恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
祇園祭準備中の京都。梅雨明け前の猛暑日。いやぁ暑そうだ。油照りという言葉を覚えました。炎天と違って爽快感が皆無ですね。
そんな京都をそぞろ歩く男3人。目的は、たどり着いた喫茶店で怪談を語ること。1人が語り終わると、次の喫茶店を目指してまたそぞろ歩き。
これだけ聞くとまるで苦行のようだけど、実に楽しそうだ。会話のテンポや距離感が実に良い。脱力系の漫才のような、ダラダラとしながらも適時に見せるツッコミなど、3人(別の回では4人)の親密さと信頼感が伝わってくる。
語られる怪談のほとんどは恩田さんが見聞きした実話らしい。それだけに、とびきりの怖さはないのだけど「そう言えばこんな話があったよ」と素人がダラダラと喋るしゃべくりのネタとしてはリアリティがあった。
どれが恩田さんの創作かな?とか想像しながら読むのも楽しい。特別不気味だったのは坪庭の指の話だけど、岡野玲子さんの陰陽師に似たエピソードがあった気が、、(調べたけど落ちてたのがホントに指だったかはわかんなかった。)
男4人はそれぞれ味わい深いのだが、特に個性的だった塚崎多聞は『不連続の世界』シリーズの登場人物とのこと。これは読まなきゃだな。面白かったです。 -
Posted by ブクログ
学生時代からの友人たちが各地に集まって珈琲を飲みながら怪談を語る。
それなりの年齢になりそれぞれの生活を営む友人たちが、なんの気張りもなく集まりなにがしか語るという物語の流れがとても心地良く感じた。
怖い話かどうかわからないんだけど、みたいな言葉で始まる怖そうで不思議な話の数々が面白かった。
しかしだんだん主人公の話口調がのび太くんのように優しげな雰囲気に聞こえて来て、また主人公と主宰の2人が音楽関係という一般的な中年の人生を送っていないせいか、中年男性四人組というにはちょっと爽やかで穏やかな、まさに恩田陸の世界線の男性という感じ。
まだみんな大学生みたい。
珈琲の香りは素敵だけど、中年男性の香りは感じなかった。 -
Posted by ブクログ
この本、小説なんだけど、勝手にエッセイと思って読み始めちゃったんだよね。『世の中の「キモチワルイ」をスッキリ整理』っていう帯のワードが目に入ったのと、本屋さんで朝井リョウさんのエッセイ本の隣に並んでいたからそう思い込んでしまったのかも。
実際、出だしはエッセイっぽい感じで始まったのですよ。なのにいきなり主人公についてのナレーション的説明が始まったと思ったら、ずっと主人公の話が続くから戸惑った。あれ?エッセイじゃなかったの?と。
どうやらこれは小説なんだなとやがてわかったけれど、ちょっと変わったスタイルの小説だった。途中で恩田陸さん目線の解説やつぶやきが入ってくるんだよね。
梯結子(かけはしゆいこ)という女性の一生、がテーマらしい。朝ドラ的な小説。
結子の幼い頃からのエピソードが割と淡々と語られていく。面白くないわけではないんだけど、すごく面白いかと言ったらそこまでのめりこめなかったかなー。
結子をあまり好きになれなかったのかもしれない。結子は、日常のちょっと不便なことやうまく回っていない部分を『キモチワルイ』と感じて、それを人が思いつかないような方法で鮮やかに解決したりする。それを特別なこととは思わず、誰でもそうするでしょといった感じで。
努力もしているし、優しい心も持っているし、まったく嫌な人ではないんだけど、なんかね。すごいことをサラッとこなしてしまったり、ブレない自分を持っていたり、人が悩むようなことを悩みに感じなかったり、観察眼はあるのに自分のすごさとか相手の気持ちとかには少し鈍感だったりするところ、ちょっとイヤだなあと思ってしまったんだよね。妬みかな!?
朝ドラの主人公、って割り切って読めば良かったのかも。普通にその辺にいる人のような感じで読んでいたからちょっと癪に障ってしまったのかもなあ。