恩田陸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わってスッキリ、というよりはなんだかもやっとしたまま物語が終わってしまいました。
でも、学生の時にしかない懐かしい輝きを思い出させてくれる、素敵な作品だったと思います。
最初から不気味な雰囲気の沙世子だったけど、まさかそれも誰かに仕組まれていたものだったとは…。
学園祭のシーンはすごくハラハラしました。
サヨコの行事や噂話もこのシーンように皆で作り上げられたものなのかなと思いました。
事実だけ並べると別に繋がりがなくてもおかしくないような。
それぞれ自分に与えられた役の中で、勝手にストーリーを紡いでいく。
誰かがたまに軌道に乗るよう修正する。
少しずつ形を変えながら語り継がれ、循環していく。
はっきりと答えが書かれないからこそ、いろいろと考えてしまう作品でした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2015年発表の恩田陸氏の作品。
作家Kが戯曲『EPITAPH東京』を書きあぐねつつ、東京を歩く、という話。作中、自分を吸血鬼と告白する吉屋の存在があったり、劇中劇があったり、恩田氏が志向してきたファクターが結構詰まっていると思います。ただこれ、一般受けはしなさそうというのが個人的見解。クセのある作風じゃないかと。
・・・
細かく分かれた章が20超連なります。殆どが作家Kの視点です。幾つかは吉屋の視点。
恩田氏は本当に想像力というか発想力がすごくて、おそらくKというのはご自身なのですが、一つの話を喋っていてそれを形容する言葉や類似の名詞などが出てくると、〇〇といえば、という風にどんどんと話が膨らみ、そして流れてゆくのです。
なんというか、女性二人で大盛り上がりするとすごい盛り上がりと合いの手で、話題がどんどん展開するのってありますよね。あれを一人でやるようなイメージでしょうか。
個人的にはそうした思考の展開の描写はいま一つ好みではなく、そういう意味では相性は良くなかったかもしれません。
他方、東京の街に潜む謎や歴史みたいなものに節々で触れ、オカルトチックな話や背景の説明みたいな箇所はモダンホラー的な作品も書く恩田氏ならでは、でしょうか。一瞬だけ『帝都物語』を想起しました。
・・・
あと、戯曲を書きあぐねる作家が主人公ということで、劇中劇がありましたね。
女性が6人で営む殺し屋という設定でしたが、個人的にはそちらの展開が気になりました。
・・・
ということで、久しぶりの恩田氏作品でした。
数えてみると読んだのはこれで40作品目でした。読むほうも読むほうだけど、まあ多産な作家さんですね。私は初期の青春系のテイストの小説が好きなのですが、最近あたるのは(まだ読んでいなかったのは)戯曲系が多い印象ですね。
ゆっくり残りの作品も読み進めます。