恩田陸のレビュー一覧

  • 珈琲怪談

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    ネタバレ

    本書に登場するエピソードは、不可思議な塩梅がとてもいい。妙に整っていないところが却ってリアルだ。そう思っていたら、ほぼ実話とのこと。多聞の謎めいたキャラクターと相まって、虚実のあわいともいうべき雰囲気が実に上手い。
    確かなものであるはずの現実が揺らいで、この世ではないものを垣間見る。彼岸と此岸の境目が交じり合う瞬間こそが「珈琲怪談」での怖さであり、それを違和感なく受け入れているのが多聞の特異さであるように思った。

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    2025年09月20日
  • 珈琲怪談

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    面白くないわけでもないが、面白いとも思えない。まず登場人物の4人の職業が音楽Pにスタジオミュージシャン、外科医・検事とあまり一般的でなく、知識をひけらかすような会話の導入からして気に食わない。ちょっとした怪談自体はなかなかに興味をそそられるが、人物の魅力のなさが帳消しにしている。恩田作品としては完全な凡作。

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    2025年09月18日
  • 蜜蜂と遠雷(上)

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    【要約】ピアノコンクールで、音楽に愛された「蜜蜂王子」、かつて天才と呼ばれたが姿を消し再び挑戦する亜夜、ジュリアード音楽院の王子、社会人の明石など、個性豊かな出場者たちの思いや葛藤が、緊迫感の中で描かれる物語。

    【感想】音楽を多彩な言葉で表現している点に感動した。蜜蜂王子の才能は現実離れしていると感じつつも、その圧倒的な演奏に興奮し、彼の演奏シーンを楽しみに読んでいる自分に気づいた。

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    2025年09月18日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ネタバレ

    北沢陶さん目当てで読みました。
    主人公は、家と関係ないのにあのような結末は気の毒だなと思いましたが、面白かったです。
    でも、やっぱり長編の方が魅力的かもしれません。

    全体的に、読んでいる最中は先が気になってドキドキするも、結末で「結局何なんだ」というのが多かったように感じます。それを楽しんで、ということなんでしょうけれど。

    「猫のいる風景」は、胸糞サイコで、猫ちゃんも絡んでくるし、好き嫌いが分かれそうです。
    が、私は賢い姪っ子が小気味よく追い詰めていくのが痛快でしたし、それ相応の報いを受けてスッキリしました。

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    2025年09月18日
  • ライオンハート

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    新海誠のアレより100倍好き
    あと関係ないけど雑誌とかで恩田さんの笑ってる姿見るとほっこりする
    時間を扱っているのに一瞬に賭けてるとこが本当に贔屓してしまう

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    2025年09月17日
  • 愚かな薔薇 下

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    本題に入るまで長い気がする。
    舞台設定を探りながら読むのでそれもややストレス。
    本題に入る前にギブ。
    時間があれば戻ってきます。

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    2025年09月17日
  • 珈琲怪談

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    続き物と知らず読み終わりあとがきで多聞の話があることを知った。
    前作を知らないので続き物としてどうかはわからないが、こちらはまったりと楽しめる作品だった。
    珈琲怪談のために集まりお互いの話に青ざめ震えるおじさん達がとにかく可愛かった。
    たまにはのんびりとこういう本もいいな、と。

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    2025年09月17日
  • スキマワラシ

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    恩田陸作品に共通する不穏な感覚、久しぶりに読んで、やっぱり不穏で不気味だった。

    スキマワラシたちは何のメタファーだったんだろう?
    太郎と散多とハナコの話。

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    2025年09月13日
  • 不連続の世界

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    音楽関連の仕事をしている主人公の塚崎多聞が、不思議な体験をする5話の中編構成だ。
    1〜4話までは独立したミステリーとして読み進んだのだが、最後の5話で全ての話が繋がる仕掛けだ。
    人の心の曖昧模糊とした不可思議さ、現実が朧げになる人の記憶、現実と空想の境の曖昧さなどを下敷きにして、人が陥りやすい「思い込み」がテーマとなっている。
    今回の相変わらずの摩訶不思議な恩田ワールドは少々難解だったが、最終章で「そういうことだったのか⋯」と云う結末で終わる。
    読み終わって知ったのだが、前編に『月の裏側』、続編に『珈琲怪談』があることを知った。
    『珈琲怪談』は既に手元にあるので続けて読み、それから『月の裏側』

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    2025年09月10日
  • スキマワラシ

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    白いワンピースと麦わら帽子、水色の胴乱、モノクロの花。不気味なんだけど気になる都市伝説。

    主人公の独白でストーリーが進む。突然読み手側に呼びかけられたり、いつもの恩田陸作品とは違う?と戸惑いを感じるけど、読み進めるとそれにも慣れて、引き込まれる。
    目が合う・引出し、押入れから出てくる・こちらに向かってくる…得体のしれない不気味な存在との邂逅を書かせたら敵なしの恩田節が炸裂。

