あらすじ
高校時代の友人が亡くなり、映画研究会の同窓生男女5人が葬式帰りに集まった。小宴がはじまり、四方山話に花が咲くが、どこかぎこちない面々。誰かが席を外すと、残りの仲間は、憶測をめぐらし不在の人物について語り合う。やがて話題は、高校時代の不可解な事件へと及んだ……。15年前の事件の真相とは? そしてこの宴の本当の目的は? 著者が初めて挑んだ密室心理サスペンス劇。
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Posted by ブクログ
劇場公開当時、お芝居を見に行った。
キャラメルボックス×恩田陸なんて、
こんな面白そうな物を見逃す手は無いと思ったのだ。
実際見てみて、キャラメルというより恩田色が強く、
場所も六本木で、舞台セットも生演奏も何もかもが異質で
心地よい違和感を抱いて帰路についたことを覚えている。
あの時の印象が、これを読んで鮮やかに蘇った。
非常にぎりぎりのところで書かれていたという裏話も面白かったし
お芝居で見た時も感じた恩田さんの凄まじさが、
活字で読むととまた違った迫力で感じられる。
いきなり雑談にぽんと放り込まれて
わけが分からず引き込まれている内に明かされていく驚愕の事実。
驚きつつもどこにでもありそうな感じがリアリティがあって
肌にざらつく感じが、舞台設定のスタジオの外は嵐というのと相俟って
絡みついてくるのがとても面白い。
Posted by ブクログ
キャラメルボックス2007チャレンジシアターvol.5の為に書かれた、恩田陸の初の戯曲。
男女5人が葬式がえり、喪服でする会話。いない人物の話をする、不在と喪失によって浮き上がる物語。
Posted by ブクログ
恩田陸が、劇団キャラメルボックスのために書いた戯曲です。小説ではありません。
恩田陸は劇中劇を小説の中に入れ子にすることもあるので、そう思って読んでしまうと失敗します。
あくまで戯曲だとわかった上で読まないと理解できなくなる可能性があります。
内容は、密室心理サスペンス劇。
テーマは「人は、その場にいない人の話をする。」
ただね、やっぱり実際に上演されてるのを見たいし、そのほうが良さがわかる気がします。
Posted by ブクログ
あとがきと解説は最初に読んじゃダメな本。
あまり演劇方面は詳しくないのでどうかなーと思ってたのだけど、ドキドキひやっとさせられました。さっすがー!
映像(舞台)でも見てみたい作品。
Posted by ブクログ
これまで恩田さんの作品を幾つか読んできましたが、「舞台にしたら映えるだろうなあ」という作品が幾つかありました。言っても舞台なんて、人生で10回程度しか見たことはありませんが笑
そうしたら、こちら、劇の脚本?を書かれたようです。
・・・
脚本の内容そのものは、実をいうと私は良く分かりませんでした。で、恩田氏本人も「最後まで書いていて面白いかどうかわからなかった」とか書いていました。
・・・
やっぱりちょっと身構えて書いたのかな。
個人的には、舞台に配慮しすぎた(考えすぎた)?ような気がしました。普通の小説だと情景や背景が豊かで、それをイメージするのが面白いですよね。当然の事ながら大道具小道具含め、普通の生活を切り取るかの如くのカットがあるのが小説です。これを演劇に仕上げるってことは、舞台での多くの制約を越えて「創り」あげていくってことで、きっとそこが面白いのだろうなあ、と思います(何度も言いますが、演劇は素人)。
他方、本作は非常にシンプルで閉じた空間で、たった五人の人間の群像劇を繰り返すところはややシンプルに過ぎたかなあ、と思いました。より強く言えば、背景・情景みたいなものが欲しかったなあと感じました。
・・・
寧ろ出色だったのは、脚本作成の過程をしっかりと汲んでいる点ではないでしょうか。
作成のきっかけのエピソード(御多分に漏れず、飲み屋での雑談)をチラシに掲載し、しかもそのチラシが作成された段階ではタイトル意外の中身が作られていない! そして多忙な筆者が(取材)旅行でスケジュールが埋まる中、文字通り「ぎりぎり」のスケジュールで作られ、役者たちとの意見を取り入れられたうえで推敲され、そして公演にまで至るという。
スタイルの確立した大御所であればテレビ番組か何かで脚本の制作過程がクローズアップすることもありましょう。ただし、初めてのトライでかつここまでスケジュールが押したなかで成功したかどうかの確信も持てない中で(謙遜なのでしょうか)舞台裏をあかしてくださるのは、ある意味内情の大盤振る舞いではないでしょうか。
私は純粋に「へー、面白いな」と思いました。そして、また何か舞台やミュージカルを見に行ってみたいなあと思いました。
・・・
ということで恩田氏による書下ろし脚本作品でした。
作品そのものというより、誕生前後から公演終了までひっくるめた叙述が非常に興味深く読めました。
Posted by ブクログ
これ、「戯曲」なんだけど、こういうのってそのまま「台本」になるのかな。何にせよ、この不穏な雰囲気を上手いこと見せてくれるなら、舞台化したのも見たかったなー。けど、けっこう地力のある集団じゃないと、つまんなくなりそう。
