恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
その場所は常に濡れているようだった。そしてその場所には黒ぐろと水を湛えた堀が毛細血管のように延びていた。張り巡らされた堀は常に人間を監視しているのか? いや 管理しているのか?… 常に身近にある水が ある時意思を持って迫ってくる。その意思は人間にとって良いものなのか?悪いものなのか…?
独特な世界観だった。
多聞さんと協一郎先生には若干回りくどさを感じていたので藍子と高安の存在は有り難かった。
そして結局いったい何を『盗まれた』のか? 時間?体?意識?
正直よく解らない。
─この世の中には説明できないこと、説明しなくてもいいことがあるんじゃないかなって。
ということなのだ -
Posted by ブクログ
不思議な世界を旅した
なんだかふわふわとして
どう結論づけていいのやら
わからない
なんのために人々は盗まれて
なにをされて戻ってきたのか
なにが違うのか
支配されているのなら
地球を侵略するための第一歩として
この「やなくら」が選ばれたのか
あれほどまでに謎を解き明かそうと
していた4人が
この先その意識すら失われていくのだろうか
それとも‥‥
目的のわからない
あやしいものに触れたとき
人ははじめこそ
大騒ぎするが
やがて慣れて取り込まれていく
適応力ということばは
いいことのように使われるけれど
支配されていても気が付かない
今の自分もさまざまなものに
取り込まれて生きてきた
それは -
Posted by ブクログ
ネタバレ注:内容にかなり触れています。
『鈍色幻視行』の感想では、『鈍色幻視行』の登場人物たちと同じ気持ちになれるように『夜果つるところ』を先に読んだ方がいいのでは?と書いた。
が、実際に『夜果つるところ』を読んでみると、先に読むのは『鈍色幻視行』で。
それをよっぽど気に入った人だけが、『夜果つるところ』を読めばいいのかな?と思うようになった。
ただ、恩田陸の小説が好きで。恩田陸の小説はほぼ全部読んでいるみたいな人であれば、『夜果つるところ』を先に読むことで、ファンとしての興を満たせるのかもしれないなーとは思う。
いずれにしても『鈍色幻視行』にある、『夜果つるところ』の抜粋はネタバレにはなっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会に溶け込んだ、不思議な能力を持つ常野一族を描く連作短編。
すべての話が繋がるわけではなくて、結局達磨山のことや、黒い塔がなんだったのかわからないまま終わってしまった感があるけど(あとがきを読むと、達磨山の話とかは別の長編物として考えられていたものらしい。)、最後は良い感じで終わった。岬と美咲はどういう関係なんだろう。一族全員が集って大団円ではなかったけど、色んな境遇の人がいるように、常野一族も色んな境遇のなか暮らしているんだというふうに感じた。
本筋とは異なるところな気がするけど、「草取り」の話ではっとするところがあった。
「この人たちがそれぞれに目的を持ち、やがては自分の部屋に帰るのだと -
Posted by ブクログ
ネタバレ瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げる。容疑は、新作の主演女優候補である3人の女優にかかる。警察は彼女たちに、脚本家の変死をめぐる一人芝居を演じさせようとする。しかし、この「出来事」自体が、それを執筆中の劇作家による戯曲の設定であり、さらにその物語も多重構造を持つ。虚実がめまぐるしく反転する、芝居とミステリが融合した作品。山本周五郎賞受賞作(2007)。
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恩田氏というと青春系、モダンホラー系などありますが(注:勝手なカテゴライズ)、この演劇的な作品も恩田氏の一つの特徴かと思います。
で本作などはまさにドンピシャの作品です。
当初二人の女性が対峙する場面で始まりますが、