恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ常野(とこの)のシリーズの一つ。
恩田陸の作品は、どれも読みやすいのだが、今回、登場人物が多くて、それぞれに抱えているものがあり、それらが少しずつ語られているからなのか、どの人が誰なのかが、ちょっと混乱した。また、思い出が語られることもあり、今、いったい何歳なのか、何年経ったのかがわからなくなった。最終的に、運命の日が来た時、彼らは何歳だったんだろう?
話の始まりから、いずれ物語が戦争に突入するのではないかと感じさせられていたので、もっと、そのあたりが書き込まれるのかと思っていたのだが、そこは少し肩透かし感があった。
とはいえ、全体的に読みやすく、ほのかな哀しみと癒しがあり、良作だった。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレさて、前半から読まれている皆様、お疲れ様です。後半はもう少し読みやすいと思います。
何しろ事件の全貌が見えてきてますからね。
街に隠された歴史とそれを取り巻く人間たち。すこしずつ詳らかになる謎。ここにきてやはり恩田氏の技巧が唸るというものでしょう。
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町の建築に代々携わる謎の建築企業新村グループとそれを統括する老女志津。
その秘密に気づきつつある高校生の和音。
偶然にも和音と同様、亡くなった吾郎の死に不振なものを感じる高校生修平。
こうした人間関係が絡まりつつも物語を展開させます。
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そして何より印象的なのは吾郎の死、ではないでしょうか。
魂が肉体から離れるとどうなるか。