恩田陸のレビュー一覧

  • ネクロポリス 上

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    読み始めは独特な世界観に慣れず、読み辛さを感じてしまったが、後半は一気に恩田陸の世界に引き込まれた。ファンタジーでありながら現実味も帯びていて、不思議な感覚。文章から想像する世界は、自分でも驚くほど壮大な世界となった。下巻も楽しみ!

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    2024年03月29日
  • まひるの月を追いかけて

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    最後にわかる一人の女の正体。倫理的に軽蔑する。最悪。

    佐野史郎氏が解説を書いていますが、まさかこの人選にヒントがあるとは。

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    2024年03月24日
  • 七月に流れる花/八月は冷たい城

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    少女たちの淋しいひと夏。恩田陸ワールド全開。全体を通してなんだか薄暗い静謐な描写の中で、あまり派手に描かれない少女たちの内面が、揺れ動くのを静かに感じることができる。

    “皆慣れていて料理も上手だった”という何気なーーーーい描写が、明らかになる結末の伏線になっているってどうして思うか、、、


    対する少年側。
    少女たち側に比べるとかなり不気味でグロテスク。不穏な空気。それが土塀を挟んでわずかに少女側へ伝染していく瞬間も。

    予告編に当たるらしい、みどりおとこの短編集読んでからきて良かったです


    久しぶりに味わった恩田陸のゴシックミステリー、、、読んで良かったです

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    2024年03月21日
  • 消滅 VANISHING POINT (下)

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    いよいよ真相にせまってくる中盤以降、登場人物の視点をかえてお互いに推理しあう展開は面白く読めた。本作の着地点(オチ)については著者があとがきで述べているように「近未来物」の難しさを感じざるを得ない。このテーマで今書かれたものなら2024年に芥川賞をとった「東京都同情塔」のようなところにもっと踏み込んだような気がする。このテーマは2015年当時の科学技術とその一般的な認識において、まだまだ今日的なテーマとして提示できるものではなかったように思うので、これは仕方がないことだと思う。気づいてくれる人があまりいなくて残念と、著者があとがきで種明かしした登場人物たちのネーミングは、あざといくらいだったの

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    2024年03月21日
  • 消滅 VANISHING POINT (上)

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    フーダニットのミステリなのか、サスペンスなのか、SFなのか、思考実験なのか、何がやりたいのかがよくわからないので、飽きずに読むことはできるが落ち着かない気持ちで読んでいた。空間描写の抽象性、口をぱくぱくした、という描写などに星新一風の文体を感じたのでふと思ったが、これがショートショートだったらミステリやサスペンスにしては弛緩した雰囲気とユーモラスな登場人物たちの台詞にも納得がいく感じだった。

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    2024年03月21日
  • 薔薇のなかの蛇

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    この理瀬シリーズのゴシックミステリの世界観はやっぱり好き。
    けど、大学生になった理瀬がどんな成長を遂げたのか、どんな力を身に付けたのかをもっと知りたかったなと思った。
    そうじゃないと、皆んな理瀬の事を凄い凄いって言うのが過大評価みたいに感じちゃう。

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    2024年03月19日
  • スキマワラシ

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    ネタバレ

    恩田陸作品特有の少しホラー要素のあるファンタジーな世界観が良かった!

    散多の「アレ」の能力やスキマワラシの正体、なぜハナちゃんを探していたのか、ジローとナットの謎などなど・・・読み終えても気になることだらけ(笑)

    気になりすぎて考察してる人のブログなどを探していたときに、ある方が散多の能力は常野物語シリーズに関係しているのかも!という内容を書いていて、おっ!っとなりました。
    実際はどうかはわかりませんが、考察するところも恩田陸作品の楽しみという事で・・・。

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    2024年03月19日
  • 朝日のようにさわやかに

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    「水晶の夜、翡翠の朝」
    ヨハンの後日談?スピンオフ?を読み返しにきました。そしてまた『麦の海に沈む果実』読もっかなって。
    「ご案内」高圧的注文の多い~
    「あなたと夜と音楽と」ラジオパーソナリティ
    「冷凍みかん」グロい蜜柑、スーパーボールみたいなものを想像します
    「赤い毬」これは…暗示されているものは…月経や妊娠??
    「深夜の食欲」疑心暗鬼のホテルのボーイ、深夜のルームサービス
    「いいわけ」
    「一千一秒殺人事件」
    さらっと“鈍色(にびいろ)”が登場して、このあと読むつもりの新作が思い浮かぶ。ずっと大好きな作者ですが、こういう言葉の選び方がとても好きです。
    箱庭を眺める擬人化された星、、、最近アン

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    2024年03月17日
  • puzzle(パズル)

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    ネタバレ

    2000年に発表されたちょっと古めの作品。幻想系スリラーとでも言った恩田氏らしい作品。

    ・・・
    とある無人島で発見された3つの遺体。餓死、感電死、溺死とそれぞれ違う死因。3人の遺体に関連はあるのか。二人の刑事がこの疑問に取り組むが最後の結末は・・・。

    ・・・
    基本ストーリは無人島で捜査する二人の刑事の掛け合いに終始します。その中でさまよえるオランダ人の伝承の解釈であったり、片方の刑事が高校時に属していたオカルト研究会の話であったりが挿入され、次第に状況が明らかになってきます。

