恩田陸のレビュー一覧
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『夜の底は柔らかな幻』の前日譚といったところか。
いわゆるスピンオフ作品。
本編で登場した途鎖国で暗躍するキャラたちの過去を描く短編集。
先に『夜の底は柔らかな幻』を読んでいたので、
世界観含め、あの独特の専門用語と設定もスッと頭に入ってきた。
つまり、本編を先に読むこと必須な作品であろう。
おそらくこのスピンオフから手を出すと勿体無い気はする。
理解が追いつかないという意味でだが。
個人的にお気に入りだった軍勇司を中心とする話が割と多いので、
彼の過去や人となりが更に深掘りされていてよかった。
そして、本編ではその異常なまでの実邦への執着心を見せ、
圧倒的な力で邪魔者を排除してきた途鎖の -
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ネタバレ理瀬シリーズ6作目。
短編集やけど、過去や未来や知りたいことが盛り沢山で、既にもう新作が読みたくなってる。まだ成長途中のアンバランスさが好きで、理瀬は勿論、ヨハンや聖、亘と稔のその後だってずっと気になる。校長の過去や格好に理由があるのとか思ってなくてやるせない。
「水晶の夜、 翡翠の朝」
理瀬が学園から去って退屈なヨハンの話。新たな転校生ジェイが話す笑いカワセミの噂と相変わらず不穏な学園にもう取り込まれる。あと憂理、聖が出てくるの嬉しい。そしてジェイがヨハンを狙う刺客で、きっちり片付けるヨハンの容赦のなさが闇の深さを表しててゾッとする。
「麦の海に浮かぶ檻」歩道橋シネマにも所収
校長の -
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ネタバレ短編集。とりあえず全部大好きな深海のようで薄氷を踏むような雰囲気で好き。昔読んでよく分からんってなったのを、再読したらめちゃくちゃ好みだった。はっきり書かれてないのが昔ダメやったんやろなぁ、そこを漸く読み取れるようになったのか。
「春よ、こい」
春を目指して巻き戻る少女たちの女性たちの話。タイムリープ感と海底のようなしっとりじっとりした感じが大変好み。
「茶色の小壜」
会社の同僚が血を見て笑っている、それが気になり調べる女性の話。同僚の女性を同じように気になってたのに、いつ足を掴まれていたのか。はっきりと明記できない怪しさが好き。
「イサオ・オサリヴァンを捜して」
イサオのことを知って -
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全国の居酒屋で奇妙な体験を語る「居酒屋ホラー」
全13編+α!
土地に纏わる話だと実際に遭ったことのようで、余計にゾッとしてしまう。
○跡継ぎの条件〜東京・大森の空席
○夜のお告げ〜神奈川・野毛の都橋商店街
○昭和94年の横丁〜愛知・名古屋の日めくり
○風を除ける〜東京・代田橋の沖縄タウンのマブイ
○黒の欠片〜長野・松本の天守閣
○曇天の店〜富山・高岡のフェーン現象
○三味線の音〜新潟・古町の二口女
○笑うカピタン〜長崎・浜町の絵とナイフレスト
○歌うカステラ〜長崎・ある住宅街のあんと
○祖父の墓〜栃木・日光東照宮
○白の迷路〜兵庫・姫路城の白のマダム
○アトランダムな神々〜大阪・新世界/曾 -