    どの季節に読んでも引き込まれるストーリーではあるけど、作中出てくるキーアイテムが夏を連想するものが多いので、残暑厳しいこの時期に読むのが良。

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    2025年09月09日
  • 私の家では何も起こらない

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    短めなお話だけど、読んでいてザワっとした。すごいホラー描写とかはなくて、けど描かれるものが不気味で引き込まれ、どんどん読んでしまった。

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    2025年09月09日
  • 灰の劇場

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    読み返さないと理解できない話だった。
    後半部分は、夢を見てるような掴みどこのない話が続く。なぜ2人は亡くなったのか、なぜそんな行動をしたのか。なぜあの記事に惹かれたのか、不思議な話である。

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    2025年09月08日
  • 酒亭DARKNESS

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    居酒屋で聞いた不思議な話の短編集。タイトルから怖いの期待してたけど眠れなくなるほど怖いものは無く、ちょっと肩透かしを食らった。まぁ、自分が勝手に期待してただけだしな…と言った感じ。収録されていた話にもそんなに魅力は感じなかった。

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    2025年09月08日
  • 愚かな薔薇 上

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    前知識無く読み始めた本。
    ユージニアや中庭の出来事などを読んでいたせいもあり、ミステリー作品と思っていたが…
    空を飛ぶ虚ろ船?変質?血切り?
    出てくるワードは現実から離れたものばかり。
    ふとウェブを検索すると、虚ろ船は江戸後期に茨城(常陸)の舎利浜に漂着したと言われる円盤!?と言う実在したかもしれないものが元になっているらしい事がわかった。
    当時のことを記した文書は15編も見つかっていてまんざら嘘の話でも無いらしい。
    江戸時代のミステリーを恩田陸ならではのストーリーテリング、一気に恩田ワールドに引き込まれました。
    下巻を読むのが楽しみ。

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    2025年09月08日
  • 酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記

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    恩田陸さんと私の共通点は何か。
    飛行機が苦手なことである。

    旅行は嫌いではないが飛行機が大の苦手な著者が、十何時間も飛行機に乗って海外へ取材旅行へ行くところから始まるエッセイ集。
    実際に飛行機に乗る描写はそこまで多くなく、基本的には現地で見て、感じたことがユーモラスに書かれている。どこに行っても酒を飲み、酒を飲み、酒を飲み、何なら酒を飲むために旅行に出かけている著者の飲みっぷりが気持ちよくて、普段酒を飲まない私でも楽しく読めた。

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    2025年09月07日
  • 終りなき夜に生れつく

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    ネタバレ

    恩田陸氏2017年の作品。『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ作品として位置づけられる。

    なお、本タイトル『終わりなき夜に生れつく』はドレイクの詩からとられたとのことですが、同様にドレイクの詩から、アガサ・クリスティも同タイトルの作品が有ります。

    因みにアガサの原題はEndless Nightとのこと(大分意訳!?)。これに対し、ドレイクの由来する詩は、Some are born to sweet delight, some are born to endless night、とのこと。

    アガサ・クリスティの当作品も読んでみたいですね。

    ・・・
    本作、スピンオフということを知らず、本編を

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    2025年09月07日
  • 酒亭DARKNESS

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    「これはホラーなのか?」と疑問に思う一冊。
    前半の「鈴」までは良かったのだが「見間違い」が原因だったりそもそもただの推測や妄想だったりが大半を占めており微妙

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    2025年09月07日
  • 中庭の出来事

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    ネタバレ

    中庭の出来事

    劇中劇の構成をとった推理小説。
    劇のオーディションと実際の劇、警察での取り調べと劇、入れ子の構造が錯綜していて最後まで惑わせてくれます。
    どこまでが真実でどこまでがフィクションか?
    どこまでが本当の自分でどこからが演じている自分か?
    中庭という外部からの目(観衆)がある場所で、演じることの意味を問いかけているようにも思えます。
    引用しているセリフも有名な劇からのものが多く、演劇に精通していないとちょっとしんどいかもしれません。
    あと、ちょっと冗長な部分も多いかな?
    山本周五郎賞受賞作品なので読んでみましたが、ちょっと上滑りな感じでした。

    竹蔵

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    2025年09月06日
  • 酒亭DARKNESS

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    おちがいまいち分からない内容もあったけど総じて面白かった。
    地方の特徴とかも描かれてて、行きたくなる。
    電車の中で読むには最高だった

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    2025年09月03日
  • 木曜組曲 〈新装版〉

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    ネタバレ

    恩田さんの「ネバーランド」が面白かったのでこちらも読んでみようかと思い立ったのが始まり。
    若干こちらと「ネバーランド」の話の構成が似ている(と、私は感じた)。「ネバーランド」は嘘をひとつ混ぜた打ち明け話と前置きがあったので読み易かった。ただ「木曜組曲」は何が本当で嘘なのかが最後までわからない。下手したら全部嘘。本人の妄想。で、なんだかはっきりせず、モヤモヤしてしまった。

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    2025年09月03日