    因みにこの無人島を探すさまは、何となく長崎の軍艦島を想起させます。数十年前に打ち捨てられ、朽ちた住宅地。その人な

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    2024年03月11日
  • きのうの世界(下)

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    いくつかあった疑問や謎ははっきり解決されないもやもやした感じだが、嫌いではない。事件の真実が誰の悪意もなくてよかった。

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    2024年03月08日
  • 不連続の世界

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    ネタバレ

    最後以外はどの短編も面白かった。最後が無ければ3.5点だったと思う。

    あまり覚えていないが、前作でこの主人公の多聞という人物が嫌いだったような記憶がある。だから本作を読むのを先延ばししていたような感じがしている。
    本作の他の短編では、そのイヤな部分を感じることが無く、むしろ好感を持っていただけに最後の話で主体性が無く無意味に弱い部分(=おそらく前作で嫌った部分)がオチに出てきており、この主人公の出てくる作品は二度と読まないと決めた。
    流されて生きている(しかし他の短編ではかなり感性が鋭く感じる)男が現実を1年以上も受け入れられずにバカみたいにしているのは到底受け入れられない。

    最後の短編の

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    2024年03月04日
  • 薔薇のなかの蛇

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    シリーズものと知りませんでした!笑
    ですが、シリーズものと知らなくても楽しめます。

    ブラックローズと呼ばれる館のパーティに招待されるリセ。そこに集まっていたのはブラックローズの主人であるオズワルドとその華麗なる一族。
    パーティでは一族に伝わる聖杯が披露されるという
    また、同時期に近くの村で起こる猟期的殺人。
    この二つの出来事が交差して…!!
    といった内容でした。

    私だけかもしれませんが、恩田陸先生の書かれる話しはどの著書も読み進める程に面白さが増し、ラストシーンは怒涛の展開で、ページを捲る手が止まらなくなることが多いです。
    薔薇のなかの蛇も例に漏れず、ページを捲るたびに面白さが増していき、

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    2024年03月02日
  • 錆びた太陽

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    ネタバレ

    恩田陸さんの想像力が爆発している作品でした。まさかゾンビ物とは驚きです。
    徳子の本当の目的は本当に合歓の木を見に来たことだったのか?湯川博士にはなぜ意識が残ったままだったのか?今後のごみ箱計画、制限区域の行く末は?シンコと水越一家の関係は?
    などなど、かなりの謎を残したままエンディングを迎えてしまい、かなり置いてきぼり感のある読後感でした。とはいえ、徳子やボスやデンカといったキャラクターはみんな魅力的で、読んでいる間はスピード感のある映画を見ているような感覚で非常に楽しめました。

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    2024年02月29日
  • 私と踊って

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    すごいいろいろな短編たち。どれも不穏な雰囲気が漂う、ような。
    猫が好きなので、猫が出てくる話が好きです。

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    2024年02月20日
  • スキマワラシ

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    恩田さんらしい作品。
    ひっぱってひっぱって…えっ、そうなの?
    それだけ?という展開。
    面白いけど…ちょっと物足りない。

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    2024年02月20日
  • 図書室の海

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    久しぶりの再読。色んな小説のスピンオフを合わせたような短編集なので、これだけ読むとよくわからないかも。六番目の小夜子を読み返したくなりました。

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    2024年02月11日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    非日常で密室に近い豪華寝台列車で、身近な関係ながらも普段は気付けない気持ちに反応する、それは旅ならではなことなのだろうと感じました。

    「はて、ななつ星はいくらくらいなのだろう」とインターネットで調べてみたら、私の予想よりゼロが一つ多くて、目を剥くほどでした。

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    2024年02月09日
  • 日曜日は青い蜥蜴

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    ネタバレ

    恩田陸さんによる本や映画のエッセイ集。

    ここ最近、女性作家さんのエッセイ集を続けて読みました。
    テーマがあるものなので一概には言えませんが、作家さんって本を読むのが本当に好きなんですね。
    読書を糧に新しい本を作るのでしょうか。

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    2024年02月04日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    アンソロジー。

    『思い出の館のショウシツ』はやみねかおる
    『麦の海に浮かぶ檻』恩田 陸
    『QED~ortus~―鬼神の社―』高田崇史
    『時の舘のエトワール』綾崎 隼
    『首無舘の殺人』白井智之
    『囚人館の惨劇』井上真偽

    麦の海シリーズの入っているというので読みました。
    当時の謎の一部がわかったので、満足です。
    QEDシリーズは、蘊蓄が楽しかった。
    囚人館は、やられましたぁ~(^◇^;)

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    2024年02月04日
  • いのちのパレード 新装版

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    伝説のシリーズ「異色作家短篇集」にインスパイアされたという短編集。確かに色んな異色作家を思わせる短編が並んでいて、今ではほとんどが大御所のシリーズに含まれる作家さんだけでなく、今造られたら入りそうな人、例えばアグラム・デヴィッドスンやウィル・セルフあたりまで連想した。ただ、これぞ「異色作家短篇集」というような、最後の一行でドンと落とすような作が含まれていないのは残念かな。

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    2024年02月02日