Posted by ブクログ
恩田さんの初舞台脚本、らしい。
あとがきよんでキャラメルボックスで上演したとしり、見たかったなあ、と。
劇団は活動停止になったみたいで、寂しいかぎり。
高校の同級生が集まって話している、というだけの話。
だんだんとその関係性とそこにいない人間の姿が浮かび上がってくる。
ちょっと不穏な空気になりはしたものの、決定的な悲劇が起こるわけでなく。
会話を楽しむ、って感じかな。
その奥にあるそれぞれの物語を想像する。
舞台で完成する作品かな。
Posted by ブクログ
高校時代の同級生の葬式に集まった男女五5人をえがいた会話劇です。
強盗に襲われて亡くなったオギワラの仕事や、このタイミングで映画への出演を依頼するタカハシの真意、そして15年前の食中毒事件など、さまざまな謎が絡みあい、登場人物たちが疑念のなかに投げ込まれていきます。
巻末には、開演日が迫るなかで原稿を完成させようとする恩田氏の活動を回顧した「『猫と針』日記」が収められています。
Posted by ブクログ
舞台の脚本。学生時代恩田さんの小説が好きだったので再読してみたけど、この本に関しては舞台を実際に見ないと良さを十分には感じられないかもしれない。ただ「Q&A」とかもそうだけど、会話のみでストーリーを進めていくことが元々得意な方なので、戯曲であってもかなり引き込まれた。回収されない伏線もあるけど、そこは恩田さんならではの不気味さを引き立てていて私は嫌いじゃない。
こういう薄気味悪い話やサスペンスをたくさん書いている恩田さんが、自身が書いている文章で怖くなってしまうことがあることを後半の「日記」で知り、すごく意外で可愛らしい方だと思った。
Posted by ブクログ
小説かと思ったら戯曲だった。登場人物の名前がカタカナなので、最初のうちはどれが誰のセリフかを理解するのに手間取った。いかに普段漢字のイメージに頼ってるのかがわかる。
席を外した人の噂話によって事件があらぬほうへ展開する…すっきりする終わり方ではないけど、一応一件落着。恩田陸カラーもほどほどに出ていて良かった。
Posted by ブクログ
再読。脚本。キャラクターの肉付きが薄い印象があるが、実際に役者が演じると、また違って輪郭がはっきりするんだろうなあ。本編以外のあとがきとか解説が、内幕暴露物で、創作背景を知ることができて楽しいです。恩田さんは鬼のような忙しさの中で書き上げたようですが。特に演出家の書いた解説は恩田さんの特徴的な良さを的確に捉えていて、なぜか最後ホロリとさせます。
Posted by ブクログ
普段解説を読まないのですが、この一冊に限っては読むべきだと声を大にして言いたいですね。
舞台で実際「猫と針」の演出をされた横内さんが内情を暴露していて、人気作家ゆえに原稿が遅れたということ、小説家のすごさがべた褒め。
恩田陸本人の日記も本編以上に面白い。
小説家のエッセイは苦手なので敬遠してきたが、彼女のエッセイは読んでみたくなってきました。
本編は恩田色そのままで、ヒントは与えても決定的な犯人は教えない。曖昧なまま終わるというのが日記に出てきた小説家の戯曲ってことなのかもしれません。
Posted by ブクログ
恩田陸の戯曲。
死んだ友人の葬式に参加した高校時代の同級生5人。タカハシの映画のエキストラとして呼ばれた4人。高校時代に消えたタカハシの八ミリフィルム。フィルムに写った食中毒事件の真相。
Posted by ブクログ
大人が数人限られた空間で、お酒を飲みながらぐだぐだ話しているシチュエーションが大好きです。あっちこっちに脱線しながらも、会話がいつしかあやうい方向へと…みたいな仕掛けに引き込まれます。
Posted by ブクログ
あっという間に読み終わった。映画の『キサラギ』思い出した。名前が平凡すぎて登場人物がこんがらがった。このお話を小説にしたらどうなるのかなあ。面白いかもね。
Posted by ブクログ
台本とは知らずに購入しちゃいました。
タイトルと内容に特に関係無いように感じました。誰が喋ってるかの名前を飛ばして読んでしまうことがあるので、たまに「?」になる部分が…。会話だけなので台詞に重みを感じました。
いない人の話をするというのよくありますよね。仲が良いはずなのにちょっとした言動で疑いを持っていく心理が面白かったです。
ただ真相はよくわかりませんでしたね。芝居で見てみたいです。
Posted by ブクログ
面白かったー。人が喋ってるだけの話書かせたらほんとうにうまいなあ。舞台で見たかった。最後のぶつぎり感とか、うまく演出してれば本当に良いものになってる気がする。
Posted by ブクログ
恩田さんは、最も好きな作家さんと言っても過言ではないけれど、
戯曲というものに慣れていない私には、少し物足りなかったかな。
実際にお芝居を観たら、また違う感想を持つかもしれません。
高校時代の友人5人が、同窓生の葬式帰りに集まり小宴が始まる。
やがて話題は過去の不可解な事件へと及び…というお話。
これを長編サスペンス小説として書いてくれたら!
