恩田陸のレビュー一覧
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引き込められた瞬間はあった。しかし、内面を伝えようとして説明がちになっていた感もあり疾走する引き込まれ感にブレーキも感じてしまった。
あらすじは、
少年は八歳でバレエに出逢い、十五歳で海を渡った。
同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの視点で彼が浮かび上がっていく。
彼は求める、バレエを通した世界を。
好きだったのは、Ⅲ 湧き出す の幕。
七瀬が語り部。芸術たるもの、芸術たらしめるもの。それを感じる章でした。
いまの仕事にも通じる章であり、文字がシーンが浮かび上がってくる熱量と静謐に満ちていた。
読み終え、バレエを、じっくりと観てみたいと思いました。
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祇園祭準備中の京都。梅雨明け前の猛暑日。いやぁ暑そうだ。油照りという言葉を覚えました。炎天と違って爽快感が皆無ですね。
そんな京都をそぞろ歩く男3人。目的は、たどり着いた喫茶店で怪談を語ること。1人が語り終わると、次の喫茶店を目指してまたそぞろ歩き。
これだけ聞くとまるで苦行のようだけど、実に楽しそうだ。会話のテンポや距離感が実に良い。脱力系の漫才のような、ダラダラとしながらも適時に見せるツッコミなど、3人(別の回では4人)の親密さと信頼感が伝わってくる。
語られる怪談のほとんどは恩田さんが見聞きした実話らしい。それだけに、とびきりの怖さはないのだけど「そう言えばこんな話があったよ」と素 -
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「蜜蜂と遠雷」ぶりの恩田陸さん。
魂で感じとる美しさというのを言葉、文章にされている気がして、迫り来るものがありました。
バレエの世界なんて、全然知らないのですが、うつくしさを追求した先に、何か神がかったものを感じて、周囲まで鳥肌が立つような、恐怖だけど、衝撃的な忘れられない瞬間を感じました。
この世界観に置いてけぼりになる読者も多い気がして(私もそう)、でもそれこそが常人と違う、ステージの違うところにいる人を見ている気持ちにもなります。
本自体が、4部構成で、いろんな登場人物が春のことを話してくれますが、その登場人物も基本的にプロの領域の方たちなので、自分たちとは違う存在なはず。
唯一、叔 -
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学生時代からの友人たちが各地に集まって珈琲を飲みながら怪談を語る。それなりの年齢になりそれぞれの生活を営む友人たちが、なんの気張りもなく集まりなにがしか語るという物語の流れがとても心地良く感じた。
怖い話かどうかわからないんだけど、みたいな言葉で始まる怖そうで不思議な話の数々が面白かった。
しかしだんだん主人公の話口調がのび太くんのように優しげな雰囲気に聞こえて来て、また主人公と主宰の2人が音楽関係という一般的な中年の人生を送っていないせいか、中年男性四人組というにはちょっと爽やかで穏やかな、まさに恩田陸の世界線の中年男性という感じ。まだみんな大学生みたい。
珈琲の香りは素敵だけど、中年男性の -
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この本、小説なんだけど、勝手にエッセイと思って読み始めちゃったんだよね。『世の中の「キモチワルイ」をスッキリ整理』っていう帯のワードが目に入ったのと、本屋さんで朝井リョウさんのエッセイ本の隣に並んでいたからそう思い込んでしまったのかも。
実際、出だしはエッセイっぽい感じで始まったのですよ。なのにいきなり主人公についてのナレーション的説明が始まったと思ったら、ずっと主人公の話が続くから戸惑った。あれ?エッセイじゃなかったの?と。
どうやらこれは小説なんだなとやがてわかったけれど、ちょっと変わったスタイルの小説だった。途中で恩田陸さん目線の解説やつぶやきが入ってくるんだよね。
梯結子(かけは