのだ -
Posted by ブクログ
不思議な世界を旅した
なんだかふわふわとして
どう結論づけていいのやら
わからない
なんのために人々は盗まれて
なにをされて戻ってきたのか
なにが違うのか
支配されているのなら
地球を侵略するための第一歩として
この「やなくら」が選ばれたのか
あれほどまでに謎を解き明かそうと
していた4人が
この先その意識すら失われていくのだろうか
それとも‥‥
目的のわからない
あやしいものに触れたとき
人ははじめこそ
大騒ぎするが
やがて慣れて取り込まれていく
適応力ということばは
いいことのように使われるけれど
支配されていても気が付かない
今の自分もさまざまなものに
取り込まれて生きてきた
それは