恩田さんお得意のジャンルじゃないかしら??
最後の「猫と針」日記が一番面白かった。
以前エッセイでも読んだけど、やっぱり飛行機嫌いなのね(笑)
Posted by ブクログ
「人はその場にいない人の話をする」
確かにそうだな。これは読んだあと、犯人は誰かを酒飲みながら討論したくなる。何もかもスッキリしないけど、読んだ人の数だけ犯人だと思う登場人物とその理由が浮かぶんじゃないかなーお芝居でみたらどんな感じだったのだろう。恩田ワールド堪能しました!
Posted by ブクログ
舞台用のものを小説におこしたもの。登場人物それぞれに影があり、ただの世間話をしているだけだがいろいろ謎がでてきて楽しめる。わざと解かない謎もあり、それをうまく余韻として残している
Posted by ブクログ
戯曲。
この本が戯曲であるなんて表紙のどこにも書いてない。
中を見ずに買う私も私だけど
読み始めてびっくりですよ。
密室心理サスペンスを期待したのに
消化不良で終わってしまった。
そして何が謎で何が現実だったのかすらわからずじまい。。
Posted by ブクログ
劇団キャラメルボックスで公演された密室心理サスペンス劇の戯曲化。
恩田さんで密室心理サスペンスものといえば、思い浮かぶのが「木曜組曲」。小説としても完成度が高く、演劇化されてもこちらのほうがスリル度が上に思う。
人は、その場にいない人の話をする。怖いぐらい名言。
Posted by ブクログ
戯曲繋がりで。
こうチェーホフと続けて読むと、なるほど確かに小説家の書く戯曲というかんじ。説明が文章ですべてなされるからかしら。
小説読んでるのとほとんど同じように読めるし、読後感も小説。
というか、以前読んでから数年ぶりに再読し、例によって頭の中で勝手にいろいろ補完して、戯曲だったということすら忘れていた。
もっと後半膨らましてキクチとかも絡めて展開したら、もっと面白いんだろうな。
しかしこれは戯曲。
関係者多数、時間、会場などが所与のハンデ戦。なかなか第一ラウンドとしては善戦したほうか。
演出家が、想像力を掻き立てられて、ぜひ自分のかんじたものとしてカタチにしたい、とか思うような話ではないから、きっと脈々と受け継がれて行くタイプではないのだろう。
どう演出するかが目に浮かぶし、あまり演出の幅に許容量がなく感じる。
後世に残る名作と呼ばれる作品は、やはりもっとぶっきらぼうでつっけんどんなツンデレさんじゃなきゃダメなんだろうなぁ。なんて。
Posted by ブクログ
恩田陸が戯曲に挑んだ。
役者との関わりをもって生まれてきたセリフもあり、一人で完結させる小説とはまた違った味を見せる今作。ただ、ひたひたと感じさせる恐怖感、シリアス感は健在である。
本編後には、日記を元にこの作品が書かれてきた背景を回想するあとがきがある。自分の文に恐怖を感じたり、即興芝居を元に次の場が練られたり、ひたすら書けなくなってしまったりという、生み出す過程を読んでから、また本編を見ると新たな発見がある。
やはり実際に役者が動いているところを見てみないと、把握しきれない部分があるのでどっちつかずのこの点数。
Posted by ブクログ
戯曲。
人は、その場にいない人の話をする。がテーマ。
演劇とか全くわからんが、会話と「セリフ」の違いがしっかり書き分けられていた。
サラッと一時間くらいで読み終えたが、何やら罠がありそうな…
Posted by ブクログ
実際に上演されてるのを見たい!
しぐさとかが出てこないからやっぱりキャラが生きてこない・・・
恩田陸の小説ってわりと演劇っぽいの多いからそんなに差ないだろうな、と思ってた。
この戯曲も小説としてそんな違和感なく読めるし。
でも意外と苦労して書いてるんだなぁ、とあとがき